PiTaPa

PiTaPa(ピタパ)は、スルッとKANSAI協議会が展開する、乗車カード機能を基本に据えたサイバネ規格/非接触型ICカード電子マネーカード)。乗車カードとしては近畿地方東海地方北陸地方の一部・岡山県静岡県鉄道バス事業者が導入している。

PiTaPa
使用エリア近畿圏を中心とした日本全国
導入2004年8月1日
規格
運営会社スルッとKANSAI
運用スルッとKANSAI協議会加盟各社
通貨日本円 (最低チャージ金額¥0)
有効期限契約時に指定された月の末日
自動チャージPiTaPa交通ご利用エリアの改札機等利用時に実施
販売場所
  • 郵送、インターネットでの申込(要審査)
ウェブサイトwww.pitapa.com
テンプレートを表示
PiTaPaカードの一例(裏)
PiTaPa対応改札機(現在は右側のIC表記はない)(阪神神戸三宮駅
PiTaPa対応IC専用改札機(阪急大阪梅田駅

概要

「タッチ&ゴー」の動き
PiTaPaがチャージ(入金)可能なことを宣伝するJR西日本の入金機(天王寺駅にて)。PiTaPaとICOCAはこの入金機に限らず、双方の自動券売機・自動精算機・入金機で互いにチャージが可能である。

関西大手私鉄を中心とした近畿圏の民鉄で導入されていた磁気式ストアードフェアシステムである「スルッとKANSAI」の次世代システムとして2004年に導入された。名称は「Postpay IC for "Touch and Pay"」の略で、株式会社スルッとKANSAI登録商標[注釈 1]である。キャッチフレーズは「タッとッチするだけでッとスピーディーに!」。また2009年3月からは、テレビCMなどで、「“動く”を応援するカード。PiTaPa」と言うキャッチコピーも使われている。カード裏面に記載の番号の始めの文字は「SU」であり、「スルッとKANSAI」のローマ字表記の、SURUTTO KANSAI の略称である。

技術としては、SuicaICOCAなどと同様にソニーが開発したICカードFeliCaを採用しているが、Suicaなどで採用されている大多数のプリペイド方式ではなく、公共交通機関の乗車ICカードとしては日本初[1][2]ポストペイ(後払い)方式を採用しているのが特徴となっている(詳細後述)。そのためSuicaICOCAのように駅の自動券売機などでは即時発行は出来ず、クレジットカードのように申し込みをしてから与信審査が必要となる(審査落ちで発行されない場合もある)[3]交通系ICカード全国相互利用サービスにも参加しているが、基本的な決済方式が異なるため乗車券機能以外の相互利用に対応しないなど一部の機能に制約がある。

種類としては、交通利用/電子マネー利用に特化した「PiTaPaベーシックカード」と、商業施設等が発行するクレジットカードとの一体型(または同梱型)カードであるPiTaPa提携カードに大別される。

静岡鉄道奈良交通神姫バス水間鉄道大阪空港交通江若交通阪堺電気軌道西日本JRバス、岡山地区のバス・鉄道事業者(岡山電気軌道下津井電鉄両備ホールディングス中鉄バス)のように「スルッとKANSAI」のプリペイド磁気カードや、PiTaPa対応カードを発行せず、PiTaPaのみを導入する事業者(自社エリアでの申し込みはベーシックカードや、三井住友カード青山キャピタルなど、鉄道系でないPiTaPa提携カードで対応)、PiTaPaに対応しつつ独自のICカード(神姫バスのNicoPa、岡山地区のHareca、奈良交通のCI-CAなど)を発行する事業者(これらのカードは制度上、回数乗車券としてプレミアムのチャージ付与などがあるため)もいる。

乗車券・電子マネー以外の利用例としては、FeliCaのメモリー分割機能を用いて、プライベート領域に個人認証機能を搭載した入退館管理機能付きPiTaPaが、大阪府池田市役所で導入されている。また、FeliCaポケット機能を利用しているOSAKA PiTaPaの「楽楽ポケット」では、大阪市内の一部新築マンションで部屋の鍵(IC錠)として採用する例もある。

京都市北区にある私立の立命館小学校では、同校に通学する児童生徒の安全対策としてPiTaPaのシステムを活用した児童証を導入(表面に従来のPiTaPaのデザインにこども用と記載されたもので裏面に児童証が記載されているものとなっている)在学する生徒に発行され、登下校時の校舎への出入りの際に読み取り装置に認識させるための入・退用として使われる他、登下校中の交通機関利用の際における改札の入出場時の把握、在学生徒の通学状況の所在が確認できるなど、安全を考慮した制度運用をおこなっている。

また、旧大阪市交通局(現大阪市高速電気軌道)では、職員の出退勤管理システム用のICカードとして、交通局から貸与されるICカードを使用するか、個人で利用しているOSAKA PiTaPaを使用するかが選択できるようになっている。この場合、個人で利用しているOSAKA PiTaPaを使用すると申告した場合には、交通局からは出退勤管理システム専用のICカードは貸与されない。

2017年7月現在、おサイフケータイには対応していない。これについては、Felicaと携帯電話を連動させたチャージや残金確認の機能はPiTaPaに必要ないため、おサイフケータイ対応する動機に乏しいが、公共交通機関利用を促進するサービスを提供する手段としてPiTaPaがおサイフケータイに対応する可能性はある[4]とのスルッとKANSAIのコメントがある。

