アレクサンダー・ヴォルカノフスキー

アレクサンダー・ヴォルカノフスキーAlexander Volkanovski1988年9月29日 - )は、オーストラリア男性総合格闘家ニューサウスウェールズ州ウロンゴン出身。シティ・キックボクシング/タイガームエタイ/フリースタイル・ファイティングジム所属。元UFC世界フェザー級王者。UFC世界フェザー級ランキング1位UFCパウンド・フォー・パウンド・ランキング7位アレックス・ボルカノフスキーとも表記される。

アレクサンダー・ヴォルカノフスキー
メディアインタビューにて (2018年)
本名アレクサンダー・ヴォルカノフスキー
(Alexander Volkanovski)
生年月日 (1988-09-29) 1988年9月29日(35歳)
出身地オーストラリアの旗 オーストラリア
ニューサウスウェールズ州ウロンゴン
通称ザ・グレート
(The Great、大王)
ヴォルク
(Volk)
居住オーストラリアの旗 オーストラリア
ニューサウスウェールズ州ウロンゴン
国籍オーストラリアの旗 オーストラリア
身長167.6 cm (5 ft 6 in)
体重65.8 kg (145 lb)
階級ウェルター級 (2012年 - 2013年)
ライト級 (2014年、2016年、2023年)
フェザー級 (2014年 - )
リーチ181.6 cm (71 in)
スタイルレスリング
キックボクシング
スタンスオーソドックス
拠点オーストラリアの旗 オーストラリア
ニューサウスウェールズ州ウィンダン
チームシティ・キックボクシング
タイガームエタイ
バンタオ・ムエタイ&MMA
フリースタイル・ファイティングジム
ランクブラジリアン柔術 (黒帯)
現役期間2012年 -
総合格闘技記録
試合数30
勝利26
ノックアウト13
タップアウト3
判定10
敗戦4
ノックアウト3
判定1
プロボクシング記録
試合数1
勝利1
敗戦0
その他
子供3人
ウェブサイトhttps://alexanderthegreatvolkanovski.com/
総合格闘技記録 - SHERDOG
ボクシング記録 - BoxRec
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アレクサンダー・ヴォルカノフスキー
YouTube
チャンネル
活動期間2019年12月14日 -
登録者数39,3万人
総再生回数44,055,092回
チャンネル登録者数・総再生回数は
2024年2月時点。
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来歴

マケドニア人の父とギリシャ人の母の間に生まれた。幼少期からグレコローマンレスリングを始め、12歳でオーストラリア王者に輝いたが、14歳からはラグビーへ転向し、グループ7ラグビーリーグで2010年にリーグ最優秀選手に選ばれるなど、所属するワリラレイク・サウス・ゴリラズのフロントローとして活躍した[1]

総合格闘技

少年時代からペイ・パー・ビューを購入したり、VHSをレンタルしてUFC観戦をしており、2011年からコンディション管理のために総合格闘技を始めたことがきっかけで、ラグビーを辞めて総合格闘家に転向することを決意し、2012年にプロ総合格闘技デビューした[2]

2015年6月14日、AFC 13のAFCフェザー級タイトルマッチで王者ジェイムズ・ビショップに挑戦し、パウンドで1RTKO勝ち。王座獲得に成功した[3]

2015年12月4日、PXC 50のPXCフェザー級タイトルマッチで王者矢地祐介に挑戦し、三角絞めで4R一本勝ち[4]。王座獲得に成功した。

2016年5月19日、AFC 15のAFCフェザー級タイトルマッチで挑戦者ジェイミー・ムラーキーと対戦し、右フックで1RKO勝ち。王座の初防衛に成功した[5]

UFC

2016年11月26日、UFC初出場となったUFC Fight Night: Whittaker vs. Brunsonで粕谷優介と対戦し、2RにパウンドでTKO勝ち[6]

2017年6月11日、UFC Fight Night: Lewis vs. Hunt廣田瑞人と対戦し、1Rに右フックでダウンを奪い、3-0の判定勝ち[7]

2018年7月14日、UFC Fight Night: dos Santos vs. Ivanovでフェザー級ランキング10位のダレン・エルキンスと対戦し、1Rに右フックで2度のダウンを奪い、3-0の判定勝ち[8]

