高速自動車国道

日本の高速道路の種類

高速自動車国道(こうそくじどうしゃこくどう)とは、日本国道かつ自動車専用の道路の一種であり、高規格幹線道路のA路線に該当する。自動車専用道路と共に高速道路である。

高速自動車国道」の建設管理は、法令上、東日本中日本西日本の各道路会社(民営化前は日本道路公団)が行っている。
(写真は、東日本高速道路株式会社〈NEXCO東日本〉常磐自動車道友部ジャンクション下り線)

高速自動車国道法〈以降「法」と表記〉第4条で規定される。

「自動車の高速交通の用に供する道路で、全国的な自動車交通網の枢要部分を構成し、かつ、政治・経済・文化上特に重要な地域を連絡するものその他国の利害に特に重大な関係を有する」道路である。

概要

高速自動車国道は計画および整備中の路線を含め、全国に43路線、延長1万1520キロメートル(km)ある[1][2]高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路本州四国連絡道路および、都市高速道路などは、高速自動車国道の中には含まれない[1]。一般道路とは異なり、自動車を高速かつ安全に運転できる道路として造られることが特徴で[3]、次の要件を満たすこととなっている[4]

2019年令和元年)度末時点供用中の高速自動車国道は、ほとんどが有料道路として供用されている。2010年(平成22年)に民主党(当時)が一部路線を試験的に無料開放したことがあるが、それ以降は新直轄区間および一般国道へ降格された区間を除き、無料開放されたことはない。

高速自動車国道には沿道に商店などを建てることができず、路肩に自動車を停めることもできないことから、休憩施設として概ね50 kmおきにサービスエリア(SA)、15 kmおきにパーキングエリア(PA)が設けられる。

整備

路線は、

のうちから、高速自動車国道の路線を指定する政令で指定される(法第4条)。路線が指定された場合、一義的には国土交通大臣整備計画を定め、建設、その他の管理まで行う。

しかしながら、料金を徴収してでも道路の整備を促進する趣旨で、別途道路整備特別措置法1956年昭和31年)に制定され、建設大臣日本道路公団に高速自動車国道の新設または改築を行わせ(施行命令)、料金を徴収させることができるものとされた(同法第2条の2)。これを受けて、公団は路線名および工事の区間、工事方法、工事予算、工事の着手および完成の予定年月日を「工事実施計画」として提出する(同第2条の3)。

2005年(平成17年)10月1日施行の道路関係4公団の民営化に伴う法改正により、東日本中日本西日本各高速道路会社が日本高速道路保有・債務返済機構との協定に基づき、国土交通大臣の許可を受けて、高速自動車国道を含む高速道路を新設し、または改築して、料金を徴収することができるものと改められた(同第3条)。

連結

高速自動車国道は、自動車の高速交通の用に供する趣旨から、高速自動車国道法第11条により連結できる施設は以下のものに限られている。

  • 道路、一般自動車道または政令で定める一般交通の用に供する通路その他の施設
インターチェンジジャンクションで接続する他の路線や一般道路を指す。
  • 当該高速自動車国道の通行者の利便に供するための休憩所、給油所その他の施設または利用者のうち相当数の者が当該高速自動車国道を通行すると見込まれる商業施設、レクリエーション施設その他の施設
連結利便施設等。このうち前者はSA・PAで道路に面する道路サービス施設を指す。
  • 第一号に掲げるものを除くほか、前号の施設と当該高速自動車国道とを連絡する通路その他の施設であつて、専ら同号の施設の利用者の通行の用に供することを目的として設けられるもの
連結通路等。かつての高速自動車国道活用施設を含むいわゆるハイウェイオアシス(これらを連結施設という)を連絡するものを指す。

これらの連結には、国土交通大臣の連結許可を要する。連結位置および連結予定施設は、前述の整備計画の必要事項とされており、かつては連結施設を追加的に新設する場合にも、新めて整備計画を経る必要があったが、現在は簡素化されている。

また、法施行令では、本線車道に直接出入りすることができる施設につき、連結位置に関する基準が示されており、本線車道の接続部分が他の施設のそれから、本線車道に沿って2km以上離れていることと定められている。

新直轄方式

公団民営化による新規着工鈍化が必至のなか、地方負担による新たな形の手法が模索され、2003年(平成15年)12月25日に開催された第1回国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)において、民営化後の新会社による道路整備を補完する手法として、地方にも費用負担させる「新たな直轄事業」が導入された。この場合、建設費償還が不要なため無料となる。これが新直轄方式である。この方式を採用して建設が行われる区間を新直轄区間という。

