1978年のNBAドラフト

1978年のNBAドラフトは、全米バスケットボール協会 (NBA) の第32回ドラフトである。1978-79シーズン開始前の1978年6月9日ニューヨークプラザホテルで開催された[1]。このドラフトではNBAの22チームが交代ずつに、アメリカのアマチュアカレッジバスケットボール選手と海外選手を含むその他の対象とした選手を指名した。ドラフト1位指名権と2位指名権は、前シーズンの各カンファレンス最下位になったチームで、指名順はコイントスで決定された[2]インディアナ・ペイサーズはコイントスによって全体1位指名権を獲得し、ニュージャージー・ネッツの1巡目指名権をトレードで獲得したカンザスシティ・キングスが2位指名権を獲得した。その後、ペイサーズはドラフト前に1位指名権をポートランド・トレイルブレイザーズにトレードで放出している。残りの1巡目以降の指名は、前シーズンの成績の逆順でチームに割り振られた。

1978年のNBAドラフト
基本情報
スポーツバスケットボール
開催日1978年6月9日
会場プラザホテル (ニューヨーク州ニューヨーク)
概要
10巡で合計202名が指名
リーグNBA
全体1位指名マイカル・トンプソン (ポートランド・トレイルブレイザーズ)
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概要

ミネソタ大学出身のマイカル・トンプソンポートランド・トレイルブレイザーズから全体1位で指名された。バハマ出身のトンプソンはドラフト1位で指名された初の外国人選手となった[3]

ノースカロライナ大学出身のフィル・フォードは、カンザスシティ・キングスから2位で指名された。その後、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、ルーキーシーズンにオールNBAセカンドチームにも選出された[4][5]

インディアナ州立大学の3年生だったラリー・バードは、ボストン・セルティックスに全体6位で指名された。しかし、彼は1979年にリーグに入る前に4年目のシーズンをインディアナ州立大学に戻ることを選択した。ルーキーシーズンにルーキー・オブ・ザ・イヤーのほかに、オールNBAファーストチームオールスターゲームにも選出された[6]。バードは13年間のキャリアをセルティックスで過ごし、3度のNBAチャンピオンに輝いた。また、3年連続でシーズンMVP、2度のファイナルMVPを受賞している。また、オールNBAチームに10回、オールスターゲームに13回連続で選出。引退後にはバスケットボール殿堂入りを果たした[7]1996年のNBA50周年記念で発表された、「NBA史上最も偉大な選手50人」にバードは選出され[8]、現役引退後は地元インディアナ・ペイサーズでヘッドコーチを3シーズン務め、NBAファイナル出場にも導いた[6][9]1998年には最優秀コーチ賞も受賞している[10]

凡例

PGポイントガードSGシューティングガードSFスモールフォワードPFパワーフォワードCセンター
*バスケットボール殿堂入り
SNBAオールスター
AオールNBAチーム
RNBAオールルーキーチーム
DNBAオールディフェンシブチーム
CNBAチャンピオン
FファイナルMVP
#NBAでのプレー経験なし
MシーズンMVP

