石丸 伸二 いしまる しんじ | |
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内閣府地方創生推進室より公表された肖像 | |
生年月日 | (1982-08-12) 1982年8月12日(41歳) |
出生地 | 日本 広島県高田郡吉田町 (現:安芸高田市) |
出身校 | 京都大学経済学部 |
前職 | 三菱UFJ銀行行員 |
所属政党 | 無所属 |
当選回数 | 1回 |
在任期間 | 2020年8月9日 - 現職(2024年6月9日付で辞職予定[1]) |
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石丸 伸二(いしまる しんじ、1982年〈昭和57年〉8月12日[2] - )は、日本の政治家。第4代広島県安芸高田市長(1期目)。全国青年市長会所属[3]。三矢の訓協議会 副会長[4]。
広島県高田郡吉田町(現:安芸高田市)生まれ。吉田町立吉田小学校、吉田町立吉田中学校、広島県立祇園北高等学校(16期生)を経て、京都大学経済学部へ進学[5][6]。2006年、同大学経済学部卒業後[7]、三菱東京UFJ銀行に入行[6]。姫路支店に配属[8]。2014年[7][9]、為替アナリスト[7]として三菱東京UFJ銀行子会社MUFGユニオンバンク[要出典]初代ニューヨーク駐在として赴任し、以後は4年半にわたってアメリカ大陸の主要9か国25都市で活動[6]。2020年7月、同行を退職[10]。
2020年7月3日、第3代広島県安芸高田市長の児玉浩が前年の参院選広島県選挙区をめぐり、衆議院議員の河井克行から現金計60万円を受け取ったことの責任をとり市長を辞職し[11][12][13][14]、7月5日には副市長の竹本峰昭が児玉の辞職に伴う市長選挙に立候補する意向を固めたことを地元新聞社が報道する[15]。
これらを受けて「他に立候補を表明している者はいない」と伝えるニュースを知った石丸は7月7日、立候補を決断した。東京で仕事をしていた石丸は「無投票で市長に選出されそうだな。」と思うも、その直後に「無投票にさせないためには自分が出ればいいと思って飛んで帰った」という[16]。
翌7月8日に退職願を出した[5](7月8日は在宅勤務で、「退職します」と会社に連絡を入れた[7])。
7月22日、正式に出馬表明した[17]。
石丸の公約は、『「この先も世界で一番住みたい」と思えるまちへ』[6]
同年8月9日に行われた市長選挙で竹本との一騎打ちを制し8,076票(得票率60.18%)を得て、対抗馬の前副市長に2,732票差で初当選した[18][19][20]。同年8月9日、第4代安芸高田市長に就任[10]。
※当日有権者数:23,696人 最終投票率:56.98%(前回比:pts)
候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧別 | 得票数 | 得票率 | 推薦・支持 |
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石丸伸二 | 37 | 無所属 | 新 | 8,076票 | 60.18% | |
竹本峰昭 | 66 | 無所属 | 新 | 5,344票 | 39.82% |
2023年11月30日には2024年8月の任期満了に伴う安芸高田市長選挙に、新人男性(元・郵便局長、旧高宮町職員)が広島県庁で記者会見して立候補を表明したことを受け、石丸は「続けるとも続けないともまだ決めていない。選挙の日の1か月前ぐらい前は検討するかもしれないと思っている」と語った[21][22][23]。
石丸は2024年5月10日午後の臨時記者会見で[24]、任期満了に伴う7月の安芸高田市長選に不出馬を表明した[25][26][27]。安芸高田市長退任後も既存政党に所属せず政治家を続ける意向で[28]、広島県内外の全ての選挙が対象とした[29]。7月の東京都知事選挙への立候補を問われると「前向きに検討する」と語り[30]、「国政選挙に出馬する可能性は低いが、この先の選挙全てが選択肢だ」とも説明した[31][32]。石丸は、衆議院の解散総選挙がある場合、広島1区で出馬する可能性があると述べ[33]、その場合は、市長任期満了日よりも早く辞めることになる。同日の中国新聞の取材に、安芸高田市議会議長の大下正幸は「市長の判断なのでコメントは控えたい」と述べた[34]。同市議の山本優は「対議会で注目は集めたが、政治への関心とは別物。まちづくりの政策は見えなかった」と評した[34]。同市議の南沢克彦は「財政の課題を多くの市民と共有できたのは評価できる」「これだけ話題になったので、市民の審判を仰いでほしかった」とした[34]。
