ユーロビジョン・ソング・コンテスト2009

ユーロビジョン・ソング・コンテスト2009こと第54回ユーロビジョン・ソング・コンテストは、2009年5月12日から5月16日にかけて、ロシアモスクワオリンピック・スタジアムにて開催された[2][3][4]

ユーロビジョン・ソング・コンテスト 2009
日程
準決勝12009年5月12日
準決勝22009年5月14日
決勝2009年5月16日
主催者
会場ロシアの旗 ロシアモスクワ
オリンピック・スタジアム
司会準決勝:
ナタリア・ヴォディアノヴァ
Andrey Malahov
決勝:
Ivan Urgant
アルスー[1]
控え室:
Dmitry Shepelev
演出Andrey Boltenko
主催放送局ロシアの旗 Channel One
開会演技準決勝1: The Tolmachevy Twins
準決勝2: Folk orchestra "Nel blu dipinto di blu", "Waterloo", "Ding-A-Dong", "Diva", "Believe"
決勝: Terem Quartet, シルク・ドゥ・ソレイユ performance, ジーマ・ビラーン with "Believe"
幕間演技準決勝1: Alexandrov Ensemble feat. t.A.T.u. with "Not Gonna Get Us"
準決勝2: Igor Moiseyev Ensemble
決勝: Fuerza Bruta
参加者
参加国数42
復帰スロバキアの旗 スロバキア
撤退ジョージア (国)の旗 ジョージア
サンマリノの旗 サンマリノ
投票
無得点チェコの旗 チェコ準決勝にて)
優勝曲ノルウェーの旗 ノルウェー
"Fairytale"
ユーロビジョン・ソング・コンテスト
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コンテストでは、ノルウェー代表として「Fairytale」を歌ったアリャクサンドル・ルィバークが、史上最高得点の387点を得て優勝した[5]。2位はアイスランド、3位はアゼルバイジャンであった。

前年までとは投票方式が変更され、決勝では各国の審査員による投票が再導入され、電話投票と併用される。準決勝は前年までと同様である。42箇国が参加を表明している。スロバキアは今年から大会に復帰すると表明し、他方でサンマリノは資金的な理由により今年の参加を見送る。ラトビアグルジアは参加辞退を表明していたものの、欧州放送連合が後に、両国は大会に参加すると言明した[6]。しかし、その後グルジアの参加曲は曲名や歌詞が政治的であるとして欧州放送連合がこの変更を求め、グルジア側はこれに対して大会への参加の辞退を表明した[7][8]。大会の司会は準決勝がナタリア・ヴォディアノヴァとAndrey Malahov、決勝がIvan Urgantとアルスーである[9]

会場

大会は、前年にベオグラードで行われた2008年大会ロシアジーマ・ビラーンが「Believe」を歌って優勝したことにより、ロシアが開催国となる[3]。モスクワ市長は難色を示したものの[10]首相ウラジーミル・プーチンは直ちに、同大会がモスクワで開催されるとした。また、大会を主催するチャンネル1は、モスクワのオリンピック・スタジアムを会場とすることを提案した[4][11]。この提案は欧州放送連合によって審議され、2008年9月13日に認められた[4]。大会を監修するヴラジーミル・チュリーリン(Владимир Чурилин / Vladimir Churilin)は、会場の緊急改修が必要になるとの噂を否定し、「ユーロビジョン・ソング・コンテストのために改修をする必要はない。我々はいつでも2万5千人までの観衆を受け入れ可能だ。」と述べた[12]

視覚的デザイン

ステージ

ニューヨークを拠点とするデザイナーのジョン・キャシー(John Casey)がステージのデザインを手がける。舞台はコンテンポラリー・ロシア・アヴァンギャルドのテーマに基づいたものとなる。キャシーはかつて、ダブリンで行われた1997年大会のステージのデザインも手がけている。キャシーは「かつて1998年のモスクワでのTEFI賞でロシア人と仕事を共にした頃よりも前から、ロシア・アヴァンギャルド期の芸術、とくに建築家に着想され、ひきつけられてきた。大会の舞台のデザインには、ほぼ全てが異なる種類のLEDスクリーンで構成される、現代的なロシア・アヴァンギャルドを持ち込むことに挑戦した」と話している[13]。キャシーはまた、「各種のLEDが集まって完成された姿を形作る。舞台の大部分は可動式であり、環形の一部を切り取った形をした数多くの曲面LEDスクリーンも全て可動式で、曲に合わせてことなる雰囲気を作り出すことができる。」とした[14]

