Zune

Zune(ズーン)はマイクロソフトが開発し販売した携帯音楽プレーヤー、およびそれを販売するブランドの名称。2006年11月14日に米国で販売開始されたが、2011年10月に開発中止と生産終了が発表された[3]。日本で販売されることはなかった。

Zune
Zune 80 と Zune 4
製造元マイクロソフト
種別携帯音楽プレーヤー
発売日
販売期間
  • アメリカ合衆国の旗 2006年11月14日
  • カナダの旗 2008年6月13日
売上台数300万台以上(2009年1月)
OSWindows Embedded
CPUFreescale i. MX31L processor ARM Core
ストレージ
ディスプレイ
  • 1.8インチLCD、解像度 240×320 (Zune 4, 8, 16)
  • 3インチ LCD、解像度 240×320 (Zune 30)
  • 3.2インチLCD、解像度 240×320、アスペクト比 4:3 (Zune 80, 120)
入力機器
  • 円形ボタン (30 GB)
  • Zune Pad (4, 8, 16, 80, 120 GB)
外部接続
  • Wi-Fi (Zune-Zune, Sync-PC, Microsoft Surface)
  • USB
オンラインサービスZune Marketplace
次世代ハードZune HD (en

概要

第1世代の機器は東芝が製造を請け負っていた。東芝のgigabeat Sに近い製品であった。第2世代はシンガポールフレクトロニクス社が製造した。

米国外で発売されたのはカナダのみで、ヨーロッパや日本など北米以外の地域で発売されることはなかった。

発売以来、米国では概ねポータブルオーディオプレーヤーの10%前後のシェアを獲得し、iPodに次ぐ第2位を確保したがiPodには大きく引き離され牙城を崩すには至らなかった。

Zune Marketplaceという専用オンラインストアで音楽・ビデオを購入することができた。Zune Passという契約期間中は音楽を何曲でも定額でダウンロードできるサービスがあった。また、新品でZuneを購入すると本体裏に自分の好きなテキストや好きなアーティストが手がけたイラストをレーザー刻印してくれるサービスを行っていた。

なお、2010年にマイクロソフトが発表したスマートフォンKIN』, Windows Phone シリーズにおいても、Zune Marketplace[4]等のサービスが利用出来た[5]

主な仕様

Zuneには2006年に発売されたZune 30、2007年10月2日に発表されたZune 80とフラッシュメモリを搭載したZune 8及びZune 4があった。内蔵のラジオでは日本、アメリカ、ヨーロッパでの使用が可能。XNAで作ったゲーム、アプリケーションをZuneに取り込み遊んだり使用することができる。ポータブルハードディスクとしての使用は不可。ファームウェア2.2からインタフェース言語にフランス語、スペイン語が追加された。2008年の9月16日に配布されたバージョン3.0のアップデートにより本体に時計機能、ラジオでの曲購入、キーロック機能、インターネットへの無線接続が可能になった。XNAでのゲーム終了後に再起動してしまう問題も改善された。なお、ソフトウエアも改善され様々な情報の表示が可能なMIXVIEWの機能が付加された。曲名等の日本語表示はできず、日本語の文字は□で表示される。Zune HDは曲情報等の日本語表示が可能となっている。

ゲーム、アプリケーション

Zune boardsのサイトにて様々なゲームやアプリケーションが公開された。ゲームではXNAで製作したrunning man(駆け抜けシューティングゲーム)やSIR TET(ZUNE版テトリス)等があった。

Zune boardsのサイトにはアプリケーションも置かれていた。これもXNAを使ったもの。数は少ないが、時計機能、アラーム機能、ストップウオッチ、カレンダー、Wi-Fiを使った簡易メッセンジャーがあった。

バージョン3.0に本体をアップデートするとゲームのプリセットにXboxでお馴染みのHEXICとカジノゲームがインストールされる。

歴代ラインナップ

Zune 30

  • 発売日:2006年11月14日
  • サイズ:11.2 x 6.1 x 1.4 cm, 重量:158.8 g
  • HDD:30 GB
  • ディスプレイ:3.0インチQVGA液晶
  • Wi-Fi搭載(Zune同士で画像や曲の交換をする際に使用される・但し送られてきた曲は3回再生するか3日経過すると聞けなくなる仕様)
  • FMラジオ搭載
  • Xbox 360との連携
  • 対応音声フォーマット:MP3, WMA, AAC
  • 対応動画フォーマット:WMV, H.264, MPEG-4
  • 駆動時間:14時間(音楽)/4時間(動画・画像)いずれもWi-FiをOFFにした場合
  • 楽曲はZune Marketplaceで購入。Zune Passと呼ばれる定額制サービスも用意されている。

Zune 80, 120

  • 発売日:2007年11月13日
  • サイズ:10.8 x 6.1 x 1.3 cm
  • HDD:80, 120 GB
  • ディスプレイ:3.2インチ液晶
  • 新たな入力インターフェースとして「Zune Pad」と呼ばれるタッチセンサーがついた。
  • 初代同様Wi-Fiを搭載し、新たにWi-Fiを使ってのPCとの同期が可能になった。音楽のシェアリングは3日以内という制限が変更され、3回再生すると聞けなくなる仕組みになった。

Zune 4, 8, 16

  • 発売日:2007年11月13日
  • サイズ:91.5 x 41.4 x 8.5 mm
  • フラッシュメモリ:4, 8, 16 GB
  • ディスプレイ:1.8インチ液晶
  • カラーバリエーション:ピンク・グリーン・ブラック・レッド
  • 入力インターフェイス:80 GB同様Zune Padを採用

Zune HD

Zune HD
製造元マイクロソフト
種別携帯音楽プレーヤー
発売日 2009年9月15日
OSWindows CE
CPUNVIDIA Tegra APX 2600
メモリ16, 32 GB
ストレージフラッシュメモリ
ディスプレイ3.3インチ有機EL
入力機器タッチパネル
外部接続
オンラインサービスZune Marketplace
サイズ52.7 × 102.1 × 8.9 mm
重量74 g
前世代ハードZune 80, 120
次世代ハード-

2009年5月に発表[6]、同年9月15日に米国で発売。NVIDIA Tegraプラットフォームを採用する。有機ELタッチパネルを搭載。動画配信サービスをXbox LIVE Marketplaceに統合し、別売のドッキングステーションで最高720p解像度の動画をHDMI出力可能。携帯端末としては初めてデジタルラジオのHD Radioを受信可能。競合するiPod touchと比較して3割ほど低価格に設定されたが[7]、Zune HDの発売直前にiPod touchもラインナップを一新して同程度の価格帯になった。オーディオ再生にはウォルフソン・マイクロエレクトロニクスの超低電力ステレオCODEC「WM8352」を採用している。また、Gセンサーを導入している。Wi-Fi接続時にはWeb Browserが利用できる。

その他

第1世代のプロモーションのためにWindows XP用の「Zune デスクトップテーマ」が無料配布されていた(公式な配布は終了)。詳しくはLunaを参照。

関連項目

脚注

外部リンク