この第1回国幹会議では、整備計画まで決定している区間のうち27区間699kmが新直轄方式に変更されることが決まった。これを受け、2003年(平成15年)5月12日に改正高速自動車国道法等が施行。国がその4分の3以上で政令で定める割合を、残りを都道府県政令指定都市が費用負担するものと改正された。実際には、都道府県等の負担分については地方交付税措置の重点配分(県の負担分の9地方債で充当し、その元利償還金について地方交付税措置を行う)や高速道路の後進地域に対する補助等によりある程度まで抑えられる見通しとなっている。

なお、新直轄方式の「新」とは従来の直轄事業である高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路(国と県の建設費負担は2対1)に対するものである。

国内第1号の新直轄方式は、北海道横断自動車道釧路線である。当初この路線は、従来方式での建設で計画されていたが、近隣市町が応分の費用を積極的に負担し完成を急ぐ必要があるという自発的な住民運動によって積極的に新直轄方式に変更した。2007年(平成19年)9月には日本海沿岸東北自動車道本荘 - 岩城が新直轄方式としては初めて開通した。

路線

道路名

路線図(関西地区)

高速自動車国道には、「高速自動車国道の路線を指定する政令」で指定された路線名(正式名)と、NEXCOなど道路管理者が一般公衆向けの案内に使用する道路名(通称名)の二つの路線名がある[5]。開通供用している路線には、以下の道路名がある[6][7]高速道路としては連続していても、高速自動車国道ではない区間(高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路=A'路線)は除いてある。なお、起終点は、ここでは道路名ごとの案内上の「下り線」「上り線」の方向に準拠して記述する。

現在、道路名に用いられる名称(通称名)の数は64路線となっている。それぞれの道路名に対応する「高速自動車国道の路線を指定する政令」における路線名(正式名)も併記している。

また、国土交通大臣指定に基づく高規格幹線道路(一般国道の自動車専用道路)=B路線や、地域高規格道路として開通供用している路線の中でも、一部が法的には高速自動車国道に指定されている部分が数か所あるため、これらについても備考欄に合わせて記述している。