ビデオ・クリップ

各国それぞれの代表が歌う前の導入部で用いられたビデオ・クリップは、以下のようなものであった:

  • 2008年のミス・ワールドクセーニャ・スヒノワが映る
  • 次に登場する国の有名な建造物、記念碑、名所などが、仕掛け絵本のページのように登場する
  • 登場した建造物などを帽子として頭に載せたスヒノワが、その国の国旗の色を元にしたTシャツを着て映る
  • ロシア語の表現とその英語での意味が表示される(例: Spasibo = Thank you)

ロゴ

画像外部リンク
2009年大会公式ロゴ - 英語版記事より

大会を主催するロシアのチャンネル1(Channel One)は、2009年大会のロゴとテーマを発表した[15]。副ロゴは伝説の鳥を元にしており、多彩な色で描かれている。これまでの大会と同様、副ロゴは通常のロゴとともに使用される[15]。この年の大会では、2001年大会以降はじめて、大会のスローガンはなしとなった。

形式

大会の形式に関する議論は、2008年6月にギリシャアテネで開かれた欧州放送連合の会合でなされた。このときの提案では、フランスドイツスペインイギリスの「Big 4」を自動的に決勝進出とする従来の形式の廃止を求めていた[16]。しかし、後に「Big 4」の決勝進出は保障されると言明された[17]

投票

政治的な論争を引き起こすような、近隣国や移民による投票に関する大会を放送する各国の放送局からの不満に応えて、欧州放送連合は、2009年大会での投票方式の変更の可能性をもって、投票方式の見直しを行った。欧州放送連合は、参加する各国の放送局に対して質問状を送り、それに基づいて調査団は2009年大会の投票形式の案に各放送局の要望を反映させていった[18]ポーランドで大会を放送するポーランド・テレビは、ユーロビジョン・ダンス・コンテスト2008で用いられたのと同様の国際的な審査員を取り入れることを提案し、それによって近隣国による相互投票の効果を減らし、曲の芸術的価値に基づいた評価が反映されるとした[19]

その結果、コンテストの決勝では、各国は電話投票の結果と審査員の判断とを50%ずつ反映して他国に投じる得点を決めることが決定された[20]。準決勝の選考方法は前年までと同様であるが、準決勝の上位9エントリは決勝に進出し、10エントリ目は審査員によって選ばれる[21][22]。審査の方法の詳細については、12月の調査団の会合の後に発表される[23]。各国の審査員の仕組みは1997年以降縮小し、他方で2003年からはほぼ全ての国で電話投票となっていた。

オーストリアオーストリア放送協会の娯楽の責任者・エドガー・ベーム(Edgar Böhm)は、決勝に進出する10エントリのうちの1つを審査員が選ぶ2008年の方式でもなお、多くの国々による政治的な選好による投票を許してしまう」として、「欧州放送連合によって、準決勝の構成について明確なガイドラインが制定されない限り、オーストリアはモスクワでの2009年大会には参加しない」と言明していた[24][25]。決勝で審査員を導入する決定にもかかわらず、準決勝に関する問題のため、オーストリアは2009年大会にも参加しないことを決めた。2008年同様、国内への決勝の放送はされる予定である[26]

組分け

2009年1月30日、各国が2つの準決勝のうちいずれに入るかが決定された。2008年大会と同様に、まず全ての参加国は過去の投票傾向にしたがって6つの組に分けられる。組分けは、相互に高得点を投票しあう可能性の高い国が同じ準決勝の中に入らないように決められる。作成された6つの組の中から、どの国が準決勝の1日目に、どの国は2日目に参加するか選ばれる[27]。準決勝に参加せずに決勝に進む国々のうち、ドイツ、スペイン、イギリスは1日目の準決勝に投票し、フランスとロシアが2日目に投票することも決定された[28][29]。準決勝と決勝の登場順序と、投票順序は2009年3月に発表される[6]

