タニストロフェウス
タニストロフェウス (Tanystropheus) は、中生代三畳紀中期に出現した爬虫類の絶滅した属。恐竜やワニなど主竜類に近縁なプロラケルタ目に属する[2]。
タニストロフェウス属 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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地質時代 | ||||||||||||||||||||||||||||||
三畳紀中期 | ||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Tanystropheus Meyer[1], 1855 | ||||||||||||||||||||||||||||||
種 | ||||||||||||||||||||||||||||||
概要
タニストロフェウスは1855年にポーランドで発掘された。ヨーロッパ各地で化石が発見されているが、近年では中国でも同種と見られる化石が発掘されている。
全長の半分以上、3分の2近くが首であり、現在知られている古今の脊椎動物の中で、全長に対して首の長さが占める割合が最も大きい生物である。
特徴
最大種T. hydroidesの全長は5メートルを超える[3]。長い首は10個の椎骨で構成されている[4]。このため、椎骨のひとつひとつが非常に長く、初めて発見された時は脚の骨と間違えられたほどである[4]。この長い首に柔軟性は乏しく、左右に振ることはある程度可能であったが、曲げ伸ばしは出来なかったとされる[2]。なお、この首の長さは、物理学の法則下においてほぼ限界近くであるという[2]。
前肢は小さくきゃしゃで、後肢は長かった。首の長さ故、陸上での歩行は得意でなかったであろう。後肢端には水かきがあったとも言われ、水中生活にある程度適応していたとされる。長い尾を使って泳いだとされるが、やはり泳ぐのも得意でなかったという。おそらくはあまり泳がず水底に脚をつけて歩き、魚などを待ち伏せしていたのであろう[2]。
化石の示すところによれば、首は幼体のうちは短く、成長するにつれ長くなった[2]。幼体のうちは陸上で生活し、成長すると水中で生活していたと見られる。長い首を使って、魚を捕って食べていたと考えられている。
脚注
参考文献
- ティム・ヘインズ、ポール・チェンバーズ『よみがえる恐竜・古生物』椿正晴(訳)、群馬県立自然史博物館(監修)、ソフトバンククリエイティブ、2006年。ISBN 4-7973-3547-5。
- ヘーゼル・リチャードソン、デイビッド・ノーマン(監修)『恐竜博物図鑑』出田興生(訳)、新樹社〈ネイチャー・ハンドブック〉、2005年。ISBN 4-7875-8534-7。