高速道路ナンバリング道路名
(通称名)
政令による路線名
(正式名)
起点終点備考
E5道央自動車道北海道縦貫自動車道
函館名寄線
大沼公園IC士別剣淵IC千歳恵庭JCT - 札幌JCT間は北海道横断自動車道黒松内釧路線・黒松内北見線と重複
E5A札樽自動車道北海道横断自動車道
黒松内釧路線
札幌JCT小樽IC黒松内北見線と重複
後志自動車道小樽JCT余市IC
E38道東自動車道千歳恵庭JCT阿寒IC千歳恵庭JCT - 本別JCT間は黒松内北見線と重複
E61北海道横断自動車道
黒松内北見線
本別JCT足寄IC
十勝オホーツク自動車道陸別小利別IC北見西IC北見西IC - 北見東IC間は自動車専用道路(A'路線)
E4東北自動車道東北縦貫自動車道
弘前線
川口JCT青森IC川口JCT - 安代JCT間は八戸線と重複
岩舟JCT - 栃木都賀JCT間はE50 北関東自動車道と重複
福島JCT - 桑折JCT間はE13 東北中央自動車道相馬尾花沢線と重複
村田JCT - 仙台南IC間はE48 と重複
北上JCT - 花巻JCT間はE46 東北横断自動車道釜石秋田線と重複
E4A八戸自動車道東北縦貫自動車道
八戸線
安代JCT八戸北IC八戸北IC - 七戸IC間は自動車専用道路(A'路線)
八戸JCT八戸IC七戸方面へ延伸以降は事実上のロングランプウェイ
青森自動車道青森JCT青森東IC
E46釜石自動車道東北横断自動車道
釜石秋田線
花巻JCT遠野IC遠野IC - 釜石JCT間は自動車専用道路(A'路線)
秋田自動車道北上JCT秋田北IC秋田北IC - 昭和男鹿半島IC、琴丘森岳IC - 二ツ井白神IC蟹沢IC - 釈迦内PA間は自動車専用道路(A'路線)
E7日本海沿岸東北自動車道昭和男鹿半島IC琴丘森岳IC
釈迦内PA小坂JCT
日本海東北自動車道北陸自動車道新潟中央JCT新潟空港IC
日本海沿岸東北自動車道新潟空港IC朝日まほろばIC
あつみ温泉IC鶴岡JCT
東北横断自動車道酒田線鶴岡JCT酒田みなとIC日本海沿岸東北自動車道と重複
日本海沿岸東北自動車道酒田みなとIC遊佐鳥海IC
本荘IC河辺JCT象潟IC - 本荘IC間は自動車専用道路(A'路線)
E48山形自動車道東北横断自動車道
酒田線
村田JCT月山IC月山IC - 湯殿山IC間は自動車専用道路(A'路線)
湯殿山IC鶴岡JCT
E49磐越自動車道東北横断自動車道
いわき新潟線
いわきJCT新潟中央IC
E13東北中央自動車道東北中央自動車道
相馬尾花沢線
福島JCT米沢北IC相馬IC - 桑折JCT、米沢北IC - 南陽高畠IC、尾花沢IC - 新庄鮭川IC間は自動車専用道路(A'路線)
南陽高畠IC尾花沢IC
E17関越自動車道関越自動車道
新潟線
練馬IC長岡JCT長岡IC - 長岡JCT間は北陸自動車道と重複
E18上信越自動車道関越自動車道
上越線
藤岡JCT藤岡IC練馬IC - 藤岡JCT-藤岡IC間は新潟線と重複
藤岡IC上越JCT
E6常磐自動車道三郷JCT亘理IC亘理IC - 仙台港北IC - 利府JCT - 富谷IC間は自動車専用道路(A'路線)
E14館山自動車道東関東自動車道
千葉富津線
千葉南JCT[注 1]富津竹岡IC宮野木JCT - 千葉南JCT、富津竹岡IC - 富浦IC間は自動車専用道路(A'路線)
木更津南JCT木更津南IC木更津南支線
事実上のロングランプウェイ
CA東京湾アクアライン連絡道木更津JCT木更津西JCT[注 2]連絡道は自動車専用道路だが、この部分に限り館山道の支線扱い。東京湾アクアラインに接続
E51東関東自動車道東関東自動車道
水戸線
高谷JCT潮来IC
鉾田IC茨城町JCT
C3東京外環自動車道東北縦貫自動車道
弘前線
大泉IC川口JCT八戸線と重複
常磐自動車道川口JCT三郷JCT
東関東自動車道
水戸線
三郷JCT高谷JCT
E50北関東自動車道高崎JCT岩舟JCT
栃木都賀JCT水戸南IC水戸南IC - ひたちなかIC間は自動車専用道路(A'路線)
E68中央自動車道中央自動車道
富士吉田線
大月JCT富士吉田IC富士吉田支線
E20高井戸IC大月JCT西宮線・長野線と重複
中央自動車道
西宮線
大月JCT岡谷JCT高井戸IC - 大月JCT - 岡谷JCT間は長野線と重複
E19岡谷JCT小牧JCT
E1名神高速道路小牧IC西宮IC
E88京滋バイパス久御山淀IC大山崎JCT/ICこの部分に限り名神高速の支線扱いである。
E19長野自動車道中央自動車道
長野線
岡谷JCT更埴JCT
E1東名高速道路第一東海自動車道東京IC小牧IC小牧JCT - 小牧IC間は中央自動車道西宮線と重複
C4首都圏中央連絡自動車道海老名南JCT海老名IC圏央道は自動車専用道路(B路線)だが、この部分に限り東名高速の支線扱い
第二東海自動車道横浜名古屋線と連絡
E41東海北陸自動車道一宮JCT小矢部砺波JCT
E1A新東名高速道路第二東海自動車道
横浜名古屋線
海老名南JCT新秦野IC
新御殿場IC豊田東JCT
E52清水JCT新清水JCT清水連絡路
第一東海自動車道と連絡
E69浜松いなさJCT三ヶ日JCT引佐連絡路
第一東海自動車道と連絡
E52中部横断自動車道新清水JCT双葉JCT
八千穂高原IC佐久小諸JCT
E8北陸自動車道北陸自動車道新潟中央JCT米原JCT新潟中央JCT - 長岡JCT間は関越自動車道新潟線と重複
E1A伊勢湾岸自動車道第二東海自動車道
横浜名古屋線
豊田東JCT東海IC東海IC - 名港中央IC間は自動車専用道路(A'路線)
近畿自動車道
名古屋神戸線
飛島IC四日市JCT名港中央IC - 飛島IC間は自動車専用道路(A'路線)
伊勢線と重複
C2名古屋第二環状自動車道近畿自動車道
名古屋亀山線
名古屋南JCT飛島JCT伊勢線と重複
上社JCT名古屋IC名古屋支線
第一東海自動車道に接続する
E23東名阪自動車道名古屋西JCT伊勢関IC四日市JCT - 伊勢関IC間で伊勢線と重複
天理IC - 亀山IC間の自動車専用道路(A'路線)に接続