ドラフト指名

マイカル・トンプソンブレイザーズから全体1位で指名された。
ラリー・バードセルティックスから全体6位で指名された。
ジャック・ギブンズはホークスから全体16位で指名された。
モーリス・チークスフィラデルフィア・76ersから全体36位で指名された。
指名順選手名Pos.国籍指名チーム出身校など
11マイカル・トンプソン  R  C F/C バハマポートランド・トレイルブレイザーズ (インディアナから)[a]ミネソタ大学 (Sr.)
12フィル・フォード  A  R G アメリカ合衆国カンザスシティ・キングス (ニュージャージーから)[b]ノースカロライナ大学 (Sr.)
13リック・ロービー英語版  C F/C アメリカ合衆国インディアナ・ペイサーズ (バッファローからポートランドを経由して)[a]ケンタッキー大学 (Sr.)
14マイケル・レイ・リチャードソン  S  C G/F  アメリカ合衆国ニューヨーク・ニックス (ヒューストンからバッファロー、ニュージャージーを経由して)[c]モンタナ大学 (Sr.)
15パービス・ショートG/F  アメリカ合衆国ゴールデンステート・ウォリアーズ (カンザスシティからロサンゼルスを経由して)[d]ジャクソン州立大学 (Sr.)
16ラリー・バード
 *  S  A  R  D  C  F  M 
F  アメリカ合衆国ボストン・セルティックスインディアナ州立大学 (Jr.)1[›]
17ロン・ブルーワー英語版  R G  アメリカ合衆国ポートランド・トレイルブレイザーズ (デトロイトからシアトルを経由して)[e]アーカンソー大学 (Sr.)
18フリーマン・ウィリアムス英語版G/F  アメリカ合衆国ボストン・セルティックス (ニューオーリンズからロサンゼルスを経由して)[f]ポートランド州立大学 (Sr.)
19レジー・セウス  S  R G  アメリカ合衆国シカゴ・ブルズUNLV (Jr.)
110ブッチ・リー英語版  S G プエルトリコアトランタ・ホークスマーケット大学 (Sr.)
111ジェームズ・ハーディ英語版F/C  アメリカ合衆国ニューオーリンズ・ジャズ (ゴールデンステートから)[g]サンフランシスコ大学 (Jr.)
112ジョージ・ジョンソン英語版F/C  アメリカ合衆国ミルウォーキー・バックス (クリーブランドから)[h]セント・ジョーンズ大学 (Sr.)
113ウィンフォード・ボインズ英語版G/F  アメリカ合衆国ニュージャージー・ネッツ (ニューヨークから)[c]サンフランシスコ大学 (Jr.)
114ロジャー・フェグリー英語版G/F  アメリカ合衆国ワシントン・ブレッツブラッドリー大学 (Sr.)
115マイク・ミッチェル  S F  アメリカ合衆国クリーブランド・キャバリアーズ (ミルウォーキーから)[i]オーバーン大学 (Sr.)
116ジャック・ギブンス英語版G/F  アメリカ合衆国アトランタ・ホークス (ロサンゼルスからニューオーリンズを経由して)[f]ケンタッキー大学 (Sr.)
117ロッド・グリフィン英語版  # F  アメリカ合衆国デンバー・ナゲッツ (シアトルから)[j]ウェイクフォレスト大学 (Sr.)
118デイブ・コーザイン英語版C  アメリカ合衆国ワシントン・ブレッツ (デンバーから)[k]デポール大学 (Sr.)
119マーティ・バーンズ英語版  C F  アメリカ合衆国フェニックス・サンズシラキュース大学 (Sr.)
120フランキー・サンダース英語版G/F  アメリカ合衆国サンアントニオ・スパーズサザン大学 (Jr.)
121マイク・エバンズ英語版G  アメリカ合衆国デンバー・ナゲッツ (フィラデルフィアから)[l]カンザス州立大学 (Sr.)
122レイモンド・タウンゼント英語版G  アメリカ合衆国ゴールデンステート・ウォリアーズ (ポートランドから)[m]UCLA (Sr.)
223テリー・タイラー英語版  D G/F アメリカ合衆国デトロイト・ピストンズ (ニュージャージーから)デトロイト大学 (Sr.)
224キース・ヘロン英語版G/F アメリカ合衆国ポートランド・トレイルブレイザーズ (バッファローからホークスを経由して)ビラノバ大学 (Sr.)
225リック・ウィルソン英語版G アメリカ合衆国アトランタ・ホークス (ヒューストンから)ルイビル大学 (Sr.)
226ロン・カーター英語版G アメリカ合衆国ロサンゼルス・レイカーズ (カンザスシティから)[d]VMI (Sr.)
227ウェイン・ラドフォード英語版G アメリカ合衆国インディアナ・ペイサーズインディアナ大学 (Sr.)
228バスター・マスニー英語版  # F アメリカ合衆国ヒューストン・ロケッツ (ボストンから)ユタ大学 (Sr.)
229ジョン・ロング英語版  C G/F アメリカ合衆国デトロイト・ピストンズデトロイト大学 (Sr.)
230ジェフ・ジャドキンス英語版G/F アメリカ合衆国ボストン・セルティックス (ニューオーリンズから)ユタ大学 (Sr.)
231マーヴィン・ジョンソン英語版  # F アメリカ合衆国シカゴ・ブルズニューメキシコ大学 (Sr.)
232ジョン・ラッド英語版F アメリカ合衆国ニューヨーク・ニックス (アトランタから)マクニーズ州立大学 (Sr.)
233ハリー・デイヴィス英語版F アメリカ合衆国クリーブランド・キャバリアーズフロリダ州立大学 (Sr.)
234グレッグ・バンチ英語版F アメリカ合衆国ニューヨーク・ニックスカリフォルニア州立大学フラートン校 (Sr.)
235トミー・グリーン英語版G アメリカ合衆国ニューオーリンズ・ジャズ (ゴールデンステートから)サザン大学 (Sr.)
236モーリス・チークス  *  S  D  C G アメリカ合衆国フィラデルフィア・76ers (ミルウォーキーから)ウェスト・テキサスA&M大学 (Sr.)
237テリー・サイクス英語版  # F アメリカ合衆国ワシントン・ブレッツグラムリング州立大学 (Sr.)
238ルー・マッセイ英語版  # G アメリカ合衆国ロサンゼルス・レイカーズUNCシャーロット (Sr.)
239ジェームズ・リー英語版  # F アメリカ合衆国シアトル・スーパーソニックスケンタッキー大学 (Sr.)
240ウェイン・クーパー英語版F/C アメリカ合衆国ゴールデンステート・ウォリアーズ (デンバーから)ニューオーリンズ大学 (Sr.)
241ジェローム・ホワイトヘッド英語版F/C アメリカ合衆国バッファロー・ブレーブス (フェニックスから)マーケット大学 (Sr.)
242ケヴェン・マクドナルド英語版  # F アメリカ合衆国シアトル・スーパーソニックス (サンアントニオから)ペンシルベニア大学 (Sr.)
243グレン・ヘイガン英語版G アメリカ合衆国フィラデルフィア・76ersセント・ボナベンチャー大学 (Sr.)
244クレモン・ジョンソン英語版F/C アメリカ合衆国ポートランド・トレイルブレイザーズフロリダA&M大学 (Sr.)

