メガラプトル
メガラプトル(Megaraptor)は後期白亜紀のアルゼンチンに生息していた肉食恐竜。前肢に巨大な鉤爪をもつことで知られている。
メガラプトル Megaraptor |
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メガラプトルの復元骨格 |
地質時代 |
後期白亜紀 |
分類 |
学名 |
Megaraptor Novas, 1998 |
種 |
概要
メガラプトルは白亜紀後期序盤(約9000万年前)の南米に生息していた軽量かつ細身な大型獣脚類である。その最大の特徴は学名の由来にもなった前腕の三日月型の鉤爪/シックルクローである。このシックルクローはドロマエオサウルス科のそれと断面が酷似しており、その使い方も似通ったもの(刺突よりも切り裂きに秀でた)だったと考えられている。一方で狙う獲物はドロマエオサウルス科のように自身の数倍の体重はあろうかという種類ではなく、どちらかと言えば自身より小柄〜同体格の獲物(例えば中型の鳥脚類に竜脚類の幼体)を狙っていたらしい[1]。断片的な頭蓋骨(まだ幼体か若い個体のものとみられる)から復元された頭部は細長く特異な外貌をしており、一見すると既知のどのグループとも似ていない姿である。
分類
原記載ではシックルクローがドロマエオサウルス類らと類似するが他の要素に差異が見られるとして疑問符付きでコエルロサウルス類としている[2]。
かつては小型獣脚類ドロマエオサウルス類の中で最大の属と言われていたが、実は35センチメートルもある巨大な鉤爪は後脚ではなく、前脚にあった事が分かり、大型獣脚類のカルノサウルス類かスピノサウルス類の一種だと考えられた。近年になってカルノサウルス類の中でもカルカロドントサウルス類に近かった、あるいは原始的なティラノサウルス類、もしくは独自のコエルロサウルス類に属するという説もあり、いずれにせよ化石が断片的なため、テタヌラ類であること以外は分類がいまだにはっきりしていない。日本で化石が発掘されたフクイラプトルはメガラプトルと近縁と見られている。
以下のクラドグラムはRolandoらの研究によるもの(2022)[3]。
メガラプトル類 |
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古環境
メガラプトルはテュロニアン〜コニアシアンPortezuelo層から産出している。同層からは恐竜では竜脚類フタロンコサウルス、バアルサウルス、マラルグエサウルス、獣脚類のネウケンラプトル、ウネンラギア、パンパラプトル、パタゴニクス、エレムガセムらが知られる。その他の生物では硬骨魚レウフイクティス、亀類ポルテズエロエミス、プロケリデルラ、翼竜アルゲンティナドラコなども産出している。
ギャラリー
- レベッケ博物館のメガラプトルの爪
- かつての復元