1982年のJSL

このシーズンは序盤から混戦状態のままシーズンが進み^[2]、最終節を前にして勝ち点21の三菱重工、古河電工、勝ち点20のヤンマー、フジタ、勝ち点19の日立の5チームに優勝の可能性が残されていた^[2]。最終節は10月30日と31日に開催され、30日に試合があった前年チャンピオンのフジタは、日産に敗れて最初に脱落した^[2]。31日13時に始まった三菱対日立の試合では、三菱が5-1で勝った^[2]。三菱の勝利により、14時キックオフのヤンマーは試合中に優勝の可能性が消えた^[2]。同じく14時開始の本田技研対古河の試合は無得点のまま前半を折り返した^[2]。三菱が大勝したことにより古河は4-0以上での勝利が必要になったが、それが焦りへと繋がり、後半5分に菅野将晃が先制ゴールを決めたものの、本田に逆転を許して1-2で敗れた^[2]。三菱が4年ぶり4度目の優勝を果たし、ヤンマーが2位、古河が3位となった^[2]。

2位となったヤンマーは大ベテランの釜本邦茂が第8節マツダ戦でアキレス腱を切り、残り試合に出場できなかった^[2]。釜本にとっては、この年の第7節日立戦で記録した通算202ゴール目が、JSLにおける自身最後のゴールになった^[2]。

このシーズンより従来リーグ側が担っていた試合運営を各ホームチームに任せる「自主運営」が始まった^[2]。これまでは各チームが均等に拠出したリーグ分担金を試合の運営経費に使い、集まった入場料収入は観客数の上下に関係なく各チーム均等に分配していた^[2]。この年からは各ホームチームが経費を負担するが、営業努力によって観客を集めれば、その分だけ収益も上がる仕組みになった^[3][2]。この自主運営の始まりこそが将来のプロリーグ化に向けた第一歩だったともいわれている^[3][2]。

• 開催期間：前期 1982年4月4日-5月24日、後期 9月3日-10月31日。
• 各チームによる「自主運営」開始。

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^[2]

順位	選手名	所属クラブ	得点数
1	碓井博行	日立製作所	13
2	長谷川治久	ヤンマー	10
3	カルバリオ	フジタ工業	9
4	尾崎加寿夫	三菱重工	8
5	吉田弘	古河電工	7
	前田秀樹
	原博実	三菱重工
	堀井美晴	ヤンマー
9	戸塚哲也	読売クラブ	6
10	ジョージ与那城		5
	中野重富	マツダ
	藤代伸世	日本鋼管

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順位	選手名	所属クラブ	アシスト数
1	尾崎加寿夫	三菱重工	8
	鬼塚忠久	古河電工
3	原博実	三菱重工	7
4	永井良和	古河電工	6
5	松浦敏夫	日本鋼管	5
6	楚輪博	ヤンマー	4
	早稲田一男	古河電工
	ジョージ与那城	読売クラブ
	戸塚哲也
	久米一全	日立製作所
	野村大介
	吉川亨
	榎木幸二郎	本田技研

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賞	選手名	所属クラブ	受賞回数
得点王	碓井博行	日立製作所	2
アシスト王	尾崎加寿夫	三菱重工	初
	鬼塚忠久	古河電工
得点王 ゴールデンボール賞	碓井博行	日立製作所	2
アシスト王 シルバーボール賞	尾崎加寿夫	三菱重工	初
新人王	猿沢茂	マツダ	_
年間優秀11人賞	田口光久	三菱重工	7
	菅又哲男	日立製作所	2
	西村昭宏	ヤンマー	初
	加藤久	読売クラブ	2
	都並敏史	読売クラブ	初
	前田秀樹	古河電工	2
	楚輪博	ヤンマー
	尾崎加寿夫	三菱重工	初
	吉田弘	古河電工	2
	碓井博行	日立製作所
	長谷川治久	ヤンマー	初

• 開催期間：1982年4月4日-10月31日。
• 10チームで2回戦のリーグ戦で行われた。

1982年7月、トヨタ自動車工業サッカー部が、親会社の合併によってトヨタ自動車サッカー部に名称を変更した。

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参加クラブ

• 本田技研工業（JSL1部9位）
• 東芝（JSL2部準優勝）

• 本田技研はJSL1部残留。
• 日本鋼管（JSL1部10位）はJSL2部へ自動降格。
• ヤマハ発動機（JSL2部優勝）は自動昇格。

^[7]参加クラブ

• 埼玉県教員（JSL2部9位）
• 西濃運輸サッカー部（地域リーグ準優勝）

• 埼玉教員はJSL2部残留。
• 帝人（JSL2部10位）は地域リーグへ自動降格。
• 東邦チタニウムサッカー部（地域リーグ優勝）は自動昇格。

• 『日本サッカーリーグ全史』日本サッカーリーグ、1993

• 1982年のスポーツ
• 第7回JSLカップ
• 第62回天皇杯全日本サッカー選手権大会