国際連合総会議長

国際連合総会の代表

国際連合総会議長(こくさいれんごうそうかいぎちょう、: President of the United Nations General Assembly: Président de l'Assemblée générale des Nations unies)は、国際連合総会代表である。

国際連合の旗 国際連合
総会議長
President of the United Nations General Assembly
Président de l'Assemblée générale des Nations unies
国際連合紋章
現職者
トリニダード・トバゴの旗 デニス・フランシス英語版(第78回)
Dennis Francis

就任日 2023年9月5日
任命国際連合総会
任期1年
初代就任ベルギーの旗 ポール=アンリ・スパーク
創設1946年
ウェブサイト国際連合総会議長の一覧(英語)

国連総会の投票によって、加盟国から毎年6月ごろに選出される。国連総会議長、あるいは単に総会議長と略して呼ばれることも多い。

選考

総会議長を輩出した国を緑で示した地図

地域の偏りを防ぐため、5つの地域グループアフリカグループアジア太平洋グループ西ヨーロッパ・その他グループラテンアメリカ・カリブ海グループ東ヨーロッパグループ)から持ち回りで議長国を選出する[1]。1956年より、同じグループから連続で議長国となった例はない。

国際連合事務総長と同様に、国際連合安全保障理事会常任理事国(通称: P5)の出身者から議長が選ばれたことはない。その他、列強・大国とされる国からも選出が避けられる傾向がある。例外としては大国とされ常任理事国入りを主張しているブラジルインドから議長が選ばれたことがあるが、これはいずれも国際連合総会が始まって間もないころのことである(1947年と1953年)。

