WNBA

アメリカ合衆国の女子バスケットボールリーグ

ウィメンズ・ナショナル・バスケットボール・アソシエーション英語: Women's National Basketball Association)は、アメリカ合衆国女子バスケットボールプロリーグである。略称は、WNBA(ダブリューエヌビーエー)。日本語で、全米女子バスケットボール協会とも。

ウィメンズ・ナショナル・バスケットボール・アソシエーション
今シーズン・大会:
現在進行のスポーツイベント 2023
競技バスケットボール
創立1996年4月24日
会長リサ・ボーダーズ
モットー"Watch Me Work"
開始年1997年
参加チーム12
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
大陸アメリカ州
前回優勝シカゴ・スカイ (初)
最多優勝ヒューストン・コメッツ・シアトル・ストーム (4回)
テレビ局ESPN2
NBA TV
NBA TVカナダ
公式サイトwww.WNBA.com

男子リーグであるNBAの全面的な支援のもと1996年に発足、翌1997年に最初のシーズン開幕以降順調な活動を続けている。初年度のチーム数は8で、2000年から2002年シーズンにかけてはチーム数がリーグ史上最大の16にまで増えるが、2010年から現在では、経営難などにより脱退したチームがいたため、12チームとなった。外国の多くの女子リーグのオフシーズンにあたる時期に短期間で試合を行うため、米国以外の選手が多くプレイすることもWNBAの特徴である。2016年以降リサ・ボーダーズがコミッショナーに就いている。

略史

NBAコミッショナーデビッド・スターンは、1980年代に同役職に就いて以降リーグの拡張や海外市場の開拓など営業活動拡大の努力を続け、1990年代には大きな成功を収めていた。それまでの成功を受けたリーグは更なる事業拡大の場を求め、1996年4月にNBAの理事会が女子リーグWNBA設立を承認[1]。8月にはバル・アッカーマンを初代コミッショナーに迎えた。同年に行われた1996年アトランタオリンピックのバスケットボール競技での米国女子代表の活躍にも後押しされ、"We got next"(概ね「新たな段階に入った」の意)のスローガンのもとリーグの立ち上げに入った。

同じ96年10月にWNBAは初年度に参加する8チームを発表。それらのチームは全てNBAのチームが本拠がある都市に拠点を置いており、チームの所有者はNBAだった。同月から翌1997年1月までに全チームが2ないし3名の選手と契約し、同年4月にはドラフトが行われた。NBAのシーズンが終わったこの年の6月にWNBA最初の試合が行われた。

1999年までにリーグは新たに4チームを加え、チーム数が12になった。またこの年には選手とオーナー側で労使協定が結ばれた。これは米国の女子プロバスケットボールリーグでは初めてのことだった。

この時までにリーグに属していたチームはみなNBAにより経営されていたが、2002年にNBAはWNBAのチームをNBAチームの所有者やその他の組織に売却した。その結果、マイアミ・ソルポートランド・ファイアは消滅し、ユタ・スターズオーランド・ミラクルは移転しそれぞれサンアントニオ・シルバースターズコネティカット・サンに改称した。またこの年のシーズン終了後、クリーブランド・ロッカーズが消滅した。

2006年に新たにシカゴ・スカイがリーグに加入し、2007年にはシャーロット・スティングが消滅した。2008年には新たにアトランタ・ドリームがリーグに加入したが、シーズン後にはリーグ草創期に黄金時代を築いたヒューストン・コメッツが、2009年にもサクラメント・モナークスも消滅。2010年シーズン以降のチーム数は12となる。

WNBAは設立時からマーケティングや宣伝など様々な面でNBAの支援を受け、初年度からNBCESPNなど大手ネットワーク・テレビ局により試合が放送されている。集客も概ね順調で、4年目の2001年にはWNBAの試合に訪れた観客は延べ1,000万人を超えている。米国には以前にも女子プロバスケットボールリーグが存在したが、10年にわたり成功裏に存続しているリーグはWNBAが初めてである。

1シーズンの試合数は、初年度は28試合だったが現在は34試合となっている。試合数はNBAの82試合と比べて半分以下であり、また集客もNBAと比べるとほぼ半数となっている。選手年俸に関しては、2004年の時点で新人選手の最低年俸は9万ドルで、NBAの新人選手に認められる最低年俸の4分の1程度の額である。

