コクーン歌舞伎

渋谷のシアターコクーンで行われる歌舞伎公演

コクーン歌舞伎(コクーンかぶき)は、東京・渋谷のBunkamura内の劇場、シアターコクーンで行われる歌舞伎公演である。

1994年5月、歌舞伎役者の十八代目中村勘三郎(初演時は五代目中村勘九郎)、三代目中村橋之助らが『東海道四谷怪談』を上演したのが始まりである。その後も勘三郎、九代目中村福助、橋之助、二代目中村勘太郎(現六代目中村勘九郎)二代目中村七之助をはじめとする花形役者・若手役者が出演して、1〜2年に一回、約1ヶ月間の公演が行われている。2005年の公演には、襲名公演の期間中であった勘三郎は出演せず、福助、橋之助が中心となって『桜姫』が上演された。

特色

  • 古典歌舞伎の演目を新たな演出で上演する公演である。
  • 本水、本泥の使用や、石野卓球椎名林檎ら現代のポップミュージシャンを起用した演出が話題になった。
  • 1階席の前方には、椅子ではなく座布団に座る「平場席」が設けられる。
  • 客席での飲食が認められている。(シアターコクーンでは、通常は客席での飲食を禁止している)

演出家

1996年の『夏祭浪花鑑』以降は、初演時にシアターコクーンの芸術監督だった串田和美が演出を担当している。

串田は、2006年の『東海道四谷怪談・北番』で、読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞した。

上演記録

上演年月演目備考
第1弾1994年5月東海道四谷怪談
第2弾1996年8月夏祭浪花鑑
第3弾1998年9月盟三五大切』(南番・北番)五代目中村勘九郎(当時)三代目中村橋之助(当時)の配役を入れ替えた2バージョンを上演
第4弾2001年6月三人吉三
第5弾2003年6月『夏祭浪花鑑』再演
第6弾2005年6月『桜姫』
第7弾2006年3~4月『東海道四谷怪談』(南番・北番)再演(南番)
台本、配役、演出などの異なる新作(北番)も上演
第8弾2007年6月『三人吉三』再演
椎名林檎の新譜『玉手箱』をメインテーマ曲に使用
第9弾2008年6月『夏祭浪花鑑』再々演
平成中村座ヨーロッパ公演凱旋記念公演として上演
第10弾2009年7月『桜姫』再演
同年6月公演の現代劇版『桜姫』との連続上演
第11弾2010年6月『佐倉義民傳』結果的に十八代目勘三郎が主演したのはこれが最後となった
第12弾2011年6月『盟三五大切』
第13弾2012年6~7月『天日坊』原作:河竹黙阿弥「吾嬬下五十三次駅」、脚本:宮藤官九郎
主演:六代目中村勘九郎
第14弾2014年6月『三人吉三』
第15弾2016年2月四谷怪談
第16弾2018年5月切られの与三原作:瀬川如皐「与話情浮名横櫛」、補綴:木ノ下裕一
主演:二代目中村七之助
第17弾2021年5月『夏祭浪花鑑』主演:六代目中村勘九郎
第18弾2022年2月『天日坊』第13弾の再演

脚注