全国FM放送協議会

日本の民間放送ラジオ網

全国FM放送協議会(ぜんこくエフエムほうそうきょうぎかい、英称:Japan FM Network ASSOCIATION)は、日本民間FM放送(民放FM)の放送局の協議会のひとつで、日本最大のFMラジオネットワークである[1]通称Japan FM Network(ジャパン エフエム ネットワーク、略称:JFN)。会長は黒坂修(株式会社エフエム東京代表取締役社長)。

概要

民放FMの先発4局であるエフエム東京 (TOKYO FM)、エフエム愛知エフエム大阪エフエム福岡が民放FM初のステレオ放送が可能なラインネット回線を1980年4月1日に開通させた[2]ことを前身として、翌1981年5月20日[3][4]にネットワーク規約を締結して正式に発足した。キー局はTOKYO FMが務める。協議会の事務局はTOKYO FM本社にほど近い東京都千代田区麹町1丁目8番地のJFNセンタービルにあり、多くの加盟局の東京支社も同ビルに置かれている。

県域FM局のない奈良県、加盟局のない茨城県[注釈 1]埼玉県千葉県神奈川県山梨県[注釈 2]京都府和歌山県[注釈 1]以外の全国の都道府県域FM局のエリアをカバーしている。

番組制作能力の手薄な地方局への番組流通が主な目的。まだFM局が少なかった1980年代前半までは、地方の中波(AM)ラジオ局にもJFNの番組が配信されていた[注釈 3]

ちなみにJFN系列局は、FNNFNS系列(フジテレビ系列[注釈 4]NNNNNS系列(日本テレビ系列[注釈 5]のテレビ局と関係が深かったり、主要株主である局が多い。これは、地域2番目のラジオ局である当協議会加盟局に、先発AM局に参加出来なかった資本が出資したり協定を結んだりしている場合が多いためである。[要検証]

ネットワーク形態の特色として、キー局であるTOKYO FMの制作番組の同時ネットの他、協議会加盟局の共同出資で設立された番組供給会社のジャパンエフエムネットワークが制作した番組を加盟局が任意の時間帯に放送する形態が見られることにある。番組供給会社と協議会がいずれも「ジャパンエフエムネットワーク」「JFN」を呼称・略称とすることから、関係者の間では協議会を「F協」、番組供給会社を「JFNC」と呼び分けているという[1]

加盟局

この表は、地域や都道府県の配列に際し、日本民間放送連盟公式サイト「会員社」ページの表記に準じて記載している(一部に例外あり)。

本社・演奏所都道府県庁所在地以外に立地している場合のみその所在地を付記する。2021年8月現在、TOKYO FM・エフエム北海道・エフエム大阪・兵庫エフエム放送・エフエム長崎及び特別加盟局を除く局が、JFNセンター内に東京支社を置く[注釈 6]

