パラペット

パラペット(Parapet)とは、屋上や、ベランダ橋梁埠頭などの端部に設けられた低い壁[1]。「扶壁」「手すり壁」とも呼ばれ、パラペットの別名としても使われる「胸壁」はパラペットの一種である[2]。パラペットがあることによって接合部の強度向上と防水効果向上、更に落下リスクの軽減を図れるため、主に屋根部分につけられる[1]

キプロスキレニア城の屋上。屋上の床より高い壁の部分がパラペット。

概要

木造建築では基本的に見られず、鉄筋コンクリート造の建物で使われることが多い。天板からの防水効果を高めるため、パラキャップと呼ばれる金属製の笠木が施される場合もある[3]。排水はパラペットと屋根の接触部分(下部)にある内樋(うちどい)で行う。一方この内樋飛んできた葉っぱや土砂が溜まりやすく定期的に掃除を行わなければ排水溝が詰まったりする[1][4]。またつなぎ目や笠木は、雨水の浸入で腐食しやすく、こまめな点検を怠れば雨漏りする[4]。この腐食による雨漏りは特にパラペットの影となり表面に日射が当たりにくいため、高湿気のまま水はけが悪い状況がつづく屋上の南面は多い[5]

まだ現在は問題を克服したものの以前の笠木は継ぎ目の処理と壁との隙間をシーリングに頼っていたことにより笠木内部に水が入ったり、結露等で金属板裏面が腐食することがよくあった[2]

基本的に陸屋根についている[6]

寸法

人が屋上に出入りすることが可能な場合は、落下防止のためパラペット自体を1.1m以上とするか、パラペットの上に柵を設けて1.1m以上の高さとする必要がある他、人の出入りが無い場合であっても、150mm以上の立ち上がりを設けて防水工事が可能なようにする必要がある[7]

事故

パラペットには落下リスクの軽減の効果もあるが、高さの低さゆえに完璧に落下を防ぐことはできない。屋上からの典型的な落下事故の一つに、防水シートの設置作業にパラペットを乗り越え後ろ向きで落下することがある[8]

脚注