オオルリ

スズメ目ヒタキ科の鳥類

オオルリ(大瑠璃、学名Cyanoptila cyanomelana)は、ヒタキ科オオルリ属に分類される鳥類の一種。

オオルリ
オオルリのオス
オオルリのオス
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン:真核生物 Eukaryota
:動物界 Animalia
:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
:鳥綱 Aves
:スズメ目 Passeriformes
:ヒタキ科 Muscicapidae
:オオルリ属 Cyanoptila
:オオルリ C. cyanomelana
学名
Cyanoptila cyanomelana
(Temminck, 1829)[2]
和名
オオルリ
英名
Blue-and-White Flycatcher[2]

日本へは夏鳥として渡来・繁殖し、季は東南アジアで越冬する。高い木の上で朗らかにさえずる。姿も囀りも美しい。

形態

全長が約16 cm[3][4][5]翼開長が約27 cm[4][6]の背中は尾も含め光沢のある青で、尾の基部には左右に白斑がある。喉、顔は黒で腹は白い。は頭から尾にかけて背面が茶褐色で、喉と腹は白い。胸と脇が褐色。 また、雄が美しい色彩になるには2 - 3年を要すると考えられ、若鳥時代の雄の羽色は雌の羽色と似た茶褐色で、背面の一部と風切羽及び尾羽に青色が表れているだけである。雌はキビタキの雌やコサメビタキなどに似ている[5][6]

コルリルリビタキなど共に、「青い鳥」御三家の一つである[4]

鳴き声

地鳴きはクッ、クッ。さえずりは、美しい声でゆっくりとピリーリー、ポィヒーリー、ピールリ、ピールリ、ジィ、ジィと鳴く。雌もさえずることがある[4]

日本三鳴鳥のひとつである(他はウグイスコマドリ[3][4]

分布

旧北区中国東北部ウスリー朝鮮半島日本で繁殖し、インドシナ半島から大スンダ列島フィリピンなどに渡って越冬する。

日本には夏鳥として4月下旬ごろに渡来し、南西諸島を除く北海道から九州までの全国各地で繁殖する。10月ごろまで見られる。

生態

低山帯から亜高山帯にかけての山地や丘陵に生息し、とくに渓流沿いのよく茂った森林に多く、飛翔している昆虫を捕食する。クモ類なども捕食する[3]。渓流沿いの岩壁や土壁のくぼみなどにコケを用いてをつくる[4]なわばりを持ち、の中ののほとりや、牧場と林の境などでも見られる。繁殖期に雄は木の梢で豊富な声量でさえずる[5]渡りの時期には市街地公園でも観察される。

種の保全状況評価

国際自然保護連合(IUCN)により、レッドリスト軽度懸念(LC)の指定を受けている[1]

日本では以下の都道府県でレッドリストの指定を受けている[7]。かつては美しい姿や鳴き声を楽しむ為に昔から飼い鳥として人気があり、キビタキコマドリミヤマホオジロと並ぶ和鳥四品のひとつであった[8]。現在は鳥獣保護法により愛玩飼育は規制されているが、未だに毎年違法な飼育が相次いでいる[8]

豊橋総合動植物公園がオオルリの繁殖賞(自然、人工:1991年、2003年)を受賞した。

近縁種

チョウセンオオルリ 英名 Zappey'sflycatcher 学名 Cyanoptila cumatilis

以前は亜種だと考えられていた。中国中部で繁殖し、冬季はマレー半島スマトラ島ジャワ島へ渡る。

自治体指定の鳥

日本の以下の自治体指定の鳥である。括弧表記はかつて存在していた自治体。

脚注

参考文献

  • 高木清和『フィールドのための野鳥図鑑-野山の鳥』山と溪谷社、2000年8月。ISBN 4635063313 
  • 叶内拓哉『絵解きで野鳥が識別できる本』文一総合出版、2006年3月。ISBN 978-4829901717 
  • 叶内拓哉、安部直哉『山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥』(第2版)山と溪谷社、2006年10月1日。ISBN 4635070077 
  • 中川雄三(監修) 編『ひと目でわかる野鳥』成美堂出版、2010年1月。ISBN 978-4415305325 

関連項目

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