2018年12月29日、UFC 232でフェザー級ランキング5位のチャド・メンデスと対戦し、2Rに左フックでダウンを奪われたものの、すぐに立て直して右フックで2RTKO勝ち。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[9]

2019年5月11日、UFC 237でフェザー級ランキング1位の元UFC世界フェザー級王者ジョゼ・アルドと対戦し、3-0の判定勝ち[10]

UFC世界王座獲得

2019年12月14日、UFC 245のUFC世界フェザー級タイトルマッチで王者マックス・ホロウェイに挑戦。パンチのコンビネーションとローキックで試合のペースを掴んで3-0の5R判定勝ち。UFC世界ミドル級王者のロバート・ウィテカーに次ぐオーストラリア人史上2人目(オーストラリア出身者としては初)となるUFC王座獲得に成功した[11]

2020年7月11日、UFC 251のUFC世界フェザー級タイトルマッチでフェザー級ランキング1位の挑戦者マックス・ホロウェイとダイレクトリマッチを行い、2-1の5R判定勝ち。王座の初防衛に成功した[12]。試合後にホロウェイの勝利を支持する声が多数挙がるが、合計有効打数やテイクダウン数ではヴォルカノフスキーがホロウェイを上回り、ラウンド毎の有効打数でも1R以外はヴォルカノフスキーがホロウェイを上回る結果となった[13]

2021年3月27日、UFC 260のUFC世界フェザー級タイトルマッチでフェザー級ランキング2位の挑戦者ブライアン・オルテガと対戦予定であったが、ヴォルカノフスキーが大会1週間前に新型コロナウイルスに感染したため中止となった[14]

2021年4月2日、リアリティ番組The Ultimate Fighter」のシーズン29でブライアン・オルテガと共にそれぞれのチームのコーチを務めた[15]

2021年9月25日、UFC 266のUFC世界フェザー級タイトルマッチでフェザー級ランキング2位の挑戦者ブライアン・オルテガと対戦。3Rにギロチンチョークと三角絞めを極められるピンチを凌ぎ、スタンド、グラウンド共に終始優勢に立って3-0の5R判定勝ち。2度目の王座防衛に成功し、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[16]。また、この試合はESPNから2021年のファイト・オブ・ザ・イヤーに選出された[17]

2022年4月9日、UFC 273のUFC世界フェザー級タイトルマッチでフェザー級ランキング4位の挑戦者ジョン・チャンソンと対戦。何度も打撃を効かせ、3R終盤に右ストレートでダウンを奪いパウンドでストップ寸前まで追い込むなど終始圧倒し、4R序盤にスタンドパンチ連打でTKO勝ち。3度目の王座防衛に成功し、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した[18]

2022年7月2日、UFC 276のUFC世界フェザー級タイトルマッチでフェザー級ランキング1位の挑戦者マックス・ホロウェイとラバーマッチを行い、スタンドの攻防で終始圧倒して3-0の5R判定勝ち。4度目の王座防衛に成功した[19][20]。試合後、ヴォルカノフスキーは2Rの時点で左手の親指を骨折したことを明かし、7月8日に手術を受けた[21]

2023年2月11日、UFC 284のUFC世界ライト級タイトルマッチで1階級上のUFC世界ライト級王者イスラム・マカチェフに挑戦。一進一退の打撃戦を繰り広げ、5R終盤に右ストレートでダウンを奪いパウンドで攻勢に立つなど善戦するも、僅差で0-3(47-48、47-48、46-49)の5R判定負け。ライト級王座獲得と二階級制覇に失敗するも、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。また、この試合は2023年のUFCファイト・オブ・ザ・イヤーを受賞した[22]

2023年7月8日、UFC 290のUFC世界フェザー級王座統一戦で暫定王者ヤイール・ロドリゲスと対戦。グラウンドで終始圧倒し、3Rに右ミドルキックを放ったロドリゲスにカウンターの右フックをあわせ、効かせた直後にテイクダウンを奪いパウンドでTKO勝ち。王座統一に成功するとともに5度目の王座防衛に成功した[23]