表の凡例(ネット配信再送信
エコパラダイスFMを除いたすべての放送局がradikoにおいてネット配信を実施している。
また、再送信はUSENでの再送信のみ記載している(再送信実施エリアはUSEN ラジオ放送一覧を参照)。
  • RCラジオクラウド配信局(各局の一部番組のみ配信するポッドキャスト型)
  • U:USENでの再送信実施局
放送対象地域通称
(愛称または略称)
放送局名開局日ネット配信
再送信
備考
北海道Air-G'エフエム北海道1982年9月15日RC・Uかつて悪天候時にネットワーク送出を代行[注釈 7]
1992年4月5日までの愛称はFM北海道
青森県FM青森、AFBエフエム青森1987年4月1日U-
岩手県FM岩手エフエム岩手1985年10月1日RC・U
宮城県Date fmエフエム仙台1982年12月1日
秋田県FM秋田、AFMエフエム秋田1985年4月1日-
山形県Rhythm Station、
FM山形
エフエム山形1989年4月1日2010年3月31日までの愛称はBoy-FM
福島県ふくしまFMエフエム福島1995年10月1日RC・U本社・演奏所は郡山市
栃木県RADIO BERRYエフエム栃木1994年4月1日-
群馬県FM GUNMAエフエム群馬1985年10月1日U一部のAライン番組のネットはなし。
東京都[注釈 8]TOKYO FM、TFMエフエム東京1970年4月26日RC・Uキー局
1990年9月30日までの愛称はFM東京
新潟県FM-NIIGATAエフエムラジオ新潟1987年10月1日
長野県FM長野長野エフエム放送1988年10月1日本社・演奏所は松本市
静岡県K-mix静岡エフエム放送1983年4月1日本社・演奏所は浜松市
1993年3月31日までの愛称はFM静岡
2013年3月31日までの愛称はK-MIX
富山県FMとやま富山エフエム放送1985年4月1日-
石川県HELLO FIVE、
FM石川
エフエム石川1990年4月1日U
福井県FM福井福井エフエム放送1984年12月18日-
愛知県[注釈 9]FM AICHIエフエム愛知1969年12月24日U1993年9月30日までの愛称はFM愛知
2015年4月1日 - 2019年12月23日
愛称は@FM
岐阜県FM GIFUエフエム岐阜2001年4月1日[注釈 10]本社・演奏所は大垣市[注釈 11]
2015年1月4日までの愛称はRadio 80
三重県レディオキューブ FM三重三重エフエム放送1985年6月1日RC・U一部のAライン番組のネットはなし。
滋賀県e-radioエフエム滋賀1996年12月1日RC
大阪府[注釈 12]FM大阪エフエム大阪1970年4月1日U準キー局
現在の愛称は1999年3月31日まで、
および2020年4月1日より。
2008年3月31日までの愛称はfm osaka
2017年4月2日までの愛称はFM OSAKA
2020年3月31日までの愛称はFM OH!
兵庫県[注釈 12]Kiss FM KOBE兵庫エフエム放送1990年10月1日[注釈 13][注釈 14]2003年3月31日まで独立局。
鳥取県島根県FM山陰、V-air、
FSK
エフエム山陰1986年10月1日-本社・演奏所は島根県松江市
岡山県FM OKAYAMA
FM岡山、VVFM
岡山エフエム放送1999年4月1日U-
広島県HFM、広島FM広島エフエム放送1982年12月5日RC・U
山口県FM山口、FMYエフエム山口1985年12月1日RC
徳島県FM徳島エフエム徳島1992年4月1日-
香川県FM香川エフエム香川1988年4月1日U
愛媛県FM愛媛、JOEU-FMエフエム愛媛1982年2月1日RC・U
高知県Hi-Six、FM高知エフエム高知1992年4月1日U
福岡県FM FUKUOKAエフエム福岡1970年7月15日RC・U
佐賀県FM佐賀、FMSエフエム佐賀1992年4月1日U
長崎県FM Nagasakiエフエム長崎1982年10月1日RC・U1992年4月1日 - 2007年4月1日の愛称はSmile-FM
熊本県FMK、
エフエム・クマモト
エフエム熊本1985年11月1日2005年3月31日までの会社名はエフエム中九州
大分県FM大分、
Air-Radio FM88
エフエム大分1990年10月1日U1991年9月30日まで独立局。
宮崎県JOY FMエフエム宮崎1984年12月1日-
鹿児島県μFMエフエム鹿児島1992年10月1日RC・U
沖縄県FM沖縄、JOIUエフエム沖縄1984年9月1日-本社・演奏所は浦添市
旧社名は極東放送[注釈 15]
特別加盟局
東京都の特別区の存する
区域を中心として
同一の放送番組の放送を
同時に受信できることが
相当と認められる区域として
総務大臣が別に定める区域[5][注釈 8]
interfmInterFM8971996年4月1日RC・U外国語放送[注釈 16]
2020年9月1日加盟。
同年11月1日よりJFNCの番組の一部を放送[注釈 17]
パラオエコパラダイスFMパラオ共和国国営放送1998年8月1日-国営放送局。
2003年7月23日加盟。
TOKYO FMの番組の一部を放送。
過去の加盟局
山梨県[注釈 2]FM FUJIエフエム富士1988年8月8日RC・U開局と同時にJFN加盟。
1993年に脱退し独立局へ移行[7]

未開局県

日本の民放県域FM未開局県は3県ある。

番組

番組編成の特色

JFN(F協)では、加盟局の放送割合のうち2割を自社制作番組、残り8割をネット番組とすることを想定したが、1982年のFM局の開局ラッシュに際し、経営効率化を図るために、当時の加盟10社[注釈 19]が共同出資して番組供給に特化した会社としてジャパンエフエムネットワーク (JFNC) を設立し、ネット番組の過半(加盟局の放送時間帯の半分)を担う番組を制作する形とした[1]。すなわち、同一のネットワークながら、TOKYO FM制作の番組が供給される回線(通称「Aライン」)と、JFNC制作の番組が供給される回線(通称「Bライン」)の2本の回線が存在しており、加盟局はそのいずれもネット受け出来、また任意に自社制作番組に差し替えられる体制となっている[13]

