軽井沢駅

長野県北佐久郡軽井沢町にある東日本旅客鉄道・しなの鉄道の駅

軽井沢駅(かるいざわえき)は、長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢にある[1][2]東日本旅客鉄道(JR東日本)[1][2]しなの鉄道[3][4]である。

軽井沢駅
北口(2007年9月)
かるいざわ
Karuizawa
地図
所在地長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢[1][2]
所属事業者
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南口(2022年9月)

概要

長野県内の鉄道駅では最東端に位置する。事務管コードは▲510201を使用している[5]

乗り入れ路線

1997年平成9年)10月1日にJR東日本の北陸新幹線と、しなの鉄道のしなの鉄道線が乗り入れ、接続駅となった[新聞 1]

1997年(平成9年)9月30日まではJR東日本の信越本線の途中駅であったが、翌10月1日に北陸新幹線が長野駅まで開業した際、その並行在来線となった信越本線のうち、横川駅 - 当駅間は廃止された[新聞 2]。当駅 - 篠ノ井駅間は経営分離されてしなの鉄道線となり、当駅がその起点となった[新聞 1]

歴史

当駅 - 横川駅間廃止前の構内

旧信越本線の横川駅 - 当駅間(碓氷峠区間)には旧国鉄の最急勾配(66.7)が存在し、これを越えるためにこの区間を通過する列車はすべて、当駅で補助機関車を連結し、横川駅(群馬県)まで走行していた[新聞 2]

北陸新幹線(長野新幹線)開業前においては、信越本線は当駅から長野方面へ2つ先の信濃追分駅までが高崎支社の管内だったが、新幹線開業後の当駅は長野支社の管内となっている。

年表

軽井沢駅周辺の空中写真(1975年10月撮影)
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
軽井沢駅周辺の空中写真(2005年10月撮影)
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

駅構造

北陸新幹線(長野新幹線)の開業に伴い駅舎を全面改築し、軽井沢の代表的樹木「白樺」をイメージしてデザインされた[新聞 3]橋上駅となった[4]。旧駅舎は解体されたが、新駅舎開業後に明治期の姿を復元した(旧)軽井沢駅舎記念館が建てられ[4]、2017年(平成29年)より改札口や出札窓口を新設して駅舎としても機能するようになった[報道 2]。また駅舎改築と同時に南北自由通路が設置され、両端部ともペデストリアンデッキにつながっている。北側にしなの鉄道、南側にJR東日本北陸新幹線の改札がある。

JR東日本

JR 軽井沢駅
駅コンコースの銘板
かるいざわ
Karuizawa
[* 1]安中榛名 (23.3 km)
(17.6 km) 佐久平
所在地長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢[1][2]1178[要出典]
北緯36度20分33.20秒 東経138度38分6.75秒 / 北緯36.3425556度 東経138.6352083度 / 36.3425556; 138.6352083 (JR 軽井沢駅) 東経138度38分6.75秒 / 北緯36.3425556度 東経138.6352083度 / 36.3425556; 138.6352083 (JR 軽井沢駅)
所属事業者東日本旅客鉄道(JR東日本)[1][2]
所属路線北陸新幹線
キロ程41.8 km(高崎起点)
東京から146.8 km
電報略号カル[2]
駅構造地上駅橋上駅
ホーム2面4線[2]
乗車人員
-統計年度-
3,688[備考 1]人/日(降車客含まず)
-2022年-
開業年月日1888年明治21年)12月1日[* 2][21]
備考
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島式ホーム(310 m)2面4線を有する[2]地上駅である。駅構内には自動改札機みどりの窓口自動券売機指定席券売機えきねっと券売機・売店(NewDays)がある。

なお、当駅は以前ホームドアが無かったため、列車接近時に列車案内放送とは別に、サウンドファクトリー製の発車メロディー、「海の駅」を使用した自動放送が流れる。

通過線はないが、駅東側(高崎方面)に急カーブ(半径800 m)があることで、通過列車のホーム通過速度がATC信号により100 km/h程度に減速されるためホームドアは開業当初から設置されていなかった[2]が、のちに通過列車が走行する2・3番線ホームには可動式ホーム柵の設置工事が行われている[23]

駅の位置する標高は940.5 m[22]

のりば

番線路線方向行先
1・2 北陸新幹線上り高崎大宮東京[21]方面
3・4下り長野[21]富山金沢敦賀方面

(出典:JR東日本:駅構内図

  • 2・3番線が本線、1・4番線が副本線(待避線)である。
  • 平日に1本、当駅始発の長野行き「あさま699号」が運転されている。
  • 当駅で通過列車の待ち合わせを行う場合は、待避線(1・4番線)に入線する。(上下列車とも臨時「あさま」号の一部が、臨時または定期列車で運転される「かがやき」号の運転日と重なる場合に限り、当駅で通過列車を待ち合わせる。)