伊勢自動車道近畿自動車道
伊勢線
伊勢関IC伊勢IC
E1A新名神高速道路近畿自動車道
名古屋神戸線
四日市JCT大津JCT(仮称)
城陽JCT八幡京田辺JCT
高槻JCT神戸JCT
亀山JCT亀山西JCT亀山連絡路
伊勢線、名古屋亀山線と連絡
大津JCT(仮称)草津JCT大津連絡路。中央自動車道西宮線に連絡。
E25西名阪自動車道近畿自動車道
天理吹田線
松原JCT天理IC天理IC - 亀山IC間の自動車専用道路(A'路線)に接続
E26近畿自動車道吹田JCT松原JCT
阪和自動車道近畿自動車道
松原那智勝浦線
松原JCT和歌山JCT
E42和歌山JCT有田IC有田IC - 御坊IC間は自動車専用道路(A'路線)
御坊IC南紀田辺IC
紀勢自動車道南紀田辺ICすさみ南ICすさみ南IC - 尾鷲北IC間の自動車専用道路(A'路線)の一部が開通している
近畿自動車道
尾鷲多気線
勢和多気JCT尾鷲北IC
E27舞鶴若狭自動車道近畿自動車道
敦賀線
吉川JCT敦賀JCT
E2A中国自動車道中国縦貫自動車道吹田JCT下関IC吹田JCT - 神戸JCT間は山陽自動車道吹田山口線と重複
山崎JCT - 佐用JCT間はE29 中国横断自動車道姫路鳥取線と重複
落合JCT - 北房JCT間はE73 中国横断自動車道岡山米子線と重複
千代田JCT - 広島北JCT間はE74 中国横断自動車道広島浜田線と重複
E2山陽自動車道山陽自動車道
吹田山口線
神戸JCT廿日市JCT廿日市JCT - 大竹JCT間は自動車専用道路(A'路線)
大竹JCT山口JCT
三木JCT神戸西IC木見支線
神戸淡路鳴門自動車道に接続
倉敷JCT早島IC倉敷早島支線
瀬戸中央自動車道に接続
山陽自動車道
宇部下関線
宇部JCT下関JCT
E29播磨自動車道中国横断自動車道
姫路鳥取線
播磨JCT宍粟JCT
鳥取自動車道佐用JCT西粟倉IC西粟倉IC - 智頭IC間は自動車専用道路(A'路線)
さらにこの区間内にある志戸坂トンネル前後は一般道路である
智頭IC鳥取IC
E73岡山自動車道山陽自動車道
吹田山口線
岡山JCT岡山総社IC
中国横断自動車道
岡山米子線
岡山総社IC北房JCT
米子自動車道落合JCT米子IC
E54尾道自動車道中国横断自動車道
尾道松江線
尾道JCT三次東JCT
松江自動車道三次東JCT宍道JCT
E74広島自動車道中国縦貫自動車道広島北JCT広島北IC中国横断自動車道広島浜田線と重複
中国横断自動車道
広島浜田線
広島JCT広島北JCT
浜田自動車道千代田JCT浜田IC
E9山陰自動車道中国横断自動車道
尾道松江線
松江玉造IC宍道JCT山陰自動車道鳥取益田線と重複
山陰自動車道
鳥取益田線
宍道JCT出雲ICこの区間以外の山陰道(大栄東伯IC - 松江玉造IC間など)は自動車専用道路(A'路線)
E11高松自動車道四国横断自動車道
阿南四万十線
鳴門IC川之江JCT
坂出JCT坂出IC坂出支線。瀬戸中央自動車道に接続
松山自動車道四国縦貫自動車道川之江JCT松山IC
E56松山IC大洲IC大洲IC - 大洲北只ICは自動車専用道路(A'路線)
四万十町中央IC - 宇和島北IC間の一部が、それに並行する自動車専用道路(A'路線)として開通している
四国横断自動車道
愛南大洲線
大洲北只IC宇和島北IC
E55徳島南部自動車道四国横断自動車道
阿南四万十線
徳島津田IC徳島JCT
E32徳島自動車道鳴門JCT徳島JCT
徳島JCT徳島IC
四国縦貫自動車道徳島IC川之江東JCT
高知自動車道四国横断自動車道
阿南四万十線
川之江JCT高知IC
E56高知IC須崎東IC須崎東IC - 須崎西IC間は自動車専用道路(A'路線)
須崎西IC四万十町中央IC
E3九州自動車道九州縦貫自動車道
鹿児島線
門司ICえびのJCT宮崎線と重複
えびのJCT鹿児島IC加治木JCT - 鹿児島IC間は東九州自動車道と重複
E10宮崎自動車道九州縦貫自動車道
宮崎線
えびのJCT宮崎IC
E34長崎自動車道九州縦貫自動車道
鹿児島線
鳥栖JCT鳥栖IC九州横断自動車道長崎大分線と重複
九州横断自動車道
長崎大分線
鳥栖IC長崎IC
大分自動車道鳥栖JCT日出JCT
E35西九州自動車道武雄JCT武雄南IC西九州道は自動車専用道路(B路線)だが、この部分に限り長崎道の支線扱い
全長0.6kmであるが、料金計算上は武雄JCTと武雄南ICは距離がないため(区間距離0km扱い)、この区間の料金は発生しない
E77九州中央自動車道九州横断自動車道
延岡線
嘉島JCT山都通潤橋IC蔵田交差点 - 延岡JCT間は自動車専用道路(A'路線)
E10東九州自動車道東九州自動車道北九州JCTみやこ豊津ICみやこ豊津IC - 椎田南IC間、宇佐IC - 速見IC間は自動車専用道路(A'路線)
椎田南IC宇佐IC
九州横断自動車道
長崎大分線
速見IC大分米良IC2018年までは大分道であった
正式名としての東九州自動車道と重複
東九州自動車道大分米良IC北川IC北川IC - 門川IC間は自動車専用道路(A'路線)
門川IC清武JCT
E78清武JCT清武南IC
日南北郷IC日南東郷IC
志布志IC隼人東IC隼人東IC - 加治木JCT間は自動車専用道路(A'路線)
E65新空港自動車道成田国際空港線成田JCT新空港IC国土開発幹線自動車道の予定路線ではない
E71関西空港自動車道関西国際空港線泉佐野JCTりんくうJCTりんくうJCT以北は自動車専用道路・関西国際空港連絡橋である
政令上の関西国際空港線の終点は関西国際空港であるが、連絡橋はA'路線にも指定されていない。ただしIC番号やキロポストは連続している
なお、関西空港自動車道は国土開発幹線自動車道の予定路線ではない
E2A関門橋(関門自動車道)関門自動車道下関IC門司IC現在、NEXCOが発行する案内図では、左のように括弧書きで正式路線名を併記している
なお、国土開発幹線自動車道の予定路線ではない
E58沖縄自動車道沖縄自動車道那覇IC許田IC国土開発幹線自動車道の予定路線ではない

