ドナルドジョハンソン

小惑星

ドナルドジョハンソン[5][6][7] (52246 Donaldjohanson) は、小惑星帯の内帯に位置する、小惑星族の1つ「エリゴネ族」に属するC型小惑星[3]。1981年3月2日、オーストラリア連邦 ニューサウスウェールズ州サイディング・スプリング天文台での観測からアメリカの天文学者シェルテ・バスによって発見された。アメリカ航空宇宙局 (NASA) のトロヤ群小惑星探査機ルーシー (Lucy) の目標天体の1つ[8]となったことから、化石人骨「ルーシー」の発見者の一人であるアメリカの古人類学者ドナルド・ジョハンソンにちなんで命名された[1]

ドナルドジョハンソン
52246 Donaldjohanson[1][2]
仮符号・別名1981 EQ5 · 1998 YF26[1][2]
分類小惑星[1][2]
軌道の種類小惑星帯[1][2]
エリゴネ族[3]
発見
発見日1981年3月2日[1][1][2]
発見者S. J. Bus[1][2]
発見場所サイディング・スプリング天文台[1][2]
軌道要素と性質
元期:2021年7月1日 (JD 2,459,396.5)[1]
軌道長半径 (a)2.383578000915053 au[1]
近日点距離 (q)1.936820875225216 au[1]
遠日点距離 (Q)5.667626943558679 au[1]
離心率 (e)0.1874313009762331 [1]
公転周期 (P)1344.133730218515 日
3.68 [1]
軌道傾斜角 (i)4.423103472464905 [1]
近日点引数 (ω)213.1424481456299 °[1]
昇交点黄経 (Ω)262.8196524209048 °[1]
平均近点角 (M)24.30295575561566 °[1]
ティスラン・パラメータ (T jup)3.509 [1]
物理的性質
直径3.895±0.013 キロメートル[1]
スペクトル分類C[4]
絶対等級 (H)15.5 [1]
アルベド(反射能)0.103±0.019[1]
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軌道と分類

ドナルドジョハンソンが属する「エリゴネ族」は、163 エリゴネを主として約2,000個の炭素質小惑星が属する大きな小惑星族で、約1億3000万年前に起こった小惑星の衝突によって誕生した、比較的古い族であると考えられている[9]。ドナルドジョハンソンは、小惑星帯内帯を太陽から約1.9 - 2.8 天文単位 (au) 離れた公転軌道を、約3年8ヶ月(約1,345日)の周期で公転している[1][2]。公転軌道の軌道長半径は約2.38 au、軌道離心率は約0.19、黄道に対する軌道傾斜角は約4.4°である[1][2]

物理的特徴

ドナルドジョハンソンは、炭素質小惑星のC型小惑星に分類されており[4]、これはエリゴネ族の小惑星の全体的なスペクトル型であるC型もしくはX型と一致している[9]

2020年8月に行われた測光観測の結果、光度曲線の振幅が1.7等級と非常に大きく、ゆっくりと回転していることが明らかになった[10][11]。この光度曲線は、ドナルドジョハンソンが非常に細長い形状をしているか、あるいは自転と公転が同期した二重小惑星系である可能性を示唆している[11]。2020年11月から2021年2月にかけて行われた、2台のTRAPPIST望遠鏡による大規模な測光観測の結果、ドナルドジョハンソンの自転周期が約252時間であるとされた[12]

NASAの広視野赤外線探査機WISEの拡張ミッションNEOWISEによる観測結果から、直径は3.895 km、表面のアルベドは0.103 とされている[13]

名称

アメリカ航空宇宙局 (NASA) のトロヤ群小惑星探査機ルーシー (Lucy) の目標天体の1つ[8]となったことから、化石人骨「ルーシー」の発見者の一人であるアメリカの古人類学者ドナルド・ジョハンソンにちなんで2015年12月25日に命名された[1][14]

探査計画

2021年10月16日打ち上げ予定のNASAのトロヤ群小惑星探査機ルーシーが、トロヤ群に向かう途中で近接観測する計画となっている[15]。フライバイは2025年4月20日に予定されており、922 kmの距離を秒速13.4 kmの速度で通過する計画である[15]

出典

外部リンク