オガラバナ

オガラバナ(麻幹花[3]学名: Acer ukurunduense)はムクロジ科カエデ属[注 1]落葉小高木。高山に見られるカエデの一種で、同じ株に両性花と雄花が出る雄性同株[4]。別名、ホザキカエデ[4][5]。和名の由来は、樹木が麻幹(おがら:皮をはいだ麻の茎のこと)のように柔らかいことからオガラバナ、花穂が直立することからホザキカエデとも呼ばれる[4]中国名は、花楷槭[1]

オガラバナ
オガラバナ(北海道斜里岳・2007年7月)
分類
:植物界 Plantae
:被子植物門 Magnoliophyta
:双子葉植物綱 Magnoliopsida
:ムクロジ目 Sapindales
:ムクロジ科 Aceraceae
:カエデ属 Acer
:オガラバナ A. ukurunduense
学名
Acer ukurunduense Trautv. et C.A.Mey. (1856)[1]
シノニム
和名
オガラバナ(麻幹花)

分布と生育環境

日本では北海道本州中部地方以北と四国に分布し[4]山地または亜高山帯の林縁に生育する[5]アジアでは、東シベリア樺太南千島中国東北部朝鮮に分布する。一般に、ミネカエデと共に、一般に亜高山帯の森林限界付近で見られる[3]。北海道では標高200 - 300メートル (m) の樹林でも見られる[3]

特徴

落葉広葉樹小高木[3]。樹高は3メートル (m) から10 mに達する[3]。冬芽の鱗片は2-3対ある。今年には黄褐色の短毛が密生する。

は長さ4 - 8センチメートル (cm) の葉柄をもって対生する。葉身は長さ、幅ともに6 - 13 cm、掌状に5 - 7浅裂・中裂し、裂片の先端は鋭くとがり、基部は浅心形から切形になり、縁には欠刻状の鋸歯がある[5]。葉の表面は全体に短毛が散生し、裏面の脈上に淡褐色の短軟毛が生え、裏面全体に灰白色の軟毛が密生する[3]。秋には紅葉し、ややくすんだ橙色から赤色に紅葉する[3]。一般に森林限界付近で見られる紅葉したカエデで、葉の表面にシワがあり赤色系であれば本種、葉の表面がすべすべして黄色系であればミネカエデである[3]

花期は初夏(6 - 8月)。花序は穂状で目立ち[3]、長さ10 - 20 cmの円柱形の複総状花序を有花枝の先端に直立させる。は花序に100 - 200個つき、黄緑色になる。花弁萼片は5個、雄蕊は8個ある。子房には細軟毛があり、2分する花柱は外曲する。果期は9 - 10月。果実翼果で2個の分果からなり、分果の長さは1.5 - 2 cmになる。

ギャラリー

下位分類

  • ウスゲオガラバナ Acer ukurunduense Trautv. et C.A.Mey. f. pilosum (Nakai) Nakai ex H.Hara -葉裏の毛が少なく、葉脈のみに短毛があるもの。

脚注

注釈

出典

参考文献

  • 林将之『紅葉ハンドブック』文一総合出版、2008年9月2日。ISBN 978-4-8299-0187-8 
  • 佐竹義輔ほか編『日本の野生植物 木本Ⅱ』平凡社、1989年。
  • 茂木透、石井英美ほか『樹に咲く花(離弁花2) 山渓ハンディ図鑑4』山と渓谷社、2000年。

関連項目

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