南都銀行

日本の奈良県奈良市にある地方銀行

株式会社南都銀行(なんとぎんこう、: The Nanto Bank, Ltd.)は、奈良県奈良市本店を置く地方銀行

株式会社南都銀行
The Nanto Bank, Ltd.
本店
(大正15年築、国の登録有形文化財)
種類株式会社
機関設計監査役会設置会社[1]
市場情報
東証プライム 8367
1987年12月1日上場
本社所在地日本の旗 日本
630-8677
奈良県奈良市橋本町16番地
設立1934年昭和9年)6月1日
業種銀行業
法人番号5150001001622 ウィキデータを編集
金融機関コード0162
SWIFTコードNANTJPJT
事業内容銀行業
代表者代表取締役頭取 橋本隆史
資本金379億2,415万円
(2022年3月31日時点)
発行済株式総数3,302万5千株
(2022年3月31日時点)
純利益連結:118億67百万円
単体:118億61百万円
(2022年3月期)
純資産連結:2,864億73百万円
単体:2,752億74百万円
(2022年3月31日時点)
総資産連結:7兆14億41百万円
単体:6兆9,819億97百万円
(2022年3月31日時点)
従業員数連結:2,424人
単体:2,146人
(2022年3月31日時点)
決算期3月31日
主要株主日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 14.37%
日本カストディ銀行(信託口)4.83%
日本生命保険 3.22%
明治安田生命保険 3.19%
(2022年3月31日時点)
主要子会社#関係会社参照
外部リンクhttps://www.nantobank.co.jp/
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南都銀行のデータ
法人番号5150001001622 ウィキデータを編集
店舗数本支店110、出張所25
貸出金残高3兆8,925億48百万円
預金残高5兆6,595億51百万円
特記事項:
(2022年3月31日時点)
『株式会社南都銀行 有価証券報告書 ‐ 第134期』に拠る。
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行名の「南都」は奈良の別名(古名)である。

概要

西大寺支店(奈良県)
南都まほろば証券株式会社本社も兼ねている。
三山木支店(京都府)

地銀協加盟の奈良県における地方銀行である。2006年平成18年)、奈良銀行りそな銀行に吸収合併したため、現在は県内に本店を置く唯一の銀行となっている。

旧・三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)の親密地銀であり、三菱UFJフィナンシャル・グループとの関係が深い。奈良県および奈良市をはじめとする県内の市町村の多くから指定金融機関として指定されている。

県内での融資などの事業は県経済の不振の影響で伸び悩んでいるものの、県外(大阪府京都府和歌山県三重県東京都上海香港)へ進出して攻勢を強めている[2][3]。県内においてはメインバンク企業数6割[4]、融資シェア5割、預金シェア3割と圧倒的である。

コンビニATMイーネットセブン銀行ローソン銀行と提携している。また、2019年3月から奈良、大阪、京都の3府県に設置する店舗外ATMの4割(239台)を、一括してセブン銀に委託する。この方針によって、南都銀はATM運営費の年間1億円以上の削減を目指すとしている[5][6]

2010年(平成22年)年度より、地元奈良の鹿をモチーフとしたキャラクターとして、「ナントの案内シカ」こと「ナンシカ」(関西弁で「何と言っても」「とにかく」という意味)が登場した。鹿の腹の部分に「ナンシカ」と書かれており、同行のカードローン「キャッシュクイック」のキャラクターとして、同行のホームページやポスターなどに登場している。

