読売新聞社杯全日本選抜競輪

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読売新聞社杯全日本選抜競輪(よみうりしんぶんしゃはいぜんにほんせんばつけいりん)は毎年2月下旬(あるいは2月8日~2月11日)に開かれる競輪GI競走であり、略称としては全日本選抜競輪全日本選抜がある。

読売新聞社杯全日本選抜競輪
概要
格付けGI
優勝賞金4000万円(副賞を含む)
愛称全日本選抜
概定番組4日間トーナメント
開催地持ち回り
開催時期2月(2011年までは8月上旬)
歴史
初回開催1985年
開催回数39回(2024年)
初代優勝者佐々木昭彦
最多優勝者山崎芳仁(3回)
直近優勝者郡司浩平(2024年)
次回開催予定
次回開催2025年2月21日-24日
次回開催地豊橋競輪場
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概要

本大会は競輪の売上回復の起爆剤として、1951年から1968年まで開催された「全国都道府県対抗争覇競輪(のち全国都道府県選抜競輪に改称)」を参考に、1985年に当時5番目の特別競輪として創設された。ただ、かつて開催されていた「全国都道府県選抜競輪」では、開催予定であった第26回大会(1969年)が開催地として予定していた甲子園競輪場の地元住民の反対によって開催10日前に急遽中止となっただけでなく、そのまま大会自体が廃止となった経緯があり、本大会を復活させる際には様々な議論がなされた。

特別競輪(現在のGI)相当のビッグレースがそれまで存在しなかった夏季に主として避暑地の地方都市を舞台に開催することを目指して発足し、1985年の第1回より「全日本選抜競輪」という名称で開催された。そのため、冬季の開催となった現在に至るまでGI競走の中では寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメントと同様に地方都市での開催が多いのが特徴であり、開催地が決定している2025年の第40回大会に至るまで、開催地は青森競輪場での5回が最多である[注 1]

当初は6日制だったが、1996年の第12回から4日制に短縮されている。

賞金

優勝賞金は、2020年第35回大会では本賞金が2850万円に増額されたため、副賞込みで3040万円となった[1]が、2021年第36回大会では副賞が減額された(逆に2着・3着は増額)ため再び3000万円となった[2]2022年第37回大会以降は優勝賞金は毎年増額されており、2024年第39回大会では4000万円となった(いずれも副賞込み)。

以下は、第39回大会(2024年)の決勝戦における各着順の賞金額。( )内は副賞(1〜3着に授与)を含んだ金額[3]

1着2着3着4着5着6着7着8着9着
3,800万円(4,000万円[4][5]1,969万円(2,009万円[5]1,270.3万円(1,294.3万円[5]913.9万円743.0万円619.2万円516.0万円473.4万円446.6万円

歴史

当初は6日制だったが、1996年の第12回から4日制に短縮されている。また、2001年度から実施された競輪の番組制度改革に伴い、2001年の第17回から以下のように変更された。

  • 開催時期がそれまでの7月下旬 - 8月上旬の間から11月に変更。
    • 年末開催になったことにより、KEIRINグランプリ出場の事実上の最終選考会的な要素(優勝者は自動的に同レースに出走できる)が含まれるようになった。
  • 読売新聞社から社杯が授与されるようになり、それに伴い開催名称が現在の名称に変更された。
  • 本大会の出場選定方法も見直され、ふるさとダービー (4月、6月、8月の3回にわたって地方都市競輪場で開催)の各決勝戦に勝ち上がった9選手(計27選手)がシードされ、そのうち上位入賞3選手(計9選手)が特別選抜予選(2次予選に自動的に勝ち上がり)へ出場できるようになった。

2005年の第21回から開催時期が12月に変更され、さらに2005年度よりふるさとダービーが全日本選抜競輪のトライアル競走ではなくなった[6]ため、ふるさとダービーの各決勝戦上位入賞3選手が特別選抜予選にシードされるシステムはわずか4年で廃止された。

2009年の第25回から本大会の開催時期が8月に移行し、以前のような夏季開催が復活した[7]。これにより、本大会はKEIRINグランプリへの最終選考会的な要素が含まれなくなった。

2012年度から、特別競輪(GII以上)のレース体系の再見直しによる日程のバランス調整のため、開催時期を年度末の2月に再変更し2008年以来の冬季開催となり、現在に至る。なお、2012年度の大会は2013年2月開催だったため、2012年の同大会は日程調整上行わなかった[8]

第36回大会(2021年)では、COVID-19の影響で当初は入場制限を行った上で開催される予定だったが、緊急事態宣言が延長された事もあり無観客での開催に変更となった[9]。また、第37回大会(2022年)は前年度同様の影響で事前抽選を行って当選者のみ取手本場に入場可能となった[注 2]。なお、第38回大会(2023年)では当初高知本場の滞留人数を最大4,593名[注 3]とする予定だったが、2月15日に撤廃された。なお、競輪のGI開催で入場制限が設けられなかったのは2020年同大会以来となった。

第39回大会(2024年)では、1月1日より発生した令和6年能登半島地震を受け、令和6年能登半島地震復興支援競輪として実施された。

出場選手選抜方法

読売新聞社杯全日本選抜競輪の出場選手は、各都道府県において最も成績を残している選手を中心に選抜される。毎回若干変更・修正されるものの、概ね以下の資格順位により正選手108名、補欠選手8名を選抜する[10]

