SCジョンソン

アメリカの化成品メーカー

S.C.ジョンソン・アンド・サン(S. C. Johnson & Son, Inc.)は、アメリカ合衆国ウィスコンシン州ラシーンに本拠を置く世界規模の日用消費財英語版メーカーである。通常はSCジョンソン(S. C. Johnson)と略称される[1]。2017年現在で、従業員数は約1万3千人、推定売上高は約100億米ドルである[2]

S.C.ジョンソン・アンド・サン
S. C. Johnson & Son, Inc.
種類
非公開会社
業種日用消費財英語版
設立1886年 (138年前) (1886)
創業者サミュエル・カーティス・ジョンソン・シニア
本社ハウ・ストリート1525番地、
事業地域
全世界
主要人物
ハーバート・フィスク・ジョンソン3世英語版
会長CEO
売上高117.5億米ドル (2013年)
所有者ジョンソン家
従業員数
13,000人(2019年)[1]
ウェブサイトwww.scjohnson.com

創業家のジョンソン家が全株式を保有する非公開会社であり、同家による家族経営が行われている。2004年に、創業者から5代目に当たるハーバート・フィスク・ジョンソン3世英語版会長CEOに就任した[3]

歴史

ウィスコンシン州ラシーンにあるラシーン・ハードウェア・マニュファクチャリング社のセールスマンだったサミュエル・カーティス・ジョンソン・シニアが、1886年に同社の床材事業を譲り受け、ジョンソンズ・プリペアード・ペースト・ワックス・カンパニー(Johnson's Prepared Paste Wax Company)として独立したのに始まる。アメリカで最も古い家族経営企業の一つである[4]。当初の主力商品は寄木張り(パーケット)のフローリングだったが、その後、ワックスや仕上材などの床用の清掃用品も製造するようになった[5]

1906年、息子のハーバート・フィスク・ジョンソン・シニアがビジネスパートナーとなり、社名を現在のS.C.ジョンソン・アンド・サンに変更した[6]。1914年にイギリスに最初の国外子会社を設立するなど、ハーバートの下で、同社は世界規模の企業に成長した[7]

1932年に、主力商品となるグロコート(Glo-Coat)を発売した[8]。この商品の成功により、その後の世界恐慌の間にも同社は成長を続けることができた[9]。同社の製品ラインがワックスに偏ってきたことから、1935年、ハーバートの息子のハーバート・フィスク・ジョンソン・ジュニア英語版ブラジルフォルタレザに向かい、ワックスの原料の継続的な供給源を見つけた[10]

1935年から1950年まで、同社はラジオ番組『フィバー・マギー・アンド・モーリー英語版』のスポンサーを務めた[11]。1950年代にはABCテレビのクイズ番組『ザ・ネームズ・ザ・セイム英語版』のスポンサーを務めた[12]。その他、NBCのテレビドラマ『ロバート・モンゴメリー・プレゼンツ英語版』やCBSのバラエティ番組『レッド・スケルトン・ショー英語版』にも提供していた[13]

1939年4月、フランク・ロイド・ライト設計による本社ビル英語版を建設した[14]。1950年には研究棟を建設した[15]。1974年、本社ビルがアメリカ合衆国国定歴史建造物に指定された[16]

第4代指導者のサミュエル・カーティス・ジョンソン・ジュニア英語版の下、殺虫剤"Raid House & Garden Bug Killer"を発売した1955年ごろから、同社はワックス偏重から脱却するようになった[17]

ラシーン・ハードウェア・マニュファクチャリングの広告。『センチュリー・イラストレイテッド』1889年11月号

主な買収・売却歴

  • 1992年、ウィンデックス英語版(Windex)、ドラノ(Drāno)[注釈 1]などの特殊洗浄剤のメーカーであるドラケット英語版を買収[18]
  • 1998年、ダウ・ケミカルからジップロック(Ziploc)、サランラップ(Saran)、ファンタスティック英語版(Fantastik)、スクラビングバブル英語版(Scrubbing Bubbles)などを買収[19]
  • 1999年、業務用クリーニング製品部門をジョンソン・ワックス・プロフェッショナルとして分社化。後にディバーシー英語版に改称[20]
  • 2003年、バイエルから家庭用化学品ブランドのBaygon、Bay Fresh、Bayclin、Autanを買収。
  • 2008年、Caldrea、Mrs. Meyers Clean Dayなどの家庭用洗剤を製造するCaldrea, Co.を買収[21]
  • 2011年、サラ・リー英語版から靴洗浄剤のKiwiを買収[22]

主なブランド

☆は日本法人が販売

脚注

注釈

出典

外部リンク