ポストペイ方式の採用

前述の通り、PiTaPaは導入に当たってプリペイド方式ではなくポストペイ方式を採用している。この理由について、ITmediaが2006年にスルッとKANSAI PiTaPaビジネスサークルコアリーダー執行役員(当時)の松田圭史にインタビューした記事[5]によると、1999年にSuicaが発表されたことを踏まえてICカードの導入を検討するに当たって、そのタイミングがスルッとKANSAI(磁気式プリペイドカードシステム)の導入を開始した1996年のわずか3年後であったことから、Suicaのようにシステム全体をプリペイドICカード対応に改めるフルスペックでのシステム導入は「スルッとKANSAI」システムとの二重投資となってしまうこと、同様にIC乗車券を導入していた香港八達通(オクトパス)オートチャージやポストペイの仕組みを導入していたことを踏まえ、投資コストを実質「自動改札機の改修のみ」とすることでフルスペックでの導入に比べて2割程度まで抑えるべく、プリペイド方式の「スルッとKANSAI」システムと両存させることを前提にポストペイ方式による別のシステムを導入した、と説明している。また、チャージの手間や残高の管理が面倒と感じる顧客の不満や、利用頻度に応じた割引サービス導入の要望もあり、これに対応させることもPiTaPaの導入につながっているとも説明している。

ポストペイ方式を採用していることから、PiTaPaは広義のクレジットカードに分類される。2009年12月の割賦販売法の改正に伴い、以降はPiTaPaベーシックカードをはじめとするPiTaPaそのものが同法の適用対象となり、発行元であるスルッとKANSAIが信用情報機関に加盟したほか、PiTaPaの重複発行禁止、引き落とし遅延時の遅延損害金計算率の見直しが行われている[6]

カードの発行(入会審査)に当たっては指定信用情報機関(シー・アイ・シー)を通じて信用情報の審査が行われ、審査結果によっては発行が行われないことがある。システム開発は三井住友カードが行っており、同社が審査や与信業務に関する業務を請け負っている。なお、一定額の保証金を予納することで与信審査を必要としない「保証金預託制PiTaPaベーシックカード」も用意されていたが、(ETCパーソナルカードと同様の仕組み)2022年3月31日をもって新規の受付、ならびに家族カードの追加申込の受付を終了した為、PiTaPaは実質ポストペイ方式一択となり、既存の利用者を除きポストペイ方式以外での利用ができなくなった。保証金預託制PiTaPaの新規受付終了後はチャージ型で利用のICOCAが推奨されている。

利用限度額は全ての会員で一律固定となっており、交通サービスでの利用が1か月150,000円まで(割引を適用する前の運賃合計額)、ショッピングや施設での利用が1か月50,000円(1日に利用可能な額は30,000円まで)の計200,000円となっている。それぞれ1か月の限度額は本会員・家族会員の合算額での算出となる。利用代金の支払(引き落とし)は全て一括払いのみで、利用代金は毎月1日 - 末日の実績を集計し、翌月25日頃に請求書が郵送され(提携カードによっては手数料100円(税抜)が掛かる。PiTaPa倶楽部で解除可能)、翌々月10日に指定の口座から引き落とされる。また、1年間全く利用がない場合は維持管理料として1,000円(税抜)が請求される。尚、PiTaPa以外の別のクレジット機能(VISAなど)が付帯しているカードについては、その分に関わる手数料や限度額については、各カード会社が別途設定した額となり、それらの利用代金はPiTaPaとは別の枠であり、請求も別となる。

2017年3月31日にスルッとKANSAI(磁気式プリペイドカード)の共通利用が終了となることが発表されると、「ICOCA と PiTaPa との連携サービスの拡大」として大阪市交通局(当時)や南海電気鉄道など10社局がスルッとKANSAIの共通利用終了に前後してプリペイドカードおよび定期券としてJR西日本のICOCAを導入[7][8]。一方で、2018年10月1日から近畿圏のICOCAエリアでPiTaPaのポストペイサービスを開始しており、「プリペイドはICOCA、ポストペイはPiTaPa」という棲み分けが行われるようになっている。一方で2021年時点で発行枚数約2500万枚のICOCAが会員数約330万人のPiTaPaを大幅に上回っている[9]

なお、PiTaPaのカードそのものにもプリペイド機能は搭載されているが、交通系ICカード全国相互利用サービスによる他ICカードエリアでの利用のために用意されているのみであり、PiTaPaエリア内ではプリペイド機能の利用は原則行われていない。2007年9月に大阪市が導入したPiTaPa仕様の敬老優待乗車証[10]、および2008年10月に神戸市が導入した敬老パス[11]でプリペイド利用が出来るが、それ以外のPiTaPaエリア内でのプリペイド利用は行われていない。

ハウスICカードの導入

2006年に神姫バスにてNicoPaを導入したのを先駆けに、各社オリジナルのIC乗車券(ハウスICカード)を導入し、PiTaPaを重複導入することにより、ICOCAとの相互利用、または全国ICカード相互利用に対応している事業者がある。また各ハウスICカードでIC定期券を導入している社も多い。事情には各社、プリペイド式の導入(PiTaPaはポストペイ)、顧客の囲い込み、オリジナルの割引やプレミアム、ポイントサービスなどを展開するためである[12]。各ハウスICカードは、各カードエリアのみの利用で、PiTaPaエリアやICOCAエリアなど、他エリアでは利用できない。2016年10月現在のPiTaPaエリア内でのハウスICカード導入は下記の通り。

カード名発行時期エリア・事業主体
NicoPa2006年2月神姫バス
Hareca2006年10月岡山地区各社[注釈 2]中鉄バスの一部路線)
CI-CA2007年4月奈良交通
LuLuCa2007年9月静岡鉄道、しずてつジャストライン
Itappy2008年4月伊丹市交通局
らんでんカード2011年4月京福電気鉄道
hanica2012年4月阪急バス・阪神バス・尼崎交通事業振興
emica2016年4月三重交通グループ各社[※ 1]
なっち2016年10月南海バスグループ
Tsukica2018年10月高槻市交通部
kinoca2020年4月和歌山バスグループ

