環境音楽
環境音楽(かんきょうおんがく、英: ambient music)、アンビエント・ミュージックは、伝統的な音楽の構成やリズムよりも音色や雰囲気を重視した音楽のジャンルである。正味の構成、ビート、構造化されたメロディを持たないこともある[5]。受動的、能動的なリスニング[6]を可能にする音のテクスチャーの層を使用し、穏やかさや瞑想の感覚を促す[7] [8]。このジャンルは、「雰囲気」、「視覚的[9]」、「控えめ」な品質を呼び起こすと言われている[10]。自然のサウンドスケープが含まれることもあり、ピアノ、弦楽器、フルートなどのアコースティック楽器の音がシンセサイザーでエミュレートされることもある[11]。
環境音楽 | |
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現地名 | ambient music |
様式的起源 | |
文化的起源 | 1960年代 - 1970年代(イギリス、ジャマイカ[3]、日本[4]) |
派生ジャンル | {{Hlist-comma|アンビエント・ハウス|アンビエント・テクノ|バイオミュージック|チルアウト|ダウンテンポ|IDM|ニューエイジ|ポストロック|スペース・ミュージック|トランス|トリップ・ホップ}|エレクトロニカ|フォークトロニカ |
サブジャンル | |
融合ジャンル | |
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関連項目 | |
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このジャンルは、シンセサイザーなどの新しい楽器が広く市場に導入された1960年代から1970年代にかけて生まれた[12]。エリック・サティの家具の音楽、ミュジーク・コンクレート、ミニマル・ミュージック、ジャマイカのダブレゲエ、ドイツの電子音楽などのスタイルに先駆け、1978年にイギリスの音楽家ブライアン・イーノのアルバム『Ambient 1: Music for Airports』で顕著な名称と普及が見られた。イーノの見解によれば、アンビエントミュージックは「興味深いのと同じくらい無視できる存在でなければならない」とされる[13]。1980年代後半、ハウスやテクノの隆盛とともにアンビエント・ミュージックは復活し、1990年代にはカルト的な人気を博した[14]。アンビエント・ミュージックは、ニューエイジ・ミュージックやドローン・ミュージックの要素を持ち、作品によっては持続音や反復音が使用されることもある[15]。
アンビエント・ミュージックは商業的には大きな成功を収めず、「飾り立てられたニューエイジから、退屈で無関係な技術的にとりとめもない即興演奏」までと批判された[16]。しかしながら、特にインターネット時代には、長年にわたって一定の評価を得ていた。アンビエント・ミュージックは、その比較的オープンなスタイルから、クラシック、前衛音楽、フォーク、ジャズ、ワールドミュージックなど、他の多くのジャンルから影響を受けていることが多くある[17] [18]。
2000年代以降に台頭するエレクトロニカやフォークトロニカもこのジャンルの系譜にあるといえる。
主なアーティスト
脚注
注釈
出典
参考文献
- 『波の記譜法 環境音楽とはなにか』時事通信社、1986年。
- Holmes, Thom (2008). Electronic and Experimental Music: Technology, Music, and Culture. Routledge. ISBN 978-0203929599
- Potter, Keith (2002). Four Musical Minimalists: La Monte Young, Terry Riley, Steve Reich, Philip Glass (rev. pbk from 2000 hbk ed.). Cambridge University Press. ISBN 978-0-521-01501-1
- Cambridge History of Twentieth-Century Music (Cook & Pople 2004, p. 502),
- Tingen, Paul (2001). Miles Beyond: The Electric Explorations of Miles Davis, 1967–1991. Billboard Books. ISBN 0-8230-8346-2
- Toop, David (1996). Ocean of Sound. Serpent's Tail. ISBN 9781852423827