ポケットモンスター ダイヤモンド・パール

株式会社ポケモンから発売されたニンテンドーDS用ロールプレイングゲーム

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ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』は、2006年9月28日に株式会社ポケモンから発売されたニンテンドーDSロールプレイングゲーム[3]ポケットモンスター ダイヤモンド』と『ポケットモンスター パール』の総称である。この項目では『ポケットモンスター ダイヤモンド』と『ポケットモンスター パール』および、2008年9月13日に発売されたこれらの新バージョン[4]である『ポケットモンスター プラチナ』を扱う。

ポケットモンスター ダイヤモンド・パール
ジャンルロールプレイングゲーム
対応機種ニンテンドーDS
開発元ゲームフリーク
発売元株式会社ポケモン
販売元任天堂
プロデューサー陣内弘之山上仁志、のもと がくじ、鶴宏明
田尻智(エグゼクティブ)、岩田聡(エグゼクティブ)、石原恒和(エグゼクティブ)
ディレクター増田順一
デザイナー大森滋(リーダー)
西野弘二、松島賢二、太田哲司、佐藤仁美、河内丸武史、下山田照幸、たかはし ただし、とみさわ昭仁、中津井優、ヒロ中村
シナリオ増田順一(プロット)、西野弘二(プロット)、大森滋(プロット)、松宮稔展(プロットとシナリオ)
佐藤仁美、とみさわ昭仁、中津井優
プログラマー渡辺哲也(リーダー)
曽我部仙史(バトルシステム)
玉田荘介(フィールドシステム)
森昭人(通信システム)
ほか、多数
音楽一之瀬剛(リーダー)
佐藤仁美、増田順一
美術杉森建(アートディレクター)
海野隆雄(グラフィックリーダー)
ほか、多数
シリーズポケットモンスター
人数1人(ワイヤレス通信時:2~8人)
メディアDSカード(512Mbitロムカセット
バックアップフラッシュメモリ搭載
発売日日本の旗中華民国の旗香港の旗2006年9月28日
アメリカ合衆国の旗カナダの旗2007年4月22日
オーストラリアの旗ニュージーランドの旗2007年6月21日
欧州連合の旗2007年7月27日
大韓民国の旗2008年2月14日
対象年齢CEROA(全年齢対象)
売上本数世界の旗 1,767万本(2023年9月末時点)[1]
日本の旗585万本(2022年12月末時点)[2]
その他DSワイヤレスプレイ対応
ダブルスロット機能対応
ニンテンドーWi-Fiコネクション対応(すでにサービス終了)
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概要

『ポケットモンスター ダイヤモンド』と『ポケットモンスター パール』は、ポケットモンスターシリーズ完全新作の4作目。「究極のポケットモンスター[5]」と銘打たれており、これまでのポケモンシリーズの集大成とでも言うべき内容だとされている。タイトルのダイヤモンドは「究極の硬度」、パールは「究極の真円」を意味している[6]。今作からハードがニンテンドーDS(以下、DS)になり、ゲームの画面構成がDS独自のデュアルスクリーン(二画面)に適したものに再設計された。パッケージのポケモンは、『ダイヤモンド』が時間を操る力を持つディアルガ、『パール』が空間をつかさどるとされるパルキア。この作品で言う時間と空間とは宇宙のことであり、作中でそれに関した伝承が語られている。

『ダイヤモンド』と『パール』の主な違いは、特定のポケモンの出現率、出現するポケモンの種類、ポケモン図鑑のテキストで、シナリオやキャラクターの台詞に違いはない。

本作の開発は2004年に始まり、同年10月7日に開催されたNINTENDO DS PREVIEWにて発売決定が告知された[7]。 当初本作は2005年11月に発売される予定だった[8]が開発に時間を要し、本作初登場となる新ポケモンのルカリオなどが活躍する「劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション ミュウと波導の勇者 ルカリオ」の公開が4日前に迫った同年7月12日、発売が2006年に延期となった旨が発表された[9]