2024年5月20日夕方[35]、石丸は安芸高田市議会議長宛てに、6月9日付けで市長を辞職するとの「退職申出書」を提出した[36][37][38]。翌5月21日、議長の大下正幸が市長の石丸の辞職を安芸高田市選挙管理委員会に通知した[1]。
2024年5月22日、広島県安芸高田市選挙管理委員会は、石丸の市長辞職に伴う市長選の日程を6月30日告示、7月7日投開票と決めた[39][40]。
2024年5月16日、石丸は東京都内で行われたセミナー「Climber(クライマーズ)2024[41][42]」(主催:eight・テレビ東京・GOETHE[41])で東京都知事選挙(2024年6月20日告示、7月7日投開票)に出馬する意向を表明した[43][44]。
同年5月17日、広島市内で記者会見を開いて東京都知事選の立候補を正式に表明し、「やらないといけないことがある。地方の衰退、これを止めるという作業だ」と動機を語り、無所属・政党推薦なしで出馬することも明らかにした[45][46][47]。
石丸はこれら出馬会見動画は自身の許可なくネット等にフルでアップすることは認めないとし既にアップされたものがあれば削除するようポストしたが、ネット、メディア等からはこれらは公開の政治上のもので著作権法上石丸がそのような要求をすることはできない、言論弾圧との批判の声があがった[48]。
しかし著作権は配信者にあり石丸市長の個人チャンネル「まるチャンネル」にはフル転載禁止と記載がある。[49]またニコニコ生配信をフルで流した配信者がいたが著作権はドワンゴにある[50]
石丸は2020年9月の所信表明の基本方針において、財政健全化と行政改革を掲げ、市政において「政治再建」「都市開発」「産業創出」の3つを政策の柱とし、「世界で一番住みたいと思える街」を目指し推進してきた。[51]
2023年10月12日には市長任期が残り1年を切った中で、就任時に掲げた政治再建に関し「ほぼ達成した」との見解を、市議会定例会で議員の一般質問に答えて示した。[52]
2023年10月22日 市民に対し行われた市の『財政説明会』では日本の少子化問題について、自ら市民に安芸高田市の財政状況とともにこの先20年〜50年先の未来における人口減少に伴う日本の危機について説明を行った。↵参加した市民は「『20年〜50年先がこうなる』今までこんなこと言ってくれたのは(石丸)市長だけじゃ。今まで市長になったものでこんな説明をしたものは一人もおりゃあせん。今までの市長はいい加減なことをしておったということ。先を見てやるような方でないとこの安芸高田市は続かないということ」と涙ながらに語っていた。[53]
実際の財政状況としては、就任以前の2016年度から2020年度決算までは実質単年度収支は赤字となっていったが、2021年度決算では黒字、2022年度決算では再び赤字に転じている[54][55][56]。同様の収支推移は近隣の同規模の自治体(庄原市や大竹市)でも見られ、2021年度、2022年度はコロナ禍にかかる支援措置の影響で一時的に黒字と赤字に転じたのみである[54]。
2020年10月、元市長が2017年に開始した田んぼアート事業を、事業採算の見通しが立たないことなどを理由に中止した[57]。
2021年2月、行政が関与し男女の結婚を後押しする婚活事業を、当年度限りで打ち切りを決めた[58]。安芸高田市では、同事業を開始した2009年からの12年間で計約4,600万円をかけ、59組が結婚に至っていた[58]。
中止の理由として石丸は「行政が関わることで結婚しないといけない、子どもを持たなくてはいけないという強迫観念が助長されかねない」と指摘[58]。「異性婚を前提とし、LGBTの方々への配慮も欠いている。今の時代では公共性が損なわれている」と述べ[58]、X(旧Twitter)においては以下の3つを挙げ、最も重要なのは3番目の理由であると述べた[59]。
