三教

三教(さんきょう)とは、中国で最も信仰者数の多い仏教道教儒教を一括する言葉。ただし、儒教は事実上の宗教では無いことから、この概念については異論がある。

孔子が老子に仏陀を手渡す画

概要

廃仏事件のあった北周の時期より、使われ始める。

廃仏を断行した武帝は、その廃仏断行前から、三教談論を数次にわたって開催して、その優劣を、儒者・僧侶・道士に討議させていた。

この三教談論の慣習は、にまで受け継がれ、形式化したものではあったが、宮中で行われる風が受け継がれた。

また、北周の廃仏に関与した衛元嵩には、『斉三教論』7巻の著作があったことが、『旧唐書』「経籍志」と『新唐書』「芸文志」の子部・道家類に著録されている。但し、既に散佚しており、その逸文も見られないことから、その内容を知ることは出来ない。

ベトナムでは、上記の3つの宗教が共存し、相互作用し、ベトナムの文化価値になった[1]。ベトナムにおける三教の文化加算性(cultural additivity)の現象の研究は、文化加算性の概念に関する世界初の研究であり、ベトナムの主な人文社会科学研究の一つである[2]

三教からの文化加算した価値は認識と行動に影響を与える(例えば、ベトナムにおける嘘や暴力についての認識[3]、新型コロナウイルス感染症対策の反応[4]、中国における事業運営[5])。紺野 登(こんの のぼる)博士の知識研究より、現代社会の知的資本にとって、文化加算性の概念は検討する必要がある[6]

日本においては近世の一時期、道教が入らず、神道を入れて儒教、仏教、神道を指す言葉として「三教」という言葉が用いられていたことがある[7]

脚注

関連項目

参考文献

  • 常盤大定著『支那に於ける佛教と儒教道教』(1930年)
  • 久保田量遠『支那儒道仏三教史論』(1931年)

外部リンク