ハワイアン航空

アメリカ合衆国の航空会社

ハワイアン航空(ハワイアンこうくう、Hawaiian Airlines)は、アメリカ合衆国ハワイ州拠点とする航空会社

ハワイアン航空
Hawaiian Airlines
IATA
HA
ICAO
HAL
コールサイン
HAWAIIAN
設立1929年[注 1]
運航開始1929年[注 2]
ハブ空港ダニエル・K・イノウエ国際空港(ホノルル)
焦点空港カフルイ空港
マイレージサービスHawaiianMiles
会員ラウンジPremier Club
航空連合ワンワールド(予定)
親会社Hawaiian Holdings Inc.
保有機材数50機
就航地28都市
本拠地アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ハワイ州ホノルル[1]
代表者Peter Ingram(CEO
外部リンクwww.hawaiianairlines.com ウィキデータを編集
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概要

ハワイ州ホノルルにあるダニエル・K・イノウエ国際空港(ホノルル国際空港)をハブ空港とし、ハワイ州内のハワイ島エリソン・オニヅカ・コナ国際空港ヒロ国際空港)、マウイ島カフルイ空港)、カウアイ島リフエ空港)を結ぶ島間路線(インターアイランド路線)、ホノルル・カフルイアメリカ本土を結ぶ長距離国内線、ホノルルと太平洋地域を中心とした国際線を運航している。

1984年からトンガなど国際線にも進出し、以降フィリピンなどにも就航し2010年には日本路線に進出した。2018年3月に日本航空(JAL)と業務提携し、その後はコードシェアのみならず同社と共同事業を行う予定[2]。更に2019年10月からは同じJALグループ傘下の日本トランスオーシャン航空とコードシェアを開始した。

航空券の座席予約システム(CRS)はSABREを利用していたが、2023年4月からアマデウス Altéaを使用している[3]アメリカ合衆国運輸省の調査によると、アメリカの航空会社として2003年より6年連続定時出発率1位となっている。2011年には、過去最高となる約867万人の旅客数を記録した[4]。創業以来90年近くにわたって死亡事故を一度も起こしたことがない。

2023年12月、アラスカ航空はハワイアン航空を19億ドルで買収することで同社と合意し、統合後、本拠地はシアトル、ホノルルは重要ハブとし[5]、アラスカ航空主導でワンワールドに加入することも発表した[6]

歴史

保有機材

エアバスA330-200
ボーイング717-200
エアバスA321neo
  • エアバスA330-200(新塗装)
    ボーイング社で振り分けられるハワイアン航空向けの顧客番記号(カスタマーコード)はCBで767-3CBERとなっている。
  • 全ての機体に名前がついていて、ボーイング717-200型機にはハワイやポリネシアに生息する鳥の名前、エアバスA330-200型機は星座や天体の名前、エアバスA321neoはハワイの樹木の名前が付けられている。[11]
  • 2014年8月1日より、エアバスA330-200においてプレミアムエコノミークラス「エクストラ・コンフォート・シート」を導入予定[12]。座席数は従来のエコノミークラス内に40席配置[13]。2016年4-6月期(第2四半期)からは従来のプレミアムエコノミークラス「エクストラ・コンフォート・シート」を更に拡大し、ビジネスクラスにフルフラットを配備する機内へ変更を始め、新仕様機は全体席数が16席減の278席で、ビジネス18席、プレミアムエコノミー68席、エコノミー192席とプレミアムエコノミーの席数が28席増える配置になる[14]
  • 2008年にはエアバスA350-800を発注し2017年の導入予定していたが、エアバスA330-200とのサイズ競合からエアバス要請でA330-800neoに変更した[15]。しかし、A330-800neoの発注は少なく、2018年ボーイングから機種移行支援プログラムを活用した、競争入札プロセスの一環として787-9の提案を受け、A330-800neo6機の発注は取り消され、787-9を10機発注乗り替えをした[16]
  • 2017年5月1日に新塗装を発表[17]。先行してボーイング717の1機(機体番号:N488HA)を皮切りに、今後エアバスA321neoの導入を含めた新造機は新しい塗装で納入される。

運用機材

機材保有数発注数座席数備考
CPYY
エアバスA321neo18-1644129189アメリカ西海岸路線用
搭載エンジン点検整備により数機2024年長期運用離脱予定
エアバスA330-20024-1868192278アメリカ本土・国際線用、2024年以降順次787-9入替予定
A321neoエンジン問題により4機リース延長
ボーイング717-20019-8120128ハワイ州内島間路線用
ボーイング787-9-123479187300[21]エンジンはGE製、2023年内初号機受領予定→2024年受領開始に遅延
エアバスA330-800neoから契約切換、他オプション10機契約済み
5912
Amazon operated by Hawaiian
エアバスA330P2F10Amazon委託、エティハド航空中古航空貨物改修リース
総計5922