市議会において「強迫観念の助長について、そのような事実があるか」と問われた際には「助長しないと断言する理由を探すのが難しい。事実、私はそのように思っている」と答えた[60]。毎日新聞の取材に対しては、子どもの権利保障や経済支援を充実させるべきであり、結婚奨励は必ずしも少子化対策にならず、多様性の流れに逆行し時代錯誤との持論を述べた[61]。
2023年度の予算編成の際に、安芸高田市観光協会が800万円もの繰越金を保有していたため[要出典]、同協会への補助金を半減する方針となった[62]。協会は2023年3月に解散、事業は市が引き継ぐことになった。無印良品出店については#無印良品出店計画の専決処分と否決を参照。
安芸高田市公共施設等総合管理計画を改定し、公共施設の廃止計画を作成した[63]。これに従い、八千代の丘美術館[64]や吉田老人福祉センター[65]が廃止、あるいは廃止予定となった[63]。
2022年11月28日、石丸は生徒数の減少を理由に、市内にある6校ある公立中学校を1校に統合する方向で、保護者に説明していく意向を表明[要出典]。市は2校に統合しても、統合してから6年後にはクラス替えが難しくなる見通しであるとして、1校に統合して生徒数を確保しながら新たな校舎を建てる方向で検討を進めたいとしているが、保護者を対象にしたアンケートでは、校数については2校が4割と最も多く、3校案と1校案がそれぞれ3割と意見が割れている[66][67]。
2024年4月1日、希望者を対象とした宣誓及びパートナーシップ宣誓受領証等の交付を開始した[69]。制度趣旨としては性別等に関わらず、日常生活において協力し合うことを約束した二人がパートナーシップの関係にあることを宣誓できる制度である[69]。なお従来の婚姻制度とは異なり法律上の効果はなく、誰もが安心して暮らせるよう安芸高田市が応援する制度として導入したものである[69]
市長記者会見、および市の広報紙「広報あきたかた」において、地元メディアである中国新聞・中国放送(RCC)に対し、「偏向報道」「取材不足」「印象操作」などと度々批判している[70][71][72][73][74][75]。特に、2023年7月の記者会見での中国新聞とのやりとりは多くの反響を呼んだが[70][71]、これらのメディア批判について石丸は、注目を集めるために意図的に行なったと語っている[76]。
市や市議会が公開する市長記者会見や市議会一般質問のYouTube映像を使った動画が、ネット上に多数投稿されていることについて、著作権は市に帰属するとしながらも、「知名度が高まるのは莫大なメリット」と強調し、許容した。市公式チャンネルの動画再生回数の伸びを踏まえ、広告で収益を図るとした[77]。
2024年1月18日、安芸高田市YouTube公式チャンネルの登録者数が20万人を突破し、自治体のYouTube公式チャンネルとして全国最多となった[78]。安芸高田市が記録更新するまでは、神戸市の登録者数が19万人あまりで最も多かったが、それを抜いて安芸高田市が日本一となった[78]。石丸によると「YouTubeの市公式チャンネルで毎月200万円の広告収入が市の歳入として入るようになった」という[16]。2024年5月、YouTubeから銀の盾が届いた[79]。
また、タイトル・テロップで市議やメディアへの攻撃を煽る非公式の切り抜き動画が収益を目的として多数制作された[80][81]。こうした動画の拡散によって石丸の熱烈な支持者が生まれたが[82]、一方で切り抜き動画で石丸に批判された市議やメディアに対する批判が過激化し、「殺すぞ」のような電話、いたずらでの生命保険の申し込み、注文していない品物の着払い配達など、一部の者によって正当な抗議を超えた誹謗中傷や嫌がらせが行われた[82][81]。2024年2月には安芸高田市議に対してSNS上で脅迫を行い、被疑者が検挙される事態にまでなった。[83][84][85]その他にも身の危険を感じた市議が議会の一般質問を取り下げる事態にもなった[81]。
