インディアン座イプシロン星

インディアン座ε星(インディアンざイプシロンせい、Epsilon Indi, ε Ind / ε Indi)は、インディアン座の方向にある5等級のK型主系列星である。

インディアン座ε星A
Epsilon Indi A
星座インディアン座
見かけの等級 (mv)4.69[1]
分類K型主系列星[1]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α) 22h 03m 21.6536261624s[1]
赤緯 (Dec, δ)−56° 47′ 09.522795714″[1]
赤方偏移-0.000133±0.000001[1]
視線速度 (Rv)−40.035±0.0002 km/s[1]
固有運動 (μ)赤経:3966.661±0.086 ミリ秒/[1]
赤緯:−2536.192±0.092 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π)274.8431 ± 0.0956ミリ秒[1]
(誤差0%)
距離11.867 ± 0.004 光年[注 1]
(3.638 ± 0.001 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV)6.88
物理的性質
半径0.732 ± 0.006 R[2]
質量0.762 ± 0.038 M[2]
自転速度1.46 km/s[2]
スペクトル分類K5V[1][2]
表面温度4630 K[2]
金属量[Fe/H]-0.06[2]
年齢13 億年[3]
他のカタログでの名称
HD 209100, GJ 845, HR 8387, CP-57°10015, GCTP 5314.00, LHS 67, UGPMF 544, LCC 0180
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性質

大きさの比較
太陽インディアン座ε星

インディアン座ε星は太陽の0.762倍の質量と0.732倍の半径を持つ、太陽より小ぶりな恒星である。年齢は13億年と太陽よりかなり若い。地球からの距離は11.82光年と近く、地球から17番目に近い恒星である。インディアン座ε星の位置から見ると、太陽北斗七星のカップの部分(おおぐま座α星からおおぐま座δ星の部分)の方向にある2等級の恒星として見えるはずである。

インディアン座ε星は肉眼で観測できる恒星のうち2番目に固有運動が大きい恒星でもある(最も速いのははくちょう座61番星)。しかし、非常に条件が良く暗い夜空であるとすると、6.4等星のグルームブリッジ1830が加わるために実質的には3番目に固有運動が大きい恒星となる。

褐色矮星

インディアン座ε星Ba
Epsilon Indi Ba
星座インディアン座
見かけの等級 (mv)24.12 ± 0.03[4]
分類褐色矮星
軌道の種類Bbと共にAを公転する周回軌道
発見
発見日2003年1月
発見方法直接撮影
軌道要素と性質
軌道長半径 (a)~1500 AU[5][6](Aとの距離)
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α) 22h 04m 10.52s[7]
赤緯 (Dec, δ)−56° 46′ 57.7″[7]
固有運動 (μ)赤経:4157 ± 41 ミリ秒/年[7]
赤緯:-2478 ± 25 ミリ秒/年[7]
年周視差 (π)275.79 ± 0.69 ミリ秒[7]
物理的性質
半径0.080-0.081 R[4]
質量67.6-69.1 MJ[4]
表面重力5.43-5.45 cm/s-2[4]
スペクトル分類T1V[7]
光度-4.699 L[4]
表面温度1352-1385 K[4]
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インディアン座ε星Bb
Epsilon Indi Ba
星座インディアン座
見かけの等級 (mv)≥26.60 ± 0.05[4]
分類褐色矮星
軌道の種類Baと共にAを公転する周回軌道
発見
発見日2003年8月
発見方法直接撮影
軌道要素と性質
軌道長半径 (a)~1500 AU[5][6](Aとの距離)
2.65 ± 0.01 AU[6](Baとの距離)
物理的性質
半径0.082-0.083 R[4]
質量50.0-54.5 MJ[4]
表面重力5.27-5.33 cm/s-2[4]
スペクトル分類T6V[7]
光度-5.232 L[4]
表面温度976-1011 K[4]
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2003年1月、インディアン座ε星の周囲を公転する褐色矮星を発見したと発表された[5]。さらに8月、その褐色矮星と別の褐色矮星が発見された。これら二つの褐色矮星はそれぞれインディアン座ε星Baインディアン座ε星Bbと名付けられている。当時発見されていた中では最も近い褐色矮星であった。

インディアン座ε星Ba

大きさの比較
木星インディアン座ε星Ba

インディアン座ε星Baは当初、木星の47±10倍[6]の質量を持つとされたが、2009年にarXivに投稿された論文では木星の67.6倍から69.1倍となっている[4]。半径は太陽の0.08倍(木星の約0.78倍)である。スペクトルではT1V型に分類される。インディアン座ε星Aからは約1500天文単位離れている[5]

インディアン座ε星Bb

大きさの比較
木星インディアン座ε星Bb

インディアン座ε星Bbは当初、木星の28±7倍[6]の質量を持つとされたが、先述の論文で木星の50倍から54.5倍になっている。質量はBaより小さいが、半径はBaよりやや大きく、木星の約0.8倍である。スペクトルではT6V型に分類される。表面温度はBaより380Kも低い。2.65天文単位離れているBaと連星系を成しており、お互いを公転しながらインディアン座ε星Aを長い時間かけて公転しているとされている。

フィクション

脚注

注釈

出典

関連項目

外部リンク