退役機材

コンベア640(1971年)
L-1011 トライスター(1991年)
マクドネル・ダグラス DC-10(2001年)
ボーイング767-300ER(2009年)

現在はエアバスを中心に新造機の導入を進めているが、以前はダグラスDC-8DC-9DC-10、L-1011の中古機材を導入することが多かった。L-1011退役後、アメリカン航空からDC-10-30を導入するが、アメリカン航空のベアメタルをベースに帯色はハワイアンのものに変えただけであった。

1960年代には、新造機の日本航空機製造YS-11を購入し島間輸送に就航させていた。その後島間輸送に就役してきたDC-9-51は殆ど欧米からの中古機材で、代替したボーイング717は半数は新造機だが、生産を中止したためオーストラリアから中古機材を調達している[22][23]

機材保有数運航年備考
ベランカ CH-30011929 - 1933遊覧飛行に使用
シコルスキー S-3841929 - 1942水陸両用機
シコルスキー S-4341929 - 1942
ダグラスDC-3131941 - 1966
ビーチクラフト モデル 1811947 - 不明チャーター・訓練用機
コンベア340
コンベア440
コンベア640
131953 - 1973
ダグラスDC-641958 - 1969 ?
ビッカース バイカウント21963 - 1964
日本航空機製造 YS-1131966 - 1967
ダグラスDC-9-1051966 - 1971初となるジェット機の導入
ダグラスDC-9-30121968 - 1975 ?ダグラス DC-9-50に置き換え
ダグラスDC-9-50221975 - 2001ボーイング717-200に置き換え
ショート 33031978 - 1980
マクドネル・ダグラスMD-8151981 - 1990ダグラスDC-9-50に置き換え
デ・ハビランド・カナダ DHC-761981 - 1994
ダグラスDC-8-62
ダグラスDC-8-63
31983 - 1993内、2機が-62
内、1機が-63
ロッキード L-1011 トライスター51985 - 1994マクドネル・ダグラスDC-10に置き換え
マクドネル・ダグラスDC-10141994 - 2003ボーイング767-300に置き換え
ボーイング767-300
ボーイング767-300ER
182002 - 2019エアバスA330に置き換え
ATR 42-50072012 - 2021オハナ・バイ・ハワイアン、ハワイ州内運航便運航、コロナにより廃止[24]

就航都市

ハワイアン航空 就航都市(2019年12月現在)
都市空港備考
北アメリカ
アメリカ合衆国ホノルルダニエル・K・イノウエ国際空港 ハブ空港
カフルイカフルイ空港 準ハブ空港
コナコナ国際空港
リフエリフエ空港
ヒロヒロ国際空港
フェニックスフェニックス・スカイハーバー国際空港
ロサンゼルスロサンゼルス国際空港
オークランドオークランド国際空港
サクラメントサクラメント国際空港
サンディエゴサンディエゴ国際空港
サンフランシスコサンフランシスコ国際空港
サンノゼノーマン・Y・ミネタ・サンノゼ国際空港
ラスベガスマッカラン国際空港
ポートランドポートランド国際空港
シアトルシアトル・タコマ国際空港
ニューヨークジョン・F・ケネディ国際空港
ボストンジェネラル・エドワード・ローレンス・ローガン国際空港[25]
アジア
日本東京東京国際空港
成田国際空港
大阪関西国際空港
福岡福岡空港[26]
韓国ソウル仁川国際空港
オセアニア
オーストラリアシドニーシドニー国際空港
ブリスベンブリスベン空港
ニュージーランドオークランドオークランド国際空港
フランス領ポリネシアパペーテパペーテ・タヒチ国際空港
アメリカ領サモアパゴパゴパゴパゴ国際空港
休廃止路線
日本札幌新千歳空港
仙台仙台空港
中国北京北京首都国際空港
中華民国台北台湾桃園国際空港
フィリピンマニラニノイ・アキノ国際空港

国内線

島間路線

ハワイ州の島々を結ぶインターアイランド路線を運航。ホノルル及びカフルイから、コナ・リフエ・ヒロへの定期便が運航されている[27]。また、子会社オハナ('Ohana by Hawaiian)がエンパイア航空との間によって設立され[28]、ホノルルとモロカイ島・ラナイ島とを結ぶインターアイランド路線を運航。