こうした過激な攻撃について、石丸は「誹謗(ひぼう)中傷や度を越したものは、それをした人の責任」とし[77]、切り抜き動画そのものについては「その責任を切り抜き動画にまで求めるのは、遡及しすぎじゃないか」と考えを述べている[86]。
安芸高田市における石丸(市長)と議会との対立は「通常の自治体では起こりえない極度の対立関係」等、しばしばメディア等で言及されている[87][88][89][90]。石丸は取材等で「対立は二元代表制のあるべき姿であり、対立するからこそ対話や議論が生まれる」「市の知名度を高めるため」として議会との対立を正当化している[91][92]。一方で全面対立は市政の停滞を招くとする評価もある[93]。
2020年9月25日、石丸はTwitter上で、一般質問で市議の1人がいびきをかいて寝ていたと投稿した[94]。これに対し、指摘された市議は取材に「一過性の脳梗塞で意識を喪失していた。居眠りではない」と反論している[95]。
30日に石丸は、市議15人全員が出席した非公開の市議会全員協議会に呼ばれて、Twitterへの投稿の意図について説明を求められた[要出典]。翌日に石丸は、この日の全協について「数名から、議会の批判をするな、選挙前に騒ぐな、事情を補足してやれ、敵に回すなら政策に反対するぞ、と説得?恫喝?あり」とTwitter上に改めて投稿[94][96]。その後に石丸は恫喝した市議として一人を名指しして説明を求めた。名指しされた市議は「恫喝と受け取られたのなら大変残念。私としては優しい言葉で議会の現状を伝えたつもり。言葉足らずで誤解を生んだ」と釈明[96]。石丸は「政策をしっかり見ていこうという同志がいるとの認識に改める」と応じた[96]。
その後、恫喝したとして名指しした市議からの名誉棄損訴訟に発展する。詳細はSNSでの「恫喝」投稿を参照。
10月30日に市議会は石丸が一部の市議から恫喝されたと主張している問題を受け、恫喝はなかったとする答弁書を提出[97]。答弁書の内容では「恫喝は発言内容にかかわらず、受けた側が感じた時点で恫喝なるとの認識が必要との意見があった」一方で[要出典]、正副議長は全市議に事実関係を聞き取り、最終的には「恫喝はなかった」と結論づけた。これに石丸は納得せず、翌31日に「国語のテストなら0点」などとTwitter上で問題点を指摘した上で[要出典]批判した[98]。
2021年1月19日に開かれた全協では、石丸は市議会が恫喝はなかったとの結論をまとめた回答書についての確認や、議会運営に関する内容などを述べる予定であったが、議会側は会議規則で定める議案の審査などに関わる協議や調整に該当しないとしてこれを認めず、石丸は途中退席した[99]。2月18日の全協では、司会の副議長を除く15人中6人が、何らかの形で石丸の考えを聞く場を設けるべきであるとの意思を示し、同26日、石丸は翌月の市議会一般質問では、この6人に対してのみ答弁するとの考えを示し、議会側が反発した[100]。
3月4日の市議会では石丸が「後ほど文書で回答する」などの答弁を繰り返し、議会が中断するなど混乱した。その後石丸は議長と面談し、恫喝の問題と一般質問は分けて考えるよう求められ、5日に石丸は応じないとしてきた一部の市議との答弁に応じるなど態度を軟化させ、「全ての責任は私(議長)にある」と陳謝した[101]。
2022年6月10日、自身が提出した議員定数半減条例(後述)が議会で否決された石丸は「居眠りする。一般質問をしない。説明責任を果たさない。恥を知れと声が上がってもおかしくない」と改めて議会を批判[102]。その後も石丸は2020年9月に居眠りをしていたとされる市議について、議会が混乱した原因と名指しした上で「当人は『病気が原因となる意識の喪失』と釈明していますが、判然としないため問い質すと、議会は説明を拒み、今に至ります。説明責任を果たすのは、政治家の何より大事な仕事です」とtwitter(現X)に投稿した[103]。
