カリフォルニア湾

メキシコの湾

カリフォルニア湾(カリフォルニアわん、スペイン語: Golfo de California)は、メキシコ北西部、北米大陸バハ・カリフォルニア半島との間の南北方向に伸びる細長いである。コルテス海西: Mar de Cortés:Sea of Cortez)とも呼ばれる。2005年に、UNESCOの世界遺産に「カリフォルニア湾の島々と自然保護区群」の名前で登録された。

カリフォルニア湾
Gulf of California
カリフォルニア湾 (ハイライト部分)
座標北緯28度0分 西経112度0分 / 北緯28.000度 西経112.000度 / 28.000; -112.000 西経112度0分 / 北緯28.000度 西経112.000度 / 28.000; -112.000
河川コロラド川フエルテ川メイヨー川英語版シナロア川英語版ソノラ川英語版ヤキ川英語版
海洋太平洋
メキシコの旗 メキシコ
延長1,126 km (700 mi)
最大幅48–241 km (30–150 mi)
面積160,000 km2 (62,000 sq mi)
37
主な沿岸自治体バハ・カリフォルニア・スル州
バハ・カリフォルニア州
ソノラ州 シナロア州
脚注[1]
登録名カリフォルニア湾の島々と自然保護区群
区分自然遺産
基準(7),(9),(10)
登録日2005年
登録コード1182
締結国メキシコ
地域Latin America and the Caribbean
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地理

太平洋の中央海嶺である東太平洋海嶺(海膨)の北端部分である。この湾から北へとカリフォルニア地溝帯英語版が伸び、インペリアル・バレー(Imperial Valley)やサンホアキン・バレー(San Joaquin Valley)、サクラメント・バレー(Sacramento Valley)などのが広がっていて、地球の裂け目のひとつであることがわかる。面積約160,000km2

湾内の主要な島としては、アンヘル・デ・ラ・グアルダ島ティブロン島がある。湾岸の主な都市としてはグアイマスマサトランラパスサン・フェリペスペイン語版などが挙げられる[2]

生態系

カリフォルニア湾を泳ぐマンタ

沿岸の生態系が豊富で、バハ・カリフォルニア半島には乾燥した岩石海岸が多く、湾奥にはサボテンなどの多肉植物が多く生えるソノラ砂漠、ティブロン島の東海岸およびシナロア州一帯には多くの湿地マングローブ、島々には砂浜砂丘がそれぞれ分布している[2]

カリフォルニア湾奥のアダイル湾スペイン語版は1993年にエル・ピナカテ・イ・グラン・デシエルト・デ・アルタル生物圏保護区一帯と共にユネスコ生物圏保護区に指定された[3]。内陸部のコロラド川三角州[4][5]およびアダイル湾[6]、サン・ホルヘ湾[7]、サン・フランシスキト[8]ラムサール条約登録地である。海域および沿岸部にはDistichlis palmeri英語版Suaeda puertopenascoaベトナム語版などの植物が生え、コガシラネズミイルカハンドウイルカニシオニクイナ英語版ウイルソンチドリ英語版アメリカコアジサシアメリカミヤコドリクサチヒメドリアカウミガメクロウミガメアオウミガメオサガメヒメウミガメタイマイトトアバ英語版Gillichthys setaスペイン語版Anchoa mundeoloidesスウェーデン語版Colpichthys regisスウェーデン語版Leuresthes sardina英語版ジンベエザメなどが生息している。また、コロラド川にはホグフィッシュ英語版、アダイル湾付近の砂漠地域にはデザートパプフィッシュ英語版が生息している[3][6][7][8]

カリフォルニア湾内の島々は1995年にユネスコの生物圏保護区に指定されたが[2]、2020年に登録が撤回された[9]。うちラサ島スペイン語版[10]、ティブロン島東側のインフィエルニージョ海峡スペイン語版[11]サン・ペドロ・マルティル島スペイン語版[12]はラムサール条約登録地である。東海岸に近接する地域にはブラックマングローブ英語版ホワイトマングローブ英語版アメリカヒルギ英語版マングローブが生え、一帯にはカリフォルニアアシカユウガアジサシオグロカモメ英語版アオアシカツオドリカツオドリカッショクペリカンアカハシネッタイチョウコクガン、タイマイ、アカウミガメ、オサガメ、ヒメウミガメ、クロウミガメ、トトアバなどが生息している。島々にはブリンチュウ英語版Sphaeralcea hainesiiスウェーデン語版などの植物が生え、サンエステバンチャクワラ英語版コヨーテミュールジカワキモンユタトカゲUta palmeri英語版Cnemidophorus martyrisフランス語版などが生息している[2][10][11][12]。現在のラサ島には哺乳類が生息していないが、過去に外来種クマネズミハツカネズミが生息しており、1995年に除去された[10]。サン・ペドロ・マルティル島にはグアノ鉱床が存在しているが、1978年に採掘が停止となった[12]