1組2組3組
4組5組6組

参加者

参加国

  決勝に参加した国
  準決勝で敗退した国
  過去に参加したが今年は参加しない国
  準決勝の1日目に参加する国
  準決勝の2日目に参加する国
  準決勝の1日目に投票する国
  準決勝の2日目に投票する国

欧州放送連合による最終的な参加国の一覧が発表され、43箇国が2009年大会に参加することが確認された。参加国の中には11年ぶりに大会に参加するスロバキアもある[30][6]。グルジアは、主催国ロシアとの南オセチア紛争に抗議して不参加を発表していたが[31][32][33]ジュニア・ユーロビジョン・ソング・コンテスト2008での優勝や、同大会でロシアからグルジアに12得点が送られたことなどから、一転して大会への参加を決めた[34][35]。欧州放送連合のユーロビジョンのスーパーバイザー・Svante Stockseliusは、モスクワでの大会に参加する国の数は最多となる、つまり44箇国以上の国が参加する可能性があったが、今はその可能性は低いとた[36]。最終的に、42箇国が大会に参加した。

サンマリノモナコが大会に参加するといった噂が起こった。モナコの放送局・テレ・モンテ・カルロ(Télé Monte Carlo)は、2009年の大会復帰に関して欧州放送連合と話し合いがあったことを認めた[37]。同じ頃、サンマリノの放送局、サンマリノ国営放送(Radiotelevisione della Repubblica di San Marino)が、2008年大会での不振を理由に2009年大会への参加を見送るとの噂が流れた[38]。最終的に、サンマリノは参加への意欲を表明したものの、資金面での困難により、大会への参加を辞退せざるを得ないとした[39][40]

ラトビアの放送局・ラトビア国営放送(Latvijas Televīzija)が、2009年大会への参加を取りやめることが、最終的な参加締め切りの3日後である2008年12月17日に報じられた。これはラトビア国営放送の2百万ラッツ以上の経費削減によって、参加費用の捻出が困難になったことによる[41]。ラトビア国営放送は、欧州放送連合に対して、資金面の困難を主理由として参加辞退の意図を伝えた。ラトビア国営放送は、ユーロビジョン・ソング・コンテストに参加する道を模索し、欧州放送連合と話し合いに入った[42][43]。2008年12月20日、ラトビア国営放送は参加の取りやめを発表し、また欧州放送連合とチャンネル1はラトビアに対して締め切り後の参加辞退に対して罰金を課さないことで合意した。ラトビア国営放送はまた、2010年大会への参加意欲を表明した[44][45]。しかし、2009年1月12日、ラトビアが2009年大会に参加することが発表された[6]

参加する国々は、それぞれ各国独自の国内選考で代表者を選出する。放送局による内部選考で代表するアーティストと楽曲が決められた国もあれば、国内大会を開催し視聴者も参加しての選考が行われた国もあった。2009年の各国代表の中には、過去のユーロビジョン大会に参加した経験のある2人のアーティストがいた。1998年大会2005年大会に参加したマルタChiara Siracusa2004年大会に参加したギリシャサキス・ルーヴァスが共に2009年の本大会に参加している。

準決勝参加国

38の国々が、1日目あるいは2日目のいずれかの準決勝に参加する[6]。準決勝の組み合わせは2009年1月30日に発表された[28][29]

