山形駅

山形県山形市香澄町にある東日本旅客鉄道の駅

山形駅(やまがたえき)は、山形県山形市香澄町一丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)奥羽本線山形線)のである。

山形駅
東口(2023年9月)
やまがた
Yamagata
地図
所在地山形県山形市香澄町一丁目1-1
北緯38度14分55.35秒 東経140度19分38.84秒 / 北緯38.2487083度 東経140.3274556度 / 38.2487083; 140.3274556 東経140度19分38.84秒 / 北緯38.2487083度 東経140.3274556度 / 38.2487083; 140.3274556
所属事業者東日本旅客鉄道(JR東日本)
電報略号カタ
駅構造地上駅橋上駅
ホーム3面7線
乗車人員
-統計年度-
8,737人/日(降車客含まず)
-2022年-
開業年月日1901年明治34年)4月11日[1]
乗入路線 2 路線
所属路線山形新幹線
キロ程87.1 km(福島起点)
東京から359.9 km
かみのやま温泉 (12.1 km)
(13.3 km) 天童
所属路線奥羽本線山形線
仙山線左沢線直通含む)
キロ程87.1 km(福島起点)
蔵王 (5.3 km)
(1.9 km) 北山形
備考
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西口(2022年4月)

乗入路線

当駅に乗り入れている路線は、線路名称上は奥羽本線のみである。当駅は同線上を走るミニ新幹線である山形新幹線停車駅であり、一方、奥羽本線の在来線としての愛称として「山形線」が設定されている。

また、羽前千歳駅を終点とする仙山線北山形駅起点とする左沢線の列車も当駅まで乗り入れている。この両路線は軌間1,435 mmの標準軌の線路を使用する山形新幹線及び山形線とは異なり、一般的なJR在来線と同様に軌間1,067 mmの狭軌であるため、両路線の列車は当駅 - 北山形駅 - 羽前千歳駅間では標準軌と並行して設けられた狭軌の単線を走行する。

歴史

1901年明治34年)、官設鉄道米沢駅から延伸された際に、終着駅として旧・山形城三の丸内に開業駅舎として設置され、1916年大正5年)には2代目駅舎が完成した[2]

戦後、山形駅前土地区画整理事業に則り、老朽化していた2代目駅舎を解体、民衆駅として改築する計画が策定された。新駅舎は1966年昭和41年)に総工費約5億円余りを投じ着工され、翌年地下1階地上2階の山形民衆駅が完成した。また新駅舎の延床面積の80%部分には店舗として山形ステーションデパートが開業した[3]

その後、山形新幹線開通に合わせ、橋上駅舎の新築と山形駅ビルの改築そして東側の既存都市部と西地区の新都心地区を結ぶ自由通路建設が策定され[4]、山形新幹線開通時に橋上駅舎及び旅行センターであるびゅうプラザ山形駅が開業した[5]。橋上駅舎建設費は21億円で、そのうちの51%を自治省承認を受け、山形市がJR東日本に負担(寄付)した[4]。また1993年には、総工費約130億円で建設した地下1階地上11階の「ホテルメトロポリタン山形」と地上5階のショッピングセンターである「メトロプラザ」(現・S-PAL山形)の開業によって新駅ビルは全面オープンした[6][7]

駅ビル建設に沿って、バス・タクシー・自家用車乗降場などを備えた東口駅前広場、駐輪場や駐車場の他店舗、交番山交バス案内所を設けた地上4階5層の山形駅東口交通センター[6]、及び駅ビルと橋上駅舎のほぼ中央部を貫通して駅東口と西口新都心地区を結ぶ全天候型東西自由通路「アピカ」も整備されている[8]。また2002年平成14年)に駅東口のペデストリアンデッキが完成した[8]

2020年令和2年)には駅周辺の宿泊需要に対応させるため、「ホテルメトロポリタン山形」の増築棟として南館を開業し、併せて立体駐車場を整備している[報道 1][報道 2][報道 3]

年表

駅周辺の空中写真(1976年9月)
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

駅構造

計3面7線を有する地上駅橋上駅舎を備える。

新幹線ホームは単式切欠きホーム1面2線(1・2番線)で、1番線新庄方が行止まりであり、新庄発着列車は2番線を使用する。ホーム有効長はどちらも山形新幹線7両分。ホーム新庄寄りに新幹線乗換改札口がある。なお2002年頃にこの新幹線乗換改札口は在来線改札の南に設置され、そこから在来線改札に渡って在来線利用客と新幹線利用客を分ける仕切りが存在したが、2004年夏までに撤去され現在の状態に戻った。

在来線ホームは2面5線である。3・4番線は島式ホーム1面2線で、標準軌の奥羽本線(山形線)が使用する。5 - 7番線は島式・切欠きホーム1面3線で、狭軌の左沢線・仙山線が使用しているが、2020年3月ダイヤにおいて5番線を発車する定期列車は無く(到着する定期列車はある)、臨時列車発着に利用されている。6番線は、5番線新庄方面の一部を切欠いたものである。3・4・7番線ホーム有効長は、在来線10両分ある。

