Southern All Stars (アルバム)

サザンオールスターズの9枚目アルバム

Southern All Stars』(サザンオールスターズ)は、サザンオールスターズの9作目のオリジナル・アルバム1990年1月13日CDレコードカセットテープで発売。発売元はタイシタレーベル

Southern All Stars
サザンオールスターズスタジオ・アルバム
リリース
録音1988年11月 - 1989年9月
VICTOR STUDIO
MUSIC INN STUDIO
ジャンルロック
R&B[1]
AOR[2]
沖縄音楽[2]
ジャズ[2]
時間
レーベルタイシタレーベル
プロデュースサザンオールスターズ
チャート最高順位
  • オリコン
    • 週間1位(初回盤・3週連続)
    • 週間2位(通常盤・2週連続)
    • 1990年度年間6位(初回盤)
    • 1990年度年間14位(通常盤)
ゴールドディスク
サザンオールスターズ アルバム 年表
すいか SOUTHERN ALL STARS SPECIAL 61SONGS
1989年
Southern All Stars
(1990年)
稲村ジェーン
(1990年)
『Southern All Stars』収録のシングル
ライブ映像
「愛は花のように (Olé!)」(サザンオールスターズ ほぼほぼ年越しライブ 2020 「Keep Smilin’ 〜皆さん、お疲れ様でした!! 嵐を呼ぶマンピー!!〜」) - YouTube
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公式サイトでは『SOUTHERN ALL STARS』という表記で記載されている[注釈 2]

1998年5月22日2008年12月3日にはCDとして再発売されている。2014年12月17日からはダウンロード配信、2019年12月20日からはストリーミング配信が開始されている[4][5]

背景・制作

前作のアルバムの『KAMAKURA』を最後に活動を休止したサザンが1988年に活動を再開し、シングル4枚を経てリリースしたセルフタイトルアルバムである[2]。また、本作はデビュー以来初めてサザン単独のセルフプロデュースとなったアルバムであるが、サポートメンバーとして、小林武史門倉聡松本晃彦菅原弘明藤井丈司らが参加している[2]。次作のアルバム『稲村ジェーン』とは同時に制作が行われた[6][7]

リリース・アートワーク

ジャケットのデザインから本作はカブトムシの呼称がある[8]

1998年の再発盤の初回限定盤は、オリジナルLP復刻ジャケット(いわゆる紙ジャケット)仕様で、山本晋也によるライナーノーツが封入されている。

再発売

プロモーション

発売に先駆け、新聞に収録曲の歌詞を載せた大きな広告を掲載したほか、東京大阪の鉄道5路線に電車の車内吊り広告を、西武鉄道の全駅に1か月間ポスターを掲示するプロモーションを行った[9]

受賞歴

『Southern All Stars』の受賞とノミネート
音楽賞結果出典
1990年第32回日本レコード大賞優秀アルバム賞[10]

チャート成績

1990年1月29日付と2月5日付のオリコン週間ランキングで初回盤(3,330円盤)と通常盤が2週連続1位、2位を獲得している[11]。当時のオリコンランキングは品番が異なる場合、同名作品でも別集計であったため、週間ランキングでは別作品としてチャートインしていた[12]

オリコンによる累計売上枚数は119.3万枚を記録し、自身のシングル・アルバム通して初となるオリコン集計でのミリオンセラーを達成した[13]。発売後1週間で、ビクターエンターテイメント発表の出荷枚数は140万枚に達した[9]