準決勝1

太字は決勝進出国(投票上位9位と10位以降のうち、審査員による選ばれる1曲が該当)。

登場順アーティスト曲目(英題/他言語)言語順位得点
01 モンテネグロАндреа Демировић
アンドレア・デミロヴィッチ
Just Get Out of My Life英語1144
02 チェコGipsy.cz
ジプシー.cz
Aven Romale英語、ロマ語180
03 ベルギーPatrick Ouchène
パトリック・ウシュヌ
Copycat英語171
04 ベラルーシПётр Ялфімаў
ピヨトル・ヤルフィモフ
Eyes that never lie
(ロシア語:Взгляд любви)
英語1325
05 スウェーデンマレーナ・エルンマンLa voixフランス語、英語4105
06 アルメニアインガとアヌーシュՋան Ջան英語、アルメニア語599
07 アンドラSusanne Georgi
スザンヌ・ゲオルギ
La teva decisió (Get a Life)カタルーニャ語、英語158
08 スイスLovebugs
ラブバッグス
The Highest Heights英語1415
09 トルコハディセDüm Tek Tek英語2172
10 イスラエルノア&ミラ・アワドThere Must Be Another Way英語、ヘブライ語アラビア語775
11 ブルガリアKrassimir Avramov
クラシミル・アヴラモフ
Illusion英語167
12 アイスランドヨハンナIs It True?英語1174
13 マケドニアНекст Тајм
ネクスト・タイム
Нешто што ќе остане
(The sweetest thing that will remain)
マケドニア語1045
14 ルーマニアエレナThe Balkan Girls英語967
15 フィンランドワルドス・ピープルLose Control英語1242
16 ポルトガルフロール=デ=リスTodas as ruas do amorポルトガル語870
17 マルタキアラWhat If We英語686
18 ボスニア・ヘルツェゴビナレギナBistra vodaボスニア語3125

準決勝2

以下は登場順である。太字は決勝進出国(投票上位9位と10位以降のうち、審査員による選ばれる1曲が該当)。

登場順アーティスト曲目(英題/他言語)言語順位得点
01 クロアチアイゴル・ツクロヴ feat.アンドレア・シュシュニャラLijepa Tenaクロアチア語1333
02 アイルランドSinéad Mulvey & Black Daisy
シェネード・モルヴェイ&ブラック・デイジー
Et Cetera英語1152
03 ラトビアIntars Busulis
インターズ・ブスリス
Пробка
(ラトビア語:Sastrēgums)
ロシア語197
04 セルビアМарко Кон & Милан Николић
マルコ・コン & ミラン・ニコリッチ
Ципела
(ロシア語:Башмак)
セルビア語1060
05 ポーランドLidia Kopania
リディア・コパニア
I Don't Wanna Leave英語1243
06 ノルウェーアリャクサンドル・ルィバークFairytale英語1201
07 キプロスChristina Metaxa
フリスティーナ・メタクサー
Firefly英語1432
08 スロバキアKamil Mikulčík & Nela Pocisková
カミル・ミクルシック & ネーラ・ポツィスコヴァー
Leť tmou
(Fly through the darkness)
スロバキア語188
09 デンマークニルス・ブリンクBelieve Again英語869
10 スロベニアQuartissimo feat.Martina
カルティッシモ feat. マルティナ
Love Symphony
(sl:Simfonija)
英語、スロベニア語1614
11 ハンガリーZoli Ádok
ゾリ・アドック
Dance with Me
(hu:Tánclépés)
英語1516
12 アゼルバイジャンアイセル・テイムルザデ & アーラシュAlways英語2180
13 ギリシャサキス・ルーヴァスThis Is Our Night英語4110
14 リトアニアサーシャ・ソンLove"英語、ロシア語966
15 モルドバネリー・チョバヌHora din Moldovaモルドバ語、英語5106
16 アルバニアケイシ・トラCarry Me in Your Dreams英語773
17 ウクライナスヴェトラーナ・ロボダBe My Valentine! (Anti-Crisis Girl)英語680
18 エストニアアーバン・シンフォニーRändajadエストニア語3115
19 オランダDe Toppers
トッパーズ
Shine英語1711

決勝

主催国のロシアと「Big 4」の国々は、準決勝に参加せずに直接決勝に進むことができる[6]。したがって以下の5箇国は決勝から参加することになる。最終的に決勝には25箇国が参加する。

