オウケンブルースリ

オウケンブルースリ(欧字名:Oken Bruce Lee2005年2月24日 - )は、日本競走馬種牡馬[1]

オウケンブルースリ
2009年10月11日 京都競馬場
(京都大賞典優勝時)
欧字表記Oken Bruce Lee[1]
品種サラブレッド[1]
性別[1]
毛色栗毛[1]
生誕2005年2月24日(19歳)[1]
登録日2008年3月20日
抹消日2013年1月20日[2]
ジャングルポケット[1]
シルバージョイ[1]
母の父Silver Deputy[1]
生国日本の旗 日本北海道早来町[1]
生産者ノーザンファーム[1]
馬主福井明[1]
調教師音無秀孝[1]栗東
調教助手東田幸男[3]
厩務員塩津智彦[3]
競走成績
生涯成績27戦5勝[1]
獲得賞金5億386万3000円[1]
勝ち鞍
GI菊花賞2008年
GII京都大賞典2009年
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主な勝ち鞍は、2008年菊花賞JpnI)、2009年京都大賞典GII)。

競走馬時代

デビューまで

母であるシルバージョイはシルヴァーデピュティを父として、1993年にカナダで生産され、アメリカにて29戦4勝の成績を残し繁殖牝馬となった[4]。1998年からは日本北海道安平郡早来町(現:安平町)のノーザンファームに移動し[5]、2004年にジャングルポケットと交配、2005年2月24日、6番仔となる栗毛の牡馬(後のオウケンブルースリ)が誕生した[1]

産まれた仔は、当歳のセレクトセールに上場[6]福井明は、一口馬主時代に活躍した出資馬の母父にトニービンがいたこと[6]や、サンデーサイレンス死亡後の首位種牡馬は、トニービンの後継であるジャングルポケットだと目論んでいたこと[6]を理由にその仔に入札、税抜き3000万円で落札した[7]。福井にとって初めて競り落とした馬であり[8]、その仔には自身の冠名「オウケン(桜拳[9])」に、空手を始めたきっかけとなった香港俳優ブルース・リーを由来とする「ブルースリー」を組み合わせ「オウケンブルースリー」と命名、それから9文字制限に対応するために末尾の長音符を取り除いた「オウケンブルースリ」という競走馬名を与えた[10][11]。また、福井と親交のあった栗東トレーニングセンター音無秀孝厩舎の管理が決定した[6]

オウケンブルースリの肉体、体力面においては充実していたが[6]、前脚の腱が発達しておらず、運動するたび、脚にむくみや熱が生じるなどしていた[6]。そのため、2歳時は入厩できず、3歳3月に栗東トレーニングセンターの音無厩舎に入厩した[12]

競走馬時代

3歳(2008年)

2008年4月26日、福島競馬場の未勝利戦(芝2000メートル)に北村友一が騎乗してデビュー、中団から追い込んだが2着[6]。2戦目の5月17日、新潟競馬場の未勝利戦は、最終コーナーで膨れて周回してしまい5着[6]。3戦目の6月8日、中京競馬場の未勝利戦で後方に4馬身差をつけて初勝利を挙げた[6]。その後、6月の500万円以下、8月の1000万円以下と3連勝を果たした[13]

続いて9月28日、菊花賞のトライアル競走である神戸新聞杯(JpnII)に出走。初のオープン競走重賞であったが、東京優駿(日本ダービー)優勝から参戦したディープスカイに続く2番人気に支持された[6]。最終コーナーまで最後方で待機、直線では好位から進んだディープスカイが抜け出す中、その背後から迫り、残り200メートルで3馬身以上あったディープスカイとの差を、クビと半馬身まで縮めて3着[6][14]。上がりはメンバー中最速を記録、菊花賞への優先出走権を獲得した[6]

映像外部リンク
2008年 菊花賞
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

10月26日の菊花賞JpnI)では、春のクラシック二冠競走を勝利したキャプテントゥーレ、ディープスカイは回避するなど有力馬が不在の中、単勝オッズ3.7倍の1番人気に支持された[6]。スタートから中団につけ、2周目の第3コーナーで外から追い上げを開始[12]。先行勢の1頭として直線に進入し、残り300メートルで先頭となった。内から15番人気のフローテーションが追い上げてきたが、それに1馬身4分の1差をつけて入線。重賞初勝利、GI初勝利を挙げた[12]。デビューから184日目での菊花賞勝利は、2歳戦が整備された1946年以降の最短記録であった275日目(1990年のメジロマックイーン)を上回った[9][15]。騎乗した内田博幸は、クラシック初勝利[15]。福井は、馬主歴11年目でGI初出走、並びに重賞およびGI初勝利であった[8]