2023年10月21日、UFC 294のUFC世界ライト級タイトルマッチで1階級上のUFC世界ライト級王者イスラム・マカチェフに再挑戦し、テンプルへかすめた左ハイキックでダウンを奪われ追撃のパウンドで1RKO負け。ライト級王座獲得と二階級制覇に失敗した[24]。当初はチャールズ・オリベイラがマカチェフに挑戦予定であったが、オリベイラが負傷欠場したため、ジャスティン・ゲイジーが代役出場をオファーされるがゲイジーの減量が間に合わなかったことで、大会11日前のオファーを受けたヴォルカノフスキーとの再戦に変更された[25]

UFC世界王座陥落

2024年2月17日、UFC 298のUFC世界フェザー級タイトルマッチでフェザー級ランキング3位の挑戦者イリア・トプリアと対戦し、右フックでダウンを奪われパウンドで2RKO負け。王座から陥落し、フェザー級における初黒星となった[26]

ファイトスタイル

強烈なローキックと的確に相手を捉えるパワフルな右のオーバーハンドフックのカウンターを得意としている。また、身長168cmと小柄ながら181cmの長いリーチとラグビーで培った強靭なフィジカルを持ち、テイクダウンからのグラウンド&パウンドの能力にも優れている。さらに、手数を休めることなくフルラウンドを戦い抜く豊富なスタミナと、ダウンを奪われてもすぐに立て直すリカバリー能力を持つ。

人物・エピソード

  • 近年はジョゼ・アルドと並んで「フェザー級史上最高の選手」と評価されることが多く、ファンや関係者の間では既にアルドを超えたとする意見も多い[27][28][29]。ヴォルカノフスキー自身は2022年9月にアルドについて「彼が今まで格闘技で成し遂げてきた功績を考えれば、未だに彼がフェザー級史上最高の選手だと思う」と語っている[30]
  • ニックネームの「ザ・グレート」(The Great、大王)は、マケドニア人の父とギリシャ人の母との間に生まれたため、アレクサンドロス3世(Alexander The Great)と自身の名をかけて付けられたもの[31]
  • ラグビー選手時代の体重は97kgだったが、格闘家に転向してから徐々にウエイトを落とし、2015年以降は65.8kgリミットのフェザー級を主戦場としている[1]
  • 既婚者であり、3人の娘がいる。

