サク・アクトゥン

サク・アクトゥン洞窟系[3][4]サック・アクトゥン[5]とも、Sistema Sac Actunユカテコ語で「白い洞窟」を意味する)は、ユカタン半島カリブ海沿岸に位置する水中洞窟系で、トゥルム英語版の北と西を通っている。2018年にドス・オホス洞窟系 (Sistema Dos Ojosとつながっていることが発見され、知られる範囲で世界最長の水中洞窟系であることが判明した。

サク・アクトゥン
大セノーテ
サク・アクトゥンの位置を示した地図
サク・アクトゥンの位置を示した地図
サク・アクトゥン
所在地メキシコの旗 メキシコキンタナ・ロー州トゥルム
座標北緯20度14分47.6秒 西経87度27分50.8秒 / 北緯20.246556度 西経87.464111度 / 20.246556; -87.464111 西経87度27分50.8秒 / 北緯20.246556度 西経87.464111度 / 20.246556; -87.464111
深度119.2m[1]
総延長水面下 364.396km[1]
全長 371.958km[2]
発見1987年11月26日
地質石灰岩
洞口数187のセノーテ[1]
難易度高い洞窟潜水技術が必要

洞窟からはマストドンとヒトの女性の骨が発見された。現在のところ、この地域に人類が居住していた最古の証拠になっている。

探検の歴史

洞窟の探検はトゥルムの5キロメートル西にある大セノーテから始められた。探検された洞窟はすべてキンタナ・ロー州トゥルムに位置している。

2007年、水中洞窟のノホチ・ナフ・チチ洞窟系 (Sistema Nohoch Nah Chichがサク・アクトゥンとつながって包摂され、それまでで最長の水中洞窟になった[6]

2011年1月には34キロメートルのアクトゥン・フ洞窟系をあわせてサク・アクトゥンは230.8キロメートルとなった。2017年5月には259.5キロメートルが探検され、270.2キロメートルのオックス・ベル・ハ洞窟系に次ぐ2番目の長さになった[1]。2007年はじめ以来、キンタナ・ロー洞窟調査 (Quintana Roo Speleological Surveyにおいてこの2つの洞窟は世界最長の水中洞窟の座を争っていた[7]。水のない洞窟部分を連結するとサク・アクトゥン洞窟系は364.4キロメートルとなり、メキシコ最長[2]、世界で第2位の長さをもつ洞窟になる[8]

2018年、サク・アクトゥン洞窟系(当時は263キロメートル)と同じトゥルムのドス・オホス洞窟系(84キロメートル)に連結部があることが報告された[5][9]。連結はダイバーで探検家のロバート・シュミットナーの主導する大マヤ帯水層プロジェクト(Gran Maya Aquifer, GAM)によって発見された[10]。両者を合わせると世界最大の水中洞窟系になると報告された。

後期旧石器時代の骨

2008年3月、トゥルム洞穴学プロジェクト(Proyecto Espeleológico de Tulum)と全世界水中探検会 (Global Underwater Explorersのダイバーであるアレックス・アルバレス、フランコ・アットリーニ、アルベルト・ナバの3人はアクトゥン・フのオジョ・ネグロ(Hoyo Negroブラックホール)と呼ばれる崩落部を探検した[11][12]。深さ60メートルの所でマストドンの骨、43メートルの所でヒトの頭蓋骨を発見した。後者はこの地域にヒトが居住していた最古の証拠にあたる[12]。後に頭蓋骨以外も発見されて12,000-13,000年前の15-17歳の女性であることが判明し、ギリシア神話の水の妖精であるナーイアスにちなんでナイア英語版と命名された[4][13]

脚注

関連項目