ナモ・バーラト

ナモ・バーラト英語: Namo Bharat)は、インドデリー首都圏高速都市鉄道であるラピッドXで使用されている電車。通勤・近郊輸送を意識した営業最高速度160 km/hの列車で、愛称は「インドへの敬意」を意味する[1][2][4][5][6][10]

ナモ・バーラト
ナモ・バーラト(2023年撮影)
基本情報
運用者首都圏交通公社英語版
製造所アルストム
製造年2022年 -
製造数180両(6両編成30本)(予定)
運用開始2023年
投入先ラピッドX
主要諸元
編成6両編成
軌間1,435 mm
電気方式直流25,000 V 50 Hz
架空電車線方式
最高運転速度160 km/h
設計最高速度180 km/h
編成定員1,468人(着席407人)
車体長22,000 mm
車体幅3,200 mm
車体ステンレス鋼
定格速度100 km/h
備考主要数値は[1][2][3][4][5][6][7][8][9]に基づく。
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概要

ラピッドX(RapidX)は、インド首都デリーを含むデリー首都圏と周辺都市を結ぶ都市鉄道として計画された路線網で、2023年10月以降順次各路線が営業運転を開始している。これらの路線向けに開発・生産が行われているのが「ナモ・バーラト」で、運行開始に先立つ2020年ボンバルディア・トランスポーテーション(現:アルストム)とラピッドXを所有する首都圏交通公社英語版(National Capital Region Transport Corporation、NCRTC)の間に製造に関する契約が結ばれた[1][11][12]

ロータス寺院(Lotus Temple)をモチーフにしたデザインを有する流線形の列車で、6両編成のうち先頭車1両はプレミアム車両(Premium Coach)、4両は普通車両(Standard Coach)となっている他、プレミアム車両と連結されている中間車1両は女性専用車両である。編成の総定員は1,468人を想定している。車体は安全性の向上や軽量化を目的に、インドのジンダル・ステンレス(Jindal Stainless)が開発した「グリーン・メタル(Green Metal)」と呼ばれるステンレス鋼で作られている。設計最高速度は180 km/hだが、実際の営業運転では160 km/hが最高速度となっている。乗降扉は両開き式プラグドアで、プレミアム車両には2箇所、普通車両には3箇所設置されている[1][2][3][6][7][8][9]

車内には2+2人掛けのクロスシートが設置されている他、つり革や握り棒など立席客向けの設備が設置されている。そのうちプレミアム車両の座席はリクライニング機構を備えている他、シートピッチも広く設けられている。また、荷物ラックや充電用ソケット、情報案内装置など快適性を図るための設備も存在する他、安全対策のための監視カメラや消防設備、緊急時に備えた担架も搭載されている[7][3]

制御システムとして、ETCS レベル3(European Train Control System L3)に対応したLTE通信装置が設置されており、これを用いて列車信号の操作や列車位置の特定などが行われる。また、将来的にはこの通信システムを用いた自動列車運転装置(ATO)の搭載も計画されている[6]

ラピッドXの最初の路線となるデリー-メーラト線英語版では6両編成30本が使用される事になっており、インド政府が推進する「メイク・イン・インディア英語版」の方針に基づき、2022年以降アルストムがインドに有する工場で生産が行われている[1][2][6]

関連項目

  • メーラト・メトロ英語版 - メーラト市内で運行予定の都市鉄道。ラピッドXのデリー-メーラト線と路線を共有する事になっており、2020年にナモ・バーラトと共にボンバルディア・トランスポーテーション(現:アルストム)に3両編成10本の車両発注が実施され、2024年以降順次生産が実施されている[1][13][14]

脚注

注釈

出典