登場順アーティスト曲目(英題/他言語)言語順位得点備考
01 リトアニアSasha Son
サーシャ・ソン
Love
(Одинокий герой)
(リトアニア語:Pasiklydęs žmogus)
英語、ロシア語2323
02 イスラエルאחינועם ניני & ميرا أنور عوض,
ノア&ミラ・アワド
There must be another way (עינייך)英語、ヘブライ語アラビア語1653
03 フランスPatricia Kaas
パトリシア・カース
Et s'il fallait le faireフランス語8107Big4
04 スウェーデンMalena Ernman
マレーナ・エルンマン
La voixフランス語、英語2133
05 クロアチアIgor Cukrov feat.Andrea
イゴル・ツクロヴ feat.アンドレア・シュシュニャラ
Lijepa Tenaクロアチア語1845
06 ポルトガルFlor-de-Lis
フロール=デ=リス
Todas as ruas do amorポルトガル語1557
07 アイスランドYohanna
ヨハンナ
Is It True?
(露:Я не сплюs)
英語2218
08 ギリシャΣάκης Ρουβάς
サキス・ルーヴァス
This Is Our Night
(ギリシア語:Πιο δυνατά)
英語7120
09 アルメニアԻնգա և Անուշ Արշակյաններ
インガとアヌーシュ
Ջան Ջան(Jan Jan)英語、アルメニア語1092
10 ロシアАнастасія Приходько
アナスタシア・プリホーチコ
Мамоロシア語ウクライナ語1191主催国
11 アゼルバイジャンAysel Teymurzadə & آرش
アイセル・テイムルザデ & アーラシュ
Always英語3207
12 ボスニア・ヘルツェゴビナRegina
レギナ
Bistra voda
(Clear water)
ボスニア語9106
13 モルドバNelly Ciobanu
ネリー・チョバヌ
Hora din Moldovaモルドバ語、英語1469
14 マルタChiara
キアラ
What If We英語2231
15 エストニアUrban Symphony
アーバン・シンフォニー
Rändajadエストニア語6129
16 デンマークBrinck
ブリンク
Believe Again英語1374
17 ドイツAlex Swings Oscar Sings!
アレックス・スウィングス・オスカー・シングス
Miss Kiss Kiss Bang英語2035Big4
18 トルコHadise
ハディセ
Düm Tek Tek英語4177
19 アルバニアKejsi Tola
ケイシ・トラ
Carry Me in Your Dreams
(sq:Më merr në ëndërr)
英語1748
20 ノルウェーAlexander Rybak
アリャクサンドル・ルィバーク
Fairytale
(露:Сказка)
英語1387
21 ウクライナСвітлана Лобода
スヴェトラーナ・ロボダ
Be My Valentine! (Anti-Crisis Girl)英語1276
22 ルーマニアElena
エレナ
The Balkan Girls英語1940
23 イギリスJade Ewen
ジェイド・エウェン
It's My Time英語5173Big4
24 フィンランドWaldo's People
ワルドス・ピープル
Lose Control英語2522
25 スペインSoraya Arnelas
ソラーヤ・アルネラス
La noche es para mí"スペイン語、英語2423Big4

決勝での開票

決勝では、視聴者投票の開始時には、国際宇宙ステーションと中継がつながり、日本人宇宙飛行士若田光一がカウントダウンによって視聴者投票の開始を告げた。

決勝では、以下の順序で各国からの得点が公表されていった[46]

得点表

準決勝1

得点を与えた国














































































モンテネグロ4400305125100800161020
チェコ共和国00000000000000000000
ベルギー10000100000000000000
ベラルーシ252101400041160401000
スウェーデン105064787447010341088447
アルメニア994121010501101082281001105
アンドラ80000000100000043000
スイス150002202000000520200
トルコ17285126710512612712127510121212
イスラエル755434678534613604051
ブルガリア70000000020050000000
アイスランド17471071212121078126410121212768
マケドニア共和国45103000006601002000800
ルーマニア6760210240785470102612
フィンランド42301010030000120135004
ポルトガル70026030121002280720376
マルタ8617884363053506365310
ボスニア・ヘルツェゴビナ1251285586081237310587783

準決勝2

得点を与えた国























































































クロアチア3300120020010100031100030
アイルランド521533400102000727043100
ラトビア7000000000000600010000
セルビア60120002400122050000061205
ポーランド430100030330011316602400
ノルウェー2018810810810128101281210810121231012
キプロス320212001700012100060000
スロバキア8010000000000004200010
デンマーク692730112305322505087004
スロベニア14700500000000002000000
ハンガリー16000000020080003000003
アゼルバイジャン1806686126101286127101201210810127
ギリシャ1103041021125246446124510646
リトアニア660127047105006040570251
モルドバ1065527510770357600824788
アルバニア7310000650467451005301520
ウクライナ8003617066008103280300710
エストニア1154412488584173487075862
オランダ110000000010000001000000