発車メロディ花笠音頭が使用されている。この発車メロディには1992年(平成4年)の山形新幹線開通時からオルゴール調電子音(約25秒)が使用されていたが、2023年10月15日から山形交響楽団オーケストラによるフルオーケストラの新音源(約25秒)となった[新聞 15]

山形統括センター管理下の直営駅である。管理駅として、奥羽本線 羽前中山駅 - 袖崎駅間、仙山線 面白山高原駅 - 楯山駅間の各駅を管理している。なお、新幹線乗換口・遺失物取扱業務についてはJR東日本東北総合サービス業務委託されている。

駅舎内部には、みどりの窓口、駅たびコンシェルジュ、自動券売機指定席券売機Suica対応自動改札機駅レンタカー(駅西口)が設置されている。お客様相談室は、仙台支社管内の他駅同様、2012年1月31日限りで廃止された。売店は改札外のタクシープール前にNewDays、待合室内に土産店と駅弁売店、新幹線ホームにNewDaysがある。また新幹線乗換口前で森弁当部が駅弁の販売をしている。

各ホームにエレベーターエスカレーターが設置されている。また、新幹線ホームには、LED式の乗車位置案内表示器が1・2番線共に設置されている。

2014年4 - 5月にかけて、山形デスティネーションキャンペーンに伴って改札と周辺が改装され、観光案内所や物産店が開業した[15][報道 10][新聞 16]

のりば

番線路線方向行先備考
標準軌
1山形新幹線上り福島方面[16]当駅始発
2上り福島方面[16] 
下り新庄方面[16] 
3山形線下り天童・新庄方面 
4上りかみのやま温泉米沢方面 
狭軌
5(予備ホーム)
6左沢線-寒河江左沢方面 
7仙山線-山寺愛子仙台方面 

(出典:JR東日本:駅構内図

駅弁

もりべんなどが販売する主な駅弁は下記の通り[17]

  • やまもり弁当
  • 牛・豚・鶏の肉づくし
  • 山形特選牛めし
  • 女性のための幕の内弁当
  • みちのく弁当の旅

利用状況

JR東日本によると、2022年度(令和4年度)の1日平均乗車人員8,737人である[利用客数 1]

山形新幹線はあくまで在来線扱いのため、以下の1日平均乗車人員は奥羽本線(山形線)等のいわゆる「一般的な在来線」と「山形新幹線」の合算で公表されている。在来線と新幹線の乗車人員が分けて公表される、新青森駅仙台駅等のフル規格新幹線駅の公表方法とは異なる。

1935年度(昭和10年度)及び1994年度(平成6年度)以降の推移は以下の通り。

乗車人員推移
年度1日平均
乗車人員
出典
1935年(昭和10年)1,842[利用客数 2]
1994年(平成06年)13,350[利用客数 3]
1995年(平成07年)13,400
1996年(平成08年)13,340
1997年(平成09年)13,040
1998年(平成10年)12,650
1999年(平成11年)11,750
2000年(平成12年)11,800[利用客数 4]
2001年(平成13年)11,543[利用客数 5]
2002年(平成14年)11,306[利用客数 6]
2003年(平成15年)10,963[利用客数 7]
2004年(平成16年)11,000[利用客数 8]
2005年(平成17年)11,096[利用客数 9]
2006年(平成18年)10,963[利用客数 10]
2007年(平成19年)11,014[利用客数 11]
2008年(平成20年)10,994[利用客数 12]
2009年(平成21年)10,889[利用客数 13]
2010年(平成22年)10,562[利用客数 14]
2011年(平成23年)10,518[利用客数 15]
2012年(平成24年)10,860[利用客数 16]
2013年(平成25年)11,221[利用客数 17]
2014年(平成26年)10,654[利用客数 18]
2015年(平成27年)10,733[利用客数 19]
2016年(平成28年)10,686[利用客数 20]
2017年(平成29年)10,759[利用客数 21]
2018年(平成30年)10,728[利用客数 22]
2019年(令和元年)10,433[利用客数 23]
2020年(令和02年)6,934[利用客数 24]
2021年(令和03年)7,535[利用客数 25]
2022年(令和04年)8,737[利用客数 1]

駅周辺

山形市中心市街地は、第二次世界大戦において空襲による被災を経なかったことから城下町特有の隘路が残存され、道路交通上の問題が指摘されていた。加えて山形駅前地区においては、木造低層商店、倉庫等が密集し、都市災害の危険性だけでは無く地区発展の妨げともなっていた[3]

