ドミノ理論

国家の共産主義化に関する、冷戦時代のアメリカにおける外交理論

ドミノ理論(ドミノりろん、英語: Domino theory)とは、「ある一国が共産主義化すればドミノ倒しのように隣接する国々も共産主義化する」という、冷戦時代のアメリカ合衆国における外交指導者が唱えた理論である[1][2]。実際に起こった現象についてはドミノ現象と呼ぶ。

ドミノ理論のイメージ

転じて、一度ある事件が起これば、次々と連鎖的にある事件が起こるとする理論全般を指すこともある。

発端

「ドミノ理論」は、1954年に、アメリカでドワイト・D・アイゼンハワージョン・フォスター・ダレスによって主張された考え方に端を発する(その語自体を当時の彼らが用いたのではなく、思想に対する後世の呼称)。ドミノ理論は、冷戦時代のアメリカ合衆国の外交政策決定に関わる人々の間で、支配的な考え方であった[注釈 1]アメリカ軍によるベトナム戦争への介入の正当化にも、この理論が用いられた[4]

その他の用例

アラブの春におけるドミノ現象を描いたカルロス・ラトゥッフによる風刺漫画。チュニジアの政変がアラブ世界に波及していく様をドミノ倒しになぞらえた。
  1. 1848年革命を引き金とした、ヨーロッパ各国における連鎖的な国民主義の勃興によるウィーン体制の崩壊
  2. 辛亥革命に始まり、第一次世界大戦の末期から終結直後に相次いだ革命による君主制国家の崩壊
  3. 第二次世界大戦の終結直後に相次いだ、東南アジアのイギリス領・フランス領だった植民地の独立
  4. 1960年以降に相次いだ、アフリカのイギリス領・フランス領だった植民地の独立(アフリカの年
  5. 2011年チュニジアで起こった「民主化」が、エジプトリビアバーレーンなどアラブ世界に波及し、長期独裁政権の打倒や弱体化に繋がったアラブの春
なども、「ドミノ現象」として捉えられることがある。

注釈

出典

関連項目

外部リンク