ベネラ16号

ソビエト連邦の無人金星探査機

ベネラ16号(Venera 16、ロシア語: Венера-16)は、ソビエト連邦によって金星に送られた探査機である。無人のオービターで、高解像度の撮像システムを用い、金星の表面の地図を作成した。ベネラ15号と相同であり、ベネラ計画の以前の探査機を改良したものである。

ベネラ16号
所属ソビエト連邦
任務オービター
周回対象金星
軌道投入日1983年10月11日
打上げ日時1983年6月7日
任務期間1983年6月7日から1984年7月
COSPAR ID1983-054A
質量4000 kg
軌道要素
軌道傾斜角92.5°
遠点高度11.91 RV
近点高度1.17 RV
軌道周期24時間
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ミッション

ベネラ16号は、1983年6月7日2時32分00秒(UTC)に打ち上げられ、1983年10月11日に金星の軌道に入った。

ベネラ16号は、ベネラ15号から1日遅れて、軌道面が約4°ずれた金星の軌道に入った。これにより、必要な地域の再撮影ができるようになった。ベネラ16号はほぼ極軌道を通り、近点は北緯62°で約1000km、遠点は約6万5,000km、軌道傾斜角は約90°、軌道周期は約24時間であった。

ベネラ15号とともに、ベネラ16号は8箇月をかけて、北極から北緯約30°まで(金星表面のおおよそ25%)を撮影した。

探査機の構造

ベネラ15号とベネラ16号は相同で、ベネラ9号及びベネラ14号のオービターを改良したものを元にした。両機は、直径0.6m、長さ5mの細長い円筒形で、一端に合成開口レーダーのための1.4mの高さのパラボラアンテナが設置された。この端には、無線高度計用の直径1mのパラボラアンテナも設置された。無線高度計用アンテナの軸は、円筒の軸と一致しており、合成開口レーダー用アンテナの軸は、円筒の軸から約10°傾いて設置された。円筒の別の端の膨らみには、燃料タンクと推進ユニットが収蔵され、2つの正方形の太陽電池が円筒形の横から翼のように伸びた。2.6m通信用パラボラアンテナも円筒形の横部に取り付けられた。質量は、4,000kgであった。

ベネラ15号と16号は、どちらも合成開口レーダーを搭載した。金星の厚い雲を透過するためにレーダーが必要であった。

探査機に搭載された機器は、以下のとおりである。

  • Polyus-V合成開口レーダー
  • Omegaレーダー高度計
  • 赤外線フーリエ分光計
  • 宇宙線検出器(6センサ)
  • 太陽プラズマ検出器

外部リンク