本作で新たに登場したポケモンは107種類であり、前作までに登場している386種類と合わせた493種類が『ダイヤモンド・パール』『プラチナ』と『ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー』の5作品それぞれにすべて収録されている。ゲームクリア(殿堂入り)までにこれらの新ポケモンの大半を含む150種類(配信キャンペーン限定の幻のポケモン、マナフィを除く)が登場する。本作の舞台シンオウ地方に生息するポケモンを収録する「シンオウずかん」に登録できる150種類すべてのポケモンは、ゲーム中のトレーナー (NPC) 達が繰り出してくるポケモンと戦ったりNPCと会話したりすることで見つけられ、これらすべてを見つけるとゲームクリア後にDSのポケモンシリーズに登場する493種類すべてのポケモンを記録できる「ぜんこくずかん」にアップグレードしてもらうことができる。493種類のうち、本作で手に入らないポケモンについては、『ポケットモンスター プラチナ』『ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー』と通信交換するか、ゲームボーイアドバンス (GBA) のポケモンシリーズ『ルビー・サファイア』『ファイアレッド・リーフグリーン』『エメラルド』からDSのダブルスロット機能[注釈 1]を利用して連れてくる必要がある。

DS本体の無線通信機能を利用したニンテンドーWi-Fiコネクションにより、オンラインで交換と対戦が行えたが、2014年5月20日をもって同サービスは完全に終了しており、オンライン要素は一切プレイできなくなった。


また、2021年2月27日の「Pokémon Presents 2021.2.27」にて、2021年冬に「ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール」としてNintendo Switchにてリメイク版が発売されることが発表された[10]。また、同時に過去のシンオウ地方(同作の舞台)を描いた作品として「Pokémon LEGENDS アルセウス」も発表された。

ゲームシステム

前作と共通しているシステムも多いため、『ポケットモンスター ルビー・サファイア#ゲームシステム』も参照すること。

  • 今作から操作は下画面のタッチパネルに対応しており、ボタン操作をタッチ操作で代替することもできる。ただし、すべての状況で片方の操作方法で事足りるわけではなく、タッチが必須な場面とボタン操作が必須な場面が存在する。
  • フィールドでは下画面にポケッチ(後述)のアプリが表示される形で、バトルでは上画面にポケモンやHPバー/メッセージの表示、下画面に「たたかう」「どうぐ」「ポケモン(入れ替え)」「にげる」のコマンドが表示される。
  • ステータスや図鑑、バトルシーンのグラフィックは依然としてドットによる描写が中心だが、フィールドは3Dで描写されており、地形の高低差が立体的に見えるようになった。
  • ゲーム内の時間(日付や昼夜)がDS本体の時計とカレンダーにするようになり、時計やカレンダーを弄った場合にはロード後午前0時を過ぎるまで日替わりイベントなどは起こらない。(ただし、最後のレポートを書いた日に起こしていないイベントは除く)。
  • 前作のダブルバトルでは、ターン内にまだ行動していない他のポケモンが残っている状態でポケモンが倒れると、倒れたポケモンと替わって出てきた控えのポケモンに対して、行動チャンスが残っているポケモンの技がヒットしたが、今作から控えのポケモンが出てくる前に技が発動するようになり、対象がいない場合には技が失敗するようになった。

「わざ」の仕様変更

ポケモンが4つまで覚えることができる「わざ」は、前作までは、攻撃によってダメージを与えるものであれば攻撃系のわざ、それ以外は補助系というように大まかに括られており、攻撃系のわざが物理攻撃と特殊攻撃のどちらであるかは、わざのタイプごとに一律で設定されていたが、今作からわざ個別ごとに設定されるようになった。わざの分類も整理され、すべてのわざは、「ぶつりわざ」「とくしゅわざ」「へんかわざ」の3つのいずれかであることが明示されるようになった。

「ぶつりわざ」は打撃や斬り付けによってダメージを与えるわざの分類で、「はたく」や「ひっかく」のような単純なものと、「じしん」や「きゅうけつ」といった単純に相手を殴打するわけではないものが存在する。その性質ゆえに、直接攻撃に分類されるわざのほとんどが「ぶつりわざ」であることが多い。「とくしゅわざ」は上記の「ぶつりわざ」以外に分類される攻撃系のわざの分類で、主に「ねんりき」や「あくのはどう」といった精神的な攻撃や、「ほうでん」や「ソーラービーム」といったエネルギーを浴びせて攻撃するものが存在する。これらには当てはまらない、水を高圧で撃ち出し攻撃する「ハイドロポンプ」や、突風を起こして攻撃する「かぜおこし」といったものも存在するが、「とくしゅわざ」に分類されている。そのイメージゆえに直接攻撃に分類されるものは非常に少ない。「へんかわざ」は上記以外のわざで、HPを回復する、状態異常を引き起こす、能力を一時的に変化させるといった補助的なものが該当する。