しなの鉄道

しなの鉄道 軽井沢駅
軽井沢駅旧駅舎記念館(2016年7月)
現・しなの鉄道軽井沢駅旧駅舎口
かるいざわ
KARUIZAWA
(4.0 km) 中軽井沢
所在地長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢[4]1178[3]
所属事業者しなの鉄道
所属路線しなの鉄道線
キロ程0.0 km(軽井沢起点)
電報略号カル[4]
駅構造地上駅橋上駅[4]
ホーム1面2線[4]
乗車人員
-統計年度-
1,274人/日(降車客含まず)
-2022年-
開業年月日1997年平成9年)10月1日[** 1][新聞 1]
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軽井沢駅
かるいざわ
Karuizawa
横川 (11.2 km)
所属事業者東日本旅客鉄道(JR東日本)
所属路線信越本線
キロ程40.9 km(高崎起点)
開業年月日1888年明治21年)12月1日(篠ノ井・長野方面)
1893年(明治26年)4月1日(横川・高崎方面)
廃止年月日1997年平成9年)10月1日[*** 1]
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1面2線のホームを有する地上駅[4]で、1番線が頭端式となっている。また、留置線を有している。ほとんどの定期電車は1番線を使うが、一部の電車のみが2番線を使う。

社員配置駅で、出札窓口、自動券売機(磁気券を発売)がある[4]

のりば

番線路線行先
1・2しなの鉄道線長野方面

(出典:しなの鉄道:駅構内マップ

  • しなの鉄道線の始発駅である[新聞 1]。現在はホームの横川方に車止めが設置され(かつてはEF63重連切り離し位置付近だったが、2020年ごろに中程に移設された)、碓氷峠区間および横川駅とは完全に分断されている。
    • 2023年4月から2024年1月31日まで横川方のホーム未使用部、線路、架線柱などの解体が行われている。
  • しなの鉄道開業時から長らく、矢ヶ崎踏切付近には車止めが設置されており、線路も碓氷峠鉄道文化むらを経由して横川駅旧4番線へと繋がっていた[24]
  • 信越本線時代は単式1面1線の1番線、島式1面2線の3番線・4番線、機回し線、留置線など多数有していたが[7]、しなの鉄道になってから1番線は廃止され[4]、3番線・4番線だったホームが1番線・2番線となっている。また、旧1番線にはEF63 2号機[4]アプト式電気機関車EC40[4]軌道モーターカーマルチプルタイタンパー169系電車が(旧)軽井沢駅舎記念館の展示物として保存されていた[4]。その後旧駅舎口ゾーン工事に伴いモーターカーは解体、169系電車は移動の上で遊具として利用されることとなったが、2021年2月に撤去された。
  • 発車メロディはカンノ製作所のもので信越本線時代からの発車メロディをそのまま利用している。ただし、ワンマン運転の場合は発車メロディは取り扱わず発車ベルや乗降促進メロディーが用いられる。

旧駅舎口と駅ナカ商業スペースの開業

しなの鉄道は開業20周年の記念事業として2017年10月27日、旧駅舎口を開業した[報道 2][報道 3]。実物の旧駅舎は、しなの鉄道に移管された1997年に取り壊されており、その窓枠や天井の一部を移築して2000年に復元した町立(旧)軽井沢駅舎記念館の建物を利用した。ホームとは木製廊下で結び、観光列車「ろくもん」乗客向けの「ろくもんラウンジ」、子供と一緒に遊べる有料待合室「森の子リスキッズくらぶ」、長野県小布施町の名物である栗菓子を出すカフェ「茶寮 幾右衛門」などを併設している[報道 2][新聞 5]

しなの鉄道は2017年3月、軽井沢町より旧駅舎を借用して再び駅舎にする計画を発表し、改装を行った[新聞 6]。2017年10月に旧駅舎(博物館だった建物)を駅として復活させ、改札口や駅事務所、ラウンジなどを設置。さらに1番線・2番線ホームと旧1番線ホームの間をデッキでつなぎ、レールバイクなどを設置する他、保存車両の中を改装してプラレールで遊べる空間を作るなど「3世代で遊べる遊園地」を設けた[新聞 6]。さらに駅事務所が移転した後の現駅舎3階には2018年3月23日に、駅ナカ商業スペース「しなの屋KARUIZAWA」がオープンした[報道 8][報道 2][新聞 7]。2018年3月に全事業完了。総事業費は約4億円。デザイナーには水戸岡鋭治を起用した[報道 2]