議長国を複数回務めた国はこれまでにアルゼンチンのみで、第3回(1948年)と第43回(1988年)の2度務めている。

女性が議長を務めたことはこれまでに3度のみである。1953年、インドのヴィジャヤ・ラクシュミ・パンディット英語版が初の女性議長となった。

歴代議長

選出年国連総会議長[2]議長国地域
グループ
会期
1946ポール=アンリ・スパーク ベルギーWES第1回
1947オズヴァルド・アラニャ  ブラジルLAS第1回特別
第2回
1948ホセ・アルセ アルゼンチンLAS第2回特別
1948ハーバート・エバット オーストラリアCOS第3回
1949カルロス・P・ロムロ  フィリピンEAS第4回
1950ナスローラ・エンテザム  イランEAS第5回
1951ルイス・ポーディラ・ナーヴォ  メキシコLAS第6回
1952レスター・B・ピアソン  カナダCOS第7回
1953ヴィジャヤ・ラクシュミ・パンディット英語版 インドCOS第8回
1954エールコ・ヴァン・クレフェンス オランダWES第9回
1955ホセ・マーサ・フェルナンデス  チリLAS第10回
1956ルデシンド・オルテガ  チリLAS第1回緊急特別
第2回緊急特別
1956ナラーティップポンプラパン タイEAS第11回
1957レッシル・ムンロ ニュージーランドCOS第12回
第3回緊急特別
1958チャールズ・マリク  レバノンMES第13回
1959ビクター・アンドレス・ベラウンデ ペルーLAS第14回
第4回緊急特別
1960フレデリック・ボーランド アイルランドWES第15回
第3回特別
1961モンギ・スリム  チュニジアMES第16回
1962ムハンマド・ザファルーラッハ・ハン パキスタンCOS第17回
第4回特別
1963カルロス・ソーサ・ロドリゲス  ベネズエラLAS第18回
1964アレックス・カイソン=サッキー  ガーナCOS第19回
1965アミントレ・ファンファーニ イタリアWES第20回
1966アブドゥル・ラーマン・パズウォック  アフガニスタン王国Asia第21回
第5回特別
第5回緊急特別
1967コルネリウ・マネスク  ルーマニアEEG第22回
1968エミリオ・アレナレス・カタラン グアテマラGRULAC第23回
1969アンジー・ブロックス リベリアAfrica第24回
1970エドバード・ハンブロ  ノルウェーWEOG第25回
1971アダム・マルク インドネシアAsia第26回
1972ステインスロウ・トレプチンスキー ポーランドEEG第27回
1973レオポルド・ベニテス エクアドルGRULAC第28回
第6回特別
1974アブデルアジズ・ブーテフリカ アルジェリアAfrica第29回
第7回特別
1975ガストン・トルン ルクセンブルクWEOG第30回
1976ハミルトン・シャーリー・アメラシンゲ  スリランカAsia第31回
1977ラザー・モジソフ  ユーゴスラビアEEG第32回
第8回特別
第9回特別
第10回特別
1978インダレシオ・ライヴァノ  コロンビアGRULAC第33回
1979セリム・アフメド・セリム  タンザニアAfrica第34回
第6回緊急特別
第7回緊急特別
第11回特別
1980ラジガー・ヴォン・ウェクマー  西ドイツWEOG第35回
第8回緊急特別
1981イスマット・T・キッタニ  イラクAsia第36回
第7回緊急特別
第9回緊急特別
第12回特別
1982アーム・ホーライ  ハンガリーEEG第37回
1983ジョージ・イルーシア パナマGRULAC第38回
1984ポール・J・F・ルサカ  ザンビアAfrica第39回
1985ジェイム・デ・パニエス スペインWEOG第40回
第13回特別
1986ハムヤン・ラシド・チョドハリ バングラデシュAsia第41回
第14回特別
1987ピーター・フローリン  東ドイツEEG第42回
第15回特別
1988ダンテ・カプト アルゼンチンGRULAC第43回
1989ヨセフ・ナンベン・ガルバ ナイジェリアAfrica第44回
第16回特別
第17回特別
第18回特別
1990ガイド・デ・マルコ マルタWEOG第45回
1991シャミル・シハビ サウジアラビアAsia第46回
1992ストヤン・ガネフ  ブルガリアEEG第47回
1993ルディ・インサナリ ガイアナGRULAC第48回
1994アマラ・エシー コートジボワールAfrica第49回
1995ディオゴ・フレイタス・ド・アマラル ポルトガルWEOG第50回
1996ラザリ・イスマイル マレーシアAsia第51回
第10回緊急特別
第19回特別
1997ヘンナディー・ウドベンコ  ウクライナEEG第52回
第10回緊急特別
第20回特別
1998ディディエル・オペルティ ウルグアイGRULAC第53回
第10回緊急特別
第21回特別
1999テオ=ベン・グリラブ ナミビアAfrica第54回
第22回特別
第23回特別
第24回特別
2000ハッリ・ホルケリ  フィンランドWEOG第55回
第10回緊急特別
第25回特別
第26回特別
2001韓昇洙  韓国Asia第56回
第10回緊急特別
2002ヤン・カバン  チェコEEG第57回
第10回緊急特別
2003ジュリアン・フント  セントルシアGRULAC第58回
第10回緊急特別
2004ジャン・ピン ガボンAfrica第59回
2005ヤン・エリアソン  スウェーデンWEOG第60回
2006ハヤ・ラシェッド・アル・ハリファ バーレーンAsia第61回
第10回緊急特別
2007スルジャン・ケリム 北マケドニアEEG第62回
2008ミゲル・デスコト・ブロックマン ニカラグアGRULAC第63回
2009アリ・トレキ リビアAfrica第64回
2010ジョゼフ・ダイス スイスWEOG第65回
2011ナーセル・アルナセル カタールAsia-Pacific第66回
2012ヴク・イェレミッチ セルビアEEG第67回
2013ジョン・ウィリアム・アッシュ アンティグア・バーブーダGRULAC第68回
2014サム・クテサ ウガンダAfrica第69回
2015モーエンス・リュッケトフト  デンマークWEOG第70回
2016ピーター・トムソン フィジーAsia-Pacific第71回
2017ミロスラヴ・ライチャーク スロバキアEEG第72回
第10回緊急特別
2018マリア・フェルナンダ・エスピノサ・ガルセス エクアドルGRULAC第73回
2019ティジャニ・ムハンマド=バンデ英語版 ナイジェリアAfrica第74回
2020ヴォルカン・ボズクル英語版 トルコWEOG第75回
2021アブドッラ・シャーヒド モルディブAsia-Pacific第76回
第11回緊急特別
2022チャバ・ケーレシ  ハンガリーEEG第77回
2023デニス・フランシス英語版 トリニダード・トバゴGRULAC第78回

地域グループの凡例:

1966年以前
1966年以後

脚注

出典

関連項目

外部リンク