3巡目指名以降の主な選手

以下の選手は、NBAの試合に少なくとも1回出場したドラフト指名選手である[11][12]

マーク・イアバローニはニューヨーク・ニックスから全体55位で指名された。
指名順選手名Pos.国籍指名チーム出身校など
346ホリス・コープランドF  アメリカデンバー・ナゲッツ (バッファローからの指名権)ラトガーズ (Sr.)
347ビリー・レイ・ベイツG  アメリカヒューストン・ロケッツケンタッキー州立 (Sr.)
349ジェフ・クックF/C  アメリカカンザスシティ・キングスアイダホ州立 (Sr.)
355マーク・イアバローニF  アメリカニューヨーク・ニックスバージニア大学 (Sr.)
357ケニー・ヒッグスG  アメリカクリーブランド・キャバリアーズLSU(Sr.)
359パット・カミングスF/C  アメリカミルウォーキー・バックスシンシナティ (Sr.)
360マイケル・クーパーG/F  アメリカロサンゼルス・レイカーズニューメキシコ (Sr.)
362デイブ・バットンC  アメリカニュージャージー・ネッツ (デンバーからの指名権)ノートルダム (Sr.)
363ジョエル・クレイマーF/C  アメリカフェニックス・サンズサンディエゴ (Sr.)
364ジェラルド・ヘンダーソンG  アメリカサンアントニオ・スパーズバージニアコモンウェルス (Sr.)
467ジャッキー・ロビンソンF  アメリカヒューストン・ロケッツ (ニュージャージー・ネッツからの指名権)UNLV (Sr.)
470ジョフ・クロンプトンC  アメリカカンザスシティ・キングスノースカロライナ (Sr.)
480オーティス・ハワードF  アメリカミルウォーキー・バックスオースティン・ピー州立 (Sr.)
481ローレンス・ボストンF  アメリカワシントン・ブレッツメリーランド (Sr.)
484ウォルター・ジョーダンF  アメリカニュージャージー・ネッツ (デンバーからの指名権)パデュー (Sr.)
485ボブ・ミラーF  アメリカフェニックス・サンズシンシナティ (Sr.)
487ブレット・ブローマンC  アメリカフィラデルフィア・セブンティシクサーズUNLV (Sr.)
596ダック・ウィリアムズG  アメリカニューオーリンズ・ジャズノートルダム (Sr.)
5101ババ・ウィルソンG  アメリカゴールデンステート・ウォリアーズ西カロライナ (Sr.)
5104カルロス・テリーG/F  アメリカロサンゼルス・レイカーズウィンストン・セイラム州立 (Sr.)
5105ラルフ・ドロリンジャーC  アメリカシアトル・スーパーソニックスUCLA (Sr.)
5107アンドレ・ウェイクフィールドG  アメリカフェニックス・サンズロヨラ (Sr.)
5110クレイ・ジョンソンG  アメリカポートランド・トレイルブレイザーズミズーリ (Sr.)
6118ジョン・ダグラスG  アメリカニューオーリンズ・ジャズカンザス (Sr.)
7133スタン・ピエトキエヴィチG/F  アメリカバッファロー・ブレーブスオーバーン (Sr.)
7146キム・アンダーソンF  アメリカミルウォーキー・バックスミズーリ (Sr.)
7149スティーブ・マロビッチC  アメリカフェニックス・サンズサンディエゴ州立 (Jr.)
8157アール・エバンズF  アメリカデトロイト・ピストンズUNLV (Jr.)
8158カール・キルパトリックC  アメリカニューオーリンズ・ジャズノースイーストルイジアナ (Sr.)
8159チュビー・コックスG  アメリカシカゴ・ブルズサンフランシスコ (Sr.)
10190リッキー・ウィリアムズG  アメリカニューオーリンズ・ジャズロングビーチ州立 (Sr.)

交渉権移動

脚注

注釈

^ 1: ラリー・バードは3年生とはいえ、高校を卒業後4年経過していたため、アーリーエントリーに応募する必要がなく、ドラフト指名を受けることができたのである[6]

出典

関連項目

外部リンク