高速自動車国道への編入

整備計画の変更により一般国道から高速自動車国道へ昇格された区間が存在する。このような手法がとられた理由は、高速自動車国道を建設するためには多額の建設費を必要とするため、一般国道の有料道路を高規格幹線道路に改修して建設費用となる国の借入金を抑え、少しでも早く高速道路網を完成させるという狙いからである[8]

編入年月日編入路線名編入区間旧道路名
1973年(昭和48年)4月1日札樽自動車道札幌西IC - 小樽IC一般国道5号 札幌小樽道路[9]
関越自動車道練馬IC - 川越IC一般国道254号 東京川越道路[9]
東名阪自動車道桑名IC - 亀山IC一般国道1号 東名阪道路[9]
西名阪自動車道天理IC - 松原JCT一般国道25号 西名阪道路[9]
1987年(昭和62年)10月8日沖縄自動車道許田IC - 石川IC一般国道329号 沖縄自動車道[9]
1998年(平成10年)7月1日山形自動車道笹谷IC - 関沢IC一般国道286号 笹谷トンネル[9]
2005年(平成17年)4月1日阪和自動車道海南IC - 吉備IC(現:有田IC)一般国道42号 海南湯浅道路[9]
2017年(平成29年)11月21日高松自動車道津田東IC - 三木町高松市一般国道11号 高松東道路

