Internet Speculative Fiction Database

Internet Speculative Fiction Database (ISFDB) はサイエンス・フィクションと、関連するジャンルであるファンタジーおよびホラー小説についての書誌情報データベースである[1][2]

ISFDB: The Internet Speculative Fiction Database
URLwww.isfdb.org
タイプオンラインデータベース
運営者Al von Ruff
設立者Al von Ruff, Ahasuerus
営利性非営利
登録閲覧は登録不要
開始1995年
現在の状態483,656タイトル、70,966名の作家

概要

ISFDBはボランティアによって成り立っており、データベースもウィキもユーザーが編集・情報更新可能である。ISFDBのデータベースとコードはクリエイティブ・コモンズライセンスで利用可能で[3]、ウィキペディアとの双方向のインターリンクがサポートされている[4]。そのデータはクリエイティブ・コモンズのライセンスで Freebase などの他の組織で再利用されている[5]。ISFDBは基本的には書誌情報データベースだが、書籍・作家・シリーズ・出版社についての簡単な歴史や伝記も含んでいる。

ISFDBのデータベースは、作家、長編小説、短編小説、出版社、賞、雑誌で索引が付与されている。さらに作家の筆名、シリーズ名、賞、表紙イラスト作者、挿絵作者もサポートしており、作家、アーティスト、出版社の伝記・歴史情報とリンクしている。現在は書誌情報と二次的書誌情報源の照合を行っており、データの正確さを向上させ、スペキュレイティブ・フィクションを100%網羅することを目標としている[6]。現在のデータベースの統計情報もオンラインで公開されている。ISFDBは 2005 Wooden Rocket Award の最優秀辞書サイト部門を受賞した[7]

1998年、コリイ・ドクトロウScience Fiction Age にて「SF的事柄についての最良のオールラウンドのガイドは Internet Speculative Fiction Database である」と書いている[2]。2009年4月、Freebase で Zenkat は「SF、ファンタジー、ホラー文学についてインターネット上で最も権威ある情報源と広くみなされている」と書いている[5]

2012年1月現在、Quantcastの推定では月に78,000人以上が訪れているという[8]

本格的データベースの具体例として、ISFDBのスキーマMySQLファイルがいくつかの手引書で使われている。ISFDBのスキーマとデータは、Rails For Java Developers という書籍の第9章で使われている[9]Lucid ImaginationSolr に関する一連のチュートリアルでも例として使用されている[10]

歴史

1984年から1994年にかけてネットニュースの rec.arts.sf.written というニュースグループに、Jerry Boyajian、Gregory J. E. Rawlins、John Wenn の3人がスペキュレイティブ・フィクション作家の書誌情報を投稿していた。それらの投稿から、ある程度標準的な書誌情報フォーマットが出来ていく[11]。それらの書誌情報の大部分は今も The Linköping Science Fiction Archive にある[12]。1993年、Al von Ruff がSFの賞に関する情報を検索可能なデータベースを開発[11]。1994年、John R. R. Leavitt が Speculative Fiction Clearing House (SFCH) を作った。同年後半、Leavitt が von Ruff に賞関連情報を自身のサイトで表示したいと相談し、データベース・ツールを提供してもらったが、同サイトの他の部分との連携がうまくいかず、導入を断念。1995年、Al von Ruff と rec.arts.sf.written によく投稿していた Ahasuerus が、SFCHでの経験と John Wenn が完成させた書誌情報フォーマットに基づきISFDBの構築を開始。1995年9月にISFDBが一応完成し、1996年1月にURLが公表された[11][13]

当初はイリノイ州シャンペーン郡ISPにあり、ディスク容量やデータベースサポートの面で制限されているという問題があった[11]。そこで1997年10月、SFのポータルおよびレビューのサイトとして知られている SF Site に移転[2][11]。その後 SF Site での維持コストが増大してきたため、2002年12月に自前のドメインを取得してそこに移動した。しかしあまりにも大量のリソースを消費するため、そのドメインをホスティングしていたISPが間もなくサイトを閉鎖した[11][14]

2003年1月からオフラインとなっていたが、同年3月テキサスA&M大学がホスティングを開始[11][15]

2007年、テキサスA&M大学でリソース割り当てに関する問題が発生し、ISFDBは独自にサーバを借りてホスティングするようになった。

ISFDBの編集は、Al von Ruff と "Ahasuerus" を中心とする一部の限られた人々が行っていたが[16]、2006年にオープンコンテント化されて(登録すれば)誰でも編集できるようになった[17]

ISFDBのソースコードと中身はクリエイティブ・コモンズの表示ライセンスで利用可能である[3]。2005年2月27日から、この方針になっている[11][18]

脚注・出典

外部リンク