今回の仕様変更により以下で例に挙げるような、一部のポケモンの「種類ごとの能力」が覚えられる技とミスマッチになっているという状態がある程度は改善され、ポケモンの育成とバトルに大きな変化がもたらされた。例えば、「とくこう」(特殊攻撃力)よりも「こうげき」(物理攻撃力)のほうがはるかに高いギャラドスがいるが、自身のタイプでもある「みず」タイプのわざは前作までは特殊攻撃に分類されていたために、自身のタイプとわざのタイプが一致している(使用者とわざが同じタイプの場合、威力が1.5倍になる仕様)「みず」タイプの物理攻撃わざというものがギャラドスにとっては存在せず、高い「こうげき」を最大限に生かせない状態であった。しかし今作からは、「みず」タイプの「ぶつりわざ」である「アクアテール」や「たきのぼり」を覚えさせることで「こうげき」の高さをいかんなく発揮させることができる。

ポケモンウォッチ(ポケッチ)

アプリをインストールすることで、機能を拡張することができる腕時計型の装置。入手後はフィールド画面表示中の下画面に常に表示される。冒険の途中で手に入る「ポケッチアプリ」が追加されていくことで、さまざまな機能が使えるようになる。プリインストールされているアプリは、DS本体の時間を表示するデジタル時計や電卓といったゲーム攻略には直接関係のないものだが、ゲームを進めることで、見えないアイテムのありかを表示する「ダウジングマシン」や、これまでに手に入れたポケモンの履歴を閲覧できる「ポケモンヒストリー」のような、サポートや便利ツールの要素を含んだアプリが追加されていく。

ちかつうろ

「ちかつうろ」とは、シンオウ地方の地下に張り巡らされた網目状のトンネルで、その領域は地方とほぼ同じという広大なもの。道具「たんけんセット」を手に入れると遊べるようになり、これを使って地下に潜ると、化石や進化の石といった道具や「タマ」と呼ばれる石や模様替えグッズ、「トラップ」との交換用アイテムを採掘する「カセキほり」をしたり、「ひみつきち」を作ったりすることができる。秘密基地は、『ルビー・サファイア・エメラルド』の同名の要素と似た内容で、集めた模様替えグッズを配置できる。各基地には「ハタ」が存在しており、ワイヤレス通信時には、同時に最大8人までが他のプレイヤーの基地からこの「ハタ」を奪い合う「ハタとり」をすることができる。奪った数に応じて自分のフラッグのランクが「ブロンズ→シルバー→ゴールド→プラチナ」の順に上がっていく。トラップはハタを持った他のプレイヤーを妨害するためのもので、トラップにかかると遠くへ飛ばされたり、一定時間の間ボタン操作が入れ替わってしまったりする。かかった場合はハタを手放すことでもトラップを解除できる。

この地下通路で他のプレイヤーと遊ばないと手に入らないポケモン、ミカルゲが存在する。

グローバルトレードステーション (GTS)

『ダイヤモンド・パール』『プラチナ』『ハートゴールド・ソウルシルバー』専用のオンラインサーバーを利用した匿名のポケモン交換システム。自分の希望するポケモンとレベルの範囲を指定した上で、交換に出してもよいポケモン1匹をGTSに預けておくと、相手の希望する条件とこちらの希望する条件があった場合に自動で交換される。現在では、ニンテンドーWi-Fiコネクションのサービス終了に伴い、GTSも利用不可能になっているが、仕組みが改良されつつ同じ名称で後のポケモンシリーズにも受け継がれている。

ストーリー

ある日、シンオウ地方のフタバタウンに住む主人公は、ジョウト地方の「いかりのみずうみ」にいるという赤いギャラドスを特集したテレビ番組に触発された幼馴染のライバルに誘われ、町の近くの「シンジこ(シンジ湖)」に赤いギャラドスを探しに出かける。湖畔の草むらに置き忘れられたナナカマド博士の鞄に入っていたポケモンを偶然から手にした2人は、改めて正式にポケモンをもらい、頼まれたポケモン図鑑の完成のための旅に出る。

