Gears (ソフトウェア)
Gears はGoogleの提供していたソフトウェアであり「Webブラウザに新機能を追加することで、より強力なWebアプリケーションを可能にする」ものである[3]。以前は Google Gears という名称だった[4]。BSDライセンスでリリースされていたFLOSSである[5]。最終的に、機能の多くがHTML5に取り込まれる形となり、開発を終了した[2]。
開発元 | |
---|---|
初版 | 2007年5月31日 |
最新版 | 0.5.36.0[1] / 2010年2月22日 |
対応OS | Windows XP & Vista, Windows Mobile 5, 6, Mac OS X, Linux 32bit |
サポート状況 | 終了[2] |
ライセンス | BSDライセンス |
公式サイト | http://gears.google.com/ |
Gearsには以下のような主要なAPIコンポーネントがあった。
バージョン履歴
バージョン | 日付 | 説明 |
---|---|---|
0.1 | 2007年5月31日 | Google Gearsとしての最初のリリース |
0.2 | 2008年2月22日 [11] | |
- | 2008年5月28日 [4] | プロジェクト名をGearsにし、よりオープンソースで協調的なプロジェクトとした。 |
0.3 | 2008年6月11日 [12] | デスクトップ・アイコンを追加できるようにした。Firefox 3 をサポート。 |
0.4 | 2008年4月22日 [13] | Geolocation API、アップロード/ダウンロード転送進捗のイベント処理、40の言語に対応。 |
0.5 | 2008年11月24日 [14] | SQLiteの更新。GeolocationモジュールでWiFiアンテナからデータを取得できるようになった。LocalServerモジュールで巨大データの扱いを改善。 |
サポート
いくつかのWebアプリケーションがGearsを使用していた。Gearsを使ったアプリケーションは各社から出ており、Google(Gmail、YouTube、Docs、Reader、Picasa for mobile、カレンダー)、MySpace (Mail Search)、Zoho (Writer, Mail)、Remember The Milk、Buxfer などがあった[15]。WordPress 2.6 でもGearsサポートが追加され、管理インタフェースが性能向上し、サーバ負荷が軽減された[16]。
GearsをサポートしていないWebサイトであっても、Gears開発者の1人がGreasemonkeyを使って作成したスクリプトを使うと、Gearsの機能を利用できた[17]。
Gearsは、Windows XPおよびVista上のGoogle ChromeとIE 6+、Windows Mobile上のIE Mobile 4.01+、Mac OS X 10.4+上の Safari 3.1.1+でサポートされていた[18]。また、複数プラットフォーム上のFirefox 1.5+でもサポートされていた[19]。64ビット版はサードパーティーが限定的にサポートしているだけであった。
2008年5月29日、Opera ASAは新たなOpera Mobile 9.5でGearsをサポートすることを発表した[20]。その技術プレビューリリースは2009年2月20日に行われた[21]が、Windows Mobile 5/6を搭載したタッチスクリーン機器だけで利用可能であった[22]。Gearsそのものはブラウザには組み込まれていないので、別途ダウンロードする必要があった。
Ruby on RailsフレームワークにはGearsとのインタフェースがサポートされており、Gears APIを理解していなくても利用できた[23]。
バージョン0.5.16時点でのGearsはInternet Explorer 8に対応していたが、いくつかのIEの機能(アクセラレータプレビュー、Webスライスプレビュー、サイト候補)が正しく動作しなかった[24]。
終焉
GoogleはHTML5でGearsの技術を取り込む活動をしてきた。同社は後にこの技術がHTML5で完全に実現されつつあると判断したため、Chrome 11を最後に開発は終了することとなった[2]。Chrome 12を持ってこの機能は削除された[25]。
関連項目
脚注
採用していたプロジェクト
外部リンク
- Gears ホームページ - ウェイバックマシン (英語)