これを受けて2022年6月30日に市議側も会見を開き、衆目公開の席であらためて「居眠りではなく、軽い脳梗塞を引き起こしたと診断された」と説明。議長を通して石丸にも診断書を提出していたことを明かした[103]。これに対し石丸は、当時の議長から受け取ったことは認めた一方で、本人からの提出ではなく個人情報が含まれるので、中身を確認せずにシュレッダーにかけたと話し、「それぞれが主張するだけだと、永遠にかみ合わないどっちが事実か。自分の都合のいいことだけを言って、説明責任を果たすことがゆるされるのであれば、政治家は苦労しない」と主張した[103][104][105]。その後は同市議のもとには市長の熱狂的支持者とみられる者からの、様々な嫌がらせやネット上での誹謗中傷が続き体調をさらに崩すこととなり、また同様な嫌がらせは多くの他の市議のもとにもあったという[106]。2024年1月30日三次市内の病院で死去した[107]。死因は公表されていない。
2021年1月4日、市は副市長の全国公募を開始(締め切りは1月31日)した[108]。市は、4月就任予定で任期4年[109]、月額給与70万円[109]、年収約1,200万円[108]を提示した[109]。2回の面接などを経て内定を出すこととなった[109]。
同年2月1日、市は目標の4倍以上となる4,115人から応募があったと発表した[110][111][112]。首都圏や関西圏、広島県内を中心に[110]、北海道から沖縄まで全国各地[109]から応募があり、海外在住者からもあった[110]。業種、職歴は、製造業や商社、官公庁、マスコミ関係者[110]、コンサルタント[109]など多岐にわたった[110][109]。
同年3月1日、全国から公募した2人目の副市長に、東京都の団体職員の女性を内定したと発表した[113]。
定例市議会(2月24日 - 3月17日)に副市長の人事案を追加提案したが[114]、3月10日、同人事案は、議長を除く賛成7、反対8の1票差で否決された(1回目)[115]。選任案をめぐっては、否決を受けて結成された市民グループが、石丸や市議から経緯を聞く市民対象の意見交換会を開いたり、選任案が再提案された場合に賛成するよう市議に求める署名を集めたりする動きが出た[116]。
同年6月2日、石丸が副市長選任案を再提案するために招集した臨時会で[116]、副市長選任案は賛成5、反対10で2度目の否決となった[117]。
同年6月29日、市議会は、2度否決している公募副市長の人事案について、地方自治法に基づき「議決に法令違反があった」とする石丸の求めに応じ、再議(審議のやり直し)を行い[118]、1対14の大差で3度目の否決となった[118]。
石丸は市議会議長を通じて全員協議会での意見聴取を繰り返し求めたが、すでに討論を経て否決されていることから議会側は拒否し、回答書を石丸へ通知した[119][120]。7月27日の4者会議(市長・副市長、正副議長が出席する会議)において、石丸は回答書について「国語力がない」「国語が理解できる方にお越しいただくようお願いする」と切り捨て、議長はこれを会議の拒絶と受け取り「理解できない」「そういう市長の意向であれば今後来られない」として、以降4者会議は打ち切られた[119][120]。
2022年3月7日、市議会は本会議を開き、副市長の定数を2人から1人に減らす条例改正案を賛成多数で可決し[121]、安芸高田市の副市長の定数は1人になり[122]、石丸が提案した人物の副市長就任は不可能となった。
2022年5月24日、石丸は同6月10日開会予定の安芸高田市議会定例会で、現在16の安芸高田市議会議員定数を半数の8にする条例改正案を提出する意向を示した[123]。同年3月に市議会が副市長定数削減の条例改正案を可決し、石丸の目玉人事を封じたことから、石丸は市議会議員半減の条例改正案を提出することにしたが、議会側は2020年にも定数を2削減しており、石丸の定数半減案に対しては、「定数は議会の根幹。半減すれば、市民の声が反映されなくなる」と猛反発した[124]。石丸は「(副市長定数の削減時に)何が起きていたのか、何が問題だったのかを周知できると思い提案したというのも狙いとしてある」とも説明した[125]。
