ハリウッド玉手箱

ハリウッド玉手箱』(ハリウッドたまてばこ、Hollywood Canteen)は、1944年に公開されたアメリカ合衆国ロマンチックコメディミュージカル映画。出演はジョーン・レスリーロバート・ハットン英語版デーン・クラーク英語版。監督・脚本はデルマー・デイヴィス[4]

ハリウッド玉手箱
Hollywood Canteen
監督デルマー・デイヴィス
脚本デルマー・デイヴィス
製作アレックス・ゴットリーブ
出演者ジョーン・レスリー
ロバート・ハットン英語版
デーン・クラーク英語版
音楽レオ・F・フォーブステイン英語版(音楽監督)
レイ・ハインドーフ英語版(編曲)
撮影バート・グレノン英語版
編集クリスチャン・ニービー英語版
製作会社ワーナー・ブラザース
配給アメリカ合衆国の旗 ワーナー・ブラザース
日本の旗 MPEA映画社 [1]
公開アメリカ合衆国の旗 1944年12月15日
日本の旗 1948年4月22日(大阪)[1]
上映時間124分
製作国アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語英語
製作費212万6000ドル[2]
興行収入420万ドル(北米)[3]または545万2000ドル[2]
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舞台は、第2次世界大戦当時、ハリウッドにあった軍人向けの食堂「ハリウッド・キャンティーン」で、店の名前がそのまま映画のタイトルになっている。この食堂はベティ・デイヴィスジョン・ガーフィールドの呼びかけで誕生し、多くのスターがボランティアで調理、給仕、さらにエンタテインメントを提供した。そのスターたちがこの映画にも本人役で多数カメオ出演している[4]

あらすじ

第2次世界大戦中、ニューギニアで日本軍と戦っていたスリム・グリーン伍長とノーラン軍曹は3日間の休暇をもらいアメリカに帰国する。多くのスターに会えると聞き、ハリウッド・キャンティーンに出かける。そこでスリムは憧れの女優ジョーン・レスリーと出会え、さらにデートまでしてもらう。ハリウッド・キャンティーンでスターたちが繰り広げる玉手箱のようなステージ。二人はつかのまの夢と享楽で英気を養い、再び戦場へと旅立つ。

キャスト

カメオ出演

ミュージカル・ナンバー

  • "Hollywood Canteen"(歌:アンドリューズ・シスターズ) - タイトルバック
  • "What Are You Doin' the Rest of Your Life"(歌:ジャック・カーソン&ジェーン・ワイマン、演奏:ジミー・ドーシー楽団)
  • "The General Jumped at Dawn"(歌:ゴールデン・ゲート・カルテット)
  • "We're Having a Baby'"(歌:エディ・カンター&ノラ・ルー・マーティン)
  • "Tumblin' Tumbleweeds"(歌:サンズ・オブ・ザ・パイオニアーズ)
  • "Don't Fence Me In"(歌:ロイ・ロジャース&サンズ・オブ・ザ・パイオニアーズ)
  • "Gettin' Corns For My Country"(歌:アンドリューズ・シスターズ、演奏:ジミー・ドーシー楽団)
  • "Don't Fence Me In"(歌:アンドリューズ・シスターズ、演奏:ジミー・ドーシー楽団)
  • "You Can Always Tell a Yank"(歌:デニス・モーガン&ジョー・E・ブラウン、演奏:ジミー・ドーシー楽団)
  • "Sweet Dreams, Sweetheart"(歌:ジョーン・レスリー、実際はサリー・スウィートランドの吹替)
  • "Ballet in Jive"'(踊り:ジョーン・マクラッケン)
  • 蜜蜂(演奏:ヨーゼフ・シゲティ)
  • 思い出(演奏:ヨーゼフ・シゲティ&ジャック・ベニー)
  • "Voodoo Moon"(演奏:カーメン・キャバレロ楽団)
  • "Dance"(踊り:アントニオとロザリオ)
  • "Sweet Dreams, Sweetheart"'(歌:キティ・カーライル)

制作

制作は1943年にスタートしたが、映画俳優組合やワーナー・ブラザースなどの給与をめぐる紛争、さらにカメオ出演したスターたちに支払われるギャラを巡っての中断があった[5]

ロケ場所はサンセット・ストリップ、ベル・エアの住宅街、在郷軍人局病院など[5]

キューイング装置を含むワーナー・ブラザースが新開発した録音機器がこの映画ではじめて使用された[5]

評価

評価は賛否両論。『バラエティ』誌は「この映画の出演者の名前全部を書き出せる看板なんて存在しない。それはともかく、基本的に内容がある。ストーリー、繋がり、心情が描かれている」[6]。『デイリーニューズ』紙のケイト・キャメロンは「ショーの場面は手が込んでいるが、監督・脚本のデルマー・デイヴィスの慎ましさに欠けるハリウッド賛美は見てて恥ずかしくなるほど」[7]

第17回アカデミー賞ではアカデミー歌曲賞(『Sweet Dreams, Sweetheart』)、アカデミー作曲賞(M・K・ジェローム、テッド・ケーラー)、アカデミー録音賞ネイサン・レヴィンソン)の3部門でノミネートされた[8]

興行

否定的なレビューもあったが、観客には好評でこの年の興行収入第4位[6]。ワーナー・ブラザースはチケット売上の40%をハリウッド・キャンティーンに寄付した[9]

ワーナー・ブラザーズによると、この映画はその年ワーナーで一番売れた作品で、アメリカ・カナダを合わせた北米市場で3,831,000ドル、海外で1,621,000ドルを稼いだ[2]

出典

外部リンク