3フィート軌間

3フィート軌間(以下、914 mm[注記 1]軌間)は、狭軌の一種である。一般に北アメリカ中央アメリカ南アメリカ地域の鉄道で採用されている。アイルランドでは、多くの幹線以外の路線および産業用路線が914 mm軌間で建設され、そして、マン島では主要な軌間となり、この地域の標準の軌間となった(マンクス・スタンダード・ゲージ)。914 mm軌間の鉄道は、孤立した山岳地帯、小さな島、大規模な遊園地とテーマパーク(下の表を参照)でよく見られる。この軌間の鉄道は鉄道模型(特にGゲージ)でも人気があり、これらの鉄道の模型のプロトタイプが、Accucraft Trains(米国)、Aristo-Craft Trains(米国)、バックマン(香港)、Delton Locomotive Works(米国)、LGB(ドイツ)、PIKO(ドイツ)など、世界の鉄道模型会社によって作成されている。

アイルランドドニゴール県にあるフィンタウン駅
1883年に廃止されたメキシコ国鉄の橋
マチュ・ピチュ付近のペルー・レイルで運行されているレールバス
スペインマヨルカ島で運行中のソーリェル鉄道の車両
日本西大寺鉄道で使用されていた車両

日本においては朝倉軌道中央軌道両筑軌道南筑軌道・菊池軌道(現・熊本電気鉄道)など北部九州に多く存在したが改軌や廃止により太平洋戦争終結までに消滅し、戦後も運行していたのはそれらからは離れた岡山県西大寺鉄道のみであった。西大寺鉄道は並行路線である赤穂線の開業とともに1962年に廃止され、いったん日本で営業用鉄道の使用例は消滅したが、1988年に開業したケーブルカー青函トンネル竜飛斜坑線がこの軌間を採用し、2023年時点では日本で唯一の営業路線となっている。このほかに、鉄道事業法によらない観光用施設に使用例が見られる。

導入例

国/地域鉄道
オーストラリア
  • パウエルタウントラムウェイ英語版 (廃止)
ベリーズ
ブラジル
  • レジーナ・コエリ学校のケーブルカー英語版(運行中[1]
  • ノッサ・セニョーラ・ダ・グロリア・ド・オウテイロ教会のケーブルカーポルトガル語版(運行中[2]
カナダ
 コロンビア
 キューバ
  • レクリエーション鉄道(Ferrocarril Recreacional)(廃止)[1] (レーニン公園英語版(現存)に存在した)
エルサルバドル
フランス
ドイツ
  • サンタフェエクスプレス(Santa Fé Express) (フォートファンアベンチュアランドにある) (運行中)
  • ケムニッツ市電 (925 mm軌間に改軌、後に標準軌に再改軌) (運行中)
グアテマラ(運行中)
ガイアナ
ホンジュラス
香港
アイルランド
イラク
  • アルザウラ・ドリームパーク(Al Zawra’a Dream Park)[2][3] (運行中)
マン島
日本
クウェート
  • クウェート・エンターテイメントシティ英語版 (運行中)
メキシコ
  • ユカタン連合鉄道英語版 (廃止)
  • メキシコ横断鉄道英語版 (一部は廃止、残りは標準軌へ改軌)
  • メキシコ国鉄 (ヒ一部路線、標準軌に改軌) (廃止)
  • エローエス・メヒカーノ公園(Parque Héroes Mexicanos)[5][6] (運行中)
  • トレン・エスセニコ英語版(Tren Escénico) (運行中)
ナウル
ニューカレドニア
  • ヌメア=パイタ鉄道 (廃止)
ニュージーランド
  • ダンマウンテン鉄道英語版 (廃止)
ペルー
スペイン

ソーリェル鉄道とソーリェルトラムは、バレアレス諸島マヨルカ島にある。その他の鉄道も914 mm軌間であったが、2000年代の鉄道網の延伸、改修工事により1000 mmのメーターゲージに改軌された。

イギリス
アメリカ合衆国

脚注

注記

関連項目