JFNC制作の「Bライン」番組は、同時放送番組である通称「B1」と、加盟局が録音して好きな時間帯に放送できる通称「B2」に分かれている。「B2」プログラムについては後にインターネット経由での音声ファイル配信方式に切り替わり、JFNCが制作した5分・15分・55分などの6種類の長さの番組ファイルをサーバーに置き、加盟局が各自ダウンロードして使う方式となっている[13]。JFN(F協)から加盟局に配布される番組配信表は、表面に「B1」プログラムのタイムテーブルが記され、裏面に「B2」プログラムが曜日と放送時間(長さ)別の一覧表として記されている[13]

「Bライン」番組の放送料は、実際に放送される番組の本数に関係なく、各局の放送収入に基づく月額制の定額契約(サブスクリプション方式)となっており、「毛布(ブランケット)をかぶせるような包括契約」の意味から「ブランケット方式」と名付けられている[1]。日本の民放テレビネットワークのように「キー局制作番組主体、朝夕にローカル番組」といった形態にしなかったことについて、設立当時 TOKYO FM の常務だった後藤亘によると、アメリカの地方ラジオ局が日本に比べて規模が小さくて参考にならず、一方でテレビ局のようにキー局が大量配信する時代でもないと考え、番組を本数単位で契約すると販売価格で番組を取捨選択する状況が想定されたことから、「文化の価値がお金で上下するのはおかしい」として定額制を導入したものだという[13]

ネットニュース

随時

ネット番組

共同制作・ブロックネット番組

特別加盟局での扱い

「エコパラダイスFM」ではTOKYO FMとJFNCの番組の一部を編成に組み込んでいる。

interfmでは東京・横浜エリアを中心にサービスエリアのほとんどがTOKYO FMと重複するため、「TOKYO FMでネットされないJFNC制作番組」に限って放送される。そのため、月 - 木曜午後帯の『レコレール』も14:55 - 15:00の『Life Time Audio〜人生のプレイリスト〜』[注釈 20]の時間帯のみの差し替えを行ったり、過去には平日早朝帯の『FUTURES』も金曜「REAL SPORTS」のみをinterfmが受けたり、平日午前帯の『OH! HAPPY MORNING』の8:00 - 8:20の部分のみノンストップミュージックに差し替える事例があった[注釈 21]。それでも全ての番組を受けるわけではないため、首都圏では聴けない番組も存在する。

アースコンシャス

エフエム東京と全国FM放送協議会はコスモ石油と共同で、環境問題キャンペーン「アース・コンシャス ―地球を愛し感じる心―」を展開している。この一環として、啓発CM「始めよう、アースコンシャス」を制作している。事務局はJFNセンター内にある。2023年4月28日まではキャンペーン番組『コスモアースコンシャスアクト 未来へのタカラモノ』(平日 6:40 - 6:45、終了時点では『ONE MORNING』内にて)も放送していた。

毎年4月22日には、日本武道館で行われる「コスモアースコンシャスアクト・アースデー・コンサート」(2012年からは「EARTH×HEART LIVE」)の模様を生放送。また、「アース・コンシャス・アクト クリーンキャンペーン」を毎年実施しており、系列局ごとに地元のクリーン活動を行い、7月には「クリーンキャンペーン in Mt.FUJI」として系列局のパーソナリティとリスナーを迎えて富士山の清掃活動を行う。

2023年6月3日からは、毎月1組のゲストを招き「マイアースコンシャスアクト」の展開を紹介する5分間のミニ番組『コスモアースコンシャスアクト 未来へのメッセージ』(土曜 10:50 - 10:55)を放送している。

共通ジングル

2001年4月1日から、TOKYO FM制作とエフエム大阪制作の同時ネット番組(一部番組を除く)の冒頭で、エフエム愛知以外の放送局でネットワーク共通のジングルJFN共通ジングル)を放送している。全国共通のBGMに乗せて、各放送局のオリジナルコールが流れる。

