ミュージケアーズ・パーソン・オブ・ザ・イヤー

ミュージケアーズ・パーソン・オブ・ザ・イヤー(MusiCares Person of the Year)は、グラミー賞を主催するナショナル・アカデミー・オブ・レコーディング・アーツ・アンド・サイエンスが、音楽家の音楽業界における芸術的功績と慈善活動に対する献身性を讃えて毎年授与する賞[1][2]。賞の名称は、同アカデミーが「困窮する音楽家に健康面や医療面で支援することを目的」に設立した非営利医療組織であるミュージケアーズを反映している[3]。ミュージケアーズ基金によって選ばれた受賞者は「グラミー・ウィーク」(グラミー賞授賞式に先立ち行われる一連のガーラ)期間中に開催される、基金の収益性向上を目的としたオールスター・トリビュート・コンサートで授与される[4][5][6]

ミュージケアーズ・パーソン・オブ・ザ・イヤー
受賞対象音楽業界における芸術的功績と慈善活動に対する献身性
アメリカ合衆国
主催ナショナル・アカデミー・オブ・レコーディング・アーツ・アンド・サイエンス
初回1991年
最新回2020年
公式サイトhttps://www.musicares.org/

1991年から1993年にかけてのミュージケアーズ・パーソン・オブ・ザ・イヤーは、アメリカの音楽家であるデヴィッド・クロスビーボニー・レイットナタリー・コールに授与された。1994年にはキューバ系アメリカ人歌手であるグロリア・エステファンが受賞。以降、トニー・ベネットクインシー・ジョーンズが続いた。1997年から2004年の間はフィル・コリンズエルトン・ジョンスティングらイギリスの音楽家のほか、イタリア人オペラ歌手ルチアーノ・パヴァロッティ、アメリカの音楽家スティーヴィー・ワンダーポール・サイモンビリー・ジョエル、アイルランドの音楽家であるボノに授与されている。2005年から2009年にかけてはブライアン・ウィルソンジェームス・テイラードン・ヘンリーアレサ・フランクリンニール・ダイアモンドらアメリカの音楽家が続いた。2010年にカナダの音楽家であるニール・ヤング、2011年にはバーブラ・ストライサンド、2012年にはポール・マッカートニー、2013年にはブルース・スプリングスティーンがそれぞれ名誉に与った。キャロル・キングは2014年、ボブ・ディランは2015年に受賞。2018年にはグループとして初めてフリートウッド・マックが受賞。2019年にはカントリー・アーティストとして初めてドリー・パートンが受賞している。

受賞者

[I]画像受賞者生没年国籍
1991 デヴィッド・クロスビー1941-2023年 アメリカ合衆国[7]
1992 ボニー・レイット1949生 アメリカ合衆国[8]
1993 ナタリー・コール1950–2015年 アメリカ合衆国[9]
1994 グロリア・エステファン1957生  キューバ
アメリカ合衆国
[10]
1995 トニー・ベネット1926-2023年 アメリカ合衆国[11]
1996 クインシー・ジョーンズ1933生 アメリカ合衆国[12]
1997 フィル・コリンズ1951生 イギリス[13]
1998 ルチアーノ・パヴァロッティ1935–2007年 イタリア[14]
1999 スティーヴィー・ワンダー1950生 アメリカ合衆国[13]
2000 エルトン・ジョン1947生 イギリス[15]
2001 ポール・サイモン1941生 アメリカ合衆国[16]
2002 ビリー・ジョエル1949生 アメリカ合衆国[17]
2003 ボノ1960生 アイルランド[18]
2004 スティング1951生 イギリス[19]
2005 ブライアン・ウィルソン1942生 アメリカ合衆国[20]
2006 ジェームス・テイラー1948生 アメリカ合衆国[21]
2007 ドン・ヘンリー1947生 アメリカ合衆国[22]
2008 アレサ・フランクリン1942–2018年 アメリカ合衆国[23]
2009 ニール・ダイアモンド1941生 アメリカ合衆国[24]
2010 ニール・ヤング1945生 カナダ[25]
2011 バーブラ・ストライサンド1942生 アメリカ合衆国[26]
2012 ポール・マッカートニー1942生 イギリス[27]
2013 ブルース・スプリングスティーン1949生 アメリカ合衆国[28]
2014 キャロル・キング1942生 アメリカ合衆国[29]
2015 ボブ・ディラン1941生 アメリカ合衆国[30]
2016 ライオネル・リッチー1949生 アメリカ合衆国[31]
2017 トム・ペティ1950-2017年 アメリカ合衆国[32]
2018 フリートウッド・マック
ミック・フリートウッド
ジョン・マクヴィー
クリスティン・マクヴィー
リンジー・バッキンガム
スティーヴィー・ニックス
1947生
1945生
1943-2022年
1949生
1948生
アメリカ合衆国
イギリス
[33]
2019 ドリー・パートン1946生 アメリカ合衆国[34]
2020 エアロスミス
ジョー・ペリー
スティーヴン・タイラー
トム・ハミルトン
ジョーイ・クレイマー
ブラッド・ウィットフォード
1950生
1948生
1951生
1950生
1952生
アメリカ合衆国[35]
2022 ジョニ・ミッチェル1943生 カナダ[36]

^[I] 各年はそれぞれの年のグラミー賞の記事にリンクしている。

脚注

関連項目

外部リンク