同年6月10日、石丸が条例改正案を議会に提出した。石丸は提案理由について副市長の定数減の際の理由が財政健全化であったことや、「居眠りをする、一般質問をしない、説明責任を果たさない。こんな議員はいらないという声を多く聞く」として、半減により競争が生まれて議員の質が高まるなどと主張したが、同日の採択では、賛成1、反対14の大差で否決された[126][127][128][129][130][131]。石丸は採決後、「子供のけんかという評価はその通りだと思う。ただなぜそれが起きたかを知ってほしい」と、原因は議会側の姿勢にあると改めて主張[126]。市側から議員定数削減が提案されるのは異例のことであり[131]、識者からも「そもそも市長が議員定数の削減を提案すること自体が二元代表制の趣旨に反する」(関東学院大学法学部准教授・牧瀬稔(自治体政策学))などの疑問の声が上がった[126]。
8月末に市は市民の声を施策に生かす「市民モニター制度」(98人)を使い、全市議16人の評価を問うたアンケート結果を公表。石丸は議員定数の半減理由の補足として実施したと説明した[132]。9月12日の定例市議会の一般質問では議員から「市の施策の評価や要望を聞くという目的から完全に外れている」などの指摘を受けた。これに対し石丸は、「市民のニーズを把握し、市が今後行っていく施策に生かす目的で聞いている。当然、市という中には議会も含まれている。市民のニーズは議員に対する評価にほかならない」と反論し、アンケートの有効性を強調した[133]。
2022年9月17日から19日の3連休中に、大型台風が中国地方に接近する中で、石丸は18日に千葉県で開催されたトライアスロン大会に参加していた[134]。
なお台風前日には安芸高田市に戻っている[要出典]。
2022年12月の安芸高田市議会において、市議が消防庁発行の『市町村長による危機管理の要諦』から「市長村長が全責任を負う覚悟を持って陣頭指揮を執る」[135]等の記述を挙げて台風接近中の遠方外出を問題視した[134][136]。副市長は「3連休中の市長の動きについては把握していなかった」と答弁し、幹部が市長の外出先や目的を把握していなかったことが明らかになった[134][136]。また、権限代行者が定められていなかったのではないかという市議の質問に対し、石丸は安芸高田市職務権限規程に定められていると答弁[134][出典無効]、「事前の臨時幹部会議においてあらゆる想定をして機械的に実行しており、随時情報を共有していたため、代行は立てる必要がない」と反論、さらに大会参加のスケジュールについて詳細に調べ質疑する議員に対し「公務外であり、プライベートの詮索」「はっきり言ってキモイ」と批判した[134][136]。
石丸は、議会答弁において消防庁発行の『市町村長による危機管理の要諦』[135]については知らなかったとしつつも、「その内容については恐らく理解できている」「その場に行けという指示ではなく情報を共有し、意思決定できるようにしないというのが助言の趣旨のはず」と反論し、市議の批判に対して「あまりにも短絡的」と指摘した[136]。
翌年2023年9月に、赤字から黒字化された[要出典]一般会計決算が市議会によって不認定とされたが[137]、台風接近中のトライアスロン大会への参加によって、市民に不安と不信を与えたという決算とは無関係な理由が挙げられた[138]。また、市の臨時記者会見において、石丸は「注目を集めるため敢えて台風接近中に遠方へ外出した」と意図的な行動であったと説明した[139][140]。
2023年第1回安芸高田市議会3月定例会において、石丸は市議より選挙時公約と今後の具体的政策について問われた際、石丸の言を左右にして回答しない態度や政策をやらなくてもいいならそのほうが楽だからいいとの発言に対し、市議は「市長は市民の代表」だからと述べて、市民のために回答するようあらためて要求した[142][141]。(参照:「#選挙時の公約の内容と残り在任期間の政策について」)
ところが石丸は、寧ろこの発言を捉えて「市長は市の代表ですが、市民の代表は議員の皆さん」との議論を始め出し、「違うよ」との野次を受けた[142][141]。この野次に対し石丸は、いや違わない、そうやって書いてあるしそう定義されている、じゃないと二元代表制が成り立たないと返した[142][141]。実際には、有権者選挙で選ばれた大統領・自治体長のような首長と議会がそれぞれ市民の代表となるとするのが二元代表制の観念である[143][144]。