1961年度には山形市によって山形駅前土地区画整理事業(17.6ha)の施行が着手されるが[注釈 1]1968年に制定された都市計画法によって、防災建築街区造成事業も早期に完成させることも要求されたため、山形駅前土地区画整理事業は土地区画整理事業と防災建築街区造成事業を合併して施行することとなった[3]。土地区画整理事業に伴って1967年に駅舎が改築され、同時に駅前広場も従来比の2倍に拡張され整備された他、1969年度には駅周辺住民の利便性確保のため新設された駅前と駅裏を結ぶ幅員4.8m、延長141mの地下道が完成している[3]1970年12月に施行地における第1号の建物として大宝ビルが完成したのを皮切りにスーパーやホテル等を中核テナントとしたビルが続々と建てられた[3]1976年には土地区画整理事業が完了し、駅前大通り等も拡幅されたことから駅周辺は県都の表玄関として近代化され、駅前大通りに面した幸町・香澄町・十日町は商業集積も高まり、七日町と匹敵する商業地へと変貌を遂げた。しかし、市郊外における量販店ロードサイド店の出店攻勢に伴って、2000年代に入り売上不振に陥った山形ビブレの撤退や、山交ビル中核を担っていたダイエー山形店撤退等、駅周辺の商業環境も時代の波に洗われている。

一方、当駅西地区は鉄道輸送と連携して、1928年に山形市の誘致企業である鉄興社(現・東ソー)が工場操業を始めた。また国鉄官舎や山形機関区の他[18]、民家も立地する雑然とした地域であった。しかし、山形新幹線や高速道路の開通によって山形駅周辺を利用する人も飛躍的に増加したことから、山形の顔として機能拡大を求められていたことに鑑み、山形駅西口地区に新たな都市機能を導入し新都心地区として整備することを目的に、1993年度から山形市によって総事業費約340億円を投じ、山形駅西土地区画事業(約29.9ヘクタール)の施行が着手され[6]2002年度に事業は完了している。再開発によって、霞城セントラル(官民複合型ビル)や山形テルサ(複合施設)等が出来、市街地は駅西に拡大した。この他施行地にはホテルやマンションの立地が進んだ。

東口
西口

バス路線

バス乗り場は山形駅前ターミナル(山形駅東口の北側)と山交ビルバスターミナルに置かれている。山交ビルバスターミナルは山形駅東口から東へ徒歩5分程の所にあり、ほとんどの便が山形駅前を経由する。また西口の霞城セントラル前にもバス乗り場があり、主に山形市西部方面行きバスが乗り入れている。

のりば運行事業者系統・行先
山形駅前バスのりば
1山交バス特急:蔵王刈田山頂
高速「山形 - 鶴岡・酒田線」:酒田庄交バスターミナル
JRバス東北
高速「Zao号」:新潟駅前・万代シテイバスセンター
2空港シャトル山形空港
山交バス
1・2番の間ベニちゃんバス
  • 東くるりん
  • 西くるりん
3山交バス
4
5
山形銀行前
桜交通高速「キラキラ号」バスタ新宿横浜
山形駅西口バスのりば
山交バス
霞城セントラル前
WILLER EXPRESS高速「千葉・東京 - 山形線」:バスタ新宿・東京ディズニーランド
オリオンバス高速「オリオンバス」:東京駅・東京ディズニーランド
ジャムジャムエクスプレス高速「JAMJAMライナー」:新宿

その他

平成13年に100周年を迎える県都の玄関口の駅」として、2002年に東北の駅百選に選定された。

以前はSuicaエリア外だったため、仙山線で仙台方面からSuicaで入場して乗越して来る旅客が多く、駅構内の階段、改札口、自動券売機に「Suicaエリア外」の旨の注意ポスターなどが貼ってあった(乗越して来た場合は有人改札口で現金精算。精算証明書をもらい、後でSuicaエリア内の駅で出場処理が必要であった)。2014年4月より山形駅でもSuicaの利用が可能となったが、Suicaの発売、払い戻し、Suica定期券の発売は行っていなかった[報道 5]。2020年3月の新幹線eチケットサービスの開始に伴い、みどりの窓口にてSuicaの発売、再発行、払い戻しの取扱が開始された[20]が、一部対応駅扱いであるため、Suica定期券の発売は従来通り行わなかった。2024年3月16日より山形都市圏Suicaエリア拡大に伴い在来線における全てのSuicaサービスを開始。

隣の駅

東日本旅客鉄道(JR東日本)
山形新幹線
かみのやま温泉駅 - 山形駅 - 天童駅
山形線(奥羽本線)
蔵王駅 - 山形駅 - 北山形駅
仙山線(羽前千歳 - 当駅間は奥羽本線)
快速普通
北山形駅 - 山形駅
左沢線(当駅 - 北山形間は奥羽本線)
山形駅 - 北山形駅

脚注

記事本文

注釈

出典

報道発表資料
新聞記事

利用状況

参考文献

  • 新版山形県大百科事典発行本部事務局『山形県大百科事典』(新版)山形放送、1993年10月。 
  • 「山形新幹線開通にあわせての駅舎新築について」『新都市』 48巻、2号、都市計画協会、1994年2月。ISSN 00373761 
  • 『週刊JR全駅・全車両基地』47号、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2013年7月。 

関連項目

外部リンク