漢姓 (閻 / 阎)

(えん)またはは、漢姓のひとつ。

各種表記
繁体字閻/閆
簡体字阎/闫
拼音Yán
注音符号ㄧㄢˊ
ラテン字Yen
広東語発音:Jim4
上海語発音:Nyie1
台湾語白話字Giâm
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中国の姓

中華圏の一般的な姓で、2020年の中華人民共和国第7回全国人口調査中国語版国勢調査)に基づく姓氏統計によると中国で77番目に多い姓であり、358.93万人がいる[1][2]。一方、台湾の2018年の統計では「閻」が第174位で、2,881人がいる。「閆」が第422位で、238人がいる[3]

現行本の『百家姓』で、「閻」は327番目、「閆」は460番目に分かれて出てくるが、この2字が別字であるかどうかには問題がある。

文字

「閻」と「閆」は一応別の字とされるが、「閆」は古い書物に見えない。『五音篇海』に『俗字背篇』を出典として「閆」字を載せ、「閻」に同じとしている[4]。おそらく本来は「閻」の異体字と考えられる。『正字通』で「閆」を姓のための専用字とし[5]、それを継承した『康熙字典』・『大漢和辞典』にも「閆」が載せられている。

簡体字では古くは「阎」のみで「闫」を異体字としていた。1977年の第二次漢字簡化方案では「闫」に統一されたが、この方案は廃止された。現在は「阎」と「闫」を分けているが、本来「阎」であっても姓には「闫」の字が使われることが多い。だが、姓氏辞典の類で、「闫」を見出しに立てずに、「阎は闫とも書く」と簡単にすませてしまっているものもある[6]

著名な人物

朝鮮の姓

ヨム
各種表記
ハングル
漢字
発音:
日本語読み:えん
ローマ字Yeom
マッキューンライシャワー式Yŏm
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(えん、ヨ: )は、朝鮮人の姓の一つだったが、1930年の国勢調査当時、初めて登場し[7]、当時、既に世系の伝を失っており、本貫も不明でその考証は難しいが、高麗の太祖朝に、中国から帰化して義刑台令を歴任した閻長が文献上の初見である[8]。1985年、経済企画院実施の「人口センサス」の集計結果285姓氏には含まれておらず、姓を改めたとも考えられる[8] が、中国東北地方に暮らす朝鮮族には、滅多に見られないものの存在するという[9]。これについて以下に述べる。

著名な人物

人口と割合

1930年度国勢調査の時全北沃溝郡開井面峨山里に唯一1世帯が現われた[7][8] が、その後、1960年の調査や85年の調査[8]、75年の調査[9]、近年の2000年の総調査でも発見されていない。ただし、中国東北地方に暮らす朝鮮族にも滅多に見られないものの、吉林省和竜市にこの姓が見られる[9] ということなので、既に1930年の段階で、朝鮮王朝後期以降の間島地方への流出や、1905年の日本による保護国化、1910年の併合以降の日本支配を嫌って、一族の多くが抗日義兵や難民として東北地方に移住していた可能性もある。更に独立後も、朝鮮戦争によって難民として流出した可能性もある。

年度人口世帯数順位割合
1930年(世帯のみ調査)1世帯
1960年0人
1985年0人0世帯
2000年0人0世帯
2015年24人[11]

脚注

関連項目