沿革

戦前・戦中

戦後

  • 1969年(昭和44年)11月11日 - 外国通貨、旅行小切手両替業務を開始。
  • 1970年(昭和45年)10月12日 - 電子計算機を導入。
  • 1971年(昭和46年)3月12日 - 大阪支店を開設。
  • 1974年(昭和49年)
  • 1975年(昭和50年)9月1日 - 大阪証券取引市場第一部に昇格。
  • 1982年(昭和57年)5月17日 - 売買業務を開始。
  • 1983年(昭和58年)
  • 1981年(昭和56年)11月4日 - 東京支店を開設。
  • 1982年(昭和57年) - 女子ホッケー部が創部。
  • 1985年(昭和60年)6月1日 - 公債・社債のディーリング業務を開始。
  • 1986年(昭和61年)3月25日 - 京都支店を開設。
  • 1987年(昭和62年)12月1日 - 東京証券取引所市場第一部に上場。
  • 1990年(平成2年)9月5日 - ディーシーカードと共同で南都ディーシーカードを設立。
  • 1992年(平成4年) - 女子ホッケー部が全日本実業団選手権大会に初優勝。
  • 1993年(平成5年)
    • 5月12日 - 海外初の支店の香港駐在員事務所を設立。
    • 7月1日 - 信託代理店業務を開始。
  • 1994年(平成6年)4月1日 - 日本証券業協会に加入。
  • 1998年(平成10年)12月1日 - 証券投資信託の窓口販売を開始。
  • 1999年(平成11年)1月18日 - 奈良県信用組合の事業の全部を譲り受ける。
  • 2001年(平成13年)
    • 4月2日 - 保険の窓口販売業務を開始。
    • 12月12日 - 確定拠出年金業務を開始。
  • 2002年(平成14年)2月22日 - ISO14001(環境ISO)の認証を取得。
  • 2004年(平成16年)12月1日 - 証券の仲介業務を開始。
  • 2005年(平成17年)12月11日 - 女子ホッケー部が全日本女子選手権で初優勝。
  • 2006年(平成18年) - 奈良県環境保全功労賞(知事表彰)を受賞。
  • 2007年(平成19年)
    • この頃、関西アーバン銀行(現・関西みらい銀行)より経営統合の話が持ち上がり、統合後の名称を「都ホールディングス」とするところまで合意に至ったものの、その後の統合交渉が不調に終わり破談となる[7]
    • 6月28日 - 大阪地区本部設置。
  • 2008年(平成20年) 
    • 同社株が社会貢献に関する株価指数シリーズ「FTSE4Good」に組み入れ。
    • 5月7日 - 地銀共同化システム稼動[8]
    • 6月27日 - 植野康夫が頭取に就任、西口廣宗は会長に。
    • 6月30日 - 大阪中央営業部開設。
  • 2009年(平成21年)9月14日 - 兵庫県内第1号店である尼崎支店を開設[9]
  • 2015年(平成27年)6月26日 - 橋本隆史が頭取に就任[10]
  • 2016年(平成28年)12月27日 - 金融庁より、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第1条に基づく信託業務の兼営認可を受けた[11]
  • 2017年(平成29年)4月17日 - 信託業務に参入[12]
  • 2018年(平成30年)11月16日 - 奈良証券(現・南都まほろば証券)を完全子会社化[13][14]
  • 2019年(平成31年・令和元年)
    • 1月17日 - インターネット支店である「まほろば支店」を開設[15]
    • 3月22日 - セブン銀行との「共同運営ATM」を設置開始(地方銀行初)[16][17][18]
    • 7月1日 - 子会社の南都スタッフサービス株式会社が、「南都コンサルティング株式会社」へ商号変更すると共に奈良県奈良市橋本町16番地(南都銀行本店内)に本店移転[19]
    • 9月2日 - 子会社の南都地所を「南都マネジメントサービス株式会社」へ商号変更すると共に奈良県奈良市大宮4丁目297番地の2に本店移転。会社分割により、同社にグループ金融サービスの経営管理事業を承継させ[注 1]中間持株会社体制へ移行[20]
    • 9月20日 - 古民家再生ファンドの設立を発表[21]

関係会社

連結子会社

  • 南都マネジメントサービス株式会社
    • 南都信用保証株式会社
    • 南都リース株式会社
    • 南都コンピュータサービス株式会社
    • 南都ディーシーカード株式会社
    • 南都カードサービス株式会社
    • 南都コンサルティング株式会社
    • なんとチャレンジド株式会社
    • 南都まほろば証券株式会社
  • 南都ビジネスサービス株式会社
  • 南都キャピタルパートナーズ株式会社

持分法適用関連会社

  • 奈良みらいデザイン株式会社
  • 奈良古民家まちづくりパートナーズ株式会社

女子ホッケー部

1982年(昭和57年)創部の女子ホッケー部が強豪チームとして知られ、1997年(平成9年)に発足したホッケー日本リーグにも初年度から参戦している。2004年(平成16年)には所属の宮崎奈美アテネオリンピックに出場。2005年には全日本ホッケー選手権大会で悲願の初優勝を果たした[22]

2010年(平成22年)に平城遷都1300年記念事業が開催されることで、同事業のイメージキャラクターである「せんとくん」がホッケーをする姿を、同行独自のキャラクターとして制定した。あわせて平城遷都1300年記念定期預金なんとdeせんと」期間限定で発売された。

広告展開

イメージキャラクター
南都家の一族

2018年8月[24][25] から広告展開しているテレビCMシリーズ。全10話のドラマ仕立てで『南都家の一族』(横溝正史の長編推理小説『犬神家の一族』のパロディ)のタイトルでシリーズ化したCMで、遺産相続で起こりやすい揉めごとを描いている。川上麻衣子[23][26] のほかに前述の井阪も行員役で出演している[23]。詳細は、南都銀行公式サイト「南都家の一族」を参照。

CM制作の背景には、2017年に近畿地方の地方銀行で初めて取り扱いを開始した信託業務が一般に浸透していないことからPRも兼ねて行われた[25][27]。また、このシリーズでは川上が証拠隠滅のため遺言書を口に入れるシーンが話題にもなった[26]。当初は奈良県(奈良テレビ放送)のみの放送であったが、近畿地方にも放送が拡大となった[23]

2019年にはこのシリーズが、全日本広告連盟の「第13回鈴木三郎助地域クリエイティブ大賞」(地域広告が受賞対象)の最優秀賞[28]放送批評懇談会の「第56回ギャラクシー賞」のテレビCM部門優秀賞をそれぞれ受賞した[23]

脚注

注釈

出典

関連項目

  • カプコン - 大阪府大阪市に本社を置く大手ゲームソフトメーカー。創業者の辻本憲三が奈良県出身という縁もあり、南都銀行がメインバンクの一つとして、現在も関係が深い。

外部リンク