マーケティング対象の一つとして同性愛者が挙げられる。[要出典]

所属チーム

地区チーム本拠地創設年
イースタン
アトランタ・ドリームジョージア州アトランタ2008
シカゴ・スカイイリノイ州ローズモント2006
コネティカット・サンコネチカット州アンキャスビル1999
インディアナ・フィーバーインディアナ州インディアナポリス2000
ニューヨーク・リバティニューヨーク州ニューヨーク1997
ワシントン・ミスティクスワシントンD.C.1998
ウェスタン
ダラス・ウィングステキサス州アーリントン1998
ロサンゼルス・スパークスカリフォルニア州ロサンゼルス1997
ミネソタ・リンクスミネソタ州ミネアポリス1999
フェニックス・マーキュリーアリゾナ州フェニックス1997
ラスベガス・エーシズネバダ州ラスベガス1997
シアトル・ストームワシントン州シアトル2000

過去のチーム

参加チーム数の遍歴
シーズンチーム数
19978
199810
199912
2000-200216
200314
2004-200513
200614
200713
200814
200913
2010-12
  • シャーロット・スティング – 1997–2006。
  • クリーブランド・ロッカーズ – 1997–2003。
  • ヒューストン・コメッツ – 1997–2008。1997年から2000年に4連覇。
  • マイアミ・ソル – 2000–2002。
  • ポートランド・ファイア – 2000–2002。
  • サクラメント・モナークス – 1997–2009。2005年に優勝。

シーズンの流れ

リーグ設立当初はNBAのシーズンが終わった後の6月にレギュラーシーズンを開始していたが、現在は毎年5月頃にシーズンが開幕する。各チームとも34試合を行い、それぞれのカンファレンスでシーズン成績上位4チームがプレイオフに進出する。レギュラーシーズンで最も優れた活躍をした選手はMVPに選ばれる。レギュラーシーズンは8月に終了し、その後プレイオフが始まる。

プレイオフでは、それぞれのカンファレンスでシーズン成績が1位のチームと4位のチーム、そして2位のチームと3位のチームがそれぞれ1回戦(カンファレンス・セミファイナル)で対戦し、2戦先勝したチームが2回戦(カンファレンス・ファイナル)に進む。カンファレンス・ファイナルは2戦先勝で勝ち抜く方式で、2勝したチームが優勝決定シリーズであるWNBAファイナルに進出する。WNBAファイナルでは先に3勝したチームが優勝する。ファイナルで最も優れた活躍をした選手はファイナルMVPに選ばれる。

シーズン開幕に先立ち、毎年NCAAトーナメント終了直後にドラフトが開かれ、各チームが新たに選手を選抜する。

シーズン中盤の7月にはオールスターゲームが開かれる。オールスターゲームの先発選手はファン投票で、控え選手は各カンファレンスのコーチによる投票で選出される。最も活躍した選手がオールスターゲームMVPに選出される。

ルール

WNBAのルールは概ねNBAのルールに則っているが、いくつか独自のルールを採用している。

  • スリーポイントラインは国際ルールと同じでゴールから6.25メートルの距離にある。
  • ボールの大きさは外国の女子リーグに合わせて周の長さ72.4センチのものを用いる。これはNBAよりも2.54センチ小さい。
  • 試合時間は40分で、リーグ設立以降前後半それぞれ20分に分けて試合を行ってきた。2006年のシーズンから、国際ルールと同様、1試合40分を各10分のクオーター4つに分けて行うようになった。
  • ショットクロックも2006年から以前の30秒が24秒に変更された。

テレビ放映権

WNBAはNBA同様、テレビ放映権は、全国放送やポストシーズンに限りリーグが管轄し、ローカル放送はチームが放送局と直接契約を結んでいる。そのため、レギュラーシーズン、ポストシーズン全試合の放映権を管轄しているNFLと違い、チームによって放映権料収入は大きく異なる。

アメリカ国内ではESPNABCESPN on ABC)で放送されている。

脚注

関連事項

過去に存在した女子バスケットボールリーグ
1978年から1981年まで存在したリーグ。米国初の女子プロバスケットボールリーグとされる。
  • アメリカン・バスケットボール・リーグ (女子)
1996年から1998年まで存在したリーグ。
  • NWBL
1997年から2007年まで存在したリーグ。

外部リンク