決勝

得点を与えた国






























































































































































参加者リトアニア2300000000010002100000040000000010770000000
イスラエル53010000000008005000001000044807100000005000
フランス107650006661006000230213014310173700353000706
スウェーデン3300200300000046400140007000002000000000000
クロアチア45000001200512200000000000080000004005000600
ポルトガル57007007000010030000000008076061000000002000
アイスランド2188100102845300312810726120108100520285521280156577
ギリシャ120000270010405070060120085012055021200060120441
アルメニア92086304505000000060027014012710061000243005
ロシア917700000012606010054008000008080000060310000
アゼルバイジャン20756181000817310178012410104320610310008304468411010
ボスニア・ヘルツェゴビナ1060005120200020000285000060120000441000120081004
モルドバ690100312002170000070371200500400000000500000
マルタ3110000000000000040000363000001000517000000
エストニア1291000760105084070510004101200004000061008312060
デンマーク7420500040000056000085200000005000431760830
ドイツ3500300100000200071360070000200000100000002
トルコ17703126130340127050610107061252311200121012000000058
アルバニア48000150070000001001000000070000607000000220
ノルウェー387121281285121081281088121212371251081210310121082881210121010121212
ウクライナ764200060032100420000050206050600000001001080
ルーマニア40000002000030120000500000700000005202020000
イギリス1733440410012760411003808260010060340761028477313
フィンランド2200040080000003400000000000000030000000000
スペイン23000007010000000000000000000012300000000000






























































































































































決勝の登場順、次いで準決勝の登場順に並んでいる。

12点

以下の表は、最高得点である12点がそれぞれどの国からどの国に与えられたかを示す:

12点を受けた国12点を与えた国
16ノルウェーベラルーシデンマークエストニアドイツハンガリーアイスランドイスラエルラトビアリトアニアオランダポーランドロシアスロベニアスペインスウェーデンウクライナ
6トルコアゼルバイジャンベルギーマケドニア共和国フランススイスイギリス
3ボスニア・ヘルツェゴビナクロアチアモンテネグロセルビア
ギリシャアルバニアブルガリアキプロス
アイスランドアイルランドマルタノルウェー
2エストニアフィンランドスロバキア
モルドバポルトガルルーマニア
1アルメニアチェコ
アゼルバイジャントルコ
クロアチアボスニア・ヘルツェゴビナ
ルーマニアモルドバ
ロシアアルメニア
スペインアンドラ
イギリスギリシャ

論争

「We Don't Wanna Put In」

グルジアが5月12日の準決勝1に参加することが決定してから、グルジア代表を選出する国内大会が開かれた。選ばれたStefane & 3Gの楽曲「We Don't Wanna Put In」は、その歌詞がロシア首相ウラジーミル・プーチンに関する政治的暗喩を含んでいるのではないかとする理解に基づく論争が起こった[48]。欧州放送連合は政治的暗喩を理由として、これを大会規定に反すると言明し、この楽曲を拒絶した。欧州放送連合は3月10日、グルジアでの放送を担当するグルジア公共放送(Georgian Public Broadcasting)に対し、歌詞を変更するか別の楽曲を選ぶよう求めた[49][50]。グルジア公共放送は変更要求を拒み、この楽曲には政治的な示唆は含まないと反論し、欧州放送連合による拒絶はロシアからの政治的圧力によるものだとした。このようにして、3月11日にグルジア公共放送はグルジアの大会不参加を決定した[7][8]。欧州放送連合はこれに対して特にコメントはしなかった。5月11日、このバンドは楽曲に政治的な含意があることを認め、その目的がモスクワでプーチンを当惑させることであったとしている。彼らは、欧州放送連合が彼らのメッセージを大会から排除したと主張した[51]