イメージキャラクター

2013年3月当時、全国相互利用サービスを導入した10種のICカードの中で唯一、共通の公式キャラクターが設定されていなかったため、導入記念で発行された各社の限定カードでは、ICOCA(カモノハシのイコちゃん)やSuica(ペンギン)などの各カードのオリジナルキャラクターが一つの横断幕を持って練り歩くというデザインであったが、PiTaPaのみイメージカラーの紫色の風船しか描かれなかった。なお、スルッとKANSAI協議会が発行する前払い式の磁気カード「スルッとKANSAI」には「スルットちゃん」という共通キャラクターが存在し、3月23日に東京駅で行われた相互利用開始記念セレモニーにも出席したが[13]、こちらはスルッとKANSAI協議会の組織としてのキャラクターであり、広報誌や磁気カードを中心に使用されている[14]。PiTaPa導入事業者が独自発行するPiTaPa機能付きカードによっては、独自のキャラクターが存在する(大阪市交通局発行の「OSAKA PiTaPaカード」の「ぴたポン!」、南海電鉄発行の「minapitaカード」の「minamo」、神戸市交通局など発行の「KOBE PiTaPaカード」の「ピットン」と「パタピー」など)。

その後、PiTaPa導入10周年の2014年に、忍者のキャラクターが制定され、同年8月1日には公募の結果、名称は「ぴたまる」に決定した[15]

イメージキャラクターカードモチーフ備考
ぴたまるPiTaPa忍者運用開始10周年の2014年にお披露目され、交通系ICカードのマスコットとしてはかなり遅めであった。
ぴたポンOSAKA PiTaPaタヌキ 
きっぴぃKIPS PiTaPaカード近鉄ポイントプログラム(きっぴぃポイント)のイメージキャラクターとして使用されたが、KIPSポイントサービスに移行した2011年以降使用されず。
minamominapitaマリモ8匹組。近年使用されず。
ピットンKOBE PiTaPa(未詳) 
パタピー 

相互利用

相互利用関係(クリックで拡大)

2006年1月21日から、JR西日本のICOCAと交通機関での利用に関して相互利用を開始した。当初、ICOCAエリアで使用する場合はシステムの関係上PiTaPaのポストペイ機能の適用外となり、あらかじめPiTaPaへのチャージ(入金)が必要となる。なお、相互利用の開始に併せてオートチャージ機能(登録が必要)を搭載している。これはPiTaPaエリアの自動改札機にタッチした時点でプリペイド分の残高が1,000円以下であれば2,000円が自動的にチャージ(小児用はそれぞれ半額)されるもので、この料金は他のPiTaPaの利用と同様に後日請求される。またICOCAエリアではICOCAと同様にチャージできる。

その他の交通系ICカードとの相互利用については、SuicaJR東日本など)とは2004年度から検討していたが、2010年12月20日KitacaJR北海道)・PASMO関東地方)・TOICAJR東海)・manaca中京圏)・SUGOCAJR九州)・nimoca西日本鉄道など)・はやかけん福岡市交通局)と共に相互利用に向けた検討を行う事が発表され[16]2011年5月18日2013年春の相互利用開始に合意したと発表[17]、2013年3月23日より、交通利用(鉄道・バス)において、事前にチャージしたプリペイド部分での決済による「全国相互利用サービス」を開始した[18]

なお、相互利用に当たってはプリペイド方式を採用している他社との決済システムの違いから乗車券部分のプリペイド利用に限定され、ショッピングサービス(電子マネー)としての相互利用は行われていない。

JR西日本との間では、2017年9月に近畿圏のICOCAエリアでPiTaPaでのポストペイ決済導入計画が発表され[19]、2018年10月1日より近畿圏のICOCAエリアでのポストペイサービスを開始した。

歴史

リーダー・ライターの一例
ポートライナーポートアイランド南駅(撮影時)にて)
リーダー・ライターの一例
京阪淀屋橋駅にて)
すべての改札機がPiTaPa対応になった、ポートライナー三宮駅の改札口(2006年9月ごろの様子)。改札機の下部の "IC" 表記がなくなっている。

ポストペイでの利用路線

◆印は全国相互利用サービス対応交通事業者

近畿・中京圏

静岡

岡山

  • 岡山電気軌道※3
    • 電車・岡山空港リムジンバス、路線バス全線
  • 両備ホールディングス(両備バス)※3
    • 路線バス全線
  • 下津井電鉄※3
    • 岡山空港リムジンバス、路線バス全線
  • 中鉄バス※3
    • 中鉄バス、岡電バス共同運行路線(岡山空港リムジンバス、全国相互利用サービスでは国道53号運行路線に限る。システム上では岡電バス扱い。)3路線
    • 中鉄バス、下電バス共同運行路線(岡山空港リムジンバス、システム上では岡電バス扱い。)

JRグループ

備考

  • ※1 : 奈良交通グループ各社が発行するCI-CAは、他のPiTaPaエリアでは利用不可。
  • ※2 : 神姫バスグループ各社が発行するNicoPaは、他のPiTaPaエリア(山陽バス明石線を除く)では利用不可。
  • ※3 : 岡山電気軌道・両備ホールディングス(両備バス)・下津井電鉄・中鉄バス・宇野自動車[注釈 2]が発行するHarecaは他のPiTaPaエリアでは利用不可。
  • ※4 : 静鉄グループ各社が発行するLuLuCaは他のPiTaPaエリアでは利用不可。
  • ※5 : 伊丹市交通局が発行するItappyは他のPiTaPaエリアでは利用不可。
  • ※6 : 京福電気鉄道が発行するらんでんカードは他のPiTaPaエリアでは利用不可。
  • ※7 : 阪急バス・阪神バス・尼崎交通事業振興が発行するHanicaは他のPiTaPaエリアでは利用不可。
  • ※8 : 三重交通発行のemicaは他のPiTaPaエリアでは利用不可。
  • ※9 : 南海バス・南海ウイングバス金岡・南海ウイングバス南部・南海りんかんバスが発行するなっちは他のPiTaPaエリアでは利用不可。
  • ※10 : 高槻市交通部が発行するTsukicaは他のPiTaPaエリアでは利用不可。
  • ※11 : 和歌山バス・和歌山バス那賀が発行するkinocaは他のPiTaPaエリアでは利用不可。
  • ※12 : JR西日本のポストペイエリア相互内での利用の場合は無条件でポストペイ決済される(チャージ残額からのプリペイド決済は選択できない)。ただし、ポストペイエリアを1駅でもはみ出す場合、ポストペイエリア内でも精算機や券売機を利用した場合は全額がプリペイド決済となる。

