ハンガリー国立美術館(ハンガリー語: Magyar Nemzeti Galéria)とは、1957年に設立された、ハンガリーの国立美術館であり、首都ブダペストのブダ地区にあるブダ城内に位置している。その収蔵する分野は、ハンガリー美術全体に及び、19世紀から20世紀にかけてパリ等の西欧で活躍したハンガリー美術家の物も多く含まれている。
国立美術館は中世、ルネサンス、ゴシック、バロック、ルネサンス期ハンガリー美術の作品を収蔵している。その中には15世紀の木製祭壇も存在する[1]。
その展示の中にはアレクシー・カーロイ(ドイツ語版)、マウリス・アスカロン(英語版)、ボルショシュ・ミクローシュ(英語版)、ドナース・ギュラ(英語版)、ファドルス・ヤーノシュ、フェレンツィ・ベーニ(英語版)、フェレンツィ・イシュトヴァーン(英語版)、イジョー・ミクローシュ(英語版)等のマジャル人彫刻家の作品が見られる。また、ブラッシャイやマルトン・エルヴィン(英語版)等の画家、写真家の物も収められている。美術家ではムンカーチ・ミハーイやパアール・ラースローの物が収められている[1]。その他、マルコー・カーロイ、ボルショシュ・ヨージェフ(英語版)、バラバーシュ・ミクローシュ、セーケイ・ベルタラン、ロッツ・カーロイ、シニェイ・メルシェ・パール、 チョーク・イシュトヴァーン(英語版)、イヴァーニ=グリュンヴァルト・ベーラ、チョントヴァーリ・コストカ・ティヴァダル、リップル・ローナイ・ヨージェフ、フェレンツィ・カーロイ等の作品も収蔵されている。
2008年、ブダペスト国立西洋美術館のバアーン・ラースローは展示物が似ている国立美術館と西洋美術館の合併を提案した。両者とルートヴィヒ美術館は20世紀の海外居住のハンガリー美術家の作品の展示に特化している[2]。その後、彼は1800万ユーロを西洋美術館の拡大に投資し、市内に散在したコレクションを統合させようとしたが、2011年2月に拒否された。そして、バアーンは政府に1億5000万ユーロを以て新しい建物を二棟作る計画を提出した。そのうち一つは現代欧州美術、もう一つはハンガリーの写真の棟にし、2017年に完成する予定となっている[3]。
2011年11月、文化国務長官のセーチ・ゲーザ(英語版)はアンドラーシ通り沿いと西洋美術館、ブダペスト市立美術館(英語版)附近に新しい建物を作る計画を公式に示した。この建物には当美術館の収蔵物が収蔵される予定である[4]。この計画は大通り全体を用いる物で、博物館地区(英語版)計画と呼ばれる[5]。
同年12月初頭、2010年から館長を務め、合併に反対であるターク・フェレンツはこの過程に対し、「甚だしく素人的であり、非民主主義で短絡」と発言、2011年末限りで館長職を辞する意向を表明した[6]。2012年3月5日時点では新しい館長は選ばれておらず、代理としてセーチ・ジェルジが務めている[7]。
東経19度02分23秒 / 北緯47.49611度 東経19.03972度 / 47.49611; 19.03972