その上で石丸は、議員はそれぞれが民意を反映する立場として市民の代表として集まっているはずと指摘し、違うと言うならバッジを外して出ていってくださいと続けた。相手市議は「何を言いよるんですか」と抗議し、これに議長も「ただいまの市長の発言はよくないふうに思う」と同意した[142]。
2023年4月27日付で、市と生活雑貨大手「無印良品」を展開する良品計画は、出店や地域資源を活用した商品開発、移住などの相談窓口設置などで連携する協定を協定を締結[145]。市内の「道の駅 三矢の里あきたかた」に無印良品の店舗を開き、地域資源を活用した商品開発などを進める計画であった[要出典]。4月28日、市は改修の設計費などの関連予算450万円を、議会の議決を通さずに専決処分した[146]。専決処分の理由として、市は12月開業を目指す良品計画のスケジュールから逆算したためとした[146]。一方で事前説明がなかったことについて、良品計画は「情報の取り扱いや事前説明について当社から要望したことはない」としている[146]。
専決処分や事前説明の不足に議会側が反発し、議会側は専決処分を承認せずに、施設改修費3300万円を盛り込んだ当年度の一般会計補正予算案についても、改修費分を削減した修正案を提出した[145]。6月16日の本会議では議員から「独断と専行を許すわけにはいかない」「今回の企業誘致を議会の判断でさえぎれば、今後、誘致にのる企業が現れるか危惧している」といった賛否両論の意見が出たが、賛成多数で修正案が可決され、同年12月に予定していた出店が見通せない状況となった[147][148]。
6月24日、市は道の駅への良品計画の出店計画に関する市民モニターへのアンケート(6月21-26日)結果を公表した[149]。市議会が関連予算を削除後に実施。無印良品出店が市の将来のために必要かを尋ねたのに対し、「そう思う」は59・7%(43人)、(予算を削除した)議会判断が市民の声を反映しているかの問いでは、「そう思わない」が59・7%(43人)、という結果でたった[149]。石丸は「(出店への市民の)期待が大きかった。議会は真摯に受け止めていただきたい」と指摘し、大下正幸議長は「既に議決された議会の判断について、市民モニターに問うのはおかしい。議会軽視だ。議員各自が市民への説明を果たしていく」と反論した[149]。6月29日に議会で「行政手続きをないがしろにした」として石丸に対する問責決議案が賛成多数で可決された[150]。不信任決議案も提出されていたが、こちらは反対多数で否決された。石丸は「不信任決議案が可決されれば市民に議会への信を問うことができた。反対した議員は自分の議席を失いたくないからで、権力の私物化だ」と一部議員の対応を批判した[151][152]。
安芸高田市議会は「事前説明が無かっていたこと」を理由として修正予算案を否決、実質的に無印良品の出店は頓挫した[要出典]。石丸市長は否決した市議会に対し「市が発展する可能性を示しましたが、その可能性を潰したのが議会です。この烙印は安芸高田市の禍根として、将来明らかに渡なって残ります。」と痛烈に批判した[要出典]。
安芸高田市議会が発行する広報紙「議会だより」について、石丸は内容に度重なる「虚偽がある」として「議会だより」発行にかかる経費およそ150万円の計上を拒否し、「記述は要約であり虚偽ではない」とする市議会と対立した[153][154]。
石丸は、2022年9月の市議会一般質問において国・県への陳情要望活動について問われた際、件数を挙げて市長交代前より増加傾向にあることを示しつつ県議会議長や議長への会議以外での面会は適宜適切に実施している答弁した。「議会だより」ではこの一連の答弁について「それなりにやっている」と記述したが、これについて石丸は虚偽であると批判した[153][155][154][156][157]。
経緯は以下の通り。
SNSで石丸が話題となった2023年8月以降、ふるさと納税寄付額は、2023年8月度は前年同月を1,354万円超える2,091万円となり、大幅に前年同月を超える現象が起きた[要出典]。安芸高田市の2022年度ふるさと納税寄付額約2億円に対して、2023年9月のふるさと納税寄付額は前年同月比10倍となる約1億円を超えた[168]。これは1ヶ月で前年度のふるさと納税寄付額の約半分にあたる[168]。10月にはXの安芸高田市公式アカウントで「臨時の財源があれば安芸高田市の教育分野への投資を増やせるので、是非ともご支援をお願いします」とふるさと納税を呼び掛けている[168]。