また、逆に高速自動車国道から一般国道へ降格された区間として唯一、一般国道116号新潟西バイパス新潟西IC - 黒埼IC(旧北陸自動車道新潟料金所 - 新潟黒埼IC)が存在する。

料金の額およびその徴収期間

料金の額

高速自動車国道の料金制は対距離制、均一制、区間料金制の3種類あり、区間によって適用される料金制が異なる[10][11][12]

対距離制

高速自動車国道の多くの区間で適用されている。走行距離に比例して課される可変額部分と利用1回ごとに課される固定額部分(ターミナルチャージ)がある。

可変額部分

普通区間(一部区間を除く)での1kmあたりの料金は以下のように設定されている[10][11][12]

大都市近郊区間関越特別区間恵那山特別区間飛騨特別区間関門特別区間については1kmあたりの料金が別途定められている。いずれも普通区間より割高に設定されている[10][11][12]。また、普通区間の一部についても1kmあたりの料金が別途定められている。中京圏の各高速道路(東海環状自動車道の内側の対距離制区間)、阪和自動車道の一部区間では普通区間より割高に、逆に沖縄自動車道では普通区間より割安に設定されている[11][12]

100kmを超え200kmまでの部分の料金は25%割引、200kmを超える部分の料金は30%割引される[10][11][12]

目的地までに複数の経路を有する場合は、最短経路の2倍を超える経路でない限り最も安い経路の通行料金で計算される。

固定額部分

料金は可変額部分と固定額部分の合計に1.1を乗じることにより消費税および地方消費税を加え、この額が10,000円以下の場合には四捨五入して10円単位とし、10,000円を超える場合には100円未満を切り捨てて計算される。

均一制

渋滞が予想されるなどの理由で入口または出口に料金所が設けられていない路線の一部で採用されている。料金は、平均旅行距離をもとに上記の方法で算出されている。このため、短距離利用の場合は対距離制より割高に、全区間の走行など長距離利用の場合は割安になる。

都市部で採用されていたが、ETCの普及に伴い多くの均一制区間が事業許可上は区間料金制に移行しており、2021年現在、事業許可において均一制とされているのは道央自動車道札幌南IC - 札幌JCT間、札樽自動車道札幌西IC - 札幌JCT間のみである[10]

区間料金制

事業許可では三角表などによって料金が定められており、入口ICごとまたは入口ICと出口ICの組み合わせごとに料金が設定されている。主に入口または出口に料金所が設けられていない路線で採用されており、かつて均一制を採用していた区間もある。料金所のない出入口においてフリーフローアンテナによって通過を確認できるETC車については多くの区間で走行距離に応じた料金が設定されている一方で、通過を確認できない非ETC車については均一料金や入口ICから利用できる最長区間の料金が設定されている。

料金の徴収期間

東日本・中日本・西日本各高速道路会社とも、2006年(平成18年)4月1日から2060年6月1日。これにはNEXCO各社および本州四国連絡高速道路株式会社の管理する全国路線網の一般有料道路も含まれる[13]

法定速度

道路交通法施行令に基づいて、法定速度として最高速度および最低速度が定められている。

125cc以下の二輪車である小型自動二輪車原動機付自転車およびミニカーについては、高速自動車国道の通行可能車両の規定は道路交通法ではなく道路運送車両法に基づき規定され、これらの車両は同法施行規則第1条で「原動機付自転車」とされ、自動車の範疇から外れるため通行することができない。

また、高速自動車国道のうち一部にでも対面通行でない区間(法定最低速度が50km/h)を含む道路の区間は、次の自動車は通行できない(一方、自動車専用道路については、個別の通行止め標識または最低速度規制が無い限りは通行可能である)。

  • 小型特殊自動車 - 法律および車両の仕様上速度が出せない
  • 大型特殊自動車においては、最低速度基準を満たしている農耕トラクターの一部車種のみ通行可能

最高速度

法定最高速度は車種によって異なり、次のように定められている。

なお、暫定2車線区間や道路構造令、天候・障害(工事、故障車、落下物、災害)によって50 - 80km/hで速度規制されることがある。

また、秋田山形山梨京都奈良和歌山鳥取島根高知大分鹿児島沖縄の各府県を通る高速自動車国道では、当該府県内の区間における最高速度がすべて80km/h以下となっている。