チャージでの利用路線

いずれも交通利用(鉄道・バス)でのみ可能であり(一部に対象外の事業者あり)、ショッピングサービスは対象外である。

履歴表示・印字について

PiTaPaおよびICOCAの使用履歴・SF残額(チャージ金額)履歴を印字・表示することができる(ただし、消去された履歴は印字・表示できない)。

PiTaPa加盟社局の駅の自動券売機などで、直近20件までの履歴を表示・印字でき、カードに履歴が残っている場合は何度でも印字できる。ただし、利用から26週間を経過した履歴は印字されない(阪急・阪神など一部の事業者では26週間を経過した履歴も印字できる)。これは、ICOCA加盟社局でも同様である。これに加えて、ICOCA加盟社局では、窓口に申し出ることで、50件までの履歴を得ることができる。

また、履歴印字は、カードの種類や、印字した事業者に関わらず、ほぼ同一の内容が印字される。内容は、利用月日・利用種別(入場・出場・バス等の利用など)・利用駅(バス利用時は社局名)・残額である。このうち、利用駅名は、PiTaPaエリアで印字した場合、社局名2文字+駅名3文字(例 : 「JR西京都」、「阪急梅田」)で印字される。一方、ICOCAエリアで印字した場合、社局名英字半角2文字+駅名2文字(例 : 「OC梅田」、「KC京都」)で印字される。最近開業した駅では、印字した事業者によって駅名の部分が「***」となって表示されない場合がある。

南海・泉北高速など一部の事業者では、自社線のみ使用駅名が表示される事業者も存在する。Osaka Metro・京阪など一部の事業者では、全国の相互利用事業者の利用駅名の表示・印字に対応している券売機がある。このように、履歴の表示・印字に関しては、PiTaPa加盟社局間での足並みが統一されていない部分が存在する。

利用割引

PiTaPa利用明細を会員サイトからCSV形式で保存し、表計算ソフトで読み込んだもの。割引の詳細や、入・出場時刻が正確に把握でき、交通費精算などに利用できる。

交通料金割引

PiTaPaはポストペイ(後払い式)のため、利用実績により割引額を決めることが可能である。これを利用して下記のように各社でいろいろな割引サービスを実施している。これらの割引は利用した交通機関によって決まり、使用したカードの種類には関係ない。例えば、「STACIAカード」で大阪市営地下鉄を利用した時は、大阪市交通局の「利用額割引・フリースタイル(2008年3月1日に「利用額割引」から改称)」が適用される。PiTaPaと相互利用しているだけのICOCA等を使用した場合には、これらの割引サービスは適用されない。当初設定された割引サービスは割引率の一部で問題があったが、IC定期券の登場で後者は解決しつつある(ただし大手私鉄では京阪[注釈 7]や近鉄[注釈 8]、また大阪市交通局[注釈 9]などでは導入されていない)。