  • 選考期間…前年6月~11月(6ヶ月)、選考月…12月、最低出走回数…24出走(但し変更になる可能性がある)
  1. S級S班在籍者
  2. 過去3回以上優勝した者(開催時S級1班所属が条件)
  3. 開催時S級1班在籍選手のうち47都道府県それぞれにおいて平均競走得点1位の者
    ただし、選考時において1年以上同じ都道府県に在籍している選手に限る
    また、S級1班が不在の都道府県からは誰も選出しない
  4. 全国を8つに分けた地区[注 4]毎の平均競走得点1〜3位の者
  5. 選手選考対象期間において2ヶ月以上JCFトラック種目強化指定(A)に所属した者(開催時S級1班所属が条件)
  6. 残余は平均競走得点上位者より順次選抜

なお、補欠選手は正選手を除く平均競走得点上位者からさらに順次選抜される。

また、正選手のうち、S級S班在籍者と平均競走得点上位者の合計27名については、特別選抜予選に出走できる。

勝ち上がり方式

初日〜4日目すべて12レース[12]

 優秀 初日0002日目0000003日目000最終日
STR賞(1)準決勝(3)
特選予選(3)二次予選(6)00決勝(1)00
一次予選(9)
敗者戦00-00(5)(9)(11)
  • 初日
「一次予選」 合計9レース行われ、各レース1〜4着36名が「二次予選」進出。
「特別選抜予選」 一次予選の後に合計3レース行われ、各レース1〜3着9名は無条件で2日目の「スタールビー賞」と、3日目の「準決勝」進出権利が同時に得られる。4〜9着18名は「二次予選」進出。
  • 2日目
「二次予選」 合計6レース行われ、各レース1〜3着18名が「準決勝」進出。
「スタールビー賞」 二次特別選抜予選として、最終レースに行われる。失格にならない限り、9名全員が「準決勝」進出。
  • 3日目
「準決勝」 後半3レース。各レース1〜3着9名が「決勝」進出。
  • 4日目(最終日)
「決勝」 最終レース。上位3着は表彰式で表彰台に上がることができる。また、優勝者には優勝インタビューやウイニングランなどが執り行われる。
「特別優秀」 「決勝」前の合計2レース。「準決勝」各レース4〜6着9名と、二次予選敗退選手による3日目「特選」各レース1〜3着9名の18名により行われる。

その他、2日目以降に予選敗退者を対象とした「特一般」(2日目)、「一般」、「選抜」、「特選」(3日目以降)が開催される。

過去

二次特別選抜予選「スタールビー賞」は、1994年(第10回大会)に限り、共同通信社提供による「共同通信社杯ルビーカップ」として行われた。また、2007年(第23回大会)までは、初日の「特別選抜予選」4〜6着9名が2日目の「優秀」に進み、そこでの6着までが準決勝進出となった。

過去の優勝者

開催年開催場優勝者STR賞勝者
氏名府県氏名府県
11985年前橋佐々木昭彦41佐賀滝澤正光12千葉
21986年熊本井上茂徳井上茂徳41佐賀
31987年京都向日町滝澤正光12千葉中野浩一40福岡
41988年青森中野浩一40福岡坂本勉02青森
51989年前橋
61990年青森井上茂徳41佐賀井上茂徳41佐賀
71991年久留米鈴木誠12千葉滝澤正光12千葉
81992年岸和田梶応弘樹38愛媛坂本勉02青森
91993年青森高木隆弘14神奈川吉岡稔真40福岡
101994年大垣高橋光宏10群馬神山雄一郎09栃木
111995年青森神山雄一郎09栃木俵信之01北海道
121996年宇都宮海田和裕24三重神山雄一郎09栃木
131997年いわき平児玉広志37香川
141998年青森山田裕仁21岐阜市田佳寿浩18福井
151999年大垣吉岡稔真40福岡金田健一郎27大阪
162000年名古屋金古将人07福島伊藤保文26京都
172001年花月園濱口高彰21岐阜太田真一11埼玉
182002年岸和田村上義弘26京都松本整26京都
192003年高知佐藤慎太郎07福島有坂直樹05秋田
202004年大垣内林久徳25滋賀齋藤登志信06山形
212005年岸和田加藤慎平21岐阜小野俊之44大分
222006年いわき平合志正臣43熊本神山雄一郎09栃木
232007年熊本山崎芳仁07福島佐藤友和03岩手
242008年西武園三宅伸33岡山荒井崇博41佐賀
252009年大垣山崎芳仁07福島井上昌己42長崎
262010年宇都宮佐藤友和03岩手成田和也07福島
272011年岸和田伏見俊昭07福島佐藤慎太郎07福島
282013年松山平原康多11埼玉深谷知広23愛知
292014年高松村上博幸26京都松岡健介28兵庫
302015年静岡山崎芳仁07福島新田祐大07福島
312016年久留米渡邉一成諸橋愛15新潟
322017年取手平原康多11埼玉武田豊樹08茨城
332018年四日市新田祐大07福島諸橋愛15新潟
342019年別府中川誠一郎43熊本松浦悠士34広島
352020年豊橋清水裕友35山口和田健太郎12千葉
362021年川崎郡司浩平14神奈川郡司浩平14神奈川
372022年取手古性優作27大阪平原康多11埼玉
382023年高知古性優作27大阪
392024年岐阜郡司浩平14神奈川東口善朋30和歌山

今後の開催予定

  • 第40回 - 2025年 (令和7年) 2月21日〜24日 - 豊橋競輪場 (5年ぶり2度目)
  • 第41回 - 2026年 (令和8年) 2月20日〜23日 - 熊本競輪場 (19年ぶり3度目)

エピソード

  • 第39回(2024年)までで、完全優勝(予選・準決勝とも全て1着)達成者は、1名[13]
また、同一大会でスタールビー賞1着選手が優勝したケースは、井上茂徳のほか郡司浩平(第36回)、古性優作(第38回)の3名のみ。
  • 連覇は、中野浩一(第4回・第5回)、古性優作(第37回・第38回)の2名のみ。

決勝戦テレビ中継

脚注

注釈

出典

外部リンク

関連項目