ブラックフライデー (買い物)

アメリカ発祥の安売り日、毎年11月の第4木曜日の翌日となる金曜日

ブラックフライデー英語: Black Friday)とは、感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日の金曜日のことである。小売店などで大規模な安売りが実施される。

ブラックフライデー
ブラックフライデー
ブラックフライデー前日深夜開店前から店の前にできた行列と、開店と同時に駆け込む客(2013年)
正式名称ブラックフライデー
挙行者伝統的[1]
アメリカ合衆国
その他
オーストラリアカナダイギリスアイルランドリヒテンシュタインドイツポーランドイタリアギリシャニュージーランドインドノルウェースウェーデンフランススペインブラジルメキシコ、その他世界各地に広がっている。
日付感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日の金曜日
2023年11月24日
2024年11月29日
行事買い物
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アメリカ合衆国では感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日は正式の休暇日ではないが休暇になることが多く、ブラックフライデー当日は感謝祭プレゼントの売れ残り一掃セール日にもなっている。買い物客が殺到して小売店が繁盛することで知られ、特にアメリカの小売業界では1年で最も売り上げを見込める日とされている[2][3]。また、年末商戦の幕開けを告げるイベントでもある[3][4]

日本語では黒字の金曜日とも訳される[2][3][4]

アメリカ

1961年ごろから、フィラデルフィアで始まり、1975年にはかなり広まった比較的新しい言葉で、当日は買い物客で道路が混むことからそう呼ばれている。名付けたのはフィラデルフィアの警察で、人が外に溢れて仕事が増えるために「真っ暗な金曜日」と呼んだことがきっかけとされる。当初、小売店などはこの言葉に不快感を示して「ビッグフライデー」という言葉を作ったが、一般には「ブラックフライデー」で広まった。その後、フィラデルフィアの新聞が「小売業者が儲かり黒字になる」という解釈を発表してからは、良い意味で使われるようになった[5]。「ブラックマンデー」(1987年の世界的株価大暴落の開始日)などという言葉との連想で使われている。

日本

日本でも11月は年末商戦を控えて売り上げが伸び悩むため、消費喚起を狙って、ブラックフライデーのセールが開催されるようになった。2014年玩具量販店日本トイザらスがブラックフライデーのセールを開催[6]したものが日本で最初とされている[7]2015年には衣料品小売のGAP[8]や自転車用品のバイチャリ[9]も開催した。2016年3月には日本経済団体連合会会長(当時)の榊原定征石原伸晃経済財政・再生相との会談で、政府主導による個人消費喚起策としての「日本版ブラックフライデー」の導入を提起したことで認知度は高まり[10][11]、同年には流通大手のイオン[2][12]が開催し、日本でも根付き始めた[13]

ECサイトでは、ブラックフライデーではなくサイバーマンデーが先行して上陸した。2008年頃には冬ボーナス支給日後の日曜日にECサイトの売り上げが急増する傾向が自然と発生していた。楽天市場はこの動きを日本版サイバーマンデーと呼び、この時期に「ボーナスサンデーナイト」キャンペーンを実施するようになった[14]。サイバーマンデーの呼称は2012年にアマゾンジャパンが12月の第2月曜日をサイバーマンデーとして日本記念日協会に登録し、この時期に「サイバーマンデー」を冠したセールを開始した。ブラックフライデーの呼称を使ったセールは、2014年に貝印が自社オンラインストアで開催していち早く日本での市場を創出し[15][16][17]、2015年からはQoo10[18]、2016年には家電量販店ノジマのノジマオンライン[19]2017年には楽天市場[20]2019年にはアマゾンジャパンもサイバーマンデーと併用して[21]、と開催企業は年々増えている。なお、日本ではブラックフライデーに吸収される形でサイバーマンデーという呼称自体は徐々に使われないようになった[22][23]

なお、ノジマは「日本で初めてブラックフライデーセールを始めた」と自称している[24]が、前述のとおりノジマが始める以前から開始している企業も複数ある。

日本の場合、感謝祭に類似する祝日である勤労感謝の日11月23日)にあわせて[25]、あるいは冬物ニーズが高まる二十四節気の一つ・小雪11月21日頃)にあわせて[26]実施されることが多く、アメリカの「ブラックフライデー」より1週間程度早いことが多い。

日本には感謝祭の習慣がなくアメリカに比べ盛り上がりが限定的との声もあり、「年末需要の先食いになるだけ」との意見もある[27][28]

イギリス

イギリスでは、クリスマス翌日から行われる一斉セール、ボクシング・デーという年末商戦があるが、イギリス国内でも約1か月早く始まるブラックフライデーが浸透しつつあり、2019年のボクシング・デー商戦が不振に終わった理由の一つとして挙げられるようになった[29]

脚注

関連項目

外部リンク