最低速度

法定最低速度は車種にかかわらず50km/hとしている。基本的に高速自動車国道で道路標識等により最低速度が指定される事はない。

法定最低速度は対面通行でない区間の本線車道のみに適用される。対面通行区間の本線車道、加速車線、減速車線、登坂車線路側帯路肩においては適用されない。

交通規制

「高速自動車国道の本線車道のうち対面通行でない区間」とそれ以外の道路(具体的には高速自動車国道の本線車道のうち対面通行の区間(暫定2車線区間等)や登坂車線・自動車専用道路・一般道路)とでは、最高速度最低速度に関する規制が異なる(詳細は各項目を参照)。

高速自動車国道や自動車専用道路のうち高規格幹線道路のものなど最高速度が80 - 100 km/hとなっている道路については、自然現象や故障車・事故渋滞等の発生などにより必要に応じて臨時に速度規制が行われている。そのため、最高速度の標識には表示幕方式や電光方式といった可変式のものが採用されている。

通行止め規制やチェーン規制・事故等や渋滞・混雑の発生に関する道路交通情報としては、高速自動車国道のほぼ全区間と一部の自動車専用道路・都市高速道路については日本道路交通情報センターにより道路情報のリアルタイム提供がなされている[14]

標識による案内

自動車専用の標識(高速自動車国道の補助標識が追加されている)

高速自動車国道および自動車専用道路の入口・出口(主にインターチェンジ)には「自動車専用」の道路標識[15]が設置されており、補助標識で高速自動車国道と自動車専用道路のどちらに該当するかが記載されている。ただし補助標識がない場合もあるほか、高速自動車国道であるにも関わらず「自動車専用道路」と記されている場合もある。

通行している高速道路がどちらであるかの区別は、東名・名神・新東名・新名神・東京湾アクアライン連絡道・京滋バイパス・関門橋の例外を除き「自動車道」という道路名でなければ高速自動車国道ではない[注 8]ことや道路の車線数・線形などの常識的な情報以外には走行途中に判断できるような情報がない。

「ここから有料道路」などの案内標識では高速自動車国道入り口では使われないため、高速自動車国道か否かを判断できる可能性はある。なお、最低速度を示す道路標識については必ずしも高速自動車国道か否かを判断する材料にはならないが、「高速自動車国道の本線車道のうち対面通行でない区間」については道路標識を設置せずとも最低速度は50km/hに法定で規制される事から、「対面通行でない区間」に50km/hの最低速度の道路標識が設置されている場合、自動車専用道路であると推認する事はできる。

なお、暫定2車線区間であれば高速自動車国道と自動車専用道路で規制に差異は無く、運転上は気にする必要はない(ただし、一般道路と高速道路とでは、規制に差異がある)。

高速自動車国道と自動車専用道路の規制などの差異

ここでは運転上、利用上のものに限る。

  • 法定最高速度と法定最低速度の変化、
  • 牽引自動車の高速道路等の通行区分(重被牽引車に限る)
    • 高速自動車国道の場合、暫定2車線を除いては、道路標識が無くとも第1通行帯通行指定となる。自動車専用道路の場合、道路標識が無ければ適用がない。
    • 反対に、「牽引自動車の高速自動車国道通行区分(327の3)」の道路標識がある場合は高速自動車国道、「牽引自動車の自動車専用道路第一通行帯通行指定区間(327の6)」の道路標識がある場合は自動車専用道路である[注 9]
    • 暫定2車線の場合はそもそも適用がない。
  • なお、「特定の種類の車両の通行区分(327の2)」の道路標識では判断できない(全ての道路において見られるため)
  • ほか、かつてはETC時間帯割引の適用可否に関係していた。

脚注

注釈

出典

参考文献

  • 浅井建爾『道と路がわかる辞典』(初版)日本実業出版社、2001年11月10日。ISBN 4-534-03315-X 
  • 浅井建爾『日本の道路がわかる辞典』(初版)日本実業出版社、2015年10月10日。ISBN 978-4-534-05318-3 
  • 武部健一『道路の日本史』中央公論新社〈中公新書〉、2015年5月25日。ISBN 978-4-12-102321-6 

関連項目

外部リンク