それから、11月30日のジャパンカップGI)に出走し、5着[16]。続いて有馬記念を目指し、ファン投票では7万7千票を集めて6位となった[17]。しかし、疲れがあるために回避、放牧に出された[18]

4-8歳(2009-13年)

古馬となった2009年は、3月22日の阪神大賞典GII)で始動し、7着。それから天皇賞(春)を予定したが、腰や脚の不安から回避し、放牧に出された[19][20][21]。夏を越して秋は、10月11日の京都大賞典GII)で7か月ぶりの復帰[22]。3番人気で出走し、後方待機から最終コーナーは大外を周回した[23]。直線では先行勢を差し切り、後方に4分の3馬身差をつけて先頭で入線[23]。1年ぶりの勝利となり、重賞2勝目となった[22]

天皇賞(秋)GI)では4着。ジャパンカップは、獲得賞金順位では除外対象であったが、レーティング上位となったために出走が実現した[24]。2番人気に支持されて発走、最後方待機から直線では大外を回って追い上げた[6]。1番人気ウオッカが残り200メートルで後方に3馬身差をつける独走状態だったが[25]、その外から末脚により差を縮め、ウオッカに並びかけたところで決勝戦を通過[6][26]。1着2着は写真判定となり、7分要してウオッカのハナ差、2センチ先着が認められ、2着となった[25]。ウオッカがレース後鼻出血を発症した一方[27]、オウケンブルースリは右前脚に無理をしたため[6]、脚に水がたまり、さらに腫れて休養[28][29]。5歳となった2010年の春夏は出走することができなかった[28]

秋、10月10日の京都大賞典で復帰し、メイショウベルーガに半馬身差の2着。直後に右前脚の腫れが判明し、年内休養を宣言[30]。しかし症状が軽く回復したため、一転続戦することとなった[29][31]。天皇賞(秋)こそ回避したが[32]、続くジャパンカップ、有馬記念は出走し、それぞれ7着、11着に敗れた。

以降は、6歳の2011年から7歳の2012年までに12回出走。6歳アルゼンチン共和国杯GII)、7歳京都大賞典では2着、6歳京都大賞典では3着となったものの、勝利には至らなかった。2012年12月の競走馬引退を発表[33]。8歳となった2013年1月19日、京都競馬場にて引退式を行い、1月20日付で競走馬登録を抹消した[34]

競走成績

以下の内容は、netkeiba.com[35]およびJBISサーチ[36]の情報に基づく。

競走日競馬場競走名距離(馬場)

オッズ

(人気)

着順タイム

(上がり3F)

着差騎手斤量

[kg]

1着馬(2着馬)馬体重

[kg]