LGBTの抗議

同性愛は悪魔的であるとするモスクワ市長ユーリ・ルシコフへの抗議として、ロシアの同性愛者の権利活動家ニコライ・アレクセエフ(Nikolai Alekseev)は、ロシアで大会が開かれることを、同国のLGBTの人々の権利状況をアピールするために利用した[52]。アレクセエフは、毎年行われるモスクワのプライド・パレードであるMoscow Prideを、2009年は国際反ホモフォビアの日の前日にあたる5月16日とするつもりだと発表した。パレードは「スラヴ・ゲイ・パレード」と銘打ち、ヨーロッパの全てのスラヴ人の同性愛者の権利を広報するものとした[53]。モスクワ市当局はパレードを「社会秩序を破壊する」として拒否した[54]。そして、参加者には「強く」対処する[55]、「強い措置」は全てのパレード参加者に対して取られるとする声明が発表された[56]。ユーロビジョン決勝の日に行われたパレードでは、ニコライ・アレクセエフ[54]や、この動きが「ロシアの人々が自由ではないことを示すもの」としていた人権活動家のピーター・タッチェル(Peter Tatchell[57]を含む20人の参加者がモスクワ警察に逮捕された。ユーロビジョン大会のスウェーデン代表であるMalena Ernmanは抗議者を支持し、自身は同性愛者ではないものの、ファンへの支持を表明するためなら喜んで自身をゲイと呼ぶと述べた。Ernmanは、モスクワ市政府が「愛」を賞賛することを認めないのは悲しいことだと言明した[58]ノルウェー代表アリャクサンドル・ルィバークもまた支持を表明し、ユーロビジョン・ソング・コンテストそのものが、大きなゲイ・パレードであるとした[59]

スペインでの放送遅延

スペインの放送局テレビシオン・エスパニョーラは、チャンネルTVE2にてMadrid Open tennis tournamentを放送していたため、スペインでのユーロビジョン大会の準決勝2を、モスクワでイベントが始まってから66分遅らせて放送し[60]、視聴者の電話投票の代わりに副審をつかって投票を行った。このルール違反のために、スペインは処罰を受けることが決定した(ただし、処罰はこの年のスペインのユーロビジョン大会への参加には影響するものではない)[61][62]。スペインは既に別の番組との衝突回避のために、スペインが投票する準決勝を1日目から2日目に変更した後のことであり、準決勝1日目に参加していたポルトガルアンドラは、スペインが1日目で投票していれば文化的近似性のためにスペインからの高得点を期待できたことから、スペインは両国からの批判を受けた[62]

準決勝2日目の翌日、El Mundoは、もしスペインが2009年大会で優勝すれば、翌年のユーロビジョン大会はスペインで開催されることになるが、RTVEが大会を主催したくないがために放送遅延を意図したのではないかと推察した[63]ABCでの声明では、遅延の技術的問題点について指摘した[60]

アルメニアとアゼルバイジャン

アルメニアとアゼルバイジャンの間では、準決勝から決勝の間にかけて一連の論争が展開された。準決勝でのアルメニアの演技の前に映し出された導入用の「ポストカード」と呼ばれた短編ビデオクリップで、他の建造物とともに『我らの山』記念碑が映し出された。『我らの山』は、法的にはアゼルバイジャン領となっているナゴルノ・カラバフの首都ハンケンディ / ステパナケルトにある記念碑である。この記念碑はソビエト連邦時代にこの地のアルメニア人の伝統を祝福するために建造されたものであり、アゼルバイジャン領となっているカラバフ地域はアルメニア人からは民族の故地であると主張されている[64]。アゼルバイジャンは欧州放送連合に対して、記念碑はアゼルバイジャン領に存在しており、このビデオ・クリップは受容不可能であると説明した。その結果、決勝ではアルメニアの「ポストカード」からは『我らの山』は取り除かれた[65]。これに対する報復として、決勝の演技が終わった後、アルメニアから送られる得点を発表する場面では、アルメニアのシルショは背面に『我らの山』が写されたクリップボードを手に持ち、これを繰り返し見せるとともに、背後のスクリーンに映されたエレバンの街中の映像にも巨大なモニュメントの画像が映りこんでいた[65]

記録

優勝者のノルウェーは、複数の新記録を生み出した:

新記録過去の記録
優勝得点387点292点、フィンランド、2006年
2位との得点差169点70点、イギリス、1997年
12点を受け取った数16箇国から10箇国から、イギリス、1997年
10箇国から、ギリシャ、2005年
8、10、あるいは12点を受け取った数35箇国から20箇国から、フィンランド、2006年
優勝確定時に自国からの得点を発表していなかった国の数12箇国(42箇国中30箇国が得点発表した時点で優勝確定)5箇国、(25箇国中20箇国が得点発表した時点で優勝確定、1997年

脚注

注釈

出典

外部リンク