スーザン・ケア

スーザン・ケア (Susan Kare, 1954年2月5日-) は、アメリカ芸術家グラフィックデザイナーで、Niantecのデザインアーキテクト[1]1980年代Appleコンピュータ "Macintosh" のためにたくさんのグラフィカルユーザインタフェース (GUI) をつくりだした。NeXT社(スティーブ・ジョブズ1985年のApple退社後に設立した企業)の設立時の従業員のひとりでもあり、「クリエイティヴ・ディレクター」職[2]で働いていた。

背景

ケアはニューヨーク州イサカに生まれ[3]ロケット学者でフィルク音楽家(filker)のジョーディン・ケアの姉[4][5]である。1975年、マウント・ホリヨーク大学(Mount Holyoke College)からB.A., summa cum laudeを受け、1978年にはニューヨーク大学からPh.D.を受けた。つぎにサンフランシスコに移り、美術館で働いた。[6][4]

Apple Computer

ケアがAppleに参加したのは、彼女の高校時代の友人アンディ・ハーツフェルドからの一本の電話によるもので1980年代の初めのことだった[2][4][6][7]。彼女はたくさんのタイプフェイスアイコン、最初のMacintoshのOSのためのオリジナルのマーケティング物などのデザイナーであった。ピクセルアートの初期のパイオニアであり、もっともよく知られたAppleでの仕事は、ChicagoGenevaといった英語版MacのSystemフォント、ソフトウェアのプリントダイアログに表示されるClarusという名の犬のキャラクタDogcowや、Happy Mac(かつてMac OSのマシン起動時にディスプレイ中央に表示されていたアイコン)、そしてAppleキーボード(Appleキー)上のコマンドキーの記号である[4][6]。また、ケアによるMacPaintのツールデザインの多くは、2022年現在のPhotoshop CCでも少しアレンジされたのみで利用されている[8]

Apple後

Apple退社後、ケアは「クリエイティヴ・ディレクター」職でNeXT社に加わった。のちにインディペンデントのグラフィック・デザイナーとして成功し、マイクロソフトIBMをクライアントに仕事をした[6][9]。 マイクロソフトのための彼女のプロジェクトはWindows 3.0のゲーム「ソリティア」のカードデッキが含まれており[9][10]、それと同様に数々のWindows 3.0のためのアイコンやエレメントのデザインが含まれていた[2][4]メモ帳やさまざまなコントロールパネルのような無数の彼女のアイコンが、基本的には変わらず今もWindowsに残っている。IBMのためには、OS/2[10][11]のためのアイコンやエレメントをつくりだした。また、General Magicの依頼によりMagic Capのフォントやスクリーンイメージのデザインをした[12]他、Eazel社の依頼によりNautilusGUIエレメントの大半をデザインしている[13]

ニューヨーク市にあるニューヨーク近代美術館のショップは、ケアのデザインをフィーチャーした文具やノートを扱い始めた。2007年2月7日、人気SNSFacebook」のためにヴァレンタインデーのギフト用のアイコンをつくった。まず最初に、ギフトの売り上げによる利益は乳がんと闘うSusan G. Komen for the Cure基金に寄付された。ヴァレンタインデーのあとには、ギフトセレクションが、新しく限定版のギフトに修正され、ヴァレンタインデーに必ずしも関連するものではなくなった[14]

2012年8月にはAppleとサムスン電子の訴訟において「サムスンのスマートフォンはAppleの製品と取り違えるほどよく似ている」と証言した[15]

脚注

外部リンク