西日本旅客鉄道広島支社

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西日本旅客鉄道広島支社(にしにほんりょかくてつどうひろしまししゃ)は、広島市東区上大須賀町にある西日本旅客鉄道(JR西日本)の支社の一つである。現在は中国統括本部の下部組織。

西日本旅客鉄道広島支社 社屋

支社所在地

  • 広島支社
    • 広島市東区上大須賀町15番20号
      国鉄時代から長らく広島駅正面の広島市東区二葉の里3丁目8番21号に所在していたが、建物の老朽化広島駅新幹線口駅前の再開発事業に伴い、以前から自社所有地であった広島駅西側の現在地に新支社ビルを建設した。2020年から段階的に移転させ、同年11月末に完全移転した[1][2]。なお、中国統括本部発足後は同本部と広島支社がこのビルに同居する形となった。
  • 広島支社山口エリア統括部(山口支社)

概要

かつての日本国有鉄道(国鉄)広島鉄道管理局を継承し発足した。広島駅を中心とした路線群を広島シティネットワークと命名し、都市間輸送網を構築している。

経営の立て直しを目的とした合理化の一環として、広島支社・岡山支社米子支社の総務部門を広島に新たに設置する「中国統括本部(仮称)」に集約する(運行部門と窓口は各支社に残す)方針であることが報じられていた[3][4]

2022年8月1日のプレスリリースで、10月1日からの組織再編の概要が発表された[5]

  • 中国統括本部を新設し、岡山支社・広島支社・米子支社を下部組織化。米子支社は山陰支社に名称を変更
  • 岡山・広島・米子の指令所の上部組織として中国総合指令所を設置
  • 広島・米子支社管内の鉄道部を中国統括本部直轄化
  • 各支社は規模を大幅に縮小し、地域共生・部門間連携・異常時への対応を行う

沿革

管轄対象駅

補足

広島シティネットワークエリアにおいては、2014年度末より227系の導入ならびに「JRシティネットワーク広島」のブランディングに合わせ、山陽本線(白市 - 広島および広島 - 岩国)、呉線(広島 - 海田市 - 広間)、可部線(広島 - 横川 - 可部)、芸備線(広島 - 狩留家)において路線記号の導入および、同区間のラインカラーの更新が行われ、旅客案内用に幅広く使用される[21]。これに対する山口県内など広島シティネットワークエリア外の扱いは発表されておらず、該当線区は従来のラインカラーをそのまま使用している(その境界は当初明確ではなかったが、2017年の可部線延伸に合わせて岩国駅を境界とした)。ただし、2016年改正において、公式サイトの全線路線図や一部の駅の運賃表[注 3]において上記路線記号の適用範囲は一部拡大されている。

管理駅

JR西日本では、主要駅に駅長を配置してその駅を管理駅とし、さらにその傘下の主要駅にも地区駅として管理駅助役相当の駅長を配置して、管理業務を分担している(鉄道部の管理下にも地区駅あり)。管理駅は次の通り。

鉄道部

廃止された鉄道部・地域鉄道部

乗務員区所

運転士

車掌

運転士・車掌

自動改札機・ICカード乗車券

2007年9月1日に広島シティネットワークエリアの下記の駅でICカード乗車券「ICOCA」の利用が開始された(相互利用により、SuicaTOICAPiTaPaにも対応)[17]2008年3月1日から広島県内のPASPYエリアの交通機関でも利用できるようになった(ICOCAのPASPYエリアでの使用のみ可能、逆は不可)[34]

なお、広島支社管内では、2003年12月1日に下関駅自動改札機が初めて設置されたが、これは小倉博多方面への利用客への利便性向上のためであり、当初はICOCA[35]に対応していなかった。2011年3月5日から下関駅はJR九州のSUGOCA対応エリアになっているが、会社が異なるためSUGOCAは販売しておらず、ICOCAについても販売していない。2022年現在は駅構内の物販と九州方面の出入場のみICOCAが利用可能である(「交通系ICカード全国相互利用サービス」・「ICOCA電子マネー」も参照)。2022年3月12日から山陽本線の藤生駅 - 徳山駅間でICOCAが利用できるようになった[36]。なお、2023年春には山陽本線の新南陽駅 - 下関駅間と山口線の湯田温泉駅山口駅でICOCAが利用できるようになる予定[37]

現在利用できる区間は以下の通り。

  • 山陽本線:三原駅 - 徳山駅・下関駅[注 4]
  • 可部線:全線[注 5]
  • 呉線:全線[注 6]
  • 芸備線:広島駅 - 狩留家駅[注 7]

管内の車両について

227系電車
キハ40形気動車

電車は、広島地区では全車が2015年より導入された227系が、山口地区では227系に加え、国鉄から承継した115系105系123系がそれぞれ運用されている。気動車は国鉄から承継したキハ40・47形気動車や、JR化後に導入されたキハ120形気動車などが運用されている。その他、営業運転に供されない試験用車両としてDEC700形が在籍している。

かつて、広島支社管内にはキハ120形を除いてJR化後に製造された車両が所属しておらず、113系や115系、103系、105系といった国鉄型電車が主力として活躍していた。これは、全国から譲渡されたものである。他地域で急速に代替が進められた2000年代以降も、広島支社ではこれらの国鉄型電車が主力となっていたことから、インターネット上では国鉄広島(國鐵廣島・酷鐵廣島)と揶揄される事がしばしばあった[38]

山口地区で使用されている、体質改善の上で単色化された国鉄型車両(115系電車)

2009年12月より、原則として国鉄型車両の車体塗装は、電車は濃黄色、気動車は国鉄末期の標準色と同じ朱色5号に変更されることになった[39]。これは、エリア毎に保有車両のイメージ統一を目的としたものと発表されており、電車は岡山支社所属の車両にも、気動車はJR西日本管内全域で同じ色への塗り替えが行われている。このうち電車の濃黄色は、前述の「国鉄広島」と併せて末期色(真っ黄色)と揶揄されていた[40]

分割民営化から28年を経た2015年以降、32年ぶりの新型車両となる227系電車を投入して[41]従来の国鉄型電車を順次代替することとなった。227系は最終的に3両編成64本と2両編成42本の合計276両が投入され、2019年3月までに広島地区(山陽本線・可部線・呉線)で運行されていた国鉄型電車をすべて置き換えた[42]

227系の山口地区における運用は少ないため、同地区で運用される車両については2019年3月以降もキハ120形およびSLやまぐち号用の35系客車を除いて、115系やキハ40・47系を中心とした国鉄型車両が主力となっている[38][43]。なお、2022年3月12日より、227系の山口地区における運用範囲がそれまでの徳山駅までから、新山口駅までに拡大されている[44]

スポーツ活動

JR西日本の硬式野球部(JR西日本硬式野球部)は、本社ではなく広島支社を拠点に活動を行っている。これは旧広島鉄道管理局硬式野球部の流れをくんでいたためで、6つあるJR本社チームのうち、唯一本社所在地と本拠地が同一都道府県にないチームである。2005年JR福知山線脱線事故に伴う活動自粛を経て、同年7月に一時活動休止[45]2013年に活動を再開させている。選手は広島支社の各課の他、広島駅をはじめとする近郊の駅、あるいは広島車掌区に所属し、社業と平行して野球を行っている(後藤寿彦総監督をはじめとする監督・コーチは広島支社人事課・総務課付)[46]

脚注

注釈

出典

参考文献

関連項目

外部リンク