朝夕などに、物体の表面に空気中の水蒸気が凝縮して生じる水滴

(つゆ)は、空気に含まれている水蒸気が草木の地面、その他の物体の表面に凝結(凝縮)して水滴となったもの。朝方放射冷却などの影響で生じることが多い[1][2]。物に露が着くことを結露という。この項では露の自然や生物に関する面について説明する。人工物に関わること、物理的性質については結露の項を参照。

葉の上の露
葉に結露した露
クモの網に結露した露
大規模な露の収集装置、インド北西部

基本原理

物体が冷えて、接している空気の湿度が高まり水過飽和になったとき、露が付く。言い換えると、物体表面の温度が、そこに触れている空気の温度に湿度を加味した露点温度よりも低くなるときである[1][2][3]

晴れた夜間放射冷却による冷え込みが進んだ朝によく生じ、夜間にも生じる。が強かったりが多かったりすると放射冷却が弱く、露は生じにくい[1][2]。特に朝の露を朝露(あさつゆ)、夜の露を夜露(よつゆ)と呼ぶことがある。

特に秋の終わりから冬の早朝に露は降りやすい[要出典]

日本の俳句表現では露は秋の季語とされている[4]二十四節気のひとつにも白露(はくろ)(9月7日ごろ)がある[5]

水過飽和とならずに物体表面の温度が0℃を下回ってさらに氷過飽和になると、物体表面には氷の結晶であるが生じる[3]。また、寒い時期に地面や物体に付着した露の粒が0℃を下回り凍ったものを凍露(とうろ)という[2][3][6]。冷え込みによって一帯の空気が露点温度よりも低くなるとを生じる[1]

結露する対象物

露は草の、木の葉につくものである。他の物にも着くが、葉はある程度水をはじく性質があるため、水滴として視認しやすい。特に葉の先端や、鋸歯のある葉ではその突出部に大粒の水滴が見られることがある。これは、植物が自ら水を排出している場合もある。その液のことを溢泌液(いっぴつえき)という。出す原理はヘチマ水と同じ。

なお気象台などが行う気象観測の「大気現象」の記録には露もあるが、草や木の葉だけにできた露は凝結以外で生じることがあるため除外し、地面や物体にも付着した露を記録している[1][6]

また、クモの網に水滴が着くのもよく見られる。特に横糸には粘球があり、この粘球に露が追加される形で大きくなる。朝日を浴びると美しく輝くのが見られる。

生物との関係

乾燥気候に分布する生物、特に寒流によって乾燥気候 (熱帯砂漠) となっている地域の生物にとってはほぼ唯一の飲料水となる。

寒流に接した地域は一般に乾燥気候が発達する。これは、寒流によって地表付近の温度が上空よりも低い状態が保持され、大気が安定し、低気圧の発生が妨げられるからである。このような地域では年間を通じて降水は見られない。しかしながら、大地を覆う植生がないため、早朝には地温が海水温よりも低下する。すると、冬季に河川水が湯気を発する川霧のように、海からが立ち上り、砂漠の砂つぶやわずかな草本の茎に付着し露となる。

砂漠に生息する生物はこの露に依存している。アフリカのナミブ砂漠のサカダチゴミムシダマシ (Onymacris unguicularisは、体に着いた露が口元に垂れてくるように頭を下に、おしりを持ち上げた姿勢を取る。

乾燥地域では人間が利用する水資源としても露や霧の収集が行われており、露については空気井戸 (air wellなどの手法がある。

出典

参考文献

関連項目


🔥 Top keywords: メインページ宮崎麗果特別:検索豊後水道松本忠久土居志央梨若葉竜也能登半島地震 (2024年)田中雄士長谷部誠井上道義The GazettE若林志穂服部百音黒木啓司REITA虎に翼平井理央出口夏希サーブ (盲導犬)三鷹事件セウォル号沈没事故白眞勲三淵嘉子高橋克也 (オウム真理教)ME:Iルーシー・ブラックマン事件佐藤ありさ杉咲花蜜谷浩弥水野真紀亀井亜紀子 (政治家)熊本地震 (2016年)水原一平井川意高中川安奈 (アナウンサー)内藤剛志いなば食品YOSHIKI