登場人物

世界観

音楽

発売日タイトル
2006年12月22日ニンテンドーDS ポケモン ダイヤモンド&パール スーパーミュージックコレクション

ポケットモンスター プラチナ

ポケットモンスター プラチナ
ジャンルロールプレイングゲーム
対応機種ニンテンドーDS
開発元ゲームフリーク
発売元株式会社ポケモン
任天堂(販売元)
プロデューサー増田順一、えがみ しゅうさく、山上仁志、鶴宏明
田尻智(エグゼクティブ)、岩田聡(エグゼクティブ)、石原恒和(エグゼクティブ)
ディレクター河内丸武史
デザイナー太田哲司(リーダー)
西野弘二、佐藤仁美、中津井優、ヒロ中村、松宮稔展、森本茂樹、松島賢二、下山田照幸、たかはし ただし、大森滋、とみさわ昭仁
シナリオ河内丸武史(プロット)、増田順一(プロット)、西野弘二(プロット)、大森滋(プロット)、松宮稔展(プロットとシナリオ)
佐藤仁美、中津井優、とみさわ昭仁
プログラマーまつだ よしのり(リーダー)
ほか、多数
音楽佐藤仁美、のはら さとし、増田順一、一之瀬剛
美術杉森建(アートディレクター)
吉田宏信(グラフィックリーダー)
ほか、多数
シリーズポケットモンスター
人数1人(ワイヤレス通信時:2~8人)
メディアDSカード(512Mbitロムカセット
バックアップフラッシュメモリ搭載
発売日 2008年9月13日
2009年3月22日
2009年5月14日
2009年5月22日
2009年7月2日
対象年齢CEROA(全年齢対象)
売上本数 760万本(2022年12月末時点)[11]
265万本(2022年12月末時点時点)[12]
その他DSワイヤレスプレイ対応
ダブルスロット機能対応
ニンテンドーWi-Fiコネクション対応(すでにサービス終了)
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ポケットモンスター プラチナ』は、『ダイヤモンド・パール』のマイナーチェンジ版として2008年9月13日に発売されたゲーム作品。パッケージのポケモンは、「はんこつポケモン」のギラティナ。このギラティナは新登場の姿で、「オリジンフォルム」と呼ばれる。『ダイヤモンド』と『パール』との違いと同じように、『プラチナ』も特定のポケモンの出現率、出現するポケモンの種類、図鑑のテキストがそれらとは異なるが、さらに、一部シナリオやシステムの追加・変更、一部ポケモンのグラフィックの変更、主人公の服装の一新、オープニングムービーの変更などが行われている。

ポケモンだいすきクラブでは、『プラチナ』発売を記念して限定版の「ニンテンドーDS Lite ギラティナエディション」と本ソフトをセットにした抽選販売が行われた。

特徴

  • 「シンオウずかん」の収録数が210種類に増え、『ダイヤモンド・パール』で新登場したものの、「シンオウずかん」には含まれていなかったポケモンがすべて収録されている。
  • シナリオ終盤でギラティナが登場する特殊なマップ「やぶれたせかい」が追加された。
  • 上記したギラティナのオリジンフォルム以外にもロトムの5種類のフォルムとシェイミのスカイフォルムが追加された。
  • 『エメラルド』にもあったバトルフロンティアを内容を一新して収録。
  • これまでにはない「おしえわざ」の追加で、対戦環境が大きく変化した。
  • ポケモンセンターの地下に「Wi-Fiひろば」が追加された。Wi-Fi通信を利用してミニゲームなどを楽しむことができる。
  • GTSが「グローバルターミナル」と名を改め、機能が強化された。

「壁の中から戻れなくなる」不具合

『ダイヤモンド・パール』の初期出荷分でのみ発生するこの現象は、特定の状況下で本来通り抜けられないはずの壁の中に入ってしまい、没データの類であるマップ「なぞのばしょ」に行けてしまう。ここでレポート(セーブ)を行ってしまうと元の場所に戻れず続行不能となる可能性があるため、公式では注意喚起を行った[13]

壁の中でレポートを行ってしまった場合の救済措置として、ニンテンドーDSステーションニンテンドーゾーンWiiみんなのニンテンドーチャンネル』にてDSダウンロードプレイを用いた修復プログラムが配信され、これを実行するか、任天堂サービスセンターにソフトを送付することで修復することができた。この措置はいずれも2018年2月に終了している。

売り上げ

日本国内において『ダイヤモンド・パール』は、発売初週(9月28日~10月1日)の4日間で販売本数が158万本と、ニンテンドーDSで発売されたソフトとしては最速でミリオンセラーを達成し、シリーズ最高の出足となった。また、12月27日には、発売元である株式会社ポケモンより、出荷本数が500万本を突破したと発表される[14]。DSタイトルとしては初の500万本突破作品となる。日本ゲーム大賞2007年度ベストセールス賞受賞。

脚注

注釈

出典

関連項目

外部リンク