収録曲

  • 初回限定盤・通常盤共通収録。既発曲の解説は各収録作品を参照のこと。
#タイトル作詞作曲編曲時間
1.フリフリ'65桑田佳祐桑田佳祐サザンオールスターズ
2.「愛は花のように (Olé!)」ルイス・サルトール桑田佳祐サザンオールスターズ
小林武史
3.「悪魔の恋」桑田佳祐
トミー・スナイダー(英語補作詞)
桑田佳祐サザンオールスターズ
4.「忘れられた Big Wave」桑田佳祐桑田佳祐サザンオールスターズ
門倉聡
5.「YOU」桑田佳祐
トミー・スナイダー(英語補作詞)
桑田佳祐サザンオールスターズ
6.「ナチカサヌ恋歌」桑田佳祐桑田佳祐サザンオールスターズ
7.「OH, GIRL (悲しい胸のスクリーン)」桑田佳祐
トミー・スナイダー(英語補作詞)
桑田佳祐サザンオールスターズ
8.女神達への情歌 (報道されないYケイの彼方へ)桑田佳祐
トミー・スナイダー(英語補作詞)
桑田佳祐サザンオールスターズ
門倉聡
9.「政治家」桑田佳祐
トミー・スナイダー(英語補作詞)
桑田佳祐サザンオールスターズ
10.「MARIKO」桑田佳祐桑田佳祐サザンオールスターズ
11.さよならベイビー桑田佳祐桑田佳祐サザンオールスターズ
門倉聡
12.「GORILLA」LINDA OMORI大森隆志サザンオールスターズ
13.「逢いたくなった時に君はここにいない」桑田佳祐桑田佳祐サザンオールスターズ
合計時間:
  1. フリフリ'65
    27枚目シングル。
  2. 愛は花のように (Olé!)
    桑田出演の日本生命保険「ロングラン」CMソング[注釈 3]
    全てスペイン語で歌われた楽曲[2]。桑田が監督を務めた映画『稲村ジェーン』のサウンドトラック用として制作された楽曲で、サウンドトラックにも収録されている[6]
  3. 悪魔の恋
    およそ全編英語詞のブルースロック[8]。歌詞は語感重視で、「稲村ジェーン」という言葉も登場する。
    アルバム曲では最初に制作された楽曲である[14]
  4. 忘れられた Big Wave
    桑田出演のリクルート『B-ing』CMソング。また、映画『稲村ジェーン』挿入歌。
    本楽曲のアレンジ・タイトルは桑田と親交の深い山下達郎のサウンドトラック・アルバム『BIG WAVE』への影響・オマージュであることが語られている[15]。楽器音が一切無く、全て桑田の声の多重録音と指打ち音で歌われているア・カペラの楽曲であり、クレジット上はメンバー全員がボーカルおよびコーラスとなっているが、実際はすべて桑田1人の声を重ねたものである[15]
    「愛は花のように (Olé!)」と同様に『稲村ジェーン』のために制作された曲で、サウンドトラックにも収録されている[6]。当初は『稲村ジェーン』の主題歌として制作されていた楽曲だが、映画のクランクアップ後に「真夏の果実」に変更され、変更に伴い映画の追加撮影を行っている[16]
    スティーブ・ジョブズが、2001年にシリコンバレーApple本社で行ったiPodのプレゼンテーションにて、サラ・マクラクランボブ・マーリーヨーヨーマビートルズの楽曲に続けて「日本の曲をかけてみよう」と話し、この曲を流した。これは、ソニーウォークマンを意識し、日本にも受け入れてもらいたいという、ジョブズの意向からと思われる[17]
    ミュージック・ビデオは製作されていないが、2003年のDVDInside Outside U・M・I』にイメージビデオが収録された。
    1994年と1998年に教育出版が発行する高等学校の音楽教科書に掲載された[18]
    ベストアルバム『海のYeah!!』『バラッド3 〜the album of LOVE〜』にも収録されている[19][20]
  5. YOU
    桑田出演の日本生命保険「ロングラン」CMソング。ユニクロ「LifeとWear/2024感動パンツ インターン(春)篇」CMソング[注釈 4]
    去っていった女性を想う切ない男心を歌う正統派ラブソング[22]
    ファンからの人気が高く、2008年のライブ『真夏の大感謝祭』でファンを対象に投票を募ったリクエストランキングで38位になり、同ライブの1曲目として歌われた[23]
    ベストアルバム『海のYeah!!』にも収録されている[19]
  6. ナチカサヌ恋歌
    原由子ボーカル曲[2]
    「ナチカサヌ」とは沖縄の方言で「悲しい」という意味で、歌詞、曲調共に沖縄をモチーフとしている。沖縄を訪れて取材をしたことを基に制作された[24]
    この曲のキーはF(ヘ長調)である[25]
  7. OH, GIRL (悲しい胸のスクリーン)
    男性を待つ女性の光景が第三者の目線で描かれている[26]
    アルバム『バラッド3 〜the album of LOVE〜』にも収録されている[20]
  8. 女神達への情歌 (報道されないYケイの彼方へ)
    25枚目シングル。
  9. 政治家
    政治家や政界を揶揄した歌詞となっている。政治通を自称するスタッフの言葉などを参考にした[24]
  10. MARIKO
    スウィング・ジャズブラック・コンテンポラリーの解釈で再構築された楽曲」という評論がある[27]
  11. さよならベイビー (4'54)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ & 門倉聡)
    26枚目シングル。
  12. GORILLA
    アフロテイストの楽曲[8]
    歌詞には大森の出身地で話される宮崎弁が密かに使われている。
  13. 逢いたくなった時に君はここにいない
    ユニクロ「LifeとWear/2024AIRism 肌砂丘のふたり 夏篇」CMソング[注釈 5]
    歌詞に「Ah」「Oh」以外の英語が一切登場せず、日本語で書かれている[29]
    ファンからの人気が高く、2008年のライブ『真夏の大感謝祭』でファンを対象に投票を募ったリクエストランキングで21位になった[23]
    アルバム『バラッド3 〜the album of LOVE〜』にも収録されている[20]
    後に中村雅俊がアルバム「WITHOUT YOU」でカバーした[30]

参加ミュージシャン

Guest Musicians

ライブ映像作品

曲名作品名備考
フリフリ'65
愛は花のように (Olé!)ホタル・カリフォルニア
平和の琉歌 〜Stadium Tour 1996 "ザ・ガールズ万座ビーチ" in 沖縄〜DVD版のエクストラメニュー「Stadium Tour 1996 "ザ・ガールズ万座ビーチ"」に一部のみ収録。
悪魔の恋未収録
忘れられた Big Wave
YOUホタル・カリフォルニア
真夏の大感謝祭 LIVE
桑田佳祐の音楽寅さん 〜MUSIC TIGER〜 あいなめBOX桑田佳祐ソロ名義の作品。特典映像DISC「サザンオールスターズ SPECIAL LIVE IN 建長寺」に収録。
SUPER SUMMER LIVE 2013 「灼熱のマンピー!! G★スポット解禁!!」 胸熱完全版
茅ヶ崎ライブ2023
ナチカサヌ恋歌未収録
OH, GIRL (悲しい胸のスクリーン)
女神達への情歌 (報道されないY型の彼方へ)
政治家未収録
MARIKO
さよならベイビー
GORILLA未収録
逢いたくなった時に君はここにいない

脚注

注釈

出典

外部リンク