南西部のバハ・カリフォルニア半島南部周辺のロレト湾スペイン語版[13]ラ・パス湾スペイン語版[14]バランドラスペイン語版[15]プルモ岬スペイン語版[16]はラムサール条約登録地であり、ロレト湾一帯にはコロナド諸島スペイン語版ダンサンテ島スペイン語版サンタ・カタリーナ島スペイン語版などの東海岸諸島がある。一帯にはホンダワラ属英語版カニノテ属英語版などの植物が生え、シロナガスクジラナガスクジラザトウクジラカツオクジラコククジラハシナガイルカシワハイルカ、ハンドウイルカ、カリフォルニアアシカ、アライグマ、コヨーテ、ハイイロギツネオオアオサギアマサギアカクロサギ英語版ユキコサギ英語版サンショクサギヒメアカクロサギミノゴイゴイサギシロトキササゴイコオニクイナ、ウイルソンチドリ、アメリカコアジサシ、カッショクペリカン、ミサゴアメリカグンカンドリ、アカウミガメ、クロウミガメ、オサガメ、タイマイ、ヒメウミガメ、サバクイグアナゼブラテールリザード英語版サメおよびウミギク属英語版Spondylus calciferPinctada mazatlanica英語版サラレイシ英語版アメリカオオアカイカなどの軟体動物が生息している[13][14][15][16]

東海岸にはブラックマングローブ、アメリカヒルギ、ホワイトマングローブ、ボタンマングローブ英語版などのマングローブが多く[17][18]、ラ・クルスラグーン[19]、エル・ソルダード三角江[20]バイア・デ・ロボススペイン語版[21]ジャバロススペイン語版とモロンカリト[22]アヒアバンポ湖スペイン語版フエルテ川[17]トポロバンポスペイン語版[18]、サン・イグナシオ湖[23]アルタムラ島スペイン語版[24]パベジョネス入江スペイン語版[25]はラムサール条約登録地である。一帯にはカリフォルニアアシカ、ハンドウイルカ、コビレゴンドウマイルカ、コククジラ、シャチウオクイホオヒゲコウモリ英語版、ユウガアジサシ、アカクロサギ、オニクイナ、コオニクイナ、アメリカコアジサシ、カナダヅル、コクガン、キアシオオセグロカモメ英語版ハヤブサナンベイヒメウ、アメリカグンカンドリ、オオアオサギ、ヒメコンドル、ミサゴ、カンムリカラカラクロハラミズナギドリ英語版アメリカソリハシセイタカシギ、アオウミガメ、クロウミガメ、タイマイ、ヒメウミガメ、Penaeus stylirostrisスペイン語版バナメイエビFarfantepenaeus californiensisポルトガル語版Farfantepenaeus brevirostrisポルトガル語版およびボラMugil curema英語版ターゲットパファー英語版Diapterus peruvianusオランダ語版パシフィックシエラ英語版ハゼトウゴロウイワシ科英語版クロサギ科カタクチイワシ科フエダイ科セントロポマス科英語版の魚類などが生息している。また、付近にはフランケニア属英語版Guaiacum coulteri英語版などの植物も生えている[19][20][21][22][23][24][25]

なお、湾外であるが、「カリフォルニア湾の島々と自然保護区群」に属するイサベル島スペイン語版[26]マリエタス諸島スペイン語版[27]もラムサール条約登録地であり、マリエタス諸島[28]マリアス諸島スペイン語版[29]はユネスコの生物圏保護区にも指定されている。イサベル島はアメリカグンカンドリ、アオアシカツオドリ、カツオドリ、セグロアジサシの営巣地であり、マリエタス諸島にはカツオドリ、マミジロアジサシクロアジサシワライカモメペリカンなどが生息している。一帯の海域にはカリフォルニアアシカ、ザトウクジラ、シャチ、ヒメウミガメ、サメ、エイなどが生息している[26][27][28][29]

脚注

外部リンク

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