このジングルが使用されているのは、2023年現在、月 - 木曜は『ONE MORNING』全国枠と『ディア・フレンズ』のみで、金曜は『ONE MORNING』全国枠に加え『松任谷由実のYuming Chord』、『SCHOOL OF LOCK! FRIDAY』、『もにゅそで 知らんけどアッパー』でも使用されている。週末は『JA全農 COUNTDOWN JAPAN』などのネット番組で使用されている。

最近は共通ジングルの使用を取りやめ、局オリジナルのジングルを使用する局が増えてきている。現在は、キー局のTOKYO FMとエフエム大阪でさえも共通ジングルを使用していない。但し、この傾向と反対に、テレビCMで使用(エフエム鹿児島など)したり、自社制作番組開始直前のジングル、あるいは通常ジングルの一種として使用(エフエム香川、かつての富山エフエム放送など)する局もある。なお、エフエム愛知は開始当初から、兵庫エフエム放送は兵庫エフエムラジオ放送時代における2003年のJFN加盟以降、それぞれ共通ジングルを作成・使用しておらず局オリジナルのものを使用し続けている。

脚注

注釈

  • ^ エフエム宮崎、エフエム仙台、エフエム愛媛、エフエム石川、エフエム北海道など。ただし、エフエム北海道及び北海道文化放送の筆頭株主である北海道新聞社は先発AM局北海道放送HBCラジオ)の設立・開局にも深く関与している。
  • ^ エフエム宮崎、エフエム岩手、エフエム石川、エフエム山陰など。殊にエフエム岩手は筆頭株主のテレビ岩手と社屋を共有する他、一部のスポットニュース制作でテレビ岩手と協力関係にある。
  • ^ かつてはTOKYO FM・特別加盟局以外の系列局は全てJFNセンター内に東京支社を置いていたが、2020年頃からは移転する局が出てきた。
  • ^ かつてはTOKYO FM上空が悪天候の場合、当局からネットワーク回線が送出される場合があった(衛星通信マイクロ波は雨に弱い。)。
  • ^ a b radikoでは関東1都6県。
  • ^ radikoでは東海3県。
  • ^ 旧法人(岐阜エフエム放送)にて開局。
  • ^ 2013年8月1日設立。2014年3月2日をもって放送事業・免許人地位を旧法人から継承。
  • ^ a b radikoでは近畿地方全域(三重県除く)。
  • ^ 旧法人(現在の『株式会社 Kiss-FM KOBE(開局当時の商号は兵庫エフエムラジオ放送株式会社)』)にて開局。
  • ^ 2010年5月19日設立。同年9月30日をもって放送事業・免許人地位を旧法人(現在の『株式会社 Kiss-FM KOBE』)から継承。11月4日にJFNに加盟。ただし、番組制作・配信・供給自体は旧法人時代から継続されていた。
  • ^ 開局日は社名変更・FM波への変更日。極東放送時代はAM局でなおかつ独立局だった。なお、極東放送時代も当時のFM東京とネット関係を結び、一部の番組を放送していた。
  • ^ JFN加盟まではMegaNetのキー局だった。民放連のホームページでは現在、残る2局の外国語放送局であるFM COCOLOLOVE FMのみがMegaNetの加盟局として扱われている[6]
  • ^ 2014年3月31日までの社名はエフエムインターウェーブ、開局から2015年9月30日までの愛称および2014年4月1日から2017年3月31日までの社名はInterFM。
  • ^ 1992年に割り当てを検討されたが、NHK-FMが都県単位で(中継局を)開設している上、NHK総合テレビジョン(アナログ1ch)への干渉対策で割り当てを制限され、周波数過密で2011年7月24日のアナログ放送終了まで空きがなかったという事情もある。
  • ^ JFN(F協)設立時の4社に、エフエム北海道エフエム仙台静岡エフエム放送広島エフエム放送エフエム愛媛エフエム長崎の6社を加えた10社。
  • ^ レギュラー放送として、2021年度下半期の半年間に第1期として同時刻に放送し、一旦終了したが、2024年1月1日から第2期として1年9か月ぶりに放送を再開した。
  • ^ 実施された当時は平日という週5日行われていたが、番組自体は現在月 - 木曜の週4日として放送している。
  • 出典

    参考文献

    関連項目

    外部リンク

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