  • 利用額割引(事前登録不要)
    • 1か月の利用額に応じて自動的に割引が適用されるサービス。例えば大阪市交通局では1,000円を超えた利用額(2010年10月1日からは1回目の乗車)から割引が適用されるので、利用頻度がそれ程高くなくても割引が受けられる(逆に、通勤などで高い頻度で使う場合は通常定期券の方が得になる)。
    • このサービスは社局毎の利用額に対して各社局の割引率により割引が行われる。なお、Harecaエリア、LuLuCaエリアはそれぞれ1つの社局とみなされ、「Hareca導入4社での利用額の合算」「静鉄グループ2社での利用額の合算」に対して割引が適用される。
    • 大阪市交通局では、学生向けに一般の利用額割引よりも割引率の高い「学生割引」サービスを用意している。天神橋筋六丁目駅を除く大阪市交通局定期券発売所での事前登録が必要である。2008年3月1日からは、新たに地下鉄の利用駅を指定・登録することで、対象となる利用分は6か月定期券の1か月分相当の価格を上限として、運賃を引き落とすサービスの「利用額割引・マイスタイル」も始まった。
    • ※利用額割引が使用できる全社局の合計利用額ではなく、社局毎の利用額に対して社局毎の割引が適用される。
  • 利用回数割引(事前登録不要)
    • 同一運賃区間の乗車回数により自動的に割引が適用されるサービス。割引率などは交通機関によって異なるが、11回目から10%割引になる交通機関が多い。
    • 回数券と異なり、正確に同じ運賃区間でないと適用されない。回数券では、例えば500円区間5回と540円区間6回のような利用の場合、500円区間の11枚回数券と乗り越しによって割引サービスが受けられるが、PiTaPaではこれができない。
  • 区間指定割引(事前登録必要)
    • 事前にある1区間を登録しておくと、その区間内を1か月間に何回乗り降りしても1か月定期旅客運賃を超えないサービス。その1か月間の利用料金が1か月定期旅客運賃未満の時は適用されないので、利用回数が少ない時は運賃が節約される。
    • また、1か月定期券を買うよりも3か月定期券を買う方が割安になるのと同様に、一部の事業者にはこのサービスに「連続適用割引」というサービスも同時に適用される。区間指定割引が2か月以上連続して適用された場合は、適用期間に応じて1か月あたりの基準額が割引されるものなどであるが、事業者によって内容は異なる。
  • IC定期券(事前申込必要)
    • 磁気定期券と同等の割引を適用。1・3・6か月の各期間で設定。磁気定期券ではできなかった紛失時の再発行が可能。2009年3月20日時点で連絡定期券は、阪急 - 能勢電、阪急 - 阪神、南海 - 泉北など8系統で利用可能。券面表示が必要になるため、単独型や分離型の場合は表面に定期券情報を印字するが、クレジットカード一体型の場合は裏面に印字するようになっており、OSAKA PiTaPa・Aoyama PiTaPaのように裏面に印字スペースのないカードはIC定期券にすることはできない。
    • 神戸地区においては、2007年9月1日から神戸市交通局(地下鉄のみ)、北神急行電鉄、山陽電気鉄道(鉄道のみ)、神戸電鉄、神戸新交通においてIC定期券サービスを開始した。
    • 2023年11月現在、IC連絡定期券は下記の区間で発行されている[41]。なお、会社名の後の△はPiTaPa連絡定期券を発行していないがICOCA定期券を発行していること、×は自社でPiTaPa連絡定期券もICOCA定期券も発行していないことを表す。
      • 阪急・神戸高速・山陽・神鉄の相互間(神戸高速経由の3社連絡含む)
      • 阪神・神戸高速・山陽・神鉄の相互間(神戸高速経由の3社連絡含む)
      • 阪急 - 阪神
      • 阪急 - 能勢電
      • 阪急・阪神・山陽 - 神戸市営(北神線除く)
      • 神鉄 - 神戸市営(湊川連絡または谷上連絡)
      • 阪急・阪神・神戸市営(北神線除く) - 神戸新交通
      • 神戸市営地下鉄 - 神戸市営バス(×阪急バス、×山陽バスについても神戸市営バスとの共同運行路線、共通乗車路線にのみ導入)
      • 神戸市営地下鉄 - ×神姫バス・×神姫ゾーンバス
      • 阪急 - △大阪モノレール・△京阪
      • 阪神 - △近鉄
      • 阪急・阪神・山陽・神鉄・神戸新交通 - △JR西日本
      • 阪急・阪神 - ×JR西日本 - △京阪(3社連絡)
      • 阪急・阪神 - △Osaka Metro
      • 阪急・阪神 - ×Osaka Metro - △京阪(3社連絡)
      • 北大阪急行 - △Osaka Metro・△大阪モノレール
      • 南海 - 泉北高速
      • 南海 - 阪神
      • 南海 - △近鉄
      • 南海 - △JR西日本
      • 南海 - ×JR西日本 - △京阪(3社連絡)
      • 南海・泉北 - △Osaka Metro
      • 南海 - ×Osaka Metro - 阪急・阪神・△近鉄・△京阪(3社連絡)
    • なおJR西日本では、京阪(大津線・鋼索線除く)とのICOCA連絡定期券を2010年5月8日より発売を開始した(JR西日本のICOCAエリア内の各駅で発売)。
    • あわせて京阪でも、ICOCA定期券(京阪線内用、JR西日本線連絡とも)を2011年6月1日より発売を開始した(プリペイドカードのICOCAも同日より発売開始。なお両券の発売、および定期券の利用範囲については、大津線系統の各駅を除く)。
    • さらに近鉄でも、ICOCA定期券(近鉄線内用、JR西日本・京阪・阪神各社連絡、近鉄線 - JR西日本線 - 京阪線3線連絡、近鉄線 - JR西日本線 - 近鉄線3線通過とも:一部路線・区間を除く)を2012年12月1日より発売を開始した(プリペイドカードのICOCA(近鉄グループのポイントカード機能付きのKIPS ICOCAカードも)も同日より発売開始)。2013年3月23日からは、近鉄線 - JR東海線のICOCA定期券も発売を開始した(連絡駅は名古屋駅と桑名駅の両駅のみ:JR東海ではTOICA定期券での発売)。また2014年9月21日からは、近鉄線 - 名鉄線のICOCA定期券も発売を開始した(連絡駅は近鉄・名鉄名古屋駅のみ:名鉄ではmanaca定期券での発売)。
    • 南海は2014年3月14日にJR西日本、近鉄(連絡駅は河内長野駅のみ)との連絡定期券の発売を開始した。南海ではPiTaPa定期券として、JR西日本、近鉄ではICOCA定期券として発売[42][43]
  • 登録型割引(事前登録必要)
    • 事前に登録を行った上で、対象となる交通機関が指定する条件を満たす事により、1か月間(1日 - 末日)の利用額に対し、通常とは異なる割引率が適用されるサービス。支払に上限を設けるサービスや、初めから交通機関が指定する条件を満たす利用について、利用回数に関わらず毎月定額で利用できるサービスもある。
各交通機関と主な割引サービス
事業者名利用額割引利用回数割引区間指定割引IC定期券登録型割引
阪急電鉄×[※ 2]×
能勢電鉄×[※ 2]×
京阪電気鉄道[※ 3][※ 4][※ 5][※ 6]×
大阪市高速電気軌道 (Osaka Metro) (地下鉄・ニュートラム)××[※ 7]
大阪シティバス×××
阪神電気鉄道×××
阪神バス[※ 8]××××
尼崎交通事業振興[※ 8]××××
大阪モノレール×××
北大阪急行電鉄××××
近畿日本鉄道×[※ 9][※ 10]×
近鉄バス×××
京都市交通局×××[※ 11]
阪急バス[※ 12]××××
神鉄バス[※ 12]×××××
京阪バス[※ 13]××××[※ 14]
京阪京都交通[※ 13]×××××
江若交通[※ 13]×××××
南海電気鉄道×××
泉北高速鉄道×××
水間鉄道×××
阪堺電気軌道×××
南海バス南海ウイングバス南海りんかんバス×××
山陽電気鉄道×××
山陽バス×××
神戸電鉄×××
神戸新交通×××
神戸市交通局(地下鉄)×××
神戸市交通局(バス)[※ 15]×××
神姫バス山手線、CITY LOOP[※ 15]×××
高槻市交通部×××[※ 16]
伊丹市交通局×××
岡山電気軌道[※ 17]××[※ 18]×
両備バス[※ 17]××[※ 18]×
下津井電鉄[※ 17]××[※ 18]×
中鉄バス[※ 17]××[※ 18]×
静岡鉄道[※ 19]×××[※ 20]×
しずてつジャストライン[※ 19]×××[※ 20]×
京福電気鉄道(嵐電)××[※ 21]
叡山電鉄××[※ 22]
三重交通三交伊勢志摩交通三重急行自動車八風バス名阪近鉄バス[※ 23]×××[※ 1]
和歌山バス和歌山バス那賀×××[※ 24]
西日本ジェイアールバス本四海峡バス××××
西日本旅客鉄道[※ 25]××[※ 26]×

