レディーボーデン

アメリカのボーデン社からライセンス提携するロッテから製造・販売されるアイスクリーム

レディーボーデンLady Borden)は、高級アイスクリームブランドアメリカボーデン社が日本企業にライセンスを供与し、日本国内で製造・販売される商品である。

レディーボーデン・ミニカップ

かつては明治乳業(現・明治)がライセンス生産していたが、現在はロッテとライセンス提携し、ロッテ子会社ロッテアイスが製造・販売を行っている。

日本の法令である乳等省令に基づく成分規格上の分類では「アイスクリーム」である(アイスミルク、ラクトアイスではない)。

歴史

レディボーデン・アイスクリームショップの店舗
川崎BE店 (閉店)

レディーボーデンは1971年アメリカ合衆国ボーデン社と日本の明治乳業(現:株式会社明治)の共同開発商品として発売された。これは日本における高級アイスクリームの先駆けであった。1970年代には、当時雪印乳業(現:雪印メグミルク)から発売されていた「フレーバーランド」と共に、ホームサイズのアイスクリームのシェアを獲得した。

1970年代後半には「アイスクリームの芸術品」というキャッチフレーズで、テレビやラジオでCMが放送された。CMで流された「レディ~ボ~デン♪」で知られるサウンドロゴ作曲家大野雄二で、当時の音源がEMIミュージックジャパン発売のCD『懐かしのCMソング大全 Vol.4』(規格品番:TOCT-24523 ASIN B00005HQLK)に収録されている。

1980年代までは日本における高級アイスクリームの代表格であった。しかし、ボーデン社は、1990年7月に日本法人ボーデン・ジャパン(本社:東京都渋谷区)を設立し、明治乳業とのライセンス契約を解消した[1][2]。その後いったん日本市場から撤退したことで、一時は「レディーボーデン」の商品が店頭から消えることとなった。なお、明治乳業はその後の1990年9月に、独自ブランドによる高級アイスクリーム「彩 AYA」を発売した[3]

このため、1984年に日本進出したハーゲンダッツのミニカップが受け入れられ、同社製アイスクリームの認知度とシェアを大きく伸ばす要因となった。また、1980年代からはサーティワンやホブソンズなどのアイスクリームパーラーが流行し、かつて日本の高級アイスクリームの代表格であった「レディーボーデン」は忘れられた存在となってしまった。

ボーデン・ジャパンはその後、1991年に独自製品で日本市場へ再参入し[4]、同年8月13日に「レディーボーデン・クラシック」470ml・950ml(各5品種)を発売した[4]。同年11月25日にはハーゲンダッツに対抗し、ミニカップ商品のスーパープレミアムアイス「レディーボーデン・ホームメイド」を発売した[4]。しかし自社展開での営業戦略や、コンビニエンスストアなど小売店との取引条件などで苦戦し、1992年度の売上は低迷した[4]。翌1993年度も、期待のミニカップ商品が売上アップに貢献せず苦戦が続いた[5]

そのため、1994年からはロッテと新たにライセンス生産契約を結ぶこととなった。ロッテ子会社のロッテアイスが製造・販売を担当する。ボーデンジャパン自体は、別事業の統括を目的として東京都渋谷区に存在していたが、1994年6月30日にボーデンジャパンの営業を休止して清算することになった。

1995年2月には、ロッテグループロッテリアが、アイスクリームパーラー「レディーボーデン・アイスクリームショップ」をオープンし、ショッピングセンターフードコートなどで店舗を運営していた。現在は「ロッテリア アイスクリームショップ」として営業している[6]。またロッテリアでは、レディーボーデンのクリスマスアイスケーキを販売していたこともある。

2009年には「レディーボーデン・マルチパック」も発売され、過去最高の販売額を記録した。

2019年11月18日、ロッテは「レディーボーデン・ミニカップ」を発売[7]。バニラ、チョコレート、コーヒー、ラムレーズンの4種で[7]、発売以来の主力製品である470mlのパイントカップに加え、120mlのミニカップで再度参入することとなった[7]

2020年1月6日、米国ボーデン社は破産を申請した[8]。しかし「レディーボーデン」はロッテが製造販売を行っており、同社の破産による商品流通への影響はないと、同年1月8日にロッテ広報は発表した[9]

その後もロッテから新製品が次々と発売され、2020年3月23日には従来なかったアイスバータイプの商品「アーモンドチョコレートバー」「クッキークランチチョコレートバー」が新登場した[10]。またミニカップの新フレーバー「クッキー&クリーム」も同時発売された[10]。同年8月3日には、ミニカップの新フレーバー「キャラメル」が発売された[11]

パッケージ

一時的にデザイン変更された際のパッケージ
2007年秋から2008年春までのもの

パッケージデザインは1971年の発売以来、落ち着いた茶色で統一されており、ふたの周りなど数箇所に金色のラベルが付き、表面に白地に英語で「Lady Borden」と書かれたロゴマークが入っている。

2007年秋から自動販売機用など一部の商品を除き、金色のパッケージに茶色地のマークに変更されたが、間もなく2008年春に旧デザインへ戻された。デザイン変更は恒久的なものを予定していたのか、最初から期間限定であったのかは公表されていない。

ラインナップ

  • パイント: 470mlの大容量カップ[12]
    • バニラ、チョコレート、ストロベリー、グリーンティー[12]
    • 発売当初からの主力商品。ファミリー層向けのホームサイズ。
  • ミニカップ:120mlの食べ切りサイズ[12]
    • バニラ、チョコレート、コーヒー、ラムレーズン、キャラメル[12]
    • 個食化の進展に対応し、ハーゲンダッツのミニカップを意識した商品。
    • フレーバー展開がパイントカップとは異なり、洋酒を使ったラムレーズンなど大人向け商品がある。
  • バータイプ:棒付きのチョコアイスにチョコレートコーティングした商品。サイズは90ml程度[12]
    • アーモンドチョコレートバー、クッキークランチチョコレートバー[12]
  • マルチカップセレクション:ミニカップよりさらに小さい75mlのカップを複数パックした商品[12]
    • バニラ、チョコレート、ストロベリーを各2個ずつ、合計6個を箱詰めして販売[12]
  • マルチアーモンドチョコレードバー:ミニサイズ(75ml)のアイスバーを6本パックした商品[12]
    • 通常のバータイプとは異なり、バニラアイスにチョコレートコーティングしている[12]
  • 自動販売機商品:アーモンドチョコレートバー、ストロベリーチョコレートバー、チョコレートボール、クッキーサンド[13]

脚注

出典

関連項目

外部リンク

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