ブループラネット賞

旭硝子財団により1992年に創設された地球環境国際賞

ブループラネット賞(英: Blue Planet Prize)は、公益財団法人 旭硝子財団が主催する国際的な環境賞である。地球環境の改善に顕著な貢献をした個人や団体に贈られる。1992年に創設され、毎年2名または2団体が選ばれる。受賞者には、各5000万円と記念品が贈られる[1]

ブループラネット賞
ブループラネット賞のロゴ
受賞対象地球環境の改善に顕著な貢献をした個人や団体
日本
主催公益財団法人 旭硝子財団
初回1992年
公式サイトhttps://www.af-info.or.jp/blueplanet/index.html

選考基準

ブループラネット賞は、持続可能な社会の実現に確かな展望をあたえる観点から、地球環境の保全・再生に向けた理念構築や科学的理解、あるいは対策や実践活動に大きく貢献した個人または団体を顕彰する賞である。個人 (単独あるいは複数),組織(非営利に限る)のいずれも対象となり、国籍,性別,信条などは問われないが,個人の場合は生存者に限られる。自薦は受け付けられない。[2]

選考は、毎年8月から10月にかけて国内外のノミネーター(旭硝子財団データベース登録者)による推薦制度で行われる。推薦を受け付けた後、約半年かけて選考委員(非公開)による数次の審議により受賞候補を選出し、 選出した候補者を顕彰委員会に諮った後、理事会で受賞者を正式決定する。審査については秘密事項となっており、審査・選考過程などについてのお問い合わせには一切応じない。[2]

