マレーヒヨケザル

マレーヒヨケザル (Galeopterus variegatus) は、東南アジアに生息する、四肢の間の皮膜を使って滑空する哺乳類の1種である。ムササビなどに似るが、ムササビの属する齧歯目ではなく、皮翼目ヒヨケザル科に分類される。本種のみでマレーヒヨケザル属を構成する[2]

マレーヒヨケザル
マレーヒヨケザル
マレーヒヨケザル Galeopterus variegatus
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン:真核生物 Eukaryota
:動物界 Animalia
:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
:哺乳綱 Mammalia
:皮翼目 Dermoptera
:ヒヨケザル科 Cynocephalidae
:マレーヒヨケザル属 Galeopterus
Thomas1908[2]
:マレーヒヨケザル
G. variegatus
学名
Galeopterus variegatus
(Audebert1799)[2]
シノニム[2][3]
  • Galeopithecus variegatus Audebert, 1799
  • Cynocephalus variegatus
  • Galeopitiecus temminckii Waterhouse1838
和名
マレーヒヨケザル[4]
英名
Sunda flying lemur[2]
Malayan colugo[3]
生息域
生息域

分布

インドシナ半島マレー半島スマトラ島ジャワ島ボルネオ島などに生息。

形態

体長33–42cm、翼開長65–75cm。頭部は身体に比して小さく、端は丸い。が大きく視覚が発達しているが、耳介は小さい。切歯はヒヨケザル特有の、櫛状の形態になっている。

体毛は短く、全体的に灰色がかった茶色である。背中は赤あるいは灰色がかっており、明るい灰色の斑があるものもいる。これは、かれらの生活の場である樹上においては地衣類に覆われた樹表に似た配色となり、保護色として機能すると推定される。皮膜は首と四肢、の間に張られ、凧型となる[5]

生態

海岸沿いから標高100m程の山地にかけての森林に、樹上で群れを作って暮らす。夜行性あるいは薄明薄暮性であり、夕暮れから夜明けにおいて活発に活動する。食性は植物食。櫛状の切歯で蜜や樹液などを濾しとって食べる[5]

妊娠期間は約60日。一回に一頭の幼獣を産む[5]

分類

フィリピンヒヨケザルと同属(Cynocephalus)とする説もあるが、2000年以降は独立したGaleopterus)として区別されている[2][3][6]

マレーヒヨケザルはジャワ島、ボルネオ島、マレー半島の三集団に大別されるが、遺伝子解析の結果各々別種と言っても良い程に遺伝的に隔離している事が判明している[7]

脚注

参考文献

  • ジュリエット・クラットン・ブロック 著、渡辺健太郎 訳『世界哺乳類図鑑』新樹社〈ネイチャー・ハンドブック〉、2005年、95頁頁。ISBN 4-7875-8533-9 
  • 長谷川政美『新図説 動物の起源と進化 書き換えられた系統樹』八坂書房、2011年、40頁頁。ISBN 978-4-89694-971-1 
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