2008.04.26福島3歳未勝利芝2000m(良)1211007.90(4人)02着02:03.5 (34.2)-0.00北村友一55ドリームエレメンツ504
05.17新潟3歳未勝利芝2000m(良)1166001.50(1人)05着02:02.8 (35.8)-0.30北村友一55エイデンダンス502
06.08中京3歳未勝利芝2000m(良)1835003.20(1人)01着02:00.0 (35.6)-0.70北村友一55(ロードフラッシュ)488
06.21阪神生田特別5下芝2400m(稍)1011002.00(1人)01着02:28.0 (34.4)-0.00武豊53コパノジングー480
08.23新潟阿賀野川特別10下芝2200m(良)12710003.50(1人)01着02:11.9 (34.1)-0.40内田博幸54(デストラメンテ)480
09.28阪神神戸新聞杯GII芝2400m(良)18612004.20(2人)03着02:25.4 (34.5)-0.10内田博幸56ディープスカイ486
10.26京都菊花賞GI芝3000m(良)18714003.70(1人)01着03:05.7 (34.8)-0.20内田博幸57(フローテーション)484
11.30東京ジャパンCGI芝2400m(良)1711007.30(4人)05着02:25.8 (34.2)-0.30内田博幸55スクリーンヒーロー482
2009.03.22阪神阪神大賞典GII芝3000m(重)12812002.60(1人)07着03:14.4 (39.5)-1.20内田博幸58アサクサキングス484
10.11京都京都大賞典GII芝2400m(良)1422004.90(3人)01着02:24.3 (34.1)-0.10内田博幸59スマートギア490
11.01東京天皇賞(秋)GI芝2000m(良)18715008.00(3人)04着01:58.0 (33.6)-0.80内田博幸58カンパニー482
11.29東京ジャパンCGI芝2400m(良)18510004.70(2人)02着02.22.4 (34.1)-0.00内田博幸57ウオッカ482
2010.10.10京都京都大賞典GII芝2400m(良)1079003.30(1人)02着02:25.1 (34.7)-0.10内田博幸58メイショウベルーガ504
11.28東京ジャパンCGI芝2400m(良)18714015.80(6人)07着02:25.4 (33.8)-0.20C.ルメール57ローズキングダム492
12.26中山有馬記念GI芝2500m(良)15713024.90(8人)11着02:33.7 (35.4)-1.10横山典弘57ヴィクトワールピサ492
2011.02.13京都京都記念GII芝2200m(良)1211008.70(4人)07着02:15.1 (35.2)-1.20内田博幸58トゥザグローリー498
03.20阪神阪神大賞典GII芝3000m(良)13712004.90(2人)08着03:05.4 (35.5)-1.00浜中俊58ナムラクレセント488
05.01京都天皇賞(春)GI芝3200m(稍)18816077.2(12人)10着03:21.9 (35.8)-1.30浜中俊58ヒルノダムール486
10.09京都京都大賞典GII芝2400m(良)844006.60(3人)03着02:24.3 (33.1)-0.20浜中俊58ローズキングダム488
11.06東京アルゼンチン共和国杯GII芝2500m(良)18612004.30(1人)02着02:31.7 (35.1)-0.20田辺裕信58.5トレイルブレイザー488
11.27東京ジャパンCGI芝2400m(良)1624046.0(12人)10着02:25.0 (33.8)-0.80蛯名正義57ブエナビスタ488
2012.02.18東京ダイヤモンドSGIII芝3400m(良)1612006.20(3人)14着03:38.1 (35.3)-1.30田辺裕信58.5ケイアイドウソジン490
03.18阪神阪神大賞典GII芝3000m(稍)12811072.50(7人)08着03:14.4 (39.5)-2.60安藤勝己57ギュスターヴクライ484
10.08京都京都大賞典GII芝2400m(良)1369024.10(7人)02着02:23.4 (35.2)-0.00浜中俊57メイショウカンパク488
11.04東京アルゼンチン共和国杯GII芝2500m(良)1558007.30(4人)07着02:31.1 (34.9)-1.20浜中俊58ルルーシュ484
11.25東京ジャパンCGI芝2400m(良)1759207.8(17人)14着02:24.9 (34.5)-1.80浜中俊57ジェンティルドンナ484
12.23中山有馬記念GI芝2500m(良)16612116.6(15人)14着02:34.4 (37.5)-2.50田辺裕信57ゴールドシップ486

種牡馬時代

オウケンムーン

競走馬引退後は、イーストスタッド種牡馬になった[37]。2016年から初年度産駒がデビュー[37]。2017年8月12日、初年度産駒のプリモガナドール(母父:ゴールドアリュール)が札幌競馬場の3歳未勝利を勝利し、産駒JRA初勝利[38]。2世代目のオウケンムーン(母父:エリシオ)は、2018年の共同通信杯GIII)において産駒重賞初出走、および産駒重賞初勝利を挙げた[39][40]

2021年以降は交配が無く、2023年には高齢も考慮し種牡馬を引退した[41]。その後、イーストスタッドと同じ浦河町に所在する観光施設、うらかわ優駿ビレッジAERUで繋養、余生を過ごすこととなった[41]

主な産駒

血統表

オウケンブルースリ血統(血統表の出典)[§ 1]
父系ゼダーン系
[§ 2]

ジャングルポケット
1998 鹿毛 日本
父の父
*トニービン
Tony Bin
1983 鹿毛 アイルランド
*カンパラ
Kampala
Kalamoun
State Pension
Severn BridgeHornBeam
Priddy Fair
父の母
*ダンスチャーマー
Dance Charmer
1990 黒鹿毛 アメリカ
NureyevNorthern Dancer
Special
Skillful JoyNodouble
Skillful Miss

*シルバージョイ
Silver Joy
1993 栗毛 カナダ
Silver Deputy
1985 鹿毛 カナダ
Deputy MinisterVice Regent
Mint Copy
Silver ValleyMr. Prospector
Seven Valleys
母の母
Joy of MyrtleWood
1984 鹿毛 アメリカ
Northern JoveNorthern Dancer
Junonia
Myrtlewood LassRibot
Gold Digger
母系(F-No.)(FN:13-c)[§ 3]
5代内の近親交配Northern Dancer 4×5・4、Gold Digger 5・4(母内)[§ 4]
出典

脚注

注釈

出典

参考文献

  • 優駿』(日本中央競馬会
    • 2009年12月号
      • 優駿編集部「【重賞プレイバック】第44回京都大賞典(GII)」
    • 2013年9月号
      • 河村清明「【優駿激闘譜】オウケンブルースリ 半年で頂点に上り詰めた小龍」

外部リンク