  • ホノルル - カフルイ、コナ、リフエ、ヒロ
  • カフルイ - コナ、リフエ、ヒロ
オハナ運航路線
  • ホノルル - モロカイ、ラナイ
  • カフルイ - モロカイ、コナ、ヒロ

アメリカ本土路線

アメリカ西海岸の主要都市及びニューヨーク・ボストンからホノルルへ、一部はカフルイとも結ばれている[27]。2014年より、コナ・リフエとオークランド・ロサンゼルスを結ぶ路線を夏期季節便として運航予定。

  • ホノルル - ニューヨーク/ジョン・F・ケネディ、シアトル、ポートランド(オレゴン州)、サクラメント、サンフランシスコ、オークランド(カリフォルニア州)、サンノゼ、ロサンゼルス、サンディエゴ、ラスベガス、フェニックス、ボストン
  • カフルイ - シアトル、オークランド、サンノゼ、ロサンゼルス、ラスベガス
  • コナ - オークランド(季節便)、ロサンゼルス(季節便)
  • リフエ - オークランド(季節便)、ロサンゼルス(季節便)

国際線

ホノルルからアジアオセアニアを中心に運航[27]。とりわけ、日本路線が多いのが特徴である。

  • ホノルル - 東京/羽田、東京/成田、大阪/関西、福岡、ソウル/仁川、シドニー、ブリスベン、オークランド(ニュージーランド)、タヒチ、サモア
  • コナ - 東京/羽田

提携

2023年現在

  • ハワイアン航空および提携航空会社のマイレージ会員が相互にマイレージの獲得およびマイレージ利用航空券予約可能な航空会社[29]
日本航空、ジェットブルー航空大韓航空ヴァージン・アトランティック航空ヴァージン・オーストラリア
  • 提携先航空会社のマイレージ会員のみマイレージの獲得およびマイレージ利用航空券予約可能な航空会社[30]
チャイナエアライン
  • 過去の提携先
アメリカン航空(USエアウェイズ)、デルタ航空[注 3]ユナイテッド航空アイランドエアー全日本空輸[31]エミレーツ航空中国国際航空ヴァージン・アメリカ

その他

  • 1941年12月7日、ハワイアン航空9便が、飛行中に真珠湾にて日本軍の攻撃を受け出火した。銃弾の1つがコックピット内の消火器に命中し、鎮火。乗客乗員に怪我はなかった[32]
  • 1985年2月に、日本航空の「ハワイアンキャンペーン」の一環として、18名のハワイアン航空の客室乗務員が、日本航空の東京/羽田 - ホノルル線と大阪/伊丹 - ホノルル線に乗務した[33]
  • 2014年7月24日、東日本大震災によってオアフ島に漂着した岩手県下閉伊郡田野畑村の村営住宅の看板の返却を、ハワイアン航空441便仙台行を利用して無償輸送[34]。30日、田野畑村へ届けられた[35]
  • 2016年7月18日午前1時半ごろ、羽田空港ホノルル空港行き458便(乗員13名乗客280名、A330-243:N395HA:2013年11月受領)が太平洋上空を飛行中、計器表示に油圧低下を示す異常が出たため羽田空港に引き返し、C滑走路(RWY34R)に緊急着陸、着陸の際に主脚のタイヤ8本中4本がパンク、ほか4本も一部損傷して滑走路上で停止したため、乗客降機後、C滑走路はタイヤ交換(6本)や機体から漏れたオイルの洗浄などを行うために閉鎖され、同日午前10時45分に再開した[36]。乗客280名はハワイアン航空による代替機(1458便、A330-243:N380HA)によって18日20時過ぎに再度出発した[37]
  • 2018年9月7日午後10時半頃、成田空港ホノルル行き822便(乗員乗客277名、エアバスA330)が油圧系統のトラブルにより、羽田空港のC滑走路に緊急着陸した。オイル漏れが見られたため、誘導路上でエンジンを停止し、1時間半後に牽引車によって駐機スポットへ向かった。C滑走路は、オイル除去のため一時的に閉鎖された[38]
  • 2023年9月8日午後9時前羽田空港発ホノルル行き864便(乗員乗客264名A330)が乱気流に巻き込まれ緊急事態を宣言し午後10時すぎに羽田空港に緊急着陸した。乗員乗客6名が怪我をした。

脚注

注釈

出典

外部リンク