過去の受賞者

受賞年受賞者国籍所属受賞理由
2023リチャード・トンプソン、タマラ・ギャロウェイ、ペネロープ・リンデキュー、デバラティ・グハ=サピールイギリスベルギープリマス大学、エクセター大学、プリマス海洋研究所、ルーヴァン・カトリック大学マイクロプラスチック汚染や災害データベースの研究に対して[3]
2022ジグミ・シンゲ・ワンチュク第4代ブータン王国国王陛下、スティーブン・カーペンター教授ブータン王国アメリカ合衆国ブータン王国国王陛下、ウィスコンシン大学陸水学センター (CFL) 国民総幸福量(GNH)の提唱や湖の生態系の研究に対して[4]
2021ヴィーラバドラン・ラマナサン教授、モハン・ムナシンゲ教授アメリカ合衆国スリランカカリフォルニア大学サンディエゴ校 (UCSD) 、スリランカ持続可能な開発財団 (MIND) 気候変動や持続可能な開発に関する研究に対して[5]
2020デイビッド・ティルマン教授、サイモン・スチュアート博士アメリカ合衆国イギリスミネソタ大学サウサンプトン大学生物多様性や絶滅危惧種の研究に対して[6]
2019エリック・ランバン教授ジャレド・ダイアモンド教授ベルギーアメリカ合衆国ルーヴェン・カトリック大学カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA)森林の保全や文明の興亡に関する研究に対して[7]
2018ブライアン・ウォーカー教授、マリン・ファルケンマーク教授オーストラリアスウェーデンオーストラリア国立大学 (ANU) 、ストックホルム国際水問題研究所 (SIWI) 生態系のレジリエンスや水資源の管理に関する研究に対して[8]
2017ハンス・J・シェルンフーバー教授、グレッチェン・C・デイリー教授ドイツアメリカ合衆国ポツダム気候影響研究所 (PIK)スタンフォード大学気候変動や生態系サービスの研究に対して[9]
2016パバン・シュクデフ氏、マルクス・ボルナー教授インドスイスグリーンインディアイニシアティブ財団、国際農業研究協議会 (CGIAR) 森林の経済的価値や気候変動への対策に対して[10]
2015パーサ・ダスグプタ教授ジェフリー・D・サックス教授イギリスアメリカ合衆国ケンブリッジ大学コロンビア大学環境と開発の関係に関する研究に対して[11]
2014ハーマン・デイリー教授、ダニエル・H・ジャンゼン教授、コスタリカ生物多様性研究所アメリカ合衆国コスタリカメリーランド大学ペンシルベニア大学、コスタリカ生物多様性研究所環境経済学や熱帯雨林の保全に対して[12]
2013松野太郎博士、ダニエル・スパーリング教授日本アメリカ合衆国京都大学マサチューセッツ工科大学 (MIT)アフリカの自然保護や野生動物の研究に対して[13]
2012ハロルド・A・ムーニー教授、J・ガスターヴ・スペス卿アメリカ合衆国フランススタンフォード大学フランス国立科学研究センター (CNRS)植物生態学や地球生態系の研究に対して[14]
2011ジェーン・ルブチェンコ博士、ベアフット・カレッジアメリカ合衆国インドアメリカ海洋大気庁 (NOAA) 、ベアフット・カレッジ海洋生態系の保全や地域社会の自立支援に対して[15]
2010ジェームス・ハンセン博士、ロバート・ワトソン博士アメリカ合衆国イギリスアメリカ航空宇宙局 (NASA)イースト・アングリア大学気候変動の科学的な警告や政策提言に対して[16]
2009宇沢弘文教授、ニコラス・スターン卿日本イギリス東京大学ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス (LSE)環境経済学や気候変動に関する報告書の作成に対して[17]
2008クロード・ロリウス博士、ジョゼ・ゴールデンベルク教授フランスブラジルフランス国立科学研究センター (CNRS)サンパウロ大学氷床コアの研究やバイオエタノールの開発に対して[18]
2007ジョセフ・L・サックス教授、エイモリ・B・ロビンス博士アメリカ合衆国アメリカ合衆国カリフォルニア大学バークレー校、アフリカ野生動物基金 (AWF) 環境法や野生動物保護の分野での活動に対して[19]
2006宮脇昭博士、エイモリ・B・ロビンス博士日本アメリカ合衆国京都大学、アフリカ野生動物基金 (AWF) アフリカの自然保護や野生動物の研究に対して[20]
2005ニコラス・シャックルトン、ゴードン・ヒサシ・サトウイギリスアメリカ合衆国ケンブリッジ大学マサチューセッツ工科大学 (MIT)古気候学や人工光合成の研究に対して[21]
2005ニコラス・シャックルトン、ゴードン・ヒサシ・サトウイギリスアメリカ合衆国ケンブリッジ大学マサチューセッツ工科大学 (MIT)古気候学や人工光合成の研究に対して[22]
2004スーザン・ソロモングロ・ハルレム・ブルントラントアメリカ合衆国ノルウェーアメリカ海洋大気庁 (NOAA)元ノルウェー首相オゾン層の研究や持続可能な開発に関する報告書の作成に対して[23]
2003ジーン・E・ライケンズ、F・ハーバート・ボーマン、ヴォー・クイーアメリカ合衆国ベトナムコーネル大学、ハノイ大学森林生態系や熱帯農業の研究に対して[24]
2002ハロルド・A・ムーニー、J・ガスターヴ・スペス卿アメリカ合衆国フランススタンフォード大学フランス国立科学研究センター (CNRS)植物生態学や地球生態系の研究に対して[25]
2001ロバート・メイ卿、ノーマン・マイアーズオーストラリアイギリスオックスフォード大学独立研究者生物多様性や生態系の複雑性に関する研究に対して[26]
2000ティオ・コルボーン、カールヘンリク・ロベールアメリカ合衆国スウェーデンコロラド大学デンバー校、ブレーキング大学内分泌かく乱物質や持続可能な社会の構築に関する研究に対して[27]
1999ポール・R・エーリック、曲格平 (チュ・グェピン)アメリカ合衆国中国スタンフォード大学中国科学院人口問題や環境教育に対して[28]
1998ミファイル・I・ブディコ、デイビッド・R・ブラウワーロシアアメリカ合衆国ロシア科学アカデミーフレンズ・オブ・ジ・アース気候変動や環境保護運動に対して[29]
1997ジェームス・E・ラブロック、コンサベーション・インターナショナルイギリスアメリカ合衆国独立研究者、コンサベーション・インターナショナルガイア理論や生物多様性保全の活動に対して[30]
1996ウォーレス・S・ブロッカー、M.S.スワミナサン研究財団アメリカ合衆国インドコロンビア大学、M.S.スワミナサン研究財団地球科学や農業生物工学の分野での先駆的な研究に対して[31]
1995バート・ボリン、モーリス・F・ストロングスウェーデンカナダストックホルム大学、国連地球サミット事務局長気候変動や持続可能な開発に関
2022年のブループラネット賞受賞講演の様子

脚注

関連項目

外部リンク