備考

ショッピング割引

PiTaPaでショッピングを行うと「ショップdeポイント」が貯まる。100円につき1ポイント貯まるのが基本だが、500ポイントで50円の割引なので割引率は0.1%となり、クレジットカード会社が展開する同種のポイントサービスより割引率が低い。ただし、利用店によっては5倍(100円で5ポイント)のところがあったり、期間限定の10倍キャンペーンを実施したりしている。

利用状況

会員数

カード名会員数備考
PiTaPa(総数)3,100,0002017年7月現在[45]
PiTaPaベーシックカード約13,0002005年4月11日現在
STACIA(旧・HANA PLUS)カード約200,0002007年3月26日現在[46]
e-kenet PiTaPaカード約145,0002006年2月中旬現在
KOBE PiTaPaカード約15,0002006年9月下旬現在
OSAKA PiTaPaカード約520,0002017年3月末現在[47]
CoCoNet PiTaPaカード約30,0002007年3月26日現在[46]

利用率

  • PiTaPa利用者数(平日)
    • 約90万人/日(2007年8月20日現在)[48]
  • 改札通過人数に対する利用比率
    • 阪急電鉄…約3.8%(2006年1月30日現在)[49]

上記はいずれもサービス開始から間もない時期のデータである。

PiTaPaのみ導入の事業者

奈良交通グループ、神姫バスグループ、静鉄グループ、水間鉄道、江若交通、阪堺電気軌道、三重交通、名阪近鉄バス、西日本JRバス、本四海峡バス、淡路交通および岡山地区の各社(宇野自動車八晃運輸の2社[注釈 2](いずれもスルッとKANSAI協議会非加盟事業者)以外)においては、磁気式のスルッとKANSAI対応カードは導入せず、PiTaPaのみの導入となっている。

なお、スルッとKANSAI対応カードの販売は2017年3月31日で、利用は2018年1月31日で終了している。阪急バスグループ[注釈 10]、大阪空港交通[注釈 11]、叡山電鉄[注釈 12]などは、それよりも早くに販売、利用が終了した。

導入事業者・発行カード一覧

以下の事業者がスルッとKANSAI協議会と共同で発行しているほか、協議会単体でPiTaPaベーシックカードを発行している。

鉄道

事業者名カード名発行元導入日カードタイプ
阪急電鉄HANA PLUSカード※4阪急阪神カード2004年8月1日一体型
STACIAカード阪急阪神カード2007年10月1日一体型/単独型
能勢電鉄HANA PLUSカード※4阪急阪神カード2004年8月1日一体型
STACIAカード阪急阪神カード2007年10月1日一体型/単独型
京阪電気鉄道e-kenet PiTaPaカード京阪カード2004年8月1日分離型
大阪市高速電気軌道OSAKA PiTaPaカード大阪メトロサービス2006年2月1日一体型
阪神電気鉄道CoCoNet PiTaPaカード※4阪神電気鉄道2006年2月1日単独型
STACIAカード阪急阪神カード2007年10月1日一体型/単独型
大阪モノレールHANA PLUSカード※4阪急阪神カード2006年2月1日一体型
STACIAカード阪急阪神カード2007年10月1日一体型/単独型
北大阪急行電鉄HANA PLUSカード※4阪急阪神カード2006年2月1日一体型
STACIAカード阪急阪神カード2007年10月1日一体型/単独型
南海電気鉄道minapitaカード南海電気鉄道2006年7月1日分離型
泉北高速鉄道minapitaカード南海電気鉄道2006年7月1日分離型
神戸新交通KOBE PiTaPaカードKOBEカード協議会2006年7月1日一体型
山陽電気鉄道KOBE PiTaPaカードKOBEカード協議会2006年7月1日一体型
岡山電気軌道※1(PiTaPaカードは未発行)2006年10月1日
神戸市交通局KOBE PiTaPaカードKOBEカード協議会2006年10月1日一体型
近畿日本鉄道KIPS PiTaPaカードKIPS協議会2007年4月1日分離型/一体型※3
神戸電鉄KOBE PiTaPaカードKOBEカード協議会2007年4月1日一体型
京都市交通局京都ぷらすOSAKA PiTaPa大阪メトロサービス2007年4月1日一体型
静岡鉄道※2LuLuCa+PiTaPaカードしずてつカード事務局2007年9月1日分離型
水間鉄道(PiTaPaカードは未発行)2009年6月1日 
京福電気鉄道※5(PiTaPaカードは未発行)2011年4月1日 