戦績

総合格闘技

総合格闘技 戦績
30 試合(T)KO一本判定その他引き分け無効試合
2613310000
43010
勝敗対戦相手試合結果大会名開催年月日
×イリア・トプリア2R 3:32 KO(右フック→パウンド)UFC 298: Volkanovski vs. Topuria
【UFC世界フェザー級タイトルマッチ】
2024年2月17日
×イスラム・マカチェフ1R 3:06 KO(左ハイキック→パウンド)UFC 294: Makhachev vs. Volkanovski 2
【UFC世界ライト級タイトルマッチ】
2023年10月21日
ヤイール・ロドリゲス3R 4:19 TKO(パウンド)UFC 290: Volkanovski vs. Rodríguez
【UFC世界フェザー級王座統一戦】
2023年7月8日
×イスラム・マカチェフ5分5R終了 判定0-3UFC 284: Makhachev vs. Volkanovski
【UFC世界ライト級タイトルマッチ】
2023年2月11日
マックス・ホロウェイ5分5R終了 判定3-0UFC 276: Adesanya vs. Cannonier
【UFC世界フェザー級タイトルマッチ】
2022年7月2日
ジョン・チャンソン4R 0:45 TKO(スタンドパンチ連打)UFC 273: Volkanovski vs. The Korean Zombie
【UFC世界フェザー級タイトルマッチ】
2022年4月9日
ブライアン・オルテガ5分5R終了 判定3-0UFC 266: Volkanovski vs. Ortega
【UFC世界フェザー級タイトルマッチ】
2021年9月25日
マックス・ホロウェイ5分5R終了 判定2-1UFC 251: Usman vs. Masvidal
【UFC世界フェザー級タイトルマッチ】
2020年7月11日
マックス・ホロウェイ5分5R終了 判定3-0UFC 245: Usman vs. Covington
【UFC世界フェザー級タイトルマッチ】
2019年12月14日
ジョゼ・アルド5分3R終了 判定3-0UFC 237: Namajunas vs. Andrade2019年5月11日
チャド・メンデス2R 4:14 TKO(右フック→パウンド)UFC 232: Jones vs. Gustafsson 22018年12月29日
ダレン・エルキンス5分3R終了 判定3-0UFC Fight Night: dos Santos vs. Ivanov2018年7月14日
ジェレミー・ケネディ2R 4:57 TKO(パウンド)UFC 221: Romero vs. Rockhold2018年2月11日
シェーン・ヤング5分3R終了 判定3-0UFC Fight Night: Werdum vs. Tybura2017年11月19日
廣田瑞人5分3R終了 判定3-0UFC Fight Night: Lewis vs. Hunt2017年6月11日
粕谷優介2R 2:06 TKO(パウンド)UFC Fight Night: Whittaker vs. Brunson2016年11月26日
ジャイ・ブラッドニー1R TKO(パンチ連打)Wollongong Wars 4
【Wollongong Warsライト級タイトルマッチ】
2016年7月8日
ジェイミー・ムラーキー1R 3:23 KO(右フック)AFC 15
【AFCフェザー級タイトルマッチ】
2016年5月19日
矢地祐介4R 3:43 三角絞めPXC 50
【PXCフェザー級タイトルマッチ】
2015年12月4日
ジェームス・ビショップ1R 1:39 TKO(パウンド)AFC 13
【AFCフェザー級タイトルマッチ】
2015年6月14日
デイビッド・バット2R 1:52 TKO(パンチ連打)Wollongong Wars 22014年11月1日
カイル・レイエス5分3R終了 判定3-0PXC 452014年10月24日
ジャイ・ブラッドニー1R 4:58 リアネイキドチョークRoshambo MMA 3
【RoshamboMMAライト級タイトルマッチ】
2014年7月26日
ホドルフォ・マルケス1R 3:41 KO(パンチ)AFC 92014年5月17日
グレッグ・アッツォーリ1R ギロチンチョークRoshambo MMA 2
【RoshamboMMAライト級タイトルマッチ】
2014年2月1日
ルーク・カトゥビッグ3R 4:39 TKO(パンチ連打)AFC 72013年12月14日
×コーリー・ネルソン3R 0:13 TKO(右アッパー→パウンド)[映像 1]AFC 5
【ウェルター級トーナメント準々決勝】
2013年5月10日
アントン・ザフィア4R 2:19 TKO(パンチ連打)Roshambo MMA 1
【RoshamboMMAウェルター級タイトルマッチ】
2013年4月17日
リーガン・ウィルソン1R 2:49 TKO(パウンド)Cage Conquest 2
【CageConquestウェルター級タイトルマッチ】
2013年2月23日
ゲルハルト・フォークト5分3R終了 判定3-0Revolution at the Roxy2012年5月19日

ボクシング

プロボクシング 戦績
1 試合(T)KO判定その他引き分け無効試合
101000
0000
日付勝敗時間内容対戦相手国籍備考
12015年4月17日4R判定3-0ディロン・バルジェロ オーストラリア
テンプレート

獲得タイトル

  • 第5代UFC世界フェザー級王座(2019年)
  • Cage Conquestウェルター級王座(2013年)
  • Roshambo MMAウェルター級王座(2013年)
  • Roshambo MMAライト級王座(2014年)
  • AFCフェザー級王座(2015年)
  • PXCフェザー級王座(2015年)
  • Wollongong Warsライト級王座(2016年)

表彰

  • UFC
    • UFC ファイト・オブ・ザ・ナイト(3回)
    • UFC パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト(1回)
    • ファイト・オブ・ザ・イヤー(2023年/イスラム・マカチェフ戦)
  • ESPN ファイト・オブ・ザ・イヤー(2021年/ブライアン・オルテガ戦)
  • World MMA Awards
    • ファイター・オブ・ザ・イヤー(2022年)
    • インターナショナル・ファイター・オブ・ザ・イヤー(2022年)
    • アップセット・オブ・ザ・イヤー(2019-2020年/マックス・ホロウェイ戦)
  • BT Sport ファイター・オブ・ザ・イヤー(2022年)

脚注

出典

映像資料

関連項目

外部リンク

前王者
マックス・ホロウェイ
第5代UFC世界フェザー級王者

2019年12月14日 - 2024年2月17日

次王者
イリア・トプリア