駅弁

元々は地元業者「油屋旅館弁当部」が駅弁を立売販売していた。ゴルフボールを模った容器に入った「ゴルフ弁当」やテニスのラケットの形をした容器に入った「テニスランチ」[25]などが人気だったが1986年に撤退した。2016年現在では、おぎのやが替わりに出店している。2021年より、軽井沢の老舗そば処「高美亭」も駅弁の販売が開始され、2023年1月現在は2社体制で駅弁販売を行なっている。

主な駅弁は下記の通り[26]

しなの鉄道の改札前の待合室に併設されている駅そばは、JR東日本社員のアンケートで全国一となったことがある。おぎのやが営業しており、立ち食いそばとしては比較的珍しい、注文毎に生麺からゆでるタイプのものである。なお、駅そばの発祥が軽井沢駅という説がある。1893年に軽井沢-横川駅間に鉄道が開通した際、碓氷峠を越えるけん引専用の車両を付け替える間、駅のホームで弁当とそばを丼に盛り売って回ったのが始まりとされる[27]

利用状況

  • JR東日本 - 2022年度(令和4年度)の1日平均乗車人員3,688人である[JR 1][備考 1]
  • しなの鉄道 - 2022年度(令和4年度)の1日平均乗車人員は1,274人である[軽井沢 1]

2000年度(平成12年度)以降の推移は以下のとおりである。

1日平均乗車人員推移
年度JR東日本しなの鉄道
2000年(平成12年)2,502[JR 2] 
2001年(平成13年)2,550[JR 3] 
2002年(平成14年)2,375[JR 4] 
2003年(平成15年)2,354[JR 5] 
2004年(平成16年)2,385[JR 6]1,116[軽井沢 2]
2005年(平成17年)2,535[JR 7]1,140[軽井沢 2]
2006年(平成18年)2,624[JR 8]1,148[軽井沢 2]
2007年(平成19年)2,803[JR 9]1,182[軽井沢 2]
2008年(平成20年)2,877[JR 10]1,143[軽井沢 2]
2009年(平成21年)2,728[JR 11]1,067[軽井沢 3]
2010年(平成22年)2,718[JR 12]1,056[軽井沢 2]
2011年(平成23年)2,732[JR 13]1,096[軽井沢 2]
2012年(平成24年)2,917[JR 14][備考 2]1,183[軽井沢 2]
2013年(平成25年)3,063[JR 16]1,252[軽井沢 2]
2014年(平成26年)3,327[JR 17]1,357[軽井沢 3]
2015年(平成27年)3,559[JR 18]1,364[軽井沢 3]
2016年(平成28年)3,670[JR 19][備考 3]1,386[軽井沢 3]
2017年(平成29年)3,796[JR 21][備考 4]1,499[軽井沢 3]
2018年(平成30年)4,013[JR 23][備考 5]1,621[軽井沢 4]
2019年(令和元年)4,042[JR 25][備考 6]1,524[軽井沢 4]
2020年(令和02年)1,911[JR 27][備考 7]884[軽井沢 5]
2021年(令和03年)2,564[JR 29][備考 8]1,029[軽井沢 6]
2022年(令和04年)3,688[JR 1][備考 1]1,274[軽井沢 1]
備考

駅周辺

軽井沢はコクド(現・プリンスホテル)が堤康次郎堤義明の二代に渡って長年開発してきたため、西武系の施設が多く点在している。

群馬県との県境が近く草津町嬬恋村の一部もこの駅の利用圏である。

バス路線

のりば5(JRバス関東碓氷線)

いずれも北口側からの発着。

一般路線

のりば1
のりば2
のりば4
  • 西武観光バス
    • 発地方面循環(南軽井沢線)
  • 軽井沢町内循環バス
    • 発地方面循環(東・南廻り線)
のりば5

高速バス

のりば3
のりば5
軽井沢駅北口(中山道沿い)

その他

隣の駅

東日本旅客鉄道(JR東日本)
北陸新幹線
安中榛名駅 - 軽井沢駅 - 佐久平駅
しなの鉄道
しなの鉄道線
快速・普通
軽井沢駅 - 中軽井沢駅

かつて存在した路線

東日本旅客鉄道(JR東日本)
信越本線
横川駅 - 丸山信号場 - (熊ノ平信号場) - 矢ヶ崎信号場 - 軽井沢駅

脚注

記事本文

報道発表資料

新聞記事

利用状況

JR東日本
しなの鉄道(軽井沢町の統計)

参考文献

  • 信濃毎日新聞社出版部『長野県鉄道全駅 増補改訂版』信濃毎日新聞社、2011年7月24日。ISBN 9784784071647 

関連項目

外部リンク