備考

  • ※1 : 岡山電気軌道は、両備バス・下津井電鉄・中鉄バス(および宇野自動車と八晃運輸の2社[注釈 2](いずれもスルッとKANSAI協議会非加盟事業者)でも)との岡山地区の鉄道・バス事業者6社で利用可能なプリペイド式ICカードHarecaを導入している。
  • ※2 : 静岡鉄道は、しずてつジャストラインと共通利用可能なICカードLuLuCaを導入している。
  • ※3 : スーパーICカード KIPS+PiTaPa のみ、三菱UFJ銀行ICキャッシュカードを含めた、一体型カードでの発行となる。
  • ※4 : 現在はSTACIAカードに変更・統合されたため発行は停止している。
  • ※5 : 京福電気鉄道は、自社のみで利用可能なプリペイド式ICカードらんでんカードを導入している。

バス

事業者名カード名発行元導入日カードタイプ
大阪シティバスOSAKA PiTaPaカード大阪メトロサービス2006年2月1日一体型
阪急バス※8HANA PLUSカード※1阪急阪神カード2006年2月1日一体型
STACIAカード阪急阪神カード2007年10月1日一体型/単独型
神姫バス※2(PiTaPaカードは未発行)2006年2月1日
神姫ゾーンバス※2(PiTaPaカードは未発行)2006年2月1日
神戸交通振興(PiTaPaカードは未発行)2008年9月1日
大阪空港交通(PiTaPaカードは未発行)2006年10月1日
岡山電気軌道※3(PiTaPaカードは未発行)2006年10月1日
下津井電鉄※3(PiTaPaカードは未発行)2006年10月1日
両備ホールディングス※3(PiTaPaカードは未発行)2006年10月1日
中鉄バス※3(PiTaPaカードは未発行)2008年7月22日
しずてつジャストラインLuLuCa+PiTaPaカード※4しずてつカード事務局2007年9月1日分離型
奈良交通※5KIPS PiTaPaカードKIPS協議会2007年4月1日分離型/一体型
エヌシーバス※5KIPS PiTaPaカードKIPS協議会2007年4月1日分離型/一体型
京阪バスe-kenet PiTaPaカード京阪カード2007年10月1日分離型
京阪京都交通e-kenet PiTaPaカード京阪カード2008年3月1日分離型
京都市交通局京都ぷらすOSAKA PiTaPa大阪メトロサービス2007年4月1日一体型
高槻市交通部※6(PiTaPaカードは未発行)2008年4月1日
伊丹市交通局※7(PiTaPaカードは未発行)2008年4月1日

備考

  • ※1 : 現在はSTACIAカードに変更・統合されたため発行は停止している。
  • ※2 : 神姫バスと神姫ゾーンバス(および神姫グリーンバスとウエスト神姫(いずれも一部路線のみ)の2社でも)は、グループ各社のみで利用可能なプリペイド式ICカードNicoPaを導入している。
  • ※3 : 岡山電気軌道・下津井電鉄・両備ホールディングス・中鉄バス(および宇野自動車と八晃運輸の2社[注釈 2](いずれもスルッとKANSAI協議会非加盟事業者)でも)は、6社のみで利用可能なプリペイド式ICカードHarecaを導入している。
  • ※4 : しずてつジャストラインは、静岡鉄道静岡清水線と共通利用可能なプリペイド式ICカードLuLuCaを導入している。
  • ※5 : 奈良交通とエヌシーバスは、2社のみで利用可能なプリペイド式ICカードCI-CAを導入している。
  • ※6 : 高槻市交通部は、自局のみで利用可能なIC定期券を導入している。
  • ※7 : 伊丹市交通局は、自局のみで利用可能なプリペイド式ICカードItappyを導入している。
  • ※8 : 阪急バス(および阪神バスと尼崎交通事業振興の2社でも)は、グループ各社のみで利用可能なプリペイド式ICカードhanicaを導入している。

その他のカード

発行元カード名事業者名備考
三井住友カード
ジェーシービー
ペルソナSTACIA PiTaPaカードペルソナ 
三井住友カードタカラヅカレビュー STACIA VISAカードP宝塚友の会 
阪急阪神第一ホテルグループ STACIA PiTaPa VISAカード阪急阪神ホテルズ 
池田泉州JCB/VISAスタシアサイカ ピタパカード池田泉州銀行阪急阪神カードとの提携カード
池田泉州VC
池田泉州JCB/VISA
minapita+sa-icaカード南海電気鉄道との提携カード
三井住友カード
ジェーシービー
ANA PiTaPaカード全日本空輸三井住友カードおよびジェーシービー発行のANAカードと紐付け
三井住友カード三井住友PiTaPaカード三井住友カード三井住友VISA/Masterカードと紐付け
KANKU CLUBカード関西国際空港南海電気鉄道との提携カード。2011年11月15日で新規募集を停止
はぴe PiTaPaカード関西電力はぴe VISAカードと紐付け
三菱UFJニコスJMB KIPSカード日本航空近畿日本鉄道との提携カード
青山キャピタルAOYAMA PiTaPaカード青山商事 
Papa's saisaki PiTaPaカード青山商事 
Mama's saisaki PiTaPaカード青山商事 
ヴィッセル神戸クラブメンバーズPiTaPaカードヴィッセル神戸
三重銀行三重銀行PiTaPaカード三重銀行カード発行は三重銀カードに委託
トヨタファイナンスTS CUBIC PiTaPaカードトヨタファイナンスTS3 VISA/Master/JCBカードと紐付け
三菱UFJ銀行ICクレジットカード「KIPS」三菱UFJ銀行近畿日本鉄道との提携カード。カード発行は三菱UFJニコスに委託
百五銀行105 BESTIO KIPS百五銀行近畿日本鉄道との提携カード。カード発行は百五ディーシーカードに委託
但馬銀行たんぎんPiTaPaカード但馬銀行
ゆうちょ銀行JP BANKカードPiTaPaゆうちょ銀行三井住友カードが事務代行
南都銀行南都PiTaPaカード南都銀行カード発行は南都カードサービスに委託
クレディセゾンUC PiTaPaカードクレディセゾンクレディセゾン発行のUCカードと紐付け