2023年10月10日、Xの安芸高田市公式アカウントで、安芸高田市ふるさと納税史上初の体験型返礼品「石丸市長との昼休み」の応募を開始し、開始3分で売り切れ[168]、東京、横浜、大阪から安芸高田市を訪れ石丸と昼休みを過ごした[169]。今後、市は第2弾の体験型返礼品の提供を検討している[168]。
2023年11月、ふるさと納税返礼品の限定品として、サンフレッチェ広島が優勝した2022年のルヴァンカップ決勝で登場し話題になった、通常サイズの約3倍の高さ約80cmを誇る通称「デカサンチェ」が限定40個で登場した[170][171]。
2024年1月10日、30人の市民でつくる「安芸高田市政刷新ネットワーク」が、「恫喝」発言を巡る訴訟で、石丸の市議に対する名誉毀損を認定した一審広島地裁判決などを踏まえ、市政を混乱させたとして、石丸に市長辞職を求める要求書を安芸高田市に提出した[172][173][174][175][176]。
2024年1月22日、定例記者会見で石丸は、「論ずるに値しない事案だ。一部の政治活動をしている団体がそうしたことを主張している。それ以上でもそれ以下でもない」と語った[177]。
まず、大前提ですが、世界で一番住みたいと思えるまちとは何ぞや。この答えがまだ思いついていない方が多いんではないかなと心配をしています。そのものずばりの答えは申し上げていません。しかし、いろんなヒントは出してきました。具体的なものもあれば、直接的なもの、間接的なところもあります。例えば、住みやすいではなく、住みたいだと。そして、住みたいまちじゃなくて、住みたいと思えるまちだと。 それに関連してですが、細かなところであらゆる施策を展開しています。これらをよくよく観察すれば、おのずと答えは分かるんではないかなと期待をしています。 ただ、目をつむって、耳をふさいでは、その真理に到達できないので、ぜひとも、しっかりとあるがままを受け入れていただきたいなと思う次第です。
今後1年半で何をするのかという、かなり大きな問いがありましたので私も大きめにお答えをしてみたいと思います。この2年半の延長です。一言で言えば、片付け。就任直後の一般質問で私はお片付けだとお伝えしました。私の中では、あまり語彙が豊かではないほうなんですが、その語彙力の中で最大限上品な言葉を選んだつもりです。ぱっと思いついたのはもっと辛辣な言葉でした。が、そうはいっても議場ですので、お片付けだとお伝えをした次第です。 ですので、残りの1年半においても、基本的には、将来世代にもつけは払わさないで済むように、問題を先送りしないで済むように、しっかりと持続可能な行財政、その形を構築したいと考えています。
ただ、この片付け、非常に苦労します。汗もかけば、手足も汚れます。できればやりたくないです。昨日お伝えしましたが、いわゆるサードレールだからです。うかつに触れば感電してしまう。ですので、もし議員の皆さんの思いとして、議会の総意として、もう現状維持でいいと。このまんまでいいと言ってくれるなら私はどれだけ楽になるのかと思いますので、これまでいいよと、強く思うの方はぜひ、その声を名前とともに上げていただきたいと思うばかりです。
市議からの「今後取る施策について」の質問に対し、「この2年半の延長。一言で言えば『片付け』。就任直後の一般質問で私はお片付けだとお伝えしました。私の中では最大限上品な言葉を選んだつもりです。ぱっと思いついたのはもっと辛辣な言葉でした。[要出典]
が、残りの1年半においても、基本的には、将来世代にもつけは払わさないで済むように、問題を先送りしないで済むように、しっかりと持続可能な行財政、その形を構築したいと考えています。 」と回答した。[181]。
石丸は、Twitterに「数名の市議から恫喝を受けた」とする趣旨で投稿し、後日メディアの前で一人の市議(以後Aとする)を名指しした。市議選を目前に控えたAは、根拠のない誹謗中傷で名誉を傷つけられ政治活動を妨害されたとして提訴した。広島地裁は(公務中の行為であったと認定し、石丸個人でなく)市に対して33万円の賠償を命じた[205][206]。
経緯は以下の通り。