サライ (曲)

加山雄三・谷村新司のシングル(1992)

サライ」は、加山雄三谷村新司の制作により誕生した楽曲1992年11月16日8cmCDとしてファンハウス(現・ソニー・ミュージックレーベルズ アリオラジャパンレーベル)より発売。オリコンチャート最高位20位を記録している。

サライ
加山雄三谷村新司シングル
リリース
規格8cmCD
ジャンルポップス
時間
レーベルFUN HOUSE
作詞・作曲代表作詞:谷村新司
作曲:弾厚作(加山雄三)
チャート最高順位
加山雄三谷村新司 シングル 年表
-サライ
(1992年)
-
加山雄三 年表
オヤジの背中
(1992年)
サライ
(1992年)
新しい君
1993年
谷村新司 年表
三都物語
(1992年)
サライ
(1992年)
階-きざはし-
(1993年)
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日本テレビ系列(NNNNNS)各局と沖縄テレビフジテレビ系列)が年1回放送するチャリティー番組『24時間テレビ 「愛は地球を救う」』のテーマソングとして制作され、第15回(1992年)より毎年使用されている。

解説

楽曲の歴史

1992年の第15回記念として、加山雄三(筆名である弾厚作名義)がギターで作曲し、全国の視聴者から寄せられた愛のメッセージを基に谷村新司代表作詞としてとりまとめ、24時間以内にそれを一本の歌(番組内では「愛の歌」と呼ばれた)として制作しようという試みが行われた。CDには参加していないが、歌唱指導を堺正章が、曲制作の模様を伝える役を生島ヒロシが担当している。

完成した曲は、以後毎年のように番組のエンディングで谷村・加山のメインボーカルにより出演者や全国各地の系列局のパーソナリティ・ボランティアで大合唱される[1]2014年2017年はオープニングで、2022年は加山雄三のラストステージ、および楽曲誕生30周年を記念して初めて番組の途中でも歌唱された。

CDの売上による印税の一部は、同番組のチャリティー募金に充てられた。カラオケで発生する著作権料の一部も、チャリティー基金に充てられている[2]

実際に番組のフィナーレで流れる曲は原曲をアレンジしたバージョンで、イントロ・間奏・アウトロはCD版と大きく異なる他、3番のサビから先は延々と繰り返されて途中からは変調、最後は終わりの歌詞を2回繰り返した後にファンファーレ調のアウトロで締めている。

楽曲に合わせた振付「手話コーラス」も存在し[3]、番組のエンディングにステージ上で、日本テレビ小鳩文化事業団(旧:愛の小鳩事業団)の手話コーラス部によって[4]披露されている。

発売から31年以上経った2023年8月現在でも本作品は、発売当時の8cmCDのままカタログに残っており、発売元がソニー・ミュージックレーベルズ社内レーベルであるアリオラジャパンに移管された上で販売が続けられている[5]

テーマ

日本テレビによると、曲のテーマは「心のふるさと」であり、「サライ」という曲名はペルシア語سرای」(サラーイ、UNGEGN式: Srāy; Srāi)から来ていて、直訳は「宿(または家)」。本曲には「砂漠の中のオアシス[A 1]という意味も込められている。「宿(または家)」や「砂漠の中のオアシス」が、曲のテーマ「心のふるさと」に近いから『サライ』という曲名になったと日本テレビは説明している[2][A 2]

24時間テレビ外での使用

『24時間テレビ』のテーマソングとして制作された楽曲ではあるが、日本テレビ系列の他番組やイベントなどでも使用されている。さらに、他局・他の媒体でも『24時間テレビ』のパロディー暗喩の演出として「負けないで」と共に演奏、歌詞の一部が使用されることがある。

  • いわゆるセルフカバー作品としての扱いであるが、谷村・加山共に発表している[6][7][8]。その他、谷村と加山はそれぞれ『サライ』の名を冠したベスト・アルバムを1992年12月25日に同時発表、本曲のデュエット版を収録している[9][10]
「愛は地球を救う」で本曲を大合唱する様子。中継地は大阪市ツイン21アトリウム。(2005年8月)

24時間テレビのエピソード

  • 2003年の『24時間テレビ26』(8月23日 - 24日)では、チャリティーマラソンを行った山田花子が放送内にゴールできず、さらには1時間以上の遅れが見込めるものだったこともあり、総合司会を務めた徳光和夫の呼びかけで花子への応援を兼ねて生放送終了後にもう1度本曲の大合唱が実施された(この模様は翌週の8月31日放送分の『THE・サンデー』で放映された)。
  • 2022年、加山が85歳という高齢を理由に、コンサート活動から引退することを表明[14]。楽曲完成から30周年を迎えたこの年の『24時間テレビ45』(8月27日 - 28日)が加山最後の24時間テレビでのサライ歌唱となった[15][16](同年はエンディング以外にも、8月28日夕方の部にて谷村とデュオで披露している)[17][18][19]。また、翌2023年では谷村は病気のため出演せず、そのまま同年10月8日に死去したため、彼にとっても最後の24時間テレビでのサライ歌唱となった。なお、日本テレビ代表取締役社長の石澤顕は10月23日の定例記者会見にて谷村の死去に触れ、谷村への感謝とともに今後も「サライ」を歌い継いでいくことを明らかにしている[20]

収録曲

  1. サライ
  2. サライ-オリジナルカラオケ-

関連項目

外部リンク

脚注

名称に関する注釈

セム系言語は、右から左に読む。かな文字は、2016年現在の日本語横組みで一般である、左から右の読みにした。

出典