近畿日本鉄道との提携で「KIPS UCカード」も別途発行されており、この場合はKIPS PiTaPaカードを申し込むことになる。

関西アーバン銀行KANSAI CARD PiTaPa関西アーバン銀行カード発行は関西カードサービスに委託
みなと銀行みなとカード PiTaPaみなと銀行カード発行はみなとカードに委託
三菱UFJ銀行スーパーICカード KIPS+PiTaPa三菱UFJ銀行近畿日本鉄道との提携カード。カード発行は三菱UFJニコスに委託。
三菱UFJ銀行のICキャッシュカード・KIPSカード・KIPS PiTaPaカードを一体化。
2013年4月15日に新規募集停止。
ロッテカードロッテPiTaPaカードロッテカードロッテカードは韓国ロッテグループの法人

非導入事業者

スルッとKANSAI協議会加盟事業者のうち、現時点でPiTaPaを導入予定が無い(スルッとKANSAI対応カードは導入)事業者を挙げる。

PiTaPaショッピングサービス

加盟店開拓とiDとの関係

PiTaPaは、ショッピングサービスの加盟店開拓を三井住友カードに委託している。同社は自社の同じFeliCa対応クレジットサービスiDとPiTaPaを並行して売り込んでおり、PiTaPaの決済端末はiDの決済に対応している。PiTaPaは三井住友カードが使える店舗にiDと共に導入される傾向があるが、加盟店側は双方別々に申し込む必要があるのでPiTaPa加盟店すべてでiDが使えるわけではない。なお、INFOX以外の信用照会端末や、NTTドコモが開拓した加盟店に多いiD単独の決済端末ではPiTaPaを使用できない。

ただし、あくまでPiTaPaとiDは別物で、単に店頭の決済端末が両方に対応しているというだけであり、他の鉄道系ICカードのような「相互利用」とは全く異なる。

利用可能店舗

UMEGLE-CHARIの精算
ポストペイのため、本人確認が可能(大阪市北区)

ショッピングとして、主に関西地区の以下の店舗で利用可能(2013年2月末現在約24,000店舗)。他の交通系ICカードと異なり、すべての所有者が特定できる利点(他の交通系ICカードでは無記名や、記名式でも本人確認が行われていないものが含まれる)を生かした使用事例もある。グランフロント大阪(大阪市)では、2013年4月より2020年1月31日まで、クレジットカードと共に唯一の交通系ICカードとして、レンタサイクル(UMEGLE-CHARI)の自動貸出・返却に使われていた。

(注)リスト中の【5倍】は通常の5倍の ショップdeポイント がもらえる。

トラブル

2004年10月1日のショッピング機能のサービス開始日に、利用対応の約200店のうち約160店で端末機が動作せずサービスを利用できないというトラブルが発生した。その影響は翌2日の午後まで続いた。

全国相互利用サービスとの関係

2013年3月23日からの交通系ICカード相互利用拡大後も、PiTaPaはショッピングに利用できない。これは、決済方法の異なるポストペイ利用のみならず、PiTaPaのプリペイドチャージ額をショッピングサービスに充当することが出来ない。この理由について、大阪市交通局より以下のように説明されている[61]

  1. 他の交通系電子マネーは「プリペイドカード」であるのに対し、PiTaPaは利用後に銀行口座から引き落とす、一般的なクレジットカードと同じ決済方式に基づく「少額決済カード」である。
  2. そのため、PiTaPa自体に対しクレジットカードに準ずる法令が適用されており、プリペイド扱いのショッピングサービス相互利用を実現するためには、電子マネーに適用される「資金決済に関する法律」に基づき、発行保証金の供託等や、前払式証票としてカード裏面に表示を付加する必要があり、利用者に対してはすでに手元に渡っている発行済みPiTaPaカードの交換事務を要する。
  3. 加えて、システム・物販端末の大規模改修が必要となり、莫大な費用となる事が判明した。

そこで、この問題を解決するための施策(代替策)として、スルッとKANSAI協議会では現在、PiTaPaのポストペイ決済でのみ利用可能な物販端末機を、順次ICOCAなどのプリペイド型交通系ICカードでも利用可能なもの(マルチマネー対応機)に切り替え、PiTaPa加盟店においては、立地する地域の各社局が導入しているプリペイド型交通系電子マネー(例:関西圏=ICOCA・関東圏=SuicaあるいはPASMO)も並行して決済可能になるよう協力していく考えであると大阪市交通局を通じて説明している。ただし、これらの施策が具体的にどのように実施されるのか(施策の実施時期)などについては、スルッとKANSAI協議会からは直接には特に発表はされていない。ただし、店舗サイドで独自に両方への対応を行っている例が関西圏を中心にみられるほか、キャッシュレス対応拡充を目的に、コード決済型電子マネーや流通系電子マネーとも同時に対応した例もある。

社会実験

PiTaPa対応宅配ロッカー(一部専用)
阪急大阪梅田駅構内)

レール&ショッピング手荷物お届けサービス

2007年2月16日 - 3月15日まで、公共交通機関(チャージでの利用であるJR西日本を除く)・ショッピング・宅配ロッカーをすべてPiTaPaで決済すると、後日宅配料金を条件により全額キャッシュバックする社会実験が、NEDO民生部門等地球温暖化対策実証モデル評価事業として行われた。大阪空港、阪急梅田駅構内など6か所に実験対応の宅配ロッカーが置かれ、手荷物の運搬に便利な自家用車から、利用者一人あたりのCO2排出量が少ない鉄道・バスへの利用転換を狙ったもので、その場合不便になる手荷物の運搬を、条件が揃えば無料とする試み。実験は交通・ショッピング・宅配ロッカーの決済が同一カードで行え、履歴が把握できるPiTaPaの利点を生かした形となった。実験終了後もPiTaPa対応宅配ロッカーは、(梅田駅構内の場合)有